南天宮とはどんなところ?
南天宮は台湾にある地獄をモチーフとしたおすすめの観光地です。日本では採算の問題でしょうか、あまりテーマパークとして人気になることのない地獄ですが、南天宮は手作り感あふれる魅力の観光スポットとして国内外の人気を集めています。
台湾の観光はB級グルメやお寺巡りなど、テンプレート化されているものが多いです。そういった観光も確かに安全で面白いのですが、現地のローカル感を肌で感じることが難しいです。全ての値段が観光客向けに釣り上げられていることにげんなりする人もいるでしょう。
南天宮はそんな観光に飽きてしまった人におすすめです。手作りならではのひょうきんさや、良い意味で期待を裏切られるのは個人制作の魅力といえます。南天宮で表現されている地獄や日本の地獄との違い、南天宮への行き方などをまとめました。
台湾にある地獄をテーマにしたおすすめの観光テーマパーク
台湾の中でも地獄をテーマとしたアトラクションや観光施設は多くありません。しかし台湾人はアートや流行など自分自身を表現する手法に優れています。南天宮でも見られるような個性的でどこか面白さのあるローカル感はとても楽しい観光の思い出となるでしょう。
台北からも電車で向かうことができるので、台北観光のついでに台中の辺りを見てみたいという人には楽な行き方となるでしょう。台中に観光で訪れる予定があるという人には黒に候補の中に入れてもらって考えてもらいたいおすすめスポットです。
南天宮のような地獄は日本にあるの?
南天宮についての概要が分かったところで、このようなテーマパークは日本にもあるのかどうかについてです。南天宮は台湾にありますが、日本はどうなのでしょうか。日本にはお化け屋敷は数あれど、「地獄」にこだわったテーマパークはあまり聞きません。
テーマパークは楽しい気持ちにさせること(と料金をとること)が目的ですから、おっかなびっくり体験ができるお化け屋敷はまだしも、地獄をコンセプトにしたテーマパークは人気が出ないように感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし日本にも地獄はありました。富山県や静岡県など都市圏から少し外れた、スペースを広く取れる場所にあることが分かりました。台湾に行く前にまず近場のこちらを訪れてみるのもおすすめの行き方です。日本にも残業や人間関係以外の地獄はあるのです。
富山県まんだら遊苑
富山県にあるまんだら遊苑は日本でも珍しい公営の地獄です。公営の地獄と聞くとすごくシュールに聞こえてしまいますが、その分安心できるとも言えるでしょう。富山に来たらぜひ立ち寄っておきたい、おすすめの観光地です。
まんだら遊苑は天国、地獄、その2ヶ所を繋ぐ陽の道、という3つのテーマによって構成されています。台湾の南天宮と違い、天国もセットとなっています。両方に訪れて、日本と台湾で地獄の違いを調べてみるのもよいかもしれません。
静岡県伊豆極楽苑
静岡県の伊豆という、観光に適した立地に存在するのがこちらの伊豆極楽苑です。極楽という名前がついているにも関わらず、地獄を体現しているのが特徴です。国内の珍スポットとしても有名で、メディアに取り上げられたことも複数回あります。
伊豆極楽苑は家族経営のため、南天宮にも似た手作り感溢れるユーモアが持ち味です。「南天宮には行ってみたいけど台湾まで行く時間やお金がない」という方にはこちらもおすすめです。伊豆のため、首都圏に住んでいる人にとっても行き方はより簡単でしょう。
石川県ハニベ岩窟院
最後に紹介する国内の地獄は石川県小松市にあるハニベ岩窟院です。伊豆の極楽苑と同じようにこちらも手作り風味満々さが魅力です。同じテーマパークでも遊園地などと違って、地獄に対する「個人の熱意」のようなものが感じられるのがポイントです。
こちらは観光地として開発されたわけではなく、元々はお寺だったところに仏像をはじめとする石像がつくられたのがきっかけといわれています。岩窟院の名の通り、洞窟の中に閻魔大王など地獄を象徴する石像達が飾られています。
台湾の地獄は十八に分かれている?
南天宮は地獄を再現したテーマパークだということでしたが、台湾と日本では地獄に対する考え方も少し違います。同じアジア圏なのでヨーロッパや中東ほどの違いはなく、台湾と日本の間でも地獄に対する考え方に共通点が見られます。
その中でも特徴的なのが「台湾では地獄を18に分ける」というものです。日本では8つに分けられると言われており、生前犯した罪の数や重さによって血の池地獄や針山地獄などどの地獄に行くか閻魔大王様に決められると言われています。
これが台湾ではより細分化して分けられていることになります。殺人や暴力、詐欺など罪状として数えられるものは日本とあまり違いがありません。「悪いことをした人は地獄に行く」という考え方は日本でも台湾でも共通しています。
地獄の刑期はつらく長い
台湾での地獄は18あり、罪の重さに応じて数字も大きくなり刑期も長くなると言われています。18にも分かれているため、段階的に少しずつ重くなり最初の量刑は軽いものだと予想しがちですが実際は違います。1層目の最も軽い地獄でさえ丁度1万年が刑期です。
そこから乗算されていき、2層目は2万年、3層目は4万年というように加算されていきます。10層目で既に1024万年の刑期のため、この時点で既に何がなんだか分からなくなってしまいそうです。地獄にいる人たちの目がうつろなのもこのせいなのかもしれません。
なお痛みの程度は最初の地獄を1とすると、次の階層からは20倍されていきます。2層目では20となり、4層の時点で8000です。最下層である18層にいる人は最大の苦しみを最も長く味わわなくてはいけない、つらい量刑となっています。
南天宮十八地獄の特徴
人気のおすすめ観光地である南天宮について、ここからは外観や中身についてまとめていきます。南天宮は地獄がモチーフとなっているテーマパークですが、見た目からはそれほどおどろおどろしさは感じられません。
そんな外見と中身のギャップがある、どこかちぐはぐなおかしさも南天宮の面白いところと言えるでしょう。「どんな中になっているかわからない」という一種の闇鍋のような、不思議な魔力を持っています。
とても立派な外観
南天宮の外観はとても立派で、華々しい門構えとなっています。台湾の歴史的な建造物に似ている門構えのため、見た目からはどこか由緒あるお寺のようにも見えるでしょう。行き方が分からないうちは「本当にここでいいのかな」と思ってしまうかもしれません。
とても地獄であることを感じさせない入り口のため、少し緊張してしまうかもしれません。しかし心配は無用です。一歩中に入ればそこにはコミカルかつシュールな地獄があり、楽しめる事間違いなしです。
中に入ると鬼達のディスプレイが出迎える
南天宮の入り口に入ると受付があります。入り口には鬼たちが飾られているディスプレイがあり、これが南天宮での最初のホラー体験となるでしょう。これから見ていく地獄がどんな様子であるのかを示すかのように、鬼たちと人間たちが来場者を迎えます。
外見の門構えと受付の雰囲気の違いに面食らってしまうかもしれませんが、受付にいる人が入場すれば声をかけてくれるため心配いりません。基本的に台湾人は商売熱心で観光客を見かけたらすぐに声をかけに行きます。
次々に出てくる地獄のシーンの再現
受付を済ませた後はいよいよ人気の地獄体験ツアーの始まりです。南天宮では地獄を再現したフロアとお化け屋敷のフロアがあります。再現された地獄の方は「見る」意識が強いのに対してお化け屋敷のフロアは日本と似たような感覚で楽しむことができます。
地獄の中身は多種多様であり、腸を引きずり出されてしまう人や熱を持った鉄柱に縛り付けられる人など地獄にふさわしい残虐さが垣間見えます。人形の表情も注目すべき点で、地獄で拷問を受けているのにどこか虚ろな目をしているのがポイントです。
中国や日本の地獄を再現した絵を見ても、鬼は怖そうな顔をしているのに対し罰を受けている人間達はどこか無気力そうに見えます。長い間地獄に入るため、腸を引きずり出されることに慣れてしまったのかもしれません。
電気仕掛けで動くようになっている
南天宮にある地獄体験ツアーは電動で動くことも嬉しいポイントです。ただ人形や背景が飾ってあるというわけではなく電動で動くギミックがよりお化け屋敷らしさを演出しています。
南天宮にたどり着くまでの案内板には電動であることを強調しているものもあります。地獄やお化け屋敷などはその雰囲気をアトラクションとして楽しめるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。雰囲気を演出するために電動は少なからず貢献しています。
南天宮の「お化け屋敷ゾーン」とは?
地獄が終わった後は南天宮のお化け屋敷のゾーンも見てみましょう。お化け屋敷の方は全体的に我々日本人にもわかりやすいマイルドなテイストとなっています。地獄が死後に行き着く場所に対して、お化け屋敷は現代を再現しているせいかもしれません。
とっつきやすいお化け屋敷のため日本人でも問題なく楽しむことができるでしょう。一方で台湾らしさや中華圏の文化をより楽しむことができるのは地獄巡りであるため、両方立ち寄って楽しむことをおすすめします。
真っ暗の道を歩かされる界怪譚エリア
お化け屋敷のゾーンは正式名称を「魔界怪譚」と呼び、基本的に真っ暗な道を歩かされます。日本のお岩さんやろくろ首に似た幽霊もいるため東洋人は幽霊に対して共通の認識を持っているのかもしれません。
暗闇から急に怖いものが飛び出してくる、というお化け屋敷の王道をしっかり踏襲しています。台湾などの外国でお化け屋敷を体験できる機会はなかなかないためおすすめです。キョンシーなどいかにも中華圏らしいものもいます。
現代の地獄を再現
魔界怪譚のフロアは現代の地獄を再現していると言われています。地獄と比べても魔界怪譚はグローバリズムに溢れています。現代人の国籍を問わない、徐々に統一化されたライフスタイルが魔界怪譚にも表現されているのかもしれません。
いずれにせよ我々現代日本人が持つお化け屋敷の範疇におさまる楽しさと言えるでしょう。ほうきを持って急に家から出てくる女性や、井戸の中から這いずり出てくる女性など元ネタが分かるようで分からないものが多いのも面白い点です。
西遊記の名場面も人気?
魔界怪譚のフロアを出た直後に西遊記の名シーンを再現したディスプレイが展示されています。なぜ西遊記なのか、なぜお化け屋敷の直後に置かれているのかは謎ですが人気の割になかなか日本で最遊記に関するディスプレイを見ることはありません。
台湾で改めて西遊記に触れることができるのは思いがけず面白い展開と言えるでしょう。どこか統一感のないごちゃまぜ感が「次はどうなるんだろう」と予想できないハラハラ感をもたらしてくれるのも事実です。
南天宮の基本情報
最後は行き方や営業時間、拝観料についてのまとめです。人気のおすすめ観光地に行くとなれば、どれも事前にチェックしておきたい事柄ばかりです。特に営業時間や休館日などは事前にチェックしておかないと、異常な滞在時間を奪われかねません。
日本と同じように階層ごとに分かれている、海外の地獄を参観できる機会はここにしかないでしょう。観覧にかかる時間は、全部回っても1時間かかりません。台湾おすすめの人気観光地を回ったついでにスキマ時間をここで埋めても良いでしょう。
行き方
南天宮への行き方についてです。国際空港のある桃園駅からバスや電車で台北駅に向かいましょう。台北駅から更に電車で彰化駅に向かい、そこから徒歩で10分から15分ほどで到着します。
日本から行く場合、南天宮まではどこの空港から出発してもかなりの距離があります。台北か台中で一泊以上してから向かうのが無難な行き方と言えるでしょう。
営業時間&定休日
次に気になる営業時間と定休日ですが、こちらは台湾らしく細かい営業時間は決められておらず定休日も定まっていません。家族経営の営業が多い台湾では日本のように厳密に営業時間が決められていない場所は数多く存在します。
定休日も同じため、休日に訪れれば間違いないでしょう。インターネット上にも営業時間は載せられていないため、時間には余裕を持って訪れることをおすすめします。
入場料
南天宮の入場料についてですが、こちらは50台湾ドルとなっています。日本円にするとおよそ180円くらいのため、お財布にも優しくておすすめです。180円で人気のアトラクションを1時間たっぷり楽しめると考えれば、日本のテーマパークに行くよりも安上がりです。
海外でのお化け屋敷や地獄アトラクションを1番身近に楽しめるのは台湾と言えるでしょう。日本からも程近く文化や風習も近いため、むしろ違いを浮き彫りに体感することができます。
地獄体験ができる南天宮へ行ってみよう!
地獄体験ができる南天宮の外見や演出、行き方のまとめでした。地獄をコンセプトとしたテーマパークは日本でも数少なく、特に海外の地獄をアトラクションとして体験できるのは貴重な体験と言えるでしょう。
南天宮のある台中は日本からも近く、一見の価値ありと言えます。手作りならではの凝ったインテリアと台湾の地獄がどのように人々に捉えられているのか、お化け屋敷への肝試しも兼ねて1度訪れてみてはいかがでしょうか。
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