台北朝市とは?
台北の朝市には観光客にも嬉しい見どころがたくさんあります。東門など台北にあるような朝市は、日本でお目にかかることはできません。朝市には活気があり、屋台やローカルの八百屋が店を開いています。
台北朝市とは「市民の台所」
台北の朝市は市民の台所としての役割も果たしています。台湾では自炊する人は少なく、家にはキッチンがついていないことも多いです。女性であっても料理できない人は多くいます。
外食文化が根付いているため、台北の朝市はそんな台湾人にとって生活の一部になっています。自炊するより買った方が安くつくことはよくあります。朝ごはんは外食で済ますという習慣があれば、その分新しいお店も出てきますし、価格競争も激しくなります。
ですがそんな環境だからこそ、「食の安全」や「塩分控えめ」になど自炊に強い意識を持った人たちもいます。屋台ももちろんありますが、台北の朝市はそんな人たちが、食材を買う場所でもあります。
台北朝市が開いている時間
台北の朝市が開いている時間は7時ころから10時頃までと言えそうです。朝市で朝ごはんを買って職場に持っていく人も多いため、開く時間も早いです。
お昼までは休業となっているお店もありますし、朝の時間帯しか営業しないお店も台北の朝市には数多くあります。家族経営のお店も多いため、日本のようにキッチリとした営業時間に則っていないところも多いです。
台北朝市で売っているもの①食べ物(朝ごはん)
朝市で目をひくものと言えばやはり屋台の朝ごはんです。台湾と言えば真っ先に中華料理が思い浮かぶかもしれませんが、サンドイッチやコーヒーなど、洋風のものも多く置いています。
日本人は朝ごはんにもお米を食べることがありますが、台湾の人で朝ごはんとしてお米を食べる人は少ないです。朝市で朝ごはんを買ってそのまま移動することが多いため、手にもって食べれるような軽食に人気が集まります。
台北朝市で売っているもの②生鮮品
ローカルマーケットとしての一面も持っている台北の朝市では生鮮品も買うことができます。朝採れた新鮮な食品を買いたいという人にとっては、朝市はありがたい食材の調達先になります。
「めぼしいものが見当たらなかったら屋台で買い物」というように考えをすぐに変えられるのも、ありがたいポイントです。とりあえず朝市に行って、その場の品物の新鮮さと値段を見て決めるという人も多いです。
注意するべき点としては値札が貼られていなかったり、一斤などまとめうりの値段しか書いてなかったりもします。まとめ買いはできないという場合でも、聞いてみれば量り売りで対応してくれる場所も多いです。
台北朝市で売っているもの③洋服、靴
台北の朝市では洋服や靴なども売っています。こちらも生鮮品と同じく値札がないことも多く、交渉すれば値段を下げてもらえることもあります。洋服や靴の他には、最近ではスマホカバーの店が非常に多いです。
値下げ交渉をされること込みで、最初はそこそこ高めの値段を言われることもあります。中国語のスキルも必要になってくるため、台北朝市で洋服や靴を買おうとするのは、観光客にとっては少しハードルが高いかもしれません。
台北ナンバーワンの大型朝市「雙連朝市」がおすすめ
台北には数多くの朝市があり、どこの市に住んでも見かけることができます。その中でもおすすめなのが雙連朝市です。地下鉄(MRT)雙連駅2番出口から行くことができる大型の朝市で、連日多くの人で賑わうマーケットストリートとなっています。
雙連朝市とは
雙連朝市がおすすめされる理由はそのアクセスのよさ、規模、観光客への配慮です。よくも悪くも観光地化されており、初めての台北、初めての海外という人でも問題なく楽しめる台湾の朝市がそこにはあります。
もちろんローカルの人の生活基盤でもあるため、雙連朝市は現地の台湾人と観光客でごった返す賑やかな朝市となっています。時間は7時頃から10時頃までですが、10時頃に行くよりはもっと早めの時間に行った方が台北朝市の活気を楽しめる上、品物も多いです。
雙連朝市のおすすめ朝ごはん①水煎包の屋台
雙連朝市に来たらぜひ試してみたいおすすめの屋台、1つ目がこちらです。焼いた肉まんで皮がパリっとしているのが特徴です。日本の肉まんのように、さまざまなメニューの中から選ぶというかたちではありませんが、その分飽きのこない味になっています。
値段は1つあたり11元となっているため、およそ35円ほどです。こぶりなこともあり、食べ歩きするにはもってこいのおすすめの朝ごはんと言えます。食べきれない場合でも、後で簡単に食べることが出来るのも台北朝市の朝ごはんのよい点と言えるでしょう。
雙連朝市のおすすめ朝ごはん②とうもろこしの屋台
2つ目はとうもろこしの屋台です。とうもろこしも台北の朝市ではよく見る食材であり、屋台で人気のあるものとなっています。茹でられたとうもろこしで、日本で食べるとうもろこしとはまた違った食感が特徴です。
日本のとうもろこしに比べて甘味が少なく、雑味もその分少ない、とうもろこしらしい味と言えます。こちらは1本50元となっており、リーズナブルな値段でトライしやすいものとなっています。
雙連朝市のおすすめ朝ごはん③小洪麺線
こちらでは麺線と呼ばれるヌードルを販売しています。麺線と書くと同じ音読みであることから「めんせん」と言えば通じるように感じてしまいます。実際には「みえんしぃえん」という若干難しい発音となっています。注文の際には注意しましょう。
麺線は細い中華そばのような料理です。こちらのお店では55~85元ほどで食べることができます。台北の朝市の料理は、日本の料理と比べて小振りで安いのが特徴です。こちらも200円程でさまざまな朝市のメニューが楽しめます。
台北の人の生活が垣間見える「東門外市場」
続いて紹介するのは東門外市場です。東門市場と東門外市場があり、この2つは通りを挟んですぐ隣りにあります。1928年にできたと言われるこの東門外市場は、雙連朝市とは違いよりローカル感溢れる朝市となっています。
東門外市場とは
東門外市場は金山南路という通りに面しています。台北朝市の醍醐味である朝ごはんの種類も多く、こちらでも同じく肉や魚、野菜などの生鮮食品を売っているのも特徴です。観光客向けの朝市では売ってないような、乾物や調味料などを売っているのもポイントです。
東門外市場のおすすめ朝ごはん①江記東門豆花
東門外市場でおすすめされるのがここの豆花です。トウファと読み、豆乳プリンにタピオカや小豆などのトッピングがされているものです。おやつとして食べてもよいですし、デザート代わりに食事の〆として試してみるのもよいでしょう。
豆乳ということでヘルシーなのはお墨付きです。豆花自体の味は薄く、日本で食べるプリンのような濃厚な味というわけではありません。その分トッピングや豆乳以外の味付けがキチンとされているため、日本のプリンとは全く別の味に仕上がっています。
東門外市場のおすすめ朝ごはん②果匠正庵
果匠正庵も東門外市場で人気のあるお店です。台湾ではパン屋とケーキ屋が一緒になっていることが非常に多いです。東門のこちらでは、ちょっとつまんで食べ歩きできるようなパンもあれば、4~5人でシェアして食べるような大きなサイズのケーキもあります。
朝ごはんとしてパンを買い、ケーキを滞在先で食べる用に買って帰るのもおすすめです。甘いものが好き、ちょっとおやつをついでに買って帰りたいという人にも便利なのが台北の朝市です。朝市に来れば日常生活に必要な大抵のものを買うことができます。
まだまだある!おすすめの台北の朝市5選
台北にはおすすめの朝市が他にも多くあります。このページで紹介した市場が台北の全てというわけではありませんので、ぜひ滞在先に朝市がないか探してみてください。その中でも代表的な台北の朝市を複数紹介していきます。
東三水街市場(新富市場)
東三水街市場は台北MRTの龍山寺駅を降りて徒歩2分ほどのところにある市場です。ここらへんは昔からの建造物が多くあり、それにまつわる歴史も深いです。台北の下町とも言える雰囲気を持っているため、雰囲気が好きな人は数多いです。
またMRT龍山寺駅からは歩いて2分ほどで有名な龍山寺を見ることができるのもこの朝市によるメリットです。龍山寺は建立されてから270年も経つ、台北でも珍しいお寺です。時間的に朝市によって、お腹を満たしてからの観光もおすすめです。
士林市場
士林市場も台北で有名な市場の1つです。こちらは夜市のイメージが観光客にとっては強いと言われていますが、朝市もやっています。MRTの劍潭駅から徒歩で向かうのがお決まりのルートとなっています。
人が多く熱気があることから、夜はちょっとしたお祭りのような雰囲気で台北観光する外国人も多いです。それに比べて朝の時間はやはり屋台などの食べ物屋がほとんどとなってきます。朝と夜、訪れる時間帯をそれぞれ変えてみるのもおすすめです。
五常市場
続いて紹介するのは五常市場です。こちらの市場はMRT行天宮駅駅から徒歩15分ほどの場所にあります。数多い屋台も目を引きますが、中でも魚介のものに人気が集まるとされています。
値段も他の朝市と比べて高いというわけでもありませんし、時間も他の朝市と同じようにしっかりと賑わっています。近くに来た際はぜひ立ち寄ってみることをおすすめします。
淡水市場
淡水市場は台北でも北部に位置している市場です。淡水という名前からも予想できるとおり、以前は台北を代表する港町でもありました。ここでのおすすめはフルーツからつくられるジュースや小籠包などの中華料理です。
台北は観光客向けの区画を離れると、一気にローカル感満載の雰囲気になるエリアがよくあります。淡水市場もそういった市場の1つで、地元民のための肉や野菜、南国フルーツなどが売られています。
長春市場
長春市場も人通りの多い市場です。行き方はMRT南京復興駅から徒歩5分くらいです。どの市場もMRTの駅から歩いてすぐなのはありがたいです。上の市場と合わせてみても、朝市や夜市は台北のどこにいても楽しめるコンテンツと言えそうです。
台湾の朝市には朝の時間が終わったら、もうその日は営業しないというお店もあります。人が集まる時間に、集中して人をさばいた方が合理的という考えでしょうか。長春市場にもそういったお店が多いため、朝市の時間を逃さないようにしましょう。
台北朝市を楽しむときの注意点
常に賑わっている朝市は、私たち観光客にとってはとても魅力的です。ですが台湾もやはり外国、日本とは異なる習慣もたくさんあります。楽しく台北朝市をまわるためにも、台北朝市を訪れるときの注意点をまとめました。
台北に限らず、基本的に台湾は治安のよい場所です。そのため、大きな犯罪に巻き込まれることはごくまれで、それが台北の観光地としての人気にも繋がっています。とはいっても、人でごった返す朝市のような場所では、やはり最低限の注意は必要です。
人ごみを走るバイクに注意
人混みの中のバイクには気をつけましょう。店先に思いっきりバイクを付ける人も多くいます。朝市の時間などは特に混みますし、みんな急いでいます。道路の曲がり際や、横断するときなどは特にバイクとの接触事故が多いです。
また、停車されたバイクに対しても注意が必要です。歩道にはみ出したかたちで停められることも多いのが台湾のバイクです。停めてすぐのバイクの近くを通る場合、マフラーに足が当たって火傷してしまうこともあります。
特に人通りが多い時間のときは、人とすれ違う機会も多々あります。狭い場所ではバイクに注意することは、台北朝市を楽しむ上で非常に大切と言えます。火傷もバイクとの接触事故も、どちらも大怪我に繋がる可能性は充分にあります。
スリに注意
台北は他の外国と比べても治安がよく、女性でも安心して出掛けることができます。ですが、観光客が多く集まるような場所ではスリがでることもあります。観光気分で浮かれてしまって、簡単に貴重品を抜き取られるようなことがないようにしましょう。
特に人で混む時間には、ぶつかったりすれ違うときに注意しましょう。相手が本当にものを盗んでくるつもりでいるならば、こちらが走っておいかけても捕まらないことの方が圧倒的に多いです。地理にも明るくありませんし、荷物などを持っていれば尚更です。
台北には1年ほど住んでも、スリに会う機会はありませんでした。ですが外国人の観光客が、他の観光客の貴重品を狙うというケースもあるようです。外国にいるんだという最低限の意識は持っておくようにすると、台北の朝市をもっと楽しめるようになります。
お釣りのもらい忘れに注意
お釣りの貰い忘れにも気をつけましょう。買ってすぐに会計を済ませるタイプのお店であれば問題はあまり起きません。何をいくつ買ったかお店の人も把握していますし、何か間違いがあればこちらもすぐに気付くことができます。
気をつけておきたいパターンはお弁当屋さんなどで注文だけしておき、受け取るときに会計するようなときです。注文を言い間違えて会計額が変わってしまったり、お金を先に渡して品物を受け取ってそのまま帰ってしまったりということがないように気をつけたいです。
心配であれば、金額を先に確認してからお会計を済ませた方がよいでしょう。朝市では基本的にお金を渡したら、その場でお釣りをくれます。不要なお釣りトラブルを招きたくないという人は、あまり高額な紙幣で朝市での買い物をしないことも1つの解決方法です。
電卓を準備しておく
電卓があると会計のときもスムーズです。ローカルな台北朝市などに行くと、英語が通じないこともあるでしょう。そのときにも電卓さえあれば、すぐに相手のいう値段が分かります。値下げ交渉にトライしてみたいときにも電卓は有用です。
台湾では数字を現すときのハンドサインも、日本とは違います。台湾の人は日本人のように、両手を使って6や7などの数字を現すことはしません。こういった文化の違いからも、不安であれば電卓を準備しておいてもよいでしょう。
いちいち電卓単体を用意するのが面倒だと言う人は、すぐに電卓の画面を出せるようスマホを準備しておくのも1つです。台北では東門など有名な朝市に限らず、お店の人は観光客に慣れていることも多いです。いくらか分からないときは、電卓で数字を確認しましょう。
汚れてもよい服装で出かける
汚れてもよい服装で外出するというのは大事です。台北はどこでも人が多いですが、特に朝市などの交通量の多い場所に行くときは、汚れて困る服装は避けた方が無難です。歩道がないところや、そもそも歩道に店が出ていることも多いためです。
台北はちょっとしたスコールもよく起こります。急な雨自体も困りますし、濡れた地面の上をバイクが通ることもよくあります。台北にいるときは1番有り得るトラブルだと感じます。特に靴は汚れてもいいようなものを着用することが大切です。
不安であれば、台北についた後に安いところで履物を購入するのもおすすめです。台北にいる間市場などに行くときだけ安いサンダル等を履けば、日本から持ってきたものを汚さずに観光を楽しめます。汚れてもよい服装で出掛けることは大事です。
朝市に行っても欲しいものが買えないときもある?
台北朝市に行って、有名な屋台の朝ごはんを食べたいと思ってもうまくいかないこともあります。事前にネットで情報をチェックしたのに、買えなかったとなってしまっては悔しい思いをします。特に滞在時間の限られている観光客にとっては問題です。
台北朝市での買い物が失敗するケースとしてはどんなものがあるのでしょうか。日本とは違い、台湾ならではの事情があることも多いため、「こんなこともある」という参考例になれば幸いです。
今日の分はもう売れちゃったから店じまい
台北朝市の屋台では「今日の分はもう全部売れちゃったからないよ」と言うこともよくあります。人気の屋台に並んでまで人が買うのはこういった理由もあることが分かります。日本では考えられないことかもしれませんが、台湾では普通に起こります。
営業時間内に行っても、その日の分出す食材がもうなければ売れません。1番よくあるケースはその店の1番人気のものが売れ切れてしまい、残りのメニューからは選べるというパターンでしょうか。どうしても食べたいメニューがあるならば、早めに行きましょう。
出来るだけ廃棄を減らす目的もありますし、何よりも「その日の朝からつくってその日の内に売る」という新鮮さを重視している結果でもあります。台湾の旅行サイトでもその日に料理していることを、うたい文句にしている情報はよくあります。
家族の事情で休業日
上の見出しでも少し触れましたが、家族で屋台を経営していることが非常に多いです。お金が動くビジネスですし、経済的にも安心できます。ですがその分、「家族で旅行に行くため来週は4日休みます」というような張り紙が店先に貼られることもあります。
お気に入りのお店があったとしても、経営している家族の事情でお店をやっていないことも割とよくあります。中には「何で今日やってないんだろう」ということもあるため、ネットで事前に調べていても気をぬかないようにしましょう。
とは言え、こちらも解決のためにできることはありません。台北で朝市を訪れるときには、複数行きたいお店をピックアップしておいたり、他に見て回る観光スポットのついでに朝市にも寄るといったスタンスの方が、朝市をより楽しめるでしょう。
台北朝市で覚えておくと役立つ中国語
台北の朝市ではものを買うとき、欲しいものがあるか聞くとき、人とのコミュニケーションが必須ですよね。覚えておくと役立つ中国語にはどんなものがあるのでしょうか。やはりものの値段を聞くときのフレーズに、注目が集まります。
お店が男女へ呼びかける中国語
呼び込みとしてもし使われる単語があるとすれば、先生(しぇんしぇん)や小姐(しゃおじえ)などがありえます。妹妹(めいめい)などもありますが、中国語が話せないのでもあれば、気付かないフリをするのも1つかもしれません。
熱烈な呼び込みは台北では少ないですが、熱心に買わせようと観光客相手にハッスルしてしまう店員さんも中にはいます。市場には大量の人がいるため、全部相手をしていたら時間はいくらあっても足りません。愛想笑いで切り抜けましょう。
「どーさおちぇん?」で「いくらですか」
「どーさおちぇん?」という言葉で値段を聞くことができます。漢字で書くなら多少銭?となります。しかし発音が難しく、通じないこともあるかもしれません。中国語と日本語では文字が一緒でも、発声が異なるためです。
ドゥオと最初を強めに言うとよく通じやすくなるでしょう。完璧な発音をすることは一観光客である私たちには難しいですが、何となくでも通じれば問題ありません。
電卓とペンがあると便利
値段を聞いたときに数字を中国語で答えられることもあるでしょう。もし相手の中国語が理解出来ないなら先ほどの通り、電卓が役に立ちます。
その他にもペンがあると筆談で買い物をすることもできます。屋台の食べ物程度であれば筆談はいらないでしょうが、靴下に穴があいてしまったからどうしても今すぐ買いたい、などの緊急のときに筆談は役に立ちます。
朝市散策は台北市民の生活を堪能できる!
台北の朝市についてまとめてきました。台北には数多くの朝市があり、人口密度からも台中や台東、台南より市場は賑わっています。いろいろな屋台の味が楽しめるのは、台北観光のよいところといえるでしょう。
思い出にのこるよい旅行にするためにも、注意点もしっかりと確認しておきたいところです。特にバイクなどによる巻き込まれ事故には気をつけましょう。安全で楽しい旅行が1番です。