アイルランドの基本情報
アイルランドへのワーホリはどんなものなのか、ビザの申請やかかる費用、現地での仕事や倍率などをまとめていきます。まず最初にアイルランドの地理や言語などの基本情報をまとめました。
ワーホリに適した国であるかどうか、現地の生活に馴染めるかどうかをチェックしましょう。食事や気候、物価、当選の倍率など個々人によって許容できる範囲は様々です。
アイルランドの地理
アイルランドはヨーロッパの中でも北西に位置しています。北大西洋のアイルランド島にあり、イギリスの隣りにある国です。アイルランド島の北東部はイギリス領であるため、アイルランド島の全てを領土として持っているわけではありません。
以前は北東部もアイルランドだと主張していましたが、1998年にイギリスとの間で合意がなされ、それ以降はイギリスの領土となっています。イギリスが「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」という複雑な正式名称なのはここに由来しています。
アイルランドの気候
アイルランドは北半球の中でも特に北部にあることから、ものすごく寒いとイメージする人が多いようです。これはお隣の国であるイギリスにも見られます。しかし実際はメキシコ湾流と呼ばれる暖流のため、日本人が想像するような北国の寒さはありません。
1年を通して東京よりも数度低い温度となっています。一方で「イギリス人は傘をささない」と言われるのと同じくアイルランドも降雨量が1年を通して多いです。しかしこちらも台風のような大雨ではなく、小降りの雨が短時間ぽつぽつと降るに留まります。
ロシアやカナダ北部などは雪もすごくいかにも「北国」という印象ですが、イギリスやアイルランドなどは雨のイメージがあるのもこの暖流に由来しています。ワーホリで来ても過ごしやすい気候と言えるでしょう。
アイルランドの歴史
人類がアイルランドでの生活を始めたのは紀元前7500年頃であるとされています。アイルランドはお隣のイギリスと歴史上で深い因縁があります。4世紀のキリスト教布教、8世紀のバイキングによる侵略など、イングランドからの影響を大きく受けてきました。
アイルランド、イングランド、スコットランドという3つのブリテン地域は歴史上で大きく統廃合を繰り返してきました。中でもイギリスはアイルランドへの侵攻を成功させた後に「アイルランド現地民が力をつけたらどうしよう」とも心配していました。
アイルランド人からしてみたら勝手に侵略してきた後に疑われた結果、更なる攻撃に晒されることとなってしまいました。イギリスとは歴史の上で深い関係があり、双方ともいまだに仲が良くありません。
アイルランドの言語
アイルランドにワーホリと聞くと「アイルランドってアイルランド語が話されているんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。答えはその通りで、アイルランドではアイルランド語(ゲール語)が公用語として話されています。
しかし同時に英語も公用語として使われています。アイルランドに住んでいる人は英語とアイルランド語の両方を話すことができ、道路標識や注意書きなども全て2カ国語で記されています。
アイルランドの物価
ワーホリするときに気になるのが現地の物価です。ビザの申請費用や飛行機代などは一時のものですが、現地の物価は長期に渡って関係してきます。ヨーロッパの物価は高いと言われることもあるため、物価は特に気になるところです。
残念なことにアイルランドの物価は日本と同じ、あるいはそれ以上となっています。日本では8%の消費税も、アイルランドでは23%という苦しい状況です。しかし食品などそもそも課税されないものもあります。
ワーホリってそもそもどんなシステム?
アイルランドについての基本情報が分かったところで続いてはワーホリについてです。ワーホリはワーキングホリデーの略でワーキングホリデービザを申請することで期限付きではありますが現地での長期滞在や仕事ができるビザです。
国によっても倍率や期間、申請費用は違います。アイルランドは入国日から1年間がビザの期限となっています。ワーホリビザは普段であれば数週間しかいれない外国にも長期滞在ができ、ビザの更新もいらず本来できない現地での仕事にも就くことも許されています。
ワーキングホリデーを使いたい人の中には英語などの言語を学びたい人や海外での仕事に興味があって現地で働いてみたい人、単純に海外に行って視野を広げてみたい人がおりその理由も様々です。人気の場所は倍率も高いため、倍率の低い国をあえて選ぶ人もいます。
アイルランドにワーホリで滞在するメリット
続いてはアイルランドにワーホリで滞在するメリットについてです。ワーホリで滞在できる国は日本国によって決められています。お互いの国の間でワーキングホリデーの協定が組まれている国でなければ渡航はできません。
アイルランドはもちろん日本国との提携ができているためワーキングホリデーで訪れることができます。では他のワーホリを利用できる国とアイルランドにはどのような違いがあるのでしょうか。
英語を学べる
まずは英語を学べることが第一に挙げられます。ワーホリビザを入手することでアイルランドでの滞在期間を考慮する必要は一定期間ではありますがなくなります。思う存分英語の学習や仕事に打ち込めるというのは大きなアドバンテージです。
中でも英語の学習を目的にアイルランドに来る人は多く、ヨーロッパの綺麗な発音の英語が聞きたい、現地の生活にどっぷり浸かって自分の逃げ場をなくしたいという人に好評です。
日本人が少ない
アイルランドには日本人が少ないことも一つのメリットと言えます。ワーホリにかかわらず海外に行って日本人同士で固まってしまうということはよくあります。理由としては「情報交換のためには日本人と交流するのが一番便利」であることが関係しています。
しかしアイルランドには日本人も少ないためワーホリを申請して向かった場合、アイルランド現地の人との会話をしなければいけない場面が必然と増えてきます。何事も自分で調べて分からないことは積極的に他人で聞くと言う姿勢と英語が同時に伸びます。
仕事終わりにパブで地元の人と交流できる
外国、特にヨーロッパらしい仕事終わりのパブの交流が楽しめるのもアイルランドのメリットです。アイルランドでは仕事終わりにパブでビールを飲むことが一般的であり、現地で仕事をしていれば誘われることもあるでしょう。
こういった異文化体験そのものも楽しいものですし、アイルランド現地の人との人脈もさらに広がります。日本ではなかなかできない体験が出来るのもワーホリの嬉しいポイントです。
ヨーロッパ各国へ格安で旅行できる
またアイルランドでのワーホリはヨーロッパ各国に格安費用で旅行ができるようになることも美味しいです。ヨーロッパには見るべき場所が多くあるため、できれば日本との行き来を少なくした方が費用的にも時間的にも楽です。
お金に余裕があるならばワーホリのビザを使ってメインの居住地をアイルランドに置き、数ヶ月に1回ヨーロッパ各国に旅行するというのもありでしょう。一年の間にヨーロッパを思う存分楽しむことができます。
アイルランドにワーホリで滞在するデメリット
メリットもあればデメリットも当然あるものです。アイルランドに住むということは他のワーホリ先との違いもあれば日本での生活スタイルと違うものもあります。
アイルランドで生活することのデメリットには以下のようなものが挙げられます。海外の生活というものはどうしても最初にデメリットが目に入ってしまうものです。慣れることでほとんどは解消できますが事前にデメリットを確認しておくことも大切です。
外食が高い
アイルランドでのデメリットの一つは外食費が高いことです。大体1回の外食で2640円から3400円程と言われています。日本と比べるとかなり高いと言わざるを得ません。特に最初は生活にも慣れないことから、必然と外食も増えてしまうでしょう。
これに追加してチップを置く習慣もアイルランドにはあるため、意識して外食にかかる費用を節約する必要があります。東南アジアなどの物価が安い国に比べ、医食住に関しての努力を強いられてしまいます。
天気が悪い日が多い
アイルランドに住むもう一つのデメリットとして、天気が悪いことが挙げられます。小降りの雨がいつもパラパラと降っているような感じなので、ワーホリの中でも特に観光や長期滞在を楽しもうと思っている人は予想したような生活が送れないかもしれません。
中でも偏頭痛や強烈な肩こりなど、健康状態が天気によって大きく左右されると実感している人には注意が必要です。低気圧の影響によって常に頭が重かったり自律神経失調症のような症状に襲われる人もいます。
家探しが大変
アイルランドに住む場合、日本よりも格段に住居を探すことに苦労します。というのも日本や一部の東南アジアを除いて特にヨーロッパにはワンルームが極端に少ないからです。自然とルームメイトと一緒に借りる家を探すことになります。
しかしアイルランドについてまもなくは人脈も薄く家の探し方も分からないでしょう。インターネットで家やルームメイトを探す方法ももちろんありますが、大家とのコミュニケーションに苦戦したり赤の他人といきなり同居と言うケースもよくあります。
アイルランドのワーホリ情報
続いてはアイルランドへのワーホリビザの申請についてです。必要な情報を記載した書類を提出し、通ればアイルランドへワーホリに行くことができます。しかし条件や倍率などもあり、必ずしも希望すればアイルランドに行けるとは限りません。
人によってはこれから先一生ワーホリという制度を使えない人もいます。ワーホリの細かい制度は国によって違うこともありますが大枠は大抵一緒です。アイルランドのワーホリに行けない場合は他の国も行けないと考えてよいでしょう。
ワーホリビザの申請資格
アイルランドへのワーホリビザの申請資格として9つの条件が課されています。大事なのは「日本に居住していること」「18歳以上30歳以下であること」「50万円以上の預金証明書があること」「滞在期間中をカバーする保険に入っていること」などです。
「以前アイルランドにワーホリで行ったことがない」こともポイントです。18から30までの間で50万円の預金があり、保険に入っていて以前ワーホリを利用していない日本居住者と、なかなかハードルが高いとも言えるかもしれません。
保険などは手続きに時間がかかることや、2度目は使えないこと、外国から外国へワーホリで渡ることはできないこと、何より年齢制限があることを覚えておきましょう。
ワーホリビザ申請の必要書類
ワーホリビザ申請に渡って必要な書類は数多いです。事前の申請許可のEメール、申請書、写真、パスポートの原本、パスポートのコピー、英文の履歴書、英文の卒業証明書、英文の残高証明書、医療保険証券、航空券などが全て必要です。
英文の履歴書は自分でつくることができますが、卒業証明書などは母校に頼まなくてはなりません。残高証明書などにしても、発行まで時間がかかるものが多いため計画的に申請を運んで行く必要があります。
ワーホリビザの申請方法
ワーホリは必要書類は多いですが、申請方法はシンプルです。まず最初に申請書をEメールで提出し、その後に上記の提出すべき書類を大使館に提出する必要があります。
最初の申請書提出の後でアイルランド大使館による審査があり、その後全ての必要書類が揃っていれば晴れてワーホリビザの発給となります。倍率が高い場合は最初の段階で落とされるため、残高証明書や履歴書が無駄になることはありません。
ワーホリビザの倍率
ワーホリビザの倍率ですが2019年の発給人数は400人と決まっています。アイルランドの倍率は低く、オーストラリアやカナダ、イギリスなどが人気のワーホリ先となっています。倍率を気にする人にとってもアイルランドはおすすめと言えるでしょう。
アイルランド1つに絞らずとも、倍率の高い国を優先して応募し落ちたら倍率の低い国にワーホリに行くという方法もアリでしょう。年齢制限があるため、後でワーホリにいこうと思っても倍率の高い国はその分行きにくいです。
アイルランドのワーホリで働ける仕事例と賃金の目安
続いては日本人がアイルランドのワーホリに入った場合に働ける仕事についてです。アイルランドなどの海外で仕事ができる経験はワーホリならではの魅力であり人生を通しても貴重な経験になることは間違いありません。
その一方で当然のことながらワーホリ中の仕事は日本で言うバイトとなります。賃金のみで見れば日本よりも割のいい仕事も多いですが生活費もそのぶん日本よりかかることを忘れてはいけません。アイルランドで日本人ができる仕事には以下のようなものがあります。
日本食レストラン
ワーホリでできる仕事の中でも一般的なのが日本食レストランです。日本食レストランに勤める際にはどのような日本食でどのような調理方法がされているのかなどを英語でお客さんに聞かれることもあります。
ホールスタッフとしての働き方がメインなので、お客さんとコミュニケーションを取れる程度の英語力は必要です。アメリカやオーストラリアなどと比べてアイルランドでは日本食レストランが少ないと言われています。時給は1000円から1250円ほどです。
ハウスキーピング
ハウスキーピングもワーホリ経験者に人気の仕事です。ハウスキーピングはホテルの清掃員です。肉体労働ではありますが必要以上のコミュニケーションはいらないため、英語力に自信がない人でもできます。
時給は1130円から1380円ほどです。日本で過去に経験がある人はもちろん、全く経験がないという人でもハウスキーピングは需要があります。体力に自信がある人にはおすすめです。
パブスタッフ
パブのスタッフもアイルランドのワーホリでは人気のある仕事の一つです。日本食レストランよりもさらにコミュニケーション能力と英語力が求められます。アイルランドらしい仕事と言えます。
時給は1130円から1500円ほどとなっており、日本と比べてもバイトとしてみれば高い賃金と言えるでしょう。パブ文化の盛んなアイルランドにおいてパブスタッフは一般的な職業です。
事務・コールセンター
事務やコールセンターの仕事もありますがこちらはフルタイム、あるいはそれに近い形での勤務となります。「海外で働いてみたい」と言う働くことに主眼を置いたワーホリをしたい人に特にオススメです。
コールセンターの仕事はアイルランドのみならず全世界にあります。英語が喋ればアイルランド以外の外国でも仕事になることが強みです。時給は1260円から1630円となっています。拘束時間が長くそのぶん給料も高いです。
アイルランドのワーホリに必要な費用
最後に最も大切なワーホリの費用についてまとめました。ワーホリにかかる費用はアイルランドでも他の国でもあまり違いがありません。アイルランドにワーホリに行くことを最終的には諦めた場合でも他の国に応用がきくでしょう。
いざワーホリに行こうとすると、思わぬところで出費がかさむのはよくあることです。どんなに調べても予想外の出費をゼロにすることはできませんが、事前に調べておくことで大まかな費用を見積もることは十分可能です。
ワーホリビザの申請料
まずはワーホリビザの申請費用を払う必要があります。アイルランドへのワーホリ一年間の申請料は60ユーロとなっており日本円にすると7900円となります。
これを払わなくてはそもそもワーホリに行けないため、必要な出費と言えるでしょう。航空券などと違い自分で管理調整することができない項目です。しっかり払っておきましょう。
往復の航空券代
アイルランドへ渡るための航空券も事前にとっておく必要があります。予定している渡航日までに全ての手続きを終わらせなければならないため、期間には余裕を持っておきましょう。
往復航空券は12万円から25万円ほどとなっています。観光の場合は帰りの航空券も取っておく必要がありますが、ワーホリの場合は行きの航空券だけで大丈夫です。1年先の航空券を買うよりも片道の航空券を買っておくことをおすすめします。
海外保険料
海外保険の費用もワーホリに必要なものです。こちらも保険会社によってランクやプランの違いがあるため一概には言えません。おおよそ15万円から25万円で1年間の海外保険と考えて良いでしょう。
クレジットカードに無料の海外保険が付帯しているカードもありますが、ワーホリの場合はこれを使うことができません。事前に1年分の海外保険にまるまる加入しておく必要があることを忘れないでおきましょう。
語学学校の学費
アイルランドに行った後、語学学校に通う人もいるでしょう。現地の語学学校で外国人と直接話す機会を持ってるのは大きいことです。アイルランドでは1ヶ月の語学学校の費用としておよそ8万円から15万円ほどかかります。
単純に10万円として計算した場合半年で60万円となります。語学学校だけでも結構な出費になるため、「仕事しながら英語を身につける」のか「日本で語学学校に通ってからアイルランドに行く」のかなど総合的に考えることが時間とお金を無駄にしない近道です。
滞在費
滞在費は人によって最も金額が異なってくるジャンルです。ここでの滞在費は家賃を指しています。一人暮らしをするのかルームシェアをするのかホームステイにするのか多くの選択肢があります。外国での治安にどれだけお金を割くかも人によって異なってくるでしょう。
参考までにシェアハウスにかかるお金は1ヶ月で6万円とされています。一人暮らしになると13万円から15万円ほどと日本よりも高い金額を求められます。ホームステイの場合は8万円から12万円ほどとなっています。
生活費
最後に生活費ですが1ヶ月に6万円から10万円ほどかかると言われています。こちらも人によってどれくらい外食をするか、何を食べるかによって大きく異なってくるでしょう。
パブでビールを一杯飲んだ場合500円から900円します。日本では一食食べられるほどの値段になるため、アイルランドのパブ文化にどれぐらい傾倒するかも生活費を大きく左右します。
ワーホリでアイルランド生活を満喫しよう!
アイルランドでのワーホリにかかる申請書類や費用、現地でできる仕事や倍率についてまとめてきました。アイルランドでは物価が高く、生活費も日本と同じかそれ以上かかることが分かっています。
そのため「日本でお金を貯めてワーホリをする」と考えるよりは現地で働きつつ職場で英語を覚えるような働き方がコスパがいいと言われています。自分に合ったワーホリの方法を見つけてアイルランドを思いっきり楽しんでください。
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