二上山は奈良で有名な登山&ハイキングコース!
二上山は奈良県にある登山やハイキングコースとして有名な山になっています。雄岳と雌岳と呼ばれる2つの山頂があります。また万葉集でその名前が出るなど、古くから多くの人に愛されている山になります。そんな二上山の概要や歴史、ハイキングコースやアクセス方法、駐車場があるかどうかについて解説します。
奈良にある二上山とは?
二上山と(にじょうざん)とは、奈良県の葛城市と、大阪府の南河内群太子町にまたがっている大きな山です。かつては大和言葉で「ふたかみやま」と呼ばれたこともあり、その名残が過去の万葉集などにて確認できます。また、その名前の通り、二上山は、北に位置している雄岳と、南に位置している雌岳の2つの山頂があります。
また、二上山の特徴として、古来から石器など武器に使われた讃岐岩(サヌカイト)と呼ばれる岩が多く眠っている山としても知られています。そのため多くの人が二上山を利用していたようで、二上山の北側の春日山付近の地域では、集落の一部を示す遺跡が多く発見されています。そのためこの近辺は「二上山北嶺遺跡群」と呼ばれます。
この遺跡からは、後期旧石器時代から弥生時代にかけての大量の剥片や、砕片、くさび型石器などが発見されており、また讃岐石を採掘するための採掘坑も発見されています。それらの歴史的価値の高さに加えて、美しい景色が見られる様子から、「大阪みどりの百選」に選出されるほど、美しい見どころがたくさんある絶景となっています。
そのような経緯から、二上山は、美しい絶景スポットとしても知られており、毎年多くの登山客や学生が、登山やハイキングコースとして利用していることも多い地域となっています。アクセスにも優れており、日帰りで楽しめるほか、周囲には温泉もありますので、比較的気楽に、登山やハイキングで訪れることが出来る地域です。
奈良にある二上山の特徴
二上山全体は、「近つ飛鳥」や「当麻寺」などをはじめとした登山&ハイキングコースとなっています。山頂の付近からは、大和平和を一望することが出来ますし、雄岳から雌岳に移動する過程では、大阪湾を一望でき、雌岳の南には、葛城山や金剛山などを眺めることが出来ますので、壮大なパノラマを満喫することが出来るのが特徴です。
また、二上山は、方角によって異なる特色のある山となっています。北側には、火山活動で出来たとされている「屯鶴峯」が確認できます。また現在は国道165号線が通っていますが、古くから交通の要所となっていた地域になります。この国道沿いには、二上山の活動や歴史を詳しく学べる「香芝市立二上山博物館」があります。
南側には、かつての交通のかなめとなっていた、「竹内街道」の一部が残されています。しかしながら現在は国道166号線が通っており、その様子を確認することが難しくなっています。そして東側にはふもとに「当麻寺」と呼ばれるお寺があります。ご利益を頂くことが出来ますので、余裕があれば参拝してみることをおすすめします。
二上山の西側になると「近つ飛鳥」と呼ばれる地域となり、陵墓や古墳などといった遺跡が数多く残されています。また「二上山万葉の森」や「大阪府立近つ飛鳥博物館」といった見どころもあります。そのため登山やハイキング中や、後には、二上山の歴史をより深く知り楽しめるようになるので、アクセスをおすすめします。
また二上山で最も有名な見どころとして、雄岳山頂には二上山城の跡が確認できます。また、神様が祀られている葛木二上神社を確認出来たり、その近くにある大津皇子の墓が見つけられます。この地域は万葉集でも題材として詠まれるほど古くから名所として知られていますので、二上山に登山やハイキングに行くときには確認しましょう。
二上山は万葉集にも登場する!
先述した通り、二上山は、万葉集にも詠まれたことがある山となっています。複数の歌が詠まれているのですが、代表的なモノとして、現在山頂にお墓が設けられている「大津皇子」の姉である「大伯皇女(おおくのひめみこ)」が彼の死を悲しんで詠んだ歌が2種あります。どちらとも哀しさや辛さを伝える和歌となっています。
彼女の弟である「大津皇子」は、国家転覆をたくらもうとしていたとされ、謀反の罪で処刑されてしまいましたが、その謀反の内容が、本当なのか誰かが彼を陥れようとして仕組んだものなのか、真偽のほどははっきりとしていません。しかし、万葉集にも彼の死を悲しむ姉の歌が残されていることなどから、陥れられたと推測されています。
一つ目が、「うつそみの人にあるわれや明日よりは二上山を弟とわが見む」という歌です。これは「現世に住んでいる私は、明日から二上山を私の弟として見て偲ぶだろう」という意味になっています。最愛の弟を失った苦しみや辛さを美しい二上山をわが弟と思うことで振り払うという姉の哀しさが万葉集に収められています。
2首目が「磯の上に生ふる馬酔木(あしび)を手折(たお)らめど見すべき君がありと言わなくに」です。これは「岸のほとりに生えている馬酔木を手折ろうと思ったけれど、見せるべきあなた(大津皇子)がいるわけではない」という悲しみを詠んだ歌が万葉集に記録されています。こんな風情のある歌が詠まれたのが、この二上山です。
二上山が登場する万葉集とは?
万葉集とは、600年後半から700年後半にかえて作られた日本に現存する最古の和歌集です。天皇や貴族だけでなく、官人や防人など身分にかかわらず詠んだ歌を4500首以上も集めているものです。歴史的にみて最も大切な史料の1つであるだけであり、100年以上かけて詠まれた歌が厳選されて残されているので、美しい歌ばかりです。
二上山の登山&ハイキングコース紹介!
二上山から登山&ハイキングをする場合、2か所の登山口がありますので、どちらから行くかによってコース内容が変わるのですが、今回は、奈良県葛城市にある「二上山駅」を出発し、二上山に登庁した後に、近鉄南大阪線の「二上神社口駅」まで向かう登山コースを紹介します。逆に行くことも可能ですので、近い方から行きましょう。
登山道の入り口である、二上山駅を出たら、雄岳と雌岳が寄り添うように2つ並んでいる姿を確認できます。産学が美しく、これから登頂する姿を見守ってくれているかのような感覚になります。登山道に向かう途中で「専称寺」がありますので、せっかくなら登頂前に参拝してから登山やハイキングを行うのをおすすめします。
二上山のコース1「専称寺」
ここにたたずんでいる「専称寺」は、浄土真宗のお寺となっており、神聖で厳かな雰囲気に包まれていますので、参拝客の気持ちを平穏にし、落ち着かせてくれます。春になると枝垂桜が満開となり、境内を美しく彩りますので、春に登山やハイキングを行う場合は、ここでゆっくりとした時間を過ごすのも趣があって風情があります。
「専称寺」を過ぎると、登山口に到着しますので、ゆっくりと登頂します。登山道はしっかりと整備されていますので、ハイキング初心者にとっても歩きやすく、また本格的な装備が無くても、ハイキングに挑戦することが出来ますので、登山初心者にもおすすめです。そのためお子さんやお年寄りの方でも安全に登ることが出来ます。
二上山のコース2「山頂」
そのまま進んでいくと、雄岳山頂に到着することが出来ます。ここには万葉集に姉の歌が掲載されている「大津皇子」のお墓があります。しっかりと参った後は、山頂付近をうろうろしてみましょう。雄岳山頂は見晴らしの良い広場となっており、日時計やベンチなどがありますので、ゆっくり休憩することもできます。
また、展望台からは大阪平野を一望できるような広大な景色を堪能することが出来ますので、山頂まで訪れたときにはぜひ展望台にも足を運んでみましょう。その後雌岳の方に向かいつつ下山をしていくと、いくつかの建造物を見られます。その中の一つ「岩屋」は、8世紀ごろに建造され、当麻の曼陀羅が織られた場所として知られています。
二上山のコース3「傘堂」
そこから少し進んだところにある傘堂(かさどう)は、奈良県の有形民俗文化財にも指定されている有名な建造物です。城下町として成長させてくれた藩主を弔うために県立された建物となっています。安楽往生を願う庶民たちが信仰の場として用いられることもあって建設された1600年中旬から親しまれていた建造物となっています。
二上山のコース4「當麻寺」
そこを少し進むと、當麻寺(たいまでら)というお寺が見られます。當麻寺は、612年に創建されたと言われており、二上山の岩屋で織り上げた「当麻蔓陀羅」が祀られている浄土真宗のお寺となっています。こちらの境内には、江戸時代に造られた美しい庭園が見受けられます。歴史的にも価値が高い寺院となっています。
當麻寺の境内には様々な花が植えられており、4月中旬から5月にかけて牡丹が大輪の花を咲かせますので、ぜひこの季節に訪れてほしい人気のスポットです。ここに咲く牡丹は、「富貴の花」と称されるほど。これらの美しい牡丹が境内に咲き誇っており、絵画で見ているかのような世界を現実で眺めることが出来ますので心が癒されます。
二上山のコース5「石光寺」
そこを少し進んでいくと、石光寺(せっこうじ)と呼ばれるお寺が見えてきます。石光寺は修験道の開祖でもある「役小角(えんのおずぬ)」が建てたお寺となっています。こちらでも美しい花々が季節を通して割いており、特に牡丹などが境内を彩り、ハイキングや登山で疲れた体を癒してくれます。2700本も咲き乱れるそうです。
二上山のコース6「二上山ふるさと公園」
二上山ふるさと公園は、広い芝生がある自然公園となっています。桜の時期は境内には桜が植えられていますので、春になると二上山を更に美しく彩ります。また梅雨の時期になるとあじさいが一面に花開きます。木製の遊具や、おもちゃ館、水辺のテラスなどもありますので、家族で二上山にハイキングに訪れて楽しむこともできます。
また公園の奥には、急勾配の石段があり、その段数は驚愕の456段。この階段を往復するような地元の方の姿も見られ、地元にもなじみの深い公園となっています。また秋には紅葉で満たされています。階段の先には、万葉学者・犬養孝氏が残した「大津皇子鎮魂の響」という鐘があり、時々風に吹かれて音色を奏でています。
この公園を過ぎると、登山コースは終了ですが、余裕があるのであれば、近鉄南大阪線の西側に位置している「千股池」に足を運んでみるのもおすすめです。ここはハイキングコースからは少し離れてしまうのですが、二上山の全景を味わうことが出来るスポットになりますので、登頂後の振り返りにもおすすめのエリアとなっています。
二上山へのアクセス方法
二上山へのアクセス方法について説明します。アクセス方法は、車か電車になります。電車でアクセスする場合は、基本的には近鉄線を利用して最寄り駅までアクセスすることになります。大阪の梅田駅からアクセスする場合、まず市営線で天王寺駅まで行き、そこでから阿部野橋駅で近鉄線に乗り換えます。そこから二上山駅まで直通です。
また二上山は、登山口と出口全く異なっているため、車でアクセスする場合は、再度同じ道を下る必要があります。そのため車で移動することはあまりおすすめは出来ません。しかし、何らかの事情で車でアクセスする必要がある場合は、「二上神社口駅」か「二上山駅」付近に向かうことで、アクセスが容易になります。
二上山に駐車場はある?
二上山登山口付近の駐車場の有無について説明します。二上山登山口には、無料の駐車場が用意されています。第一駐車場と、第二駐車場の2か所がありますので、駐車場が満車になることは少なく有料駐車場などを利用する必要がないので時間を気にする必要はありません。また駐車場の近くにトイレはあるため、登頂前には利用しましょう。
二上山の近くには温泉もあり!
奈良の二上山の近くには温泉がございますので、登山を終えた後は温泉に入って楽しむことをおすすめします。「太子温泉」という名前の温泉があり、二上山登山口から徒歩5分の場所に位置しているため、アクセスも容易です。料金としては大人1000円となっています。駐車場もありますが、タオルは持参する必要があります。
奈良で有名な登山&ハイキングコースである二上山を満喫しよう!
今回は、奈良県にある有名な登山&背筋コースである二上山について、概要や、万葉集にも紹介されているなどの歴史、アクセス方法や、登山コースの紹介などを行いました。奈良県にある二上山は、美しい自然が今なお残されており、アクセスにも優れている人気の高い登山コースです。近畿にお住いの人はぜひアクセスしてみてください。
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