台湾金門島へ観光に行ってみよう
「金門島」は、台湾海峡の西に位置し、中華民国政府が統治する島です。金門県というひとつの県でもあります。間近には中国の廈門(アモイ)を望み、歴史上複雑な背景を抱える場所ですが、金門島は観光客を温かく迎えてくれる人々ばかり。金門島へは、飛行機かフェリーでアクセス可能。金門島への行き方や民宿、観光スポットをご紹介します。
台湾金門島とは?
金門群島には、金門、小金門ほか15の島があり、そのうち3島は中国本土の領土となっています。台湾のもっとも西に位置し、国共内戦の際、最前線となって重要な役割を果たしてきた金門島は、今でも戦争の爪痕を感じさせる大砲やトンネル、トーチカなどが残留。一方で、金門島の人々は皆素朴で温かく、閩南の伝統文化を感じられる観光地です。
台湾金門島の気候
台湾「金門島」は、廈門と同じく亜熱帯海洋性気候。年間を通した平均気温は約21度で、過ごしやすい気候となっています。しかし7月から12月にかけては東北の強い季節風が吹くので、観光で訪れる際には注意しましょう。
台湾金門島への行き方
飛行機での行き方
以外に知らない金門島は台湾の領土
— 権太 (@mutu70) March 5, 2017
台湾を救った日本人ーー怨讐を越えて蒋介石との義を果たした元日本陸軍中将・『根本博』金門島の戦いで陰で
支えた日本人 pic.twitter.com/qGGmHsjnBV
飛行機を利用する場合の行き方は、「台北松山空港」より約55から70分、「台中清泉崗空港」より約55分、「台南空港」より約50分、「嘉義空港」より約50分、「高雄小港空港」より約55分です。もっとも多く金門島まで飛行機が飛んでいるのは「台北松山空港」で、立栄航空が1日13便、復興航空が1日5便、遠東航空が1日4便、華信航空が1日2便。
そんなこんなで悪戦苦闘しているうちに金門島に来ました。まだ空港の外に出ていないけど、天気さえ良ければ、中国大陸が見える筈です。 pic.twitter.com/h3RrI3DJgj
— 檀原照和Dambala Tell-Kaz (@yanvalou) April 12, 2017
飛行機は、朝7時台から夕方5時台の便のみで、夜間の便はありません。台北から金門間の飛行機はどの航空会社も混んでいますが、便数が多いため、チケットは取りやすくなっています。ただし、観光のスケジュール的に確実に希望の時間帯に乗りたい場合は、事前に予約することをおすすめします。
フェリーでの行き方
台湾本土へ行くより近い!台湾・金門島から中国・厦門へ日帰り旅行してみた https://t.co/aXP2INWdFO pic.twitter.com/GH97M5JdwR
— azoo1192 (@azoo1192) January 15, 2017
フェリーを利用する場合の行き方は、ひとつは中国の「廈門(アモイ)」を利用する方法があります。廈門から金門島までは約1時間、片道180元。パスポート提示でフェリーのチケットが購入可能です。荷物検査や出国審査などの時間も考慮し、遅くとも出発15分前には乗船しましょう。金門島に着いてからも、検疫や荷物検査、入国審査などが行われます。
金門島から、中国へ入る pic.twitter.com/l6MbwII0x2
— Hisanori Baba (@norihb) April 26, 2016
金門島から厦門へ行く場合、中国銀行で両替を行うのはとても時間がかかります。金門島、あるいは厦門の金門島行きフェリーターミナルの切符売り場でも両替が可能です。フェリーを利用する場合のもうひとつの行き方として、台湾の「高雄」を利用することもできますが、金門島までの所用時間は約9時間です。
台湾金門島の観光民宿
金門島には、比較的多くの観光民宿があります。上禾園民宿、甌沙遂民宿、幸福樹舎背包客棧民宿、珠山老爺民宿、湖畔江南民宿北山洋樓、老柚木民宿、カブトガニの小屋、金門紫仙民宿、慢漫民宿、ディンディンB&B、金門青花瓷民宿ほか多数。伝統建築を観光民宿として解放しているところもあるので、観光客には嬉しいですね。
台湾金門島の旅行観光スポット1
風獅爺
「風獅爺」とは、金門島の人々が信仰している石像のこと。金門島は東北からの季節風が厳しい場所で、多大な被害を被っていたのが大切な田や畑です。風獅爺は、強風を静めて欲しいという人々の願いから生まれました。色も形もさまざまな風獅爺は、邪気を追い払うという意味も込めて、集落の入口などいたるところに立てられています。
金門島の人々の守り神である「風獅爺」は、その愛嬌ある容姿から、観賞用としても大人気。カラフルなものやマントを纏ったものなど、さまざまな色や形のものがあります。民家の壁に埋め込まれた風獅爺も。沖縄のシーサーとも少し似ています。観光の際には、いろいろな風獅爺を探してみるのも楽しいですね。
台湾金門島の旅行観光スポット2
金門民族文化村
かつて金門出身の王氏が、山后村の一角に、福建省南部伝統の閩南式建築を18棟建て、村となりました。現在は住人がほとんどいないため、この美しい文化資産と街並みを残そうと、政府が「金門民族文化村」として再建。「文物」「喜慶」「礼儀」「休閑」「武館」「生産」の6つのエリアに分け、金門の民族文化が観光用に展示されています。
この集落の美しさのひとつは、街のいたるところに伝統的な彫刻が施されているところ。集落の壁には、生き生きとした動物の彫刻が施され、柱や机、椅子にいたるまでも、当時の人々の美的感覚が盛り込まれた美しい伝統彫刻を見出すことができます。その美しさには目を見張るものがあります。ぜひ観光に訪れてみてください。
台湾金門島の旅行観光スポット3
翟山坑道
金門の南西部に位置する「翟山坑道」は、1961年から5年もの歳月をかけて造られた、海から繋がるA字型地下道です。全長357メートル、約42艘の小型船の基地として使用することができる巨大な戦備水道でした。壁には木の板が埋め込まれており、巨大な地下道を造るため犠牲になった人々の名前が刻まれています。一度は観光しておきたい場所です。
台湾金門島の旅行観光スポット4
馬山観測所
@seibihei 大陸は島北西部の慈湖三角堡と北東部の馬山観測所から観測しました。前者のほうがM41の車列や巨大拡声器、対舟艇障害物などが豊富で面白かったです。舟艇用地下壕は今回はパスして獅山の砲陣地を見て回ってきました。 pic.twitter.com/woz6cppBUr
— 常德老師 (@pauls_xatu) September 20, 2014
「馬山観測所」は、金門最北端に位置し、対岸にある福建省の角嶼までは2キロメートルほどの距離です。金門の中でもっとも中国大陸に近い土地であったため、常に対岸の動向を確認するための重要な場所でした。馬山観測所の地下坑道に入ると、望遠鏡をとおして中国大陸を望むことができます。
馬山観測所近くの海岸には、黒い棒のようなものがたくさん突き刺さっています。これは軌條砦と呼ばれるもので、国民党と共産党が対峙していた時代、共産党軍の船の上陸を妨げるためのものでした。また夜間に上陸しようとする共産党軍の船を接岸できないようにするため、海岸の岩にはたくさんのガラスの破片を置いたといいます。
台湾金門島の旅行観光スポット5
金門慈湖
古寧頭の近くに位置する「金門慈湖」は、共産党軍の上陸に備えるための国防用と、養殖池としての民生用を兼ね備えた人工の塩水湖です。小金門島や廈門を望むことができ、美しい夕陽が見られることでも有名。バードウォッチングや釣りなどを楽しめるスポットにもなっており、台湾ではほとんど見ることができない鳥の群にも出会うことができます。
台湾金門島の旅行観光スポット6
水頭村
元朗水頭村元宵佳節 from #Panorama360 https://t.co/qdK1Pbf89x pic.twitter.com/m9LSz5yLI9
— .......teliportme to (@TeliportMe) February 23, 2016
金門島の南西部に位置し、伝統的な閩南式(福建式)の建物が残る水頭村。民宿になっているところもあるので、民族の伝統文化に触れたい人にぴったりです。「金水國民小学」や「得月樓」は、外国から戻ってきた金門人が建造した建物のため、洋風と中国風がミックスされた風情あふれる建築物になっています。
「金水國民小学」は、東南アジアから戻った金門人が1930年に建造した小学校。宮殿のようなシンメトリーの建物が印象的です。中は金門の歴史を知るための展示スペースになっています。
台湾金門島の旅行観光スポット7
瓊林村
瓊林村は、赤レンガが特徴である、閩南(福建省)地方の伝統家屋が残る村。ところどころに防空壕があり、戦いの爪痕を感じる場所です。「十一世榮生公宗祠」は、いたるところに精緻な彫刻が施された荘厳な祠。建物の内部には「進士」「貢元」と書かれた額があり、難しい国家試験に、瓊林村から合格者が出たことを誇りに思うという意味を表しています。
台湾金門島の食事1
高坑牛肉店
金門の酒粕を与えているため、とても柔らかくて美味しいという金門牛(黄牛)。「高坑牛肉店」は、金門牛(黄牛)料理を味わえるお店です。名物の「牛肉麺」は、柔らかく味がしっかり浸み込んだ牛肉が入ったもちもちの麺。濃いめのスープがとても美味しい。牛筋料理は柔らかくも弾力があり、きゅうりとの組み合わせが絶品です。
台湾金門島の食事2
金道地小吃店
「金道地小吃店」は、閩南式の建物で味わうことができる、金門島ならではの小吃店。蚵仔麺線(牡蠣入りそうめん)と蚵仔煎(牡蠣のオムレツ)は、金門島を訪れたらせひ食べておきたいメニュー。蚵仔煎は、ニラが入っていて皮がサクサクしています。台湾本島のものは片栗粉が入ったもちもち感が特徴なので、本島のものとは異なる味わいです。
蚵仔麺線は、たっぷりの牡蠣とセロリが入ったもちもちの細麺です。澄んだスープと牡蠣、セロリの組み合わせは、誰でも美味しく食べることができる抜群のコンビネーション。台湾本島とは少し違う、金門島ならではの味を楽しんでください。
台湾金門島の観光で歴史に触れてみよう
「金門島」の観光スポットや、飛行機やフェリーを利用した行き方、観光民宿などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。国共内戦の最前線となり重要な役割を果たしてきた金門島は、歴史的に複雑な背景を抱える場所でもありますが、金門島の人々は観光客を温かく迎えてくれます。ぜひ一度観光に訪れてみてください。