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高地栽培で高品質のグアテマラコーヒー
標高1370m以上の高地で栽培されたグラテマラ産のコーヒーは、抜群の香味と味わいのある高品質のコーヒー豆として有名なおすすめのコーヒーです。ここでは、そのグアテマラコーヒーの特徴、種類、主な産地と農園などのおすすめ情報や、またスタバでも定番商品として人気の高いグアテマラコーヒーの購入方法などを合わせて紹介していきます。
グアテマラではコーヒー栽培が一大産業
グアテマラは、1523年にスペインによって征服され、1821年に独立するまでの約300年間スペインの植民地でした。そのためスペイン語が公用語として使われています。
スペインによる植民地支配時代以前は、マヤ系インディオによるマヤ文明が栄え、現在も国民の半数は先住民の子孫で構成されています。グアテマラには、その先住民の文化とヨーロッパのスペイン文化とが融合された建物や独自の文化が今も残っています。
国土は太平洋とカリブ海に面し、太平洋岸沿いには、多くの火山が分布する山岳高原地帯が広がっており、亜熱帯気候と合わせコーヒー栽培に適した地形が広がっています。
グアテマラでのコーヒーは、1770年代の初めにイエズス会の修道士によって持ちこまれ、1859年に初めて輸出をして以来、生産量、輸出量ともに大きく伸ばしています。
グアテマラにおけるコーヒーの栽培は国を挙げての一大産業で、日本で株価や為替の値動きが報道されるように、その日のコーヒー豆の値段がテレビを通じて報道されるほどです。日本は、アメリカ、カナダに次いで3番目の輸出国として主要な関係にあります。
1969年には、グアテマラ国立コーヒー生産者協会Anacafeが設立され、地理的環境や設備を詳細に分析し、生産者や加工業者への技術的支援や改善などを行っています。
グアテマラコーヒーの特徴
グアテマラコーヒーは、日本でも古くから知名度が高く人気の銘柄のひとつです。チョコレートやナッツのような甘味とオレンジやリンゴのような酸味が特徴的です。
グアテマラ産コーヒーの甘味を強く感じる重厚なボディは、深煎りにしても潰れにくく、他の豆との相性もいいためブレンドベースとしてもよく使われます。生産地毎にそれぞれ個性的な酸味を感じやすく、浅煎りシングルコーヒーとしてもおすすめです。
同じグァテマラでも産地ごとに風味が異なる点や、中煎りと深煎りで表情が全く違ってきたりする点などが、世界中の多くのコーヒーファンに愛される所以です。
その高品質のグアテマラ産を維持管理するために、グアテマラ国内の各農園では、それぞれにコーヒーの生産者組合があり、そこで安定した品質の供給を行っています。
1969年に設立されたグアテマラ全国コーヒー協会、Anacafeは国会で制定された組織であり、グアテマラ国内の75000以上のコーヒー生産者を代表する組織です。グアテマラ国内のコーヒー栽培の技術的サポートやコーヒー輸出ライセンスの発行をしています。
また技術サポートだけではななく、偽者のグアテマラ産が流通しないように、出荷の際の麻袋には、グアテマラ産の産地を証明するマークをプリントしています。
グアテマラコーヒーのブランド種類
グアテマラコーヒーは、ストレートをはじめブレンドのベースとしても適しており、果実感のある酸味と苦味のバランスが魅力です。そして同じ品種であっても、産地ごとに風味が異なるというのが、グアテマラコーヒーの大きな特徴のひとつです。まずは、そのグアテマラコーヒーの代表的な品種とブランドについて紹介します。
グアテマラコーヒーの種類1:ティピカ
コーヒー豆は大きく分けて、アラビカ種とカネフォラ種の2種類に分かれ、その中でもアラビカ種は全体の75パーセントを占めていて、市場に出ているほとんどがアラビカ種です。
そのアラビカ種の中で最も古い品種がティピカです。特徴は、甘味ときれいな酸味、またなめらかな感触の品種です。しかしこの種は生産性が低く品種改良の対象となっており、現在では生産性を重視するあまり、カツーラ等の生産性の高い品種が多くなっています。
ティピカはアラビカ種の中でも最も原種に近い品種ですが、さび病に弱い、日陰での栽培が必要、など生産性があまり良くないことから稀少価値が上がっています。
しかしその味わいは、高品質の名に相応しく、上品な酸味と甘味、そして香り高さを持ち合わせています。香り、酸味、苦味ともに強めで控えめなコクがおすすめの味わいです。
グアテマラコーヒーの種類2:ブルボン
ブルボンは、ティピカが突然変異して生まれた品種です。丸みがあり小粒なのが特徴です。ティピカ同様、さびや害虫、日光などに弱く不安定な供給のため稀少品種です。
ブルボンは、クリーンさの中にも心地よい酸味、甘味もあり、バランスの良さがあるコーヒーです。ティピカより収穫量は多いですが、ブルボン由来のカツーラ・カツアイなどの様々な品種が生まれてきており、そちらの生産性がブルボンを上回って来ています。
またブルボンは、実を完熟させると風味が変わります。黄色く完熟したイエローブルボンは、しっとりとした甘味で香りが高くまろやかでおすすめの味です。
グアテマラコーヒーの種類3:ムンドノーボ
ムンドノーボは、ブラジルで発見されたスマトラ種とブルボン種の自然交配種です。ティピカやブルボンとは違い耐病性に強いため生産性が高く安定して収穫されています。
ムンドノーボは、1943年にブラジルサンパウロのムンドノーボ地区で交配されたため、この名がつきました。実際にリリースされたのは1952年からで、サンパウロの気候風土に非常に合っており、現在でもブラジルの主要栽培品種のひとつとして人気です。
グアテマラでは珍しい品種になりますが、上品でまろやかなコクは本場ブラジルにも勝るほどの品質です。深いコクが特徴で、深煎りすることで香りや甘味が増しおすすめです。
グアテマラコーヒーの種類4:パカマラ
パカマラは、ティピカの突然変異であるマラゴジッペ亜種とブルボンの突然変異であるパーカスの交配によって生まれた品種です。生産量が少なく稀少な品種となっています。
パカマラ種の原産地であるエルサルバドルにある有名なモンテカルロ農園のものは、全てスターバックス社が購入したというほどで、いかに稀少かが分かります。
大粒の豆が特徴的なパカマラは、カカオや炒ったナッツのようなアロマ、豊かなボディと微かに感じるレモンのような酸味が絶妙なバランスを持ったおすすめの味わいです。
グアテマラコーヒーの等級
グアテマラコーヒーの等級のランク分けは、標高差の違いによって7つの等級に分けられています。標高が高い産地のコーヒー豆ほど高い等級の格付けをされることになります。
等級分けは、600m以下がGW等級、600から750mがEGW等級、750から900mがPW等級、900から1050mがEPW等級、1050から1200mがSH等級、1200から1350mがHB等級、1350m以上がSHB等級として最も等級の高い高級豆に認定されます。
この最高等級であるおすすめの高級豆グアテマラSHBのおいしさは、花のような香りと気品のあるきれいな味わいで、軽過ぎず苦過ぎず、それでいて豊かな旨みが特徴です。
その他、等級分けとは別に、有名なアンティグア地区などの産地、地区を限定した豆、管理が行き届き有名な農園を指定した豆など、独自の付加価値を付けられた豆があります。
またカップオブエクセレントのナショナルウィナーなどの評議会で入賞した豆やスペシャリティコーヒー協会認定の豆など、こちらも等級とは別に独自の評価を付けています。
グアテマラコーヒーの産地と農園
グアテマラは、大きくは北部の平地ジャングル地帯、火山が連なる高地山岳地帯、太平洋に面する海岸沿岸地帯の3つに分かれ、そこに8つのコーヒー豆の生産地があります。
レインボーマウンテンの呼び名で有名なグアテマラコーヒーの主な産地は、アンティグア、フライハーネス、アティトラン、コバン、ウエウエティナンゴ、サンマルコス、ニューオリエンテの7地区に加え、アカテンナゴを入れた8地区が主なコーヒー豆の産地です。
グアテマラのコーヒー栽培にはたいていシェードツリーが使用されており、強い日光から豆を守り高品質に育てるだけでなく、コーヒー農園が森としての機能も果たしています。
そのコーヒー農園は、中米最大規模の人工森林となっていて、今や渡り鳥の避暑地としても世界的に有名で、年間2600万トンの二酸化炭素を消費しグアテマラ人口の半分が消費する酸素を供給していると言われるほど、自然環境に配慮した生産を行っています。
またコーヒー豆の植樹によって、保水の作用もあります。コーヒー農園がもたらす水量は、グアテマラ全域の各家庭農業やグアテマラの産業を潤している一面もあります。
グアテマラコーヒーの産地1:Antigua
グアテマラコーヒー産地のひとつ、アンティグア地方は、豊かな火山性土壌をしていて、日照時間が長いけれども気温が低く、夜が涼しいというのが特徴です。
アンティグアの渓谷は、Agua、Acatenango、Fuegoという壮大な3つの火山に囲まれており、特にFuego山は、豊富なミネラルなどの栄養分を含んだ火山灰を降らせます。火山の軽石は土壌に水分を保ち、アンティグアの少ない降雨を補っています。
アンティグアで栽培される品種の種類は、ブルボン、カツーラ、カツアイなどで、エレガントでリッチなアロマと甘味がほどよいバランスを保っています。
長い歴史を持つアゾテア農園
アゾテア農園は、アンティグア地区の北部山間地にあり、その歴史は長く、今から約135年前の1883年まで遡ります。グアテマラの中でも長い歴史と伝統を持つ農園です。
アゾテア農園では、最新の技術にも積極的に取組んでいて、伝統の手法と最新技術の融合により素晴らしい品質のコーヒーを作り続けています。アゾテア農園のコーヒーは、強すぎないけれどもしっかりしたボディーが好印象で、クリーンでキリッとした飲み口です。
グアテマラコーヒーの産地2:Fraijanes
フライハーネス地区は、グアテマラにある3つの活火山のうち、最も活発なPacaya火山からの火山灰がしばしば積り、軽石を含んだミネラル成分が豊富な土壌をしています。
そのミネラル分を含んだ火山性土壌、1400から1800mの高い標高、豊富な雨量、変動する湿度、そして活火山がフライハーネス地区の特徴です。また乾季になるとコーヒー栽培に十分な日射量があるのもフライハーネス地区の大きな特徴のひとつです。
フライハーネス地区で栽培される品種の種類は、ブルボン、カツーラ、カツアイ、パチェなどで、明るく持続性のある酸味、はっきりとしたボディとアロマ香が特徴です。
グアテマラコーヒーの産地3:Atitlan
アティトラン湖は、グアテマラにある火山湖で最も大きい湖で、アティトラン湖岸に聳える壮大な火山の傾斜を利用してコーヒー栽培が行われています。
このアティトランの土壌は、4つある火山性生産地の中でも最も有機物質が多く、冷たい湖の水をかき回すように毎日吹く風が、この地方の局地的な気候を生み出しています。この風によってできる湿気の高い気候は、アティトラン地区のコーヒー栽培に理想的です。
アティトランで栽培される品種の種類は、ブルボン、ティピカ、カツーラ、カツアイなどで、すっきりしたアロマ香と柑橘系の酸味、フルボディが特徴です。
グアテマラコーヒーの産地4:Coban
コバン地区の土壌は、石灰岩と粘り気のある粘土質からできていて、コーヒー豆に適した環境の中、独特のなだらかな丘陵地帯で栽培されています。
コバン地区はグアテマラの他の産地とかなり違った特徴を持っており、1年を通して、曇天、雨天といった天候が多く、そのため非常に涼しい特徴を持っています。大西洋盆地、北方のジャングルといった熱帯の影響を受けており、5月から12月は霧に覆われます。
コバンで栽培される品種の種類は、ブルボン、マラゴジッペ、カツーラ、カツアイ、パチェで、はっきりしたフレッシュな果物の芳香と良質で調和の取れたボディが特徴です。
グアテマラコーヒーの産地5:Huehuetenango
ウエウエテナンゴ地区は、グアテマラの北西部、メキシコとの国境近く4000m級の山が聳えるクチュマタネス山脈の乾燥した起伏が激しい高地にあります。
海抜2000mというグアテマラの山岳地帯にありながらも、メキシコのテワンテペック平原から乾いた暖かい風が吹きこみ霧を発生させるため、コーヒー栽培に適しています。
ウエウエテナンゴで栽培される品種の種類は、ブルボン、カツーラ、カツアイなどで、良質で強い酸味とフルボディ、ワイニーな芳香が特徴です。
リベルタッド村にあるエルインヘルト農園
グァテマラ、メキシコ国境付近の地域、ウェウェテナンゴのリベルタッドという村に、エルインヘルトという生産から販売まで一元化したグアテマラで有名な農園があります。
そのエルインヘルト農園は1900年から続く名門で、収穫から、果肉除去、水洗処理、乾燥処理のウェットミル、脱穀、選別のドライミル、輸出まですべての工程を行っています。
さらにエルインヘルトでは、ドライミルだけでなく、コーヒーを焙煎する設備を持っていて、コーヒー焙煎豆の販売も行っています。グァテマラシティの直営カフェで直売もやっていて、まさに一元管理された世界的にも優れた素晴らしいコーヒー農園です。
収穫期に働く労働者たちが寝泊まりする建物や、食事の準備、子供を預けておける託児所、といった労働環境の整備も、非常にしっかりと行なっています。
ここまでしっかりした設備があることで、色々なトライアルから徹底した品質管理まで、すべて自社で賄えてしまう、というのがエルインヘルトの強みです。
そしてその結果が、グアテマラでのカップオブエクセレントで2006年から2012年の間に5回の1位を獲得しているという実績です。何年か続けて入賞することはあっても、5回も1位を獲得すること自体、他の農園と比較しても群を抜いています。
グアテマラコーヒーの産地6:SanMarcos
メキシコとの国境に近く、太平洋沿岸に面したサンマルコス地区は、標高1300mから1800mのところにあり、8つの地域で最も暖かく、また降水量も一番多い地域です。
時折、強烈な雨季があり、コーヒー豆の開花が8つの地域の中で最も早い地区です。雨量が多いため、ほとんどの生産者は天日干しをしてから機械で乾燥を行っています。
サンマルコスで栽培される品種の種類は、ブルボン、カツーラ、カツアイなどで、デリケートな花の香、はっきりした酸味、ほどよいボディが特徴です。
グアテマラコーヒーの産地7:NewOriente
ニューオリエンテは、標高1300mから1700mのところにあり、コバンの環境に似て、雨天、雲天多い地区です。かつての火山地であったため変成岩が砕けた土壌が特徴です。
この変成岩の影響を受けた土壌によって、ミネラル成分と他の土壌の成分とのバランスが良く、グァマラテの火山地帯とは異なるため、コーヒー果実に適した環境です。
ニューオリエンテで栽培される品種の種類は、ブルボン、カツーラ、カツアイ、パチェなどで、チョコレートフレーバーの味とフルボディ、ほどよいバランスが特徴です。
グアテマラコーヒーの産地8:Acatenango
アカテナンゴ地区では、1880年代から多くのシェイドツリーの下で栽培が行われていましたが、宝石の発見のように、2006年に8番目の地区としてAnacafeに登録されました。
国内で最も高い地点に位置する生産地で、標高は2000mを超え、森が作り出す深い茂みの中でコーヒー栽培が行われています。フエゴ火山からの火山灰が豊富なミネラル分を土壌に与えており、シェイドツリーが森林を構成して周辺の自然環境を保全しています。
アカテナンゴで栽培される品種の種類は、ブルボン、カツーラ、カツアイなどで、際立った酸味、心地よいアロマ、調和の取れたボディ、持続するフィニッシュが特徴です。
スタバでも定番のグアテマラコーヒー
スタバでもグアテマラコーヒー豆を販売していて、自宅で気軽に楽しむことができおすすめです。スタバのパッケージは、日本のスタバと国外のスタバでは異なっています。
スタバでもグアテマラコーヒーは、グアテマラアンティグアという商品名で250g入りで販売されています。ミディアムローストに焙煎され、明るいブラウンカラーの豆です。
スタバのパッケージには、上品な酸味と上質なココアの風味が調和した、深みのある味わい、と記載されていて、特に、上品な酸味という表現がぴったりのおすすめの味です。
スタバの各店舗で直接購入でき、自宅で美味しいスタバ独自のグアテマラコーヒーを楽しむことができます。料金は税別1240円で、合計金額は、税込1340円となっています。
またスタバ専用ホームページのオンラインストアから購入することも可能です。こちらは別途送料税別200円が加算されますので、全部で送料込み税込1555円になります。
またスタバには、このグアテマラコーヒーのおいしさをより一層引き立てる、ドーナッツやケーキなどおすすめのフードペアリングも用意されているので合わせて楽しめます。
グアテマラコーヒーのスタバでのフードペアリングでおすすめなのは、何といってもチョコレート系です。特におすすめなのが、発酵バターを使った生地にたっぷりのチョコレートチャンクが入ったスタバの定番スコーンで、コーヒーやラテにおすすめです。
ハロウィンやクリスマスなど、四季折々に合わせたシーズン毎のフードメニューが揃っているのも、スタバならではのオリジナルメニューで、それぞれに楽しめます。
グアテマラコーヒーで至福のひと時を
グアテマラコーヒーは、個性的な甘味と酸味を併せ持つ世界中の人々から愛されている人気の高いコーヒーです。その深いコクと味わいは、口の中に広がる芳香と共に至福の安らぎを与えてくれます。身近なところで、スタバなどでも簡単に購入することができるので、おすすめのグアテマラコーヒーで高品質のコーヒータイムを楽しんでください。
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