台湾彰化県の鹿港で1日楽しもう!
彰化県鹿港は、彰化平原の北西部にある小さな街です。面積は約39k㎡で、東京都の江東区程度の広さです。かつては港町として繁栄し、その当時の街並みがそのまま残っていることから、古の都、古き良き台湾を感じることができる街として一躍人気の観光スポットとなりました。1日楽しめる、小さな街にギュッと凝縮された見どころやグルメを紹介していきたいと思います。
彰化県鹿港の歴史
彰化県鹿港は、1785年から1845年頃の間、中国福建と交易する港町として栄えていました。「一府、二鹿、三孟甲」(一に台南の安平、二に鹿港、三に台北の萬華)と称されるほど繁栄し、当時の人口は約10万人で、台湾第二の都市として台湾文化史上の「鹿港期」を築き上げました。ちなみに現在の人口は約8万6千人程度です。
鹿港老街、キョンシーでそう!! pic.twitter.com/R8ij2C7jM2
— aim (@7211Mia) June 22, 2017
港町として繁栄した彰化県鹿港ですが、しだいに天然の港湾に河川の堆積物が蓄積し、日中戦争後は中国との貿易が断たれたこともあって、その繁栄に終止符が打たれることとなります。縦貫線鉄道が西側の彰化に設置され、鉄道輸送網から外れたことも衰退の一因とされています。
彰化県鹿港へのアクセス方法は?
台北から鹿港へのアクセス方法
台北から鹿港へのアクセス方法としてメジャーな手段を紹介します。1つは、台北駅から高鐵台中駅まで高鐵台湾新幹線を利用するアクセス方法です。台北駅から高鐵台中駅までの所要時間は約1時間、台中駅から鹿港まではバスを利用し、所要時間は約1時間。合わせて約2時間程度です。
もう1つは、台北駅から彰化駅まで台鐵列車を利用するアクセス方法です。台北駅から彰化駅までの所要時間は約2時間半、彰化駅から鹿港まではバスを利用し、所要時間は約30分から50分。合わせて約3時間から3時間半程度です。写真は、彰化から鹿港までのバスの乗車券です。
台中から鹿港へのアクセス方法
台中から鹿港へのアクセス方法としてメジャーな手段は、バスを利用するアクセス方法です。上で紹介した、台北から新幹線を利用して台中にでる方法の、台中から鹿港までのバスと同様のものです。所要時間は約1時間と書きましたが、実際には交通事情により2時間かかることもあるそうです。バスの本数も1時間に1、2本しかないため注意が必要です。
彰化県鹿港の人気観光スポットその1「九曲巷」
昔の街並みが今も残る路地「九曲巷」
台湾旅行をネットで調べていた中で見つけた鹿港(ルーガン)良かったです♪台中からも距離あったけど行って良かった(*^ ^*)九分のようなレトロ雰囲気が好きなら鹿港いいと思うな。迷路みたいな街並みがいつまでも残りますように!#台湾 #鹿港 #レトロ #迷路 pic.twitter.com/tmPyFeUZmT
— 清かほり (@qingxiang_syk) June 7, 2017
細いT字路や曲がりくねった道が多く見られる鹿港。その中でも有名なのが、港町として栄えた当時の形がそのまま残っている「九曲巷」です。九降風という東北季節風が吹くことから、強風や砂埃を防ぐために作られた道だそうで、両側レンガ造りの壁になっています。昔は出入り口に扉があり、不審者の侵入を防いだり、防寒空間として使われたそうです。
路地の中でも特に人気のスポット「摸乳巷」
その細道の中でも、特に狭くて有名なのが「摸乳巷」。摸乳巷は「胸に触れる小道」という意味で、大人1人がなんとか通れるぐらいの幅の狭い道です。最も狭いところでは幅70cm以下しかなく、もし女の人とすれ違ったら胸に触れてしまうね、という発想からつけられた名前だそう。レトロ感たっぷりで昔の街並みを感じられる人気の観光スポットです。
彰化県鹿港の人気観光スポットその2「鹿港龍山寺」
台湾の紫禁城
鹿港にある歴史のあるお寺 pic.twitter.com/cQVSMHof4r
— 永井史弥 (@fumiyan0331) May 11, 2017
こちらの写真は、「鹿港龍山寺」。台湾には有名な龍山寺が5個あり(他の4個は、台北の萬華、台南の府城、高雄の鳳山、新北市の淡水)、鹿港の龍山寺もそのうちの1つです。清朝初期の1653年に建立されたと伝えられており、1786年に今の場所へ移されたそう。その後1831年には地元の名士たちにより規模が拡大され、修復を重ねながら今日に至っています。
鹿港龍山寺は、四進三院の建築様式で「台湾の紫禁城」とも呼ばれており、台湾に残る清朝の建築物では最高の建物だと言われています。優美で独特な格式あるお寺として知られ、現在は「一級古跡」にも認定されています。屋根などは修復されていますが、数々の彫刻や絵は当時のまま残されており、特に、八卦藻井と呼ばれる天井(上写真右下)は、保存状態が一番良い最古の作品だとされています。
彰化県鹿港の人気観光スポットその3「鹿港天后宮」
華やかな廟
こちらの写真は、「鹿港天后宮」。天后宮とは媽祖を祀ってある廟のことで、媽祖は海の守護神なのだそうです。清朝の初期に建立されたと伝えられており、当時の清朝が首尾良く台湾を手に入れることができたのは、媽祖のおかげだと言われています。その時の神像が鹿港天后宮に祀られているのだそうです。
台北の有名な廟では環境保護のために線香を減らしたり、廃止したりしているが、鹿港天后宮では1つの香炉に3本とかで大盤振る舞いである。 pic.twitter.com/zConhFn5P9
— 一周(外向きは前向き) (@atw01) March 18, 2017
現在の天后宮は、1936年に再建されたものだそう。入り口にはゴールドの門がそびえ、付近には屋台や商店が立ち並び、龍山寺と比べるととても華やかな印象です。清朝歴代の皇帝などから贈られた横額が、貴重な文化資産となって保存されている一方で、廟内には廟グッズ店やガチャガチャ、携帯電話なども売られていて、今昔入り交じった人気の観光スポットとなっています。
彰化県鹿港の人気観光スポットその4「鹿港民俗文物館」
鹿港一の豪邸
こちらの写真は、「鹿港民俗文物館」。鹿港民俗文物館は、台湾5大財閥の1家である辜顯榮氏の邸宅跡です。左右対称のバロック式洋館で、1919年に完成したこの建物は、かつて「小さい総統府」と呼ばれました。3階建ての建物と美しい庭があり、1階と2階が展示室となっています。
美しく豪華な装飾が施された建物自体も素敵ですが、中に展示されている品々も素晴らしいものばかりです。辜ファミリーの所有していた書画、文物等のほか、一般庶民から提供された文物まで合計6000点を超える所蔵品が展示されています。上の写真は、日本統治時代のティースペースだそう。付近には当時わざわざフランスから取り寄せた夫人用のベッドなども展示されており、当時の豪華な生活を垣間見ることができます。
彰化県鹿港の人気観光スポットその5「老街」
鹿港のレトロな雰囲気を満喫!
「老街」とは、清朝時代または日本統治時代に造られた街並みの総称です。鹿港の老街は、埔頭街、瑤林街、大有街にまたがるエリアのことを指しています。道の両側にはレンガや木造の家屋が立ち並び、茶芸館やお土産屋などの商店もたくさんあります。ノスタルジックな雰囲気を楽しみながら街を散策しているだけで、1日が過ぎてしまいそうですね。
彰化県鹿港でご当地グルメを味わう!
世田谷「鹿港」の元祖!阿振の肉まん
鹿港〔阿振肉包〕。世田谷の〔鹿港〕の主人が修業しておられた店。ふかふかで口どけの良い生地は同じ、中身は若干ジューシー。全体に世田谷よりすこし甘いくらいで、かなり似ている。鹿港に来たのは(もしかすると、今回台湾に来たのは)ここに来るため pic.twitter.com/PyoyGSpL19
— YOSHINO Hiroki (@ysnhrk) May 24, 2015
龍山寺付近にある「阿振肉包」。現在は8代目が切り盛りする老舗で、肉まんや中華蒸しパンが大人気の有名店です。肉まんは1個20元から(1元は約3.7円。2017年6月現在)。その美味しさから、お店には連日行列ができるほど。肉汁タップリでジューシーな肉まんは、ちょっと小腹がすいた時にピッタリですね!
この「阿振肉包」の肉まんの美味しさに魅了され、同店で修行をし、外国人として初めてのれん分けを許された日本人の小林貞郎さんが、東京都世田谷区で「鹿港」というお店を開いています。元祖「阿振肉包」の味を受け継ぎ、こちらのお店も人気のグルメスポットになっています。
台湾のB級グルメ!牡蠣の卵とじ「蚵仔煎」
鹿港の名物料理と言われる「蚵仔煎」。これは牡蠣の卵とじのことで、サツマイモ粉で作った生地をベースに、牡蠣や小白菜をのせて卵でとじた料理です。台湾のB級グルメランキングの上位に常に入ってくるという人気料理だそうで、甜醤という少々甘いソースをかけて食べます。写真は、この蚵仔煎の元祖店で約50年の歴史がある「輝鴻蚵仔煎」のもの。
鹿港名物の台湾バジルとシャコの唐揚。台湾定番の蚵仔煎は見た目と違ってタレが甘い。何度食べてもこの色と味の出どころが解らない(笑) pic.twitter.com/VpIQ3IoTh0
— 21g (@c_bamon) February 8, 2016
蚵仔煎の元祖店である輝鴻蚵仔煎は、元々は天后宮前で屋台からスタートしたのだそうです。天后宮付近にはこういったシーフード料理のお店が多数あり、もちろん屋台でも手軽に海鮮料理を楽しむことができます。街の散策の途中に気軽に美味しいB級グルメを味わってみてはいかがでしょうか。
鹿港名物の伝統菓子「牛舌餅」
台湾の鹿港のお土産、牛舌餅を食べたー。お餅じゃなくてパイみたいな感じ。優しい甘みでとても美味しいです。 pic.twitter.com/hWGImaSZdu
— ラムネ (@ramune180) March 27, 2015
「牛舌餅」とは鹿港を代表する昔ながらの銘菓です。その形が牛の舌に似ていることから、ストレートに「牛舌餅」と名づけられています。昔ながらの菓子ですが、実際のところはいつ頃から牛舌餅が作られていたのか、はっきりとはしていないのだとか。お手軽に食べられる菓子として、お土産にもピッタリです。
牛舌餅は、小麦粉、蜂蜜などを練った生地に、麦芽糖入りの餡を包んで丸め、それを伸ばして焼いたお菓子です。鉄板で焼くと中の麦芽が膨らんで、薄かった生地がみるみるうちにぷっくりとしてきます。外はサクサク、中はほくほくの食感で、その素朴でシンプルな味が癖になるんだとか。焼きたてはお餅のような食感ですが、冷めると少し硬くなるので、お土産で食べるときにはトースターで少々温めると良いんだそう。
古今の魅力溢れる彰化県鹿港を満喫しよう!
ここまで台湾の彰化県鹿港について、人気の観光スポットやグルメ情報などをお届けしてきましたがいかがでしたでしょうか。清朝時代の歴史的建造物が数多く残る鹿港。日頃の喧騒から少し離れて、ちょっとタイムスリップしたような感覚に浸ることができる素敵な街ですね。鹿港には今回紹介しきれなかった観光スポットやグルメもまだまだあります!台湾の彰化県に行く際には是非、鹿港にも足を運んでみて下さいね!
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