パワースポット!出羽三山はどんなところ?
出羽三山とは山形県にある「月山」「羽黒山」「湯殿山」を合わせた総称ですが、現在のように「出羽三山」と呼ばれるようになったのは近代以降のことです。それ以前は「羽黒三山(天台宗)」や「湯殿三山(真言宗)」など、仏教の宗派で違う呼び方をしていました。出羽三山は実際には峰続きになっています。今回は、そんな出羽三山を巡る観光ルートをご紹介します。
三山の山頂には神社がある
山形県の出羽三山の山頂には、それぞれ神社があって、これを合わせて「出羽三山神社」と呼びます。月山神社には阿弥陀如来を、湯殿神社には大日如来をそれぞれ本地仏(菩薩)としました。神社に仏教の菩薩?と思いますが、これは鎌倉時代に整備された神仏習合思想の結果、神道と仏教が共存するようになったからです。
出羽三山は、嵯峨天皇の皇子、蜂子皇子が6世紀に開山したと伝えれれています。蜂子皇子が蘇我氏から逃れるために出羽国に入ると、3本足の霊長が皇子を導いて羽黒山に登り、それぞれの山に三山の神を祀ったことに始まるとされています。
江戸時代には「東国三十三ヶ国総鎮守」とされて、熊野、英彦とともに「日本三大修験山」や「西の伊勢参り、東の奥参り」などとも言われていました。ました。出羽三山は古来より浄めの場として女人禁制でしたが、1997年に開山1400年を期して女性でも山伏修行が出来るようになりました。
出羽三山の参詣登山コースは?
山形県の出羽三山には、日程、体力などに合わせていくつかの参詣登山のコースがあります。簡単なものだと半日、三山をじっくり回る2泊3日のコースなどですが、季節や天候によってどのコースがベストなのか変わってきます。御朱印を集めるなら三山全部に登山が理想ですね。
出羽三山登山コース1:半日で弥陀ヶ原散策
山形県の出羽三山の中で一番高い月山の八合目にある弥陀ヶ原まで車、バスなどで登山して、八合目御田原神社のある弥陀ヶ原の周辺を観光するコースです。弥陀ヶ原にはところどころに大小の沼があって、湿原には遊歩道も整備されているので、1〜2時間ほどで見て回れます。
出羽三山登山コース2:1日で月山往復
こちらは弥陀ヶ原の奥、月山九合目を越えて月山を登山し、下山するコースです。とりあえず山頂の月山神社でお参りしたいという場合は、このコースになります。片道3時間で往復なので、丸一日あれば十分です。
出羽三山登山コース3:正式参拝パワースポット巡り
山形県の出羽三山は、三山とは言っても実は峰続きになっています。最高峰は月山(標高1984m)で、北に羽黒山(414m)、西に湯殿山(1500m)があります。「羽黒山が現在、月山が過去、湯殿山が未来」という三世の浄土を象徴するとして、羽黒山、月山、そして湯殿山の順序が正式とされています。
【出羽三山のパワースポット正式参拝】一日目
まずはJR鶴岡駅からバスで40分、羽黒山の石段道の入り口である随神門の最寄りのバス停で下車します。参道を歩いて行くと、途中には国宝である五重塔を見ることができます。参道は2446段の石段になっていて、周りには杉の老木が生い茂っています。
1時間ほど歩くと、月山・羽黒山・湯殿山の三神を合祀した三神合祭殿に着きます。三神合祭殿の茅葺屋根は暑さ2.1mで、日本三大茅葺の一つとされています。現在の社殿は1818年に再建されたもので、内部は総漆塗りになっています。
三神合祭殿のすぐ前には羽黒山の鏡池があります。本殿の御手洗池で、古くから羽黒信仰の中心であった池で、平安・鎌倉時代から江戸時代までに奉納された銅鏡が埋納されていることから鏡池と呼ばれています。
一日目は、羽黒山参道三の坂を登ったところにある羽黒山斎館にて宿泊します。元は「華藏院」という名前で、現在では唯一残る実際に山伏たちが住んだという建物です。この羽黒山斎館では、昔から羽黒山に伝わる精進料理を味わうことが出来ます。
【出羽三山のパワースポット正式参拝】二日目
二日目の朝、バスで月山八合目に向かいます。1時間ほどで弥陀ヶ原に着きます。弥陀ヶ原では、整備された道で1時間ほど散策を楽しむことができます。高山植物の宝庫としても知られているので、珍しい植物に遭遇できるかもしれませんね。
3時間ほど歩くと、月讀命(つくよみのみこと)を祀る月山神社に到着します。途中までは木道が整備されていますうが、山頂付近は大きな石がごろごろ転がっているの、歩きにくいかもしれません。山頂からは庄内平野や鳥海山から八幡平まで見渡すことができます。
2時間半ほど歩くと、月山に連なる湯殿山に到着、湯殿山参籠所に宿泊します。山菜と渓流魚、出羽三山名物の胡麻豆腐などの食事を味わうことができます。御神湯風呂は、日帰り入浴も可能です。
【出羽三山のパワースポット正式参拝】三日目
湯殿山神社は出羽三山の奥の院とされ、修験道の霊地、パワースポットとされています。参拝する前に裸足になってお祓いを受けなければお参りすることはできません。「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められる湯殿山神社本宮は写真撮影は禁止となっています。
湯殿山神社には社殿がなく、温泉の湧き出る巨岩が御神体です。もともと湯殿山は山岳信仰の対象で山そのものが信仰の対象になっていたので、社殿や本殿などは作られなかったそうです。湯殿山神社の参拝が終了したら、バスで鶴岡駅まで1時間15分、正式参拝ルート終了です!
出羽三山登山コース4:バスで登山・参拝
山形県鶴岡市にある、庄内交通が運営する湯殿山有料道路を使って車またはバスで有料道路の終点である「湯殿山神社参拝バス乗り場」まで行くことができ、そこから更に参拝バスで出羽三山の奥宮である湯殿山神社本宮までは所要時間約5分です。
羽黒山には、同じく庄内交通が運営する羽黒山有料道路で、羽黒山の裏参道として県道から羽黒山頂に直結しています。表参道の五重塔などは見逃してしまいますが、歩くのは辛いという方にはおすすめです。
出羽三山の閉山期間は?
出羽三山の中でつ1年じゅう参拝できるのは羽黒山だけです。月山は10月中旬までに、湯殿山は11月上旬までには閉山してしまいます。月山は7月に、湯殿山は6月に参拝者の安全と祖霊の鎮魂を祈願する開山祭が催されます。
出羽三山の観光スポット1:五重塔
出羽三山・羽黒山の五重塔は国宝で、羽黒山参道の「一の坂」入り口の杉並木の中に立っています。平将門の創建と伝えられている、東北最古の五重塔で600年前に建てられたとされていて高さは29m、近くには樹齢1000年の「爺杉」があります。
出羽三山の観光スポット2:随神門
随神門の先は出羽三山の神域となり、月山・湯殿山と続く出羽三山の玄関口とされています。明治の神仏分離の前には仁王門と呼ばれていました。この赤い山門には、悪霊を追い払ううための門番(随神)の像が鎮座しています。
出羽三山の観光スポット3:三神合祭殿
三神合祭殿は、羽黒山頂の中心にあり、出羽三山の三神を合わせて祀っています。自然の地形に合わせるように建物が配置される山岳寺院で、現在の社殿は江戸時代のものですが、それ以前の遺構も残されている重要文化財です。
出羽三山の観光スポット4:月山神社本宮
月山神社の祭神は月讀命(つくよみのみこと)で、その名前の通り月を象徴する神とされ、夜と死後の世界を司る神とされています。神社は水を司る農業と航海漁澇の神とされています。お祓いを受けてから参拝します。
出羽三山の観光スポット5:鐘楼
出羽三神神社の鐘楼は羽黒山では五重塔の次に古い建物です。吊るされている古鐘は、東大寺・金剛峰寺に次いで古く、そして大きいいものだそうです。通常、神社には鐘楼なあまりないので、これもやはり神仏習合の影響なのですね。
【出羽三山の御朱印巡り】出羽三山の御朱印は見開き!
出羽三山の魅力は、それぞれの神社や歴史、パワースポットや絶景だけではなく、ところどころで頂ける御朱印も魅力の一つです。出羽三山ではオリジナルの御朱印帳も販売しています。それぞれの山の名前が入っていて、装丁も素敵ですね。
出羽三山の御朱印は見開きサイズで、どれも豪快に見えますね。羽黒山の山門の入り口付近では、五重塔の御朱印を頂くこともできます。月山神社本宮の手前、小田原神社でも御朱印がいただけます。
出羽三山で日本古来の山岳信仰を学ぶ
山形県にある出羽三山の見どころ、巡礼コースなど色々と見てみましたが、何といってもパワースポットである出羽三山が持つ霊気を肌で感じ、日本古来の山岳信仰を目で見て肌で感じるのは素晴らしい経験になるのではと思います。国宝や重要文化財の史跡など見どころも尽きません。
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