ボルダーは自然溢れるロハス発祥の街
ロハスといえば、地球環境保護と健康を重視するライフスタイルを示す言葉で、それはアメリカ西部コロラド州北部にある街、ボルダーで生まれました。その言葉の意味は、ボルダーという街を見てみると分かります。ここでは、今アメリカの中で人気の高いロハスな暮らしを実現する街、ボルダーの魅力をたっぷりと紹介していきます。
ボルダーを見下ろすフラットアイアン山
アメリカ西部コロラド州の北部にある街ボルダーは、近郊に街のシンボルともいえるフラットアイアン山を望み、街全体が約1600mの高地にあります。山の麓には、シャトークアパークと呼ばれる自然そのままの大地が広がっており、ハイキングや散策を楽しむ人や原生林や岩場に咲く花と触れ合う人など、自然と一体化した街がそこにあります。
シャトークアパークにあるダイニングレストランでは、外のテーブルに座って雄大な景色を眺めながら食事ができます。すると近くではミュージシャンが来て楽器を演奏し、自然発生的なコンサートが始まり、自然とマッチした至福の時が流れます。時には、映画の上映など文化的催しも行われていて、ボルダーおすすめのスポットです。
ロハスな暮らしを目指すボルダー
コロラド州ボルダーの街にある多くのレストランでは、農園から食卓へという考え方を元に、自家農園を運営したり牧場と契約したりと、生産者と食卓を近づける取り組みが行われています。その内のひとつ「ダイニングアンドグリーン」は、市内でも人気の有名店で、ここは「スリーリーフファーム」という自家農園を運営しています。
スリーリーフファームでは、食材の循環を徹底して行い100%自給自足を実現しています。例えば、レストランから出る生ゴミは肥料として使い、農園で出来た野菜をそのままレストランで提供しています。こうした取り組みはボルダーではごく当たり前の日常的なことで、ロハスな暮らしへのこだわりが随所に現れています。
ボルダーのオープンスペースによる緩衝帯
ロハスな暮らしを目指すボルダーの街の取り組みのひとつが、緩衝帯の設置です。消費税を上げその税金で街を取り囲むようにオープンスペースを購入し市の保有地としています。そのため、街の中はむやみやたらに開発ができなくなっています。また1976年には成長管理条例が定められ、住宅には15m以下の高さ制限が設けられています。
山の中腹にあるホテルへ向うアクセス道路は、舗装されてなくそのままです。150年前の歴史を持つ伝統あるホテルへ行くのに舗装された道路はそぐわないと市民が反対したからです。そういう主張が通るほど市民の声が強いということです。現在、ボルダーの中心部は広大な田園保全地区と自然保全地区に囲まれてそのままの姿が残っています。
ボルダーはクリーンエネルギー宣言の街
Mayor Jones of @cityofboulderCO is #Readyfor100 pic.twitter.com/L0Y1s4lpd1
— Jodie Van Horn (@loves2jodel) August 31, 2016
ボルダーのスザンヌジョーンズ市長は、2030年までに同市が100%自然エネルギーを採用することを約束すると宣言しています。ボルダーは、風力発電や太陽光発電などのクリーンで再生可能なエネルギーを採用することを約束したアメリカ17番目の街です。2050年までに温室効果ガスの80%削減を達成する戦略の一環として行われています。
米コロラド州ボルダーが100%クリーンエネルギーを宣言! https://t.co/snTzybwXyX
— 宮台真司 (@miyadai) September 13, 2016
そうした100%クリーンエネルギーを宣言した都市がアメリカにはすでに17都市もあること自体驚きですが、近年日本でも顕著に現れてきている猛暑や干ばつ、積雪や大雨、季節はずれの大型台風など異常気象が目立つ中、こうした気候変動にいち早く着眼し、国に頼らない持続可能な未来づくりに取り組んでいるのがボルダーという街です。
パールストリートモールはボルダーの中心地
RT @PearlSt_Boulder: #HappySunday Have a GR8 Day!!#PearlSt #PearlStMall #PearlStreetMall#Boulder #BoulderCO pic.twitter.com/bizBEvQD5S
— TrailRidge REALTORS (@TRrealtors) October 14, 2016
コロラド州ボルダーの中心市街地には、4ブロックに渡る観光客にも人気のおすすめの歩行者専用モールがあります。路上で演奏をするミュージシャンや大道芸人がいたり、木陰で読書をしたり、カフェで寛いだりとみんながこの公共空間を楽しんでいます。ここにいると通りというよりは、まるでテーマパークの中にいるようです。
They said #pearlstreetmall would be beautiful. They were right :heart_eyes: @bouldercolorado pic.twitter.com/MWRAHjtPnf
— Mark Sherman (@CrazyShermans) September 15, 2017
人気の観光スポットとして有名なパールストリートには、地方都市のあるべき姿があります。歩行者が安全に快適に歩き回れるよう徹底的なデザイン管理がなされ全体が公園のような雰囲気です。街路には、植樹をして花壇やストリートファニチャーを置いたり、噴水を設置したりして寛ぎを感じることが出来るような工夫がなされています。
日本の地方都市でよく見られるスターバックスなどの有名チェーン店は、ここボルダーでは全く見かけません。ここでは有名チェーン店であるが故に否定されます。ボルダーのパールストリートでしか購入できない品、ここのレストランでしか食べられないメニューなどの店が数多くあり、いずれも地元のオーナーによって経営されています。
ボルダーは色んな面でアメリカでのトップ
高地に住むと太りにくい http://t.co/YKxGK8D2p8 米軍兵を6年に渡り調査して判明。高地では低地より41%肥満になり難い。USで最も痩せてる都市が高度5430フィートのコロラド州ボルダー、最も太ってる都市が高度564フィートのウエストバージア州ハンティントン
— Spica (@Kelangdbn) April 26, 2014
アメリカ軍が兵士約10万人を対象に調査をしたところ、標高が高い所に住んでいる人は標高が低い所に住んでいる人に比べて肥満率が41%も低かったという結果が出ました。その結果、アメリカで最も肥満率が低い都市が高度5430フィートのボルダー、最も高い都市が高度564フィートのハンティントンということらしいです。
アメリカの大学町、ベスト20。
— BlogFromAmerica (@BlogFromAmerica) January 15, 2017
トップはコロラド州ボルダー。(私の住んでる町)
The 20 best college towns in America https://t.co/E9OgiiW8do pic.twitter.com/wSjUzao9bD
アメリカ経済研究所によると、アメリカの大学のある街の中でボルダーはトップに上げられています。AIERは、9つの経済的、人口統計的、および生活の質の要素を用いてそのリストをまとめ、全体のランク付け以外にも、賃料、収入、バー、レストランなど注目すべき指標の都市別の得点を掲載し最高得点にボルダーを選んでいます。
自動車からの脱却を目指すボルダー
ボルダーでは、自動車分担率を下げることにも積極的です。特に運転手が一人しかいない車は冷遇され、住宅地においては、速度制限30kmに制限するスローゾーンやスピードハンプ、ラウンドアバウトなどのロータリーが設けられています。ここでの交通違反は通常の2倍の罰金が科せられるなど、その施策は徹底しています。
観光地に恵まれたボルダー
こうした街づくりの試みが積極的に行われ、先進的な地方都市の事例として多くの視察者が世界各地から訪れるボルダー市ですが、それ以上に素晴らしく忘れてならないのが自然に恵まれたおすすめの観光スポットの数々です。それはひとえに自然と共存していこうというボルダー市民の絶え間ない自然保護の努力の成果でもあります。
ボルダークリークパス
ボルダー中心部から西側、ボルダー川に沿って造られているのが全長10kmあるボルダークリークパスです。ここでは、季節の草花や小川の流れを楽しみながら散策したり、ジョギングをしたり、サイクリングを楽しんだりと自然と一体となった爽快感を満喫できます。市内からも近いので手軽に行けるおすすめの観光スポットです。
BoulderCountyFarmersMarket
ボルダー市は大きくは、コロラド州ボルダー郡の中の市になりますが、そのボルダー郡全域の農場が出店する露天市場が開催されているのが、中心街の西側にあるセントラルパークで行われている市場です。獲れたて新鮮野菜や手作りのパン、養蜂場で出来た蜂蜜ジャムなど新鮮食材に溢れたおすすめの観光スポットです。
DairyArtsCenter
ダイアリーアーツセンターは、アート展示や演劇、パフォーマンスなど様々な芸術作品展示と舞台が一体となったおすすめの観光スポット施設で、ボルダー中心部の北西部ウォルナット通りにあります。もともとボルダーは、ヒッピーや芸術家などが多く集まる場所で、コロラド大学の学生達など芸術に高い関心を持つ人が数多く住んでいます。
ボルダー観光のおすすめ有名スポットを紹介する動画です。人気のパールストリートや近くの公園での散策やフラットアイアンへのハイキングなど自然を満喫できるそれぞれの楽しみ方が紹介されています。これ以外にもおすすめの有名スポットは数多くあり、いま全米が注目する先進的暮らし方が出来る街の様子がよく分かります。
自然と共存するボルダーの素晴らしさ
ボルダーの様々な試みは、学ぶべきものが多々あると同時に、私達の暮らし方、もっといえば生き方にも考えさせられるものがあります。旅行は時には、自分発見であり、美しいもの、楽しいことに出会うことにより本来の自分に戻れる気持ちにさせてくれます。自然と共存する街、ここボルダーにはそんな出会いが待っているかも知れません。
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