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システィーナ礼拝堂を見学!天井画はミケランジェロの有名作品!

システィーナ礼拝堂を見学!天井画はミケランジェロの有名作品!
投稿日: 2017年8月15日最終更新日: 2020年10月7日

システィーナ礼拝堂は、世界遺産・バチカン市国にあるローマ教皇の公邸バチカン宮殿の中にある礼拝堂です。ローマ教皇を選出するコンクラーベの会場になることでも有名です。ルネッサンス時代の天井画や壁画の内部装飾に彩られているシスティーナ礼拝堂について、ご紹介します。

システィーナ礼拝堂とは?見出し

システィーナ礼拝堂は、シクストゥス4世の命により1481年に建直しが完成し、現在の3層建の建物になりました。教皇の名前からシスティーナ礼拝堂と呼ばれてます。礼拝堂の2層が一番の見どころで、奥行き約40m、幅約13m、高さ約20mの空間が名画で覆われています。システィーナ礼拝堂の見学情報や見どころについて、ご紹介します。

システィーナ礼拝堂の見どころ①:モーゼの生涯見出し

システィーナ礼拝堂の2層の右側の壁には、1481年から1482年にかけて描かれたフレスコ画が飾られており、モーゼの生涯がモチーフになっています。主祭壇から順番に「モーゼのエジプト脱出」「モーゼの試練」「紅海横断」「シナイ山から下山したモーゼ」「反逆者たちの懲罰」「モーゼの死と遺言」と6枚の絵画により表現されてます。

1層の金銀の布が描かれたフレスコ画の上に描かれている、2層のフレスコ画は、シクストゥス4世による依頼で、イタリア・フィレンツェを代表する画家ペルジーノ、ボッティチェッリ、ギルランダイオ、ロッセッリと彼らの工房の弟子たちによる作品で、1つのテーマのコラボレーションが素晴らしですよ。

システィーナ礼拝堂の見どころ②:キリストの生涯見出し

システィーナ礼拝堂の2層の北側の壁には、1481年から1482年にかけて描かれたフレスコ画が飾られており、こちらはキリストの生涯がモチーフになっています。「キリストの洗礼」「キリストの誘惑」「使徒の改宗」「聖ペテロへの天国の鍵の授与」「最後の晩餐(ロッセッリ作)」と5枚の絵画により表現されています。

システィーナ礼拝堂の見どころ③:歴代教皇とキリストの先祖見出し

システィーナ礼拝堂の2層のモーゼの生涯とキリストの生涯のフレスコ画の上に描かれている3層のフレスコ画は、絵画の中で上下に分かれているように描かれており、下の部分には歴代のローマ教皇が等身大に描かれてります。上の部分の半円の場所には、天井画の一部としてキリストの祖先である歴史上の人物が描かれています。

システィーナ礼拝堂の見どころ④:天井画見出し

システィーナ礼拝堂で有名なミケランジェロ作の天井画は、旧約聖書の「創世記」をモチーフに縦40m、横13m、総面積460㎡の巨大な天井に描かれています。ミケランジェロは、ローマ教皇ユリウス2世に天井画の描き直しを依頼され、1508年から制作を開始し、4年の歳月をかけて1512年11月に完成させました。

ユリウス2世は「空と12使徒」で天井画を描いてもらいたいとミケランジェロに依頼し、ミケランジェロは一度依頼を断ったそうです。当時33歳だったミケランジェロは、自分は画家ではなく彫刻家というプライドがあり、天井画を描かせることで、失敗させる罠ではないかと疑ったと伝えられています。

天井画のモチーフが「空と12使徒」から「創世記」に変更になった経緯は定かではありませんが、高さ20mもある天井までの足場を組むのをユリウス2世はミケランジェロ自身に任せたそうです。ミケランジェロは、仰向けに寝ながら天井画を描いたと伝えられてます。見学する時はオペラグラスを持参することをおすすめします。

中央部分

天井画の中央部分は9つ分けられており、主祭壇から順番に創世記のエピソードである①光と闇の分裂、②太陽、月、植物の創造、③大地と水の分離、④アダムの創造、⑤イヴの創造、⑥原罪と楽園追放、⑦ノアの犠牲、⑧ノアの洪水、⑨ノアの泥酔というタイトルで描かれています。

この9つのエピソードは更に3つに分けられ、神の天地創造を表現したのが①から③、神が造った人間アダムとイブの失楽園までを表現したのが④から⑥、ノアの家族と大洪水を表現したのが⑦から⑨になります。旧約聖書の創世記に記述されている順番通りではありませんが、各3枚の絵画から有名なエピソードを表現しています。

中央部分の左右と前後

中央部分のフレスコ画の左右には各5枚、前後には各1枚の人物が描かれています。これらの人物は、キリストの誕生や容貌を預言したとされている預言者や巫女になります。主祭壇側①光と闇の分裂の前には預言者ヨナ、右側から順番に預言者エレミヤ、ペルシシカの巫女、預言者エゼキエル、エリトレアの巫女、預言者ヨエルになります。

⑨ノアの泥酔の後ろには預言者ザカリア、主祭壇に向かってデルフォイの巫女、預言者イザヤ、クマナの巫女、預言者ダニエル、リビアの巫女が描かれており、左右のフレスコ画は男女交互に描かれています。天使が手に持つ大理石のプレートに預言者と巫女の名前が刻まれていますよ。

天井の四隅

天井の四隅の三角形になっているペンデンティヴには、イスラエルの民の救済をモチーフにフレスコ画が描かれています。主祭壇の左隅はモーゼと「青銅の蛇」、主祭壇の右隅はエステル記の「ハマンの処刑」、後方右隅は「ダヴィデとゴリアテ」、後方左隅は「ユディトとホロフェルネス」になります。

システィーナ礼拝堂の見どころ⑤:最後の晩餐見出し

最後の晩餐は、システィーナ礼拝堂の主祭壇の後方の壁に描かれているフレスコ画で、大きさは縦1370cm、横1200cmと巨大です。イタリア・ルネッサンスの巨匠ミケランジェロの作品で、美術史上個人で書いた絵画としては最大のサイズになります。最後の晩餐はミケランジェロが60歳から65歳にかけて描いた作品になります。

ミケランジェロは、ローマ教皇クレメンス7世から祭壇画のリニューアルの依頼を受け、クレメンス7世の崩御により、次の教皇パウルス3世の命により1535年から約5年の歳月をかけて1541年に完成しました。依頼の当時の主祭画は、シクストゥス4世の命により描かれたイタリア・フィレンツェの画家ペルジーノ作「聖母被昇天」がありました。

クレメンス7世の命により、前の祭壇画の漆喰は完全に剥がされ、新たに最後の晩餐が描かれました。最後の晩餐には400人を超える人物が描かれており、この巨大な絵画の大凡の構図は、キリストを中央に描き、キリストから見て右が天国へ昇る善人、左が地獄へ落ちる悪人というテーマで描かれています。

最後の晩餐に描かれている人物

最後の晩餐に描かれている人物について、見学する時の参考のためにご説明します。中央に輝いて右手を上げて描かれているのはイエス・キリストです。キリストの右横には聖母マリア、その右には聖アンデレ、さらに右には洗礼者ヨハネ、聖母マリアの足元には聖ロレンス、その下には地上から天国へ昇る人々が描かれています。

キリストの左には、右手に鍵を持つ聖ペトロ(ペテロ)、その奥が聖パウロ、人の抜け殻のような皮を持っているのが聖バルトロマイです。新約聖書によると、聖バルトロマイはアルメニアで生きたまま皮を剥がれ殉教したと伝えられています。ミケランジェロは自分を作品に描く事で有名で、この皮がミケランジェロと一般的に考えられています。

キリストから見て左の下に悪魔の化身とされるヘビを体に巻き付けた地獄の王ミノスが描かれており、これは儀典長ビアージオがモデルとされています。最後の晩餐には、たくまし肉体美の裸体が多く描かれているので、教皇の祭壇画としてふさわしくないと考えた儀典長ビアージオは、ミケランジェロを厳しく糾弾したそうです。

ミケランジェロは、この糾弾に憤慨し、芸術を理解しない儀典長ビアージオに仕返しをするために、股間にヘビが噛みついている絵を描いたと伝えられてます。これを見た儀典長ビアージオはパウロ3世に即抗議するも「煉獄はともかく、地獄では私は何の権限も無い」とジョークを交え軽く受け流されたというエピソードが残っています。

ミケランジェロの死後、「ズボンの画家」とあだ名を付けられたヴォルテッラによって、多くの裸体には腰布が上描きされていましたが、1981年から1994年にかけて行われた修復作業で、最後の審判などの壁画と天井画は洗浄され、完成当時の鮮やかな色彩によみがえりました。この時に一部を除いて腰布も除去され復元されました。

システィーナ礼拝堂を見学するには?見出し

イタリア・ローマの中に位置する世界遺産・バチカン市国のバチカン宮殿の中にあるシスティーナ礼拝堂を見学するには、バチカン美術館&システィーナ礼拝堂のチケットがないと見学ができません。美術館内はフラッシュ撮影を除くカメラ・ビデオの撮影が許可されていますが、礼拝堂内は撮影が全面的に禁止されているので、ご注意ください。

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バチカン美術館&システィーナ礼拝堂の入場料は?見出し

バチカン市国を含むイタリア・ローマ周辺の観光名所は、いつも大変混雑しています。チケット売場で、入場料を支払うまでに長蛇の列に並ぶ覚悟は必要です。特に6月から9月はバカンスシーズンとなり、世界中から観光客が集まってきます。並ばずに入場するには、バチカンの公式サイトから予約するか現地ツアーを利用することになります。

バチカン美術館&システィーナ礼拝堂の入場料金は、大人16ユーロ、小人(6歳から18歳)8ユーロ、日本語のオーディオガイド代は、大人7ユーロ、小人(5歳から12歳)5ユーロです。25歳までの学生には、チケット売場で学生証などを提示すれば、入場料は8ユーロに割引されます。

公式サイト予約の入場料

公式サイト(英語)からバチカン美術館&システィーナ礼拝堂のチケットを60日前から予約する事ができます。事前予約の入場料は、一人当たり予約代4ユーロが加算されます。大人でオーディオガイドを借りた場合の合計入場料は27ユーロになり、小人は年齢により17ユーロから19ユーロになります。

現地ツアーの場合

イタリアの現地ツアーを利用してバチカン美術館&システィーナ礼拝堂を見学するのも1つの選択です。現地ツアーの場合、日本語ガイドが付き、ツアー会社によっては空いている時間に入場できるツアーもあります。現地ツアー料金は、公式サイトで予約する場合の入場料とさほど変わらない事もあるので、混んでいる時期はおすすめですよ。

バチカン美術館&システィーナ礼拝堂の開館時間&所要時間見出し

システィーナ礼拝堂は、宗教行事がない日に一般公開しており、バチカン美術館&システィーナ礼拝堂の開館時間は、9時から16時になります。また、4月下旬から10月下旬にかけての金曜日は19時から21時30分まで夜間も開館しています。日曜日は休館日になります。

バチカン美術館は、ユリウス2世の収集した美術品の展示が起源とされており、館内にはテーマ別に約25の美術館や博物館に分かれています。全てを見学するには1週間以上かかると言われています。システィーナ礼拝堂やラファエロの間などの有名スポットだけ見学する場合はの所要時間は、約2時間程度と言われてます。

バチカン美術館&システィーナ礼拝堂を駆け足で見学しても約3時間、ゆっくり見学して約4時間、じっくり見学するなら半日から1日は必要とされています。巨大なバチカン美術館内には、カフェ・レストランとギフトショップも併設されています。旅行スケジュールと自分の体力に合わせて見学してくださいね。

システィーナ礼拝堂で名画を堪能しよう!見出し

イタリア・ルネッサンス期の巨匠たちが描いたフレスコ画が鑑賞できるシスティーナ礼拝堂は、一度は訪れるべき観光スポットです。イタリア・ローマに来たら、世界遺産バチカン市国を訪れ、バチカン美術館&システィーナ礼拝堂で偉大な名画の数々を堪能してくださいね。

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