バチカン市国の場所や観光情報をご紹介!
ローマ市内に位置している独立国家バチカン市国。サイズとしては世界最小の国ではありながら、国全体が世界遺産に指定されており見どころもたくさん。そんな魅力的なバチカン市国について、ローマからのアクセス方法、ぜひ足を運びたい見どころなどをご紹介します。
まずはバチカン市国の基本情報からチェック
国中のどこを見てもため息が出るほど美しいバチカン市国。いつの日か行ってみたい国のリストにバチカン市国が入っているという方も多いのではないでしょうか。バチカン市国の見どころやアクセスをご紹介する前に、知っておきたいバチカン市国の基本情報をご紹介します。
世界最小の都市
学生時代、地理の授業で世界最小の都市としてバチカン市国の名前を暗記した方も多いかもしれませんが、バチカン市国は国の面積が0.44平方キロメートルという小さなサイズです。
0.44平方キロメートルというと、なんと東京ディズニーランドよりも、渋谷にある代々木公園よりも小さいのです。これぐらい小さなバチカン市国ですが、れっきとした独立国家で、国旗も制定されています。
バチカン市国の人口としては1000人以下ですが、観光スポットが多く、常に世界中からの観光客でにぎわっています。バチカン市国の首都はバチカン、通貨はユーロです。
国全体が世界遺産としても有名
バチカン市国がどれくらい美しく魅力にあふれた国であるかは、1984年にバチカン市国全体がユネスコの世界遺産に登録されたことからも分かります。都市や一帯が世界遺産に登録されることはありますが、バチカン市国は国のすべてが世界遺産なのです。
カトリック教の総本山
例えば、イギリスであれば国王であるチャールズ3世が国家元首であるように、一般的に国は国王や大統領を国家元首として定め、国を統治しています。
それに対し、バチカン市国には国王や大統領はいません。バチカン市国の国家元首は、世界のカトリックの指導者であるローマ教皇で、ローマ皇庁が国の政治を司どっているカトリック教会の総本山なのです。
バチカン市国の場所はどこ?
世界最小の国、世界遺産の国としてバチカン市国の名前は知っていても、国がどこにあるのかは意外と知られていないのがバチカン市国です。バチカン市国への旅行を計画するまえにぜひ確かめておきたいバチカン市国の場所をご紹介します。
イタリアの首都・ローマ内にある
世界遺産の国バチカン市国があるのは、イタリアの首都であるローマの中です。ローマ市内にバチカンの丘という場所がありますが、その丘の上、テヴェレ川の右岸にバチカン市国はあります。バチカン市国とローマとの境には美しい城壁があり、衛兵によって警備されています。
ローマの中にある理由
イタリアのローマの中にすっぽり収まってしまうほど小さな国家バチカン市国。どうしてローマの中にバチカン市国が存在するのでしょうか。
その昔、バチカンは現在のローマがある場所を含めかなりの大きな領土を誇っていました。しかし、イタリアに少しずつ領土を奪われ、最終的に今サン・ピエトロ大聖堂までもイタリアに占領されそうになってしまいます。
そこで当時の教皇は、カトリックの総本山サン・ピエトロ大聖堂を死守すべく、大聖堂に立てこもり、イタリアに抵抗しました。このローマ問題と呼ばれる硬直状態が50年以上続きます。
イタリアはこのローマ問題を解消するため、バチカンを独立国家として認める代わりに、ローマやその周辺をイタリアの領土とする提案をしました。そして最終的に1929年結ばれたラテラノ条約により、ローマの中にバチカン市国が誕生したのです。
バチカン市国へのアクセス
ヨーロッパでも屈指の観光地であるイタリア、ローマの中にあるバチカン市国。ローマに行ったらぜひバチカン市国にも足を延ばしてみたいですが、世界遺産の国バチカン市国へのアクセス方法は簡単なのでしょうか。
バチカン市国は独立国家ですが、ローマからアクセスするあたって何か特別な手続きがいるのかについてもご紹介します。
ローマ市内から地下鉄やバスで行ける
バチカン市国は、ローマ市内でいうと中西部に位置しており、ローマ市内の観光に組み込むのは簡単です。ローマ市内からは、地下鉄、バス、トラムでバチカン市国へアクセスができます。
地下鉄の場合は、A線のOttaviano(オッタヴィアーノ)駅か、A線のCipro(チプロ)駅が便利です。バスでのアクセスの場合は、49番のバスに乗れば、バチカン美術館前まで行くことができます。
そしてトラムの場合は、19番に乗り、Piazza Risorgimento(リソルジメント)広場で降りましょう。バチカン美術館やサン・ピエトロ広場まですぐです。
おすすめの行き方は電車
ローマからバチカン市国へアクセスするには、地下鉄、バス、トラムの3種類がありますが、観光するのにおすすめなのは地下鉄です。
A線のOttaviano(オッタヴィアーノ)駅でも、A線のCipro(チプロ)駅でもどちらも便利に使えますが、サン・ピエトロ広場に先に行きたい場合はA線のOttaviano(オッタヴィアーノ)駅がおすすめで、駅から広場まで徒歩で10分ほどです。
A線のCipro(チプロ)駅に近いのはバチカン美術館です。こちらも駅から10分ほどでアクセスできますので、大変便利です。
パスポートは不要
バチカン市国はれっきとした独立国家ではありますが、訪れるのに入国審査などは一切なく、パスポートも必要ありません。検問などもありませんので、ローマからそのまま歩いて入ることができます。ただし、パスポートは緊急時の身分証明書でもありますので、携帯するのがおすすめです。
バチカン市国へ行く際の注意点&ポイント
カトリックの総本山であるバチカン市国。ローマからのアクセスは大変便利ですが、カトリックの国ということもありマナーの点で気を付けたいこともあります。
また、国中が世界遺産という美しい国には世界中から多くの観光客が訪れ、常に混雑しています。上手に歩き回るために知っておきたいポイントもご紹介します。
カトリック信者じゃなくても入国できる
カトリックの総本山であるバチカン市国ですが、カトリック信者でなくても入国が可能です。観光国家としても広く知られているバチカン市国ですので観光案内も多く、歩き回るのに不自由はありません。ただし、一部の施設はカトリック信者かどうかに関係なく、一般公開されていません。
水曜日・日曜日は混雑しているかも
バチカン市国はカトリックの総本山ですので、カトリック関連の宗教儀式が行われる日にはカトリック信者が多く集まります。毎週水曜日にはローマ教皇の一般謁見がありますし、毎週日曜日にはミサが執り行われます。
したがって、少しでも人の少ない日にバチカン市国を観光したい場合には、水曜日と日曜日を避けるのもおすすめです。
ただし、一般謁見はカトリック信者でなくても参加ができますので、ローマ教皇の姿を一目拝みたいという方は、水曜日にバチカン市国に行きましょう。
マナーや服装にも気をつけよう
カトリック信者でない人にとっては、バチカン市国は世界遺産であり、世界的な観光地です。しかし、カトリック信者にとっては、バチカン市国はカトリックの総本山という神聖な場所であることは常に心に留めておきましょう。
キャミソールやショートパンツなど、肌の露出が多い服装をしていると、場所にふさわしくないという理由で立ち入りを禁止される恐れもあります。肩やひざを覆うような服装をし、必要以上に騒がないのがマナーです。
バチカン市国は世界遺産ということで、街中に歴史ある芸術品があります。特に美術館や博物館の中はセルフィースティックを使用していると展示品を傷つけたり、人に当たったりする恐れもありますので使用は控えましょう。
また、大聖堂や美術館に入る際にはセキュリティーチェックがあります。バチカン市国に行く際には荷物は最小限にし、アーミーナイフなどは没収されますので持ち込まないようにしてください。
日常的に使われているのはイタリア語
バチカン市国では、いわゆる公用語というものは定められていません。しかし、バチカン市国の教皇庁では公式文書はラテン語で出され、会話としてはイタリア語が多いです。
教会関係者は、ドイツ語、フランス語、イタリア語を話すことが多く、必然的に街中でもそれらの言語が飛び交うことが多いですが、ローマの中にバチカン市国があるということもあり、観光しているとイタリア語と英語を主に使うことになります。
営業時間はしっかりと確認しておく
バチカン市国へ行く際には、事前に営業時間と定休日をしっかり調べておきましょう。主要な観光地であっても、営業時間が短いこともありますし、日曜日であっても閉まっていることもあります。
また、営業時間を調べる際には各スポットの所要時間も頭に入れておきましょう。バチカン市国の各スポット、特に美術館は収蔵品が膨大ですので、じっくり見るのであれば1日滞在しても足りないほどです。
まずは何を見たいのかを下調べし、所要時間を計算してから世界遺産バチカン市国を周るプランを立てるようにしてください。
美術館は事前予約しておくのがおすすめ
バチカン市国の中でも見どころがたくさんあるバチカン美術館ですが、観光シーズンになるとチケットを買うのにも大行列ができていることも珍しくなく、2時間から3時間まってやっとチケットが買えたという口コミもあります。
バチカン市国に行ったら絶対にバチカン美術館に行きたいと計画しているのであれば、事前にインターネットで予約しておきましょう。
バチカン市国のおすすめ観光スポット6選
次にご紹介するのはバチカン市国に行ったらぜひ訪れたい観光スポットです。街中が観光スポットと言っても過言ではないほどの美しい世界遺産の街ですが、その中でも外せないところばかりです。
常に観光客が多いバチカン市国。観光におすすめの時間帯は朝です。少しだけ早起きをしてバチカン市国に行くだけで、行列することなく快適な世界遺産観光が楽しめます。
サン・ピエトロ大聖堂
バチカン市国の中央にあるのがサン・ピエトロ大聖堂です。4世紀にはじまり、16世紀から17世紀にかけて大改築が行われて現在の姿となりました。殉教したペトロのお墓の上に建てられていると言い伝えられています。
サン・ピエトロ大聖堂の総床面積はなんと2万3,000平方メートルもあり、世界最大級の教会建築です。教会には一度に6万人も収容ができます。
見どころ
ミケランジェロの手によるもとされている現在のサン・ピエトロ大聖堂は、どこも息をのむほどの素晴らしいスポットですが、あえて見どころを挙げると「サン・ピエトロのピエタ」です。これは、ミケランジェロによる彫刻作品で、十字架にかけられたキリストを抱く聖母マリアです。
また、サン・ピエトロ大聖堂に行ったらローマやバチカン市国を一望できるクーポラまでぜひ上がりましょう。料金はかかりますが、その価値は大アリなスポット!551段の階段を行く料金とエレベーターが使える料金が設定してありますので、体力に応じて選んでください。
サン・ピエトロ大聖堂はどこにある?
サン・ピエトロ大聖堂にアクセスするには、A線のOttaviano(オッタヴィアーノ)駅が最寄り駅となります。駅から大聖堂までは徒歩15分ほどです。
サン・ピエトロ大聖堂の営業時間は、10月から3月は午前7時から午後6時30分まで、4月から9月は午前7時から午後7時までです。クーポラは通年で午前7時30分から午後5時まで入れます。サン・ピエトロ大聖堂には、日曜日と宗教行事日は入れません。
サン・ピエトロ大聖堂には無料で入れますが、クーポラは有料です。階段で上がる場合は8ユーロ、エレベーターを使用する場合は10ドルです。
住所 | Piazza San Pietro, 00120 Città del Vaticano, Vatican |
電話番号 | +39-06-6982 |
サン・ピエトロ広場
サン・ピエトロ大聖堂の前に広がっている広場がサン・ピエトロ広場です。ベルニーニの手による設計の広場は、なんと40万人も収容できる規模で、幅は240メートル、奥行きは340メートルにもなります。
そして、サン・ピエトロ広場を囲んでいるのは高さ15メートルの円柱で4列ありますので、合計すると284本もあります。また、柱廊の上には、140体の聖人像が立ち並んでいます。下から見上げると小さく見えますが、高さは3.2メートルもある像です。
見どころ
見どころのたくさんあるサン・ピエトロ広場ですが、中でも中央にそびえているオベリスクは荘厳です。日時計の役割もあるオベリスクの高さは約42メートルあり、はるばるエジプトから運ばれてきました。
サン・ピエトロ広場周辺には傭兵も多いので彼らの服装も見どころの一つです。バチカン市国を守っている傭兵ですが、実はバチカン市国は軍事力を持たないので、スイスの傭兵が警備にあたっています。赤、青、黄色のカラフルな正装は遠目にもよく目立ちます。
サン・ピエトロ広場はどこにある?
サン・ピエトロ広場へのアクセスに便利な最寄り駅は、大聖堂と同じくA線のOttaviano(オッタヴィアーノ)駅です。駅から広場までは徒歩で約15分です。
広場には特に柵などはありませんので、24時間自由に立ち入ることができ、料金も無料です。夜にはライトアップも行われます。
住所 | Piazza San Pietro, Vatican City |
バチカン美術館
歴代ローマ教皇のコレクションを展示しているのがバチカン美術館です。美術館という名前ではありますが、博物館、図書館、礼拝堂などの総称がバチカン美術館で、案内コース通りに歩いていくと全長はなんと7キロにもなります。
中心となるのはユリウス2世の彫刻のコレクションですが、キリスト教の宗教画や、古代ギリシャ、古代エジプトなどの芸術が展示されています。
見どころ
バチカン美術館の見学コースの最後にあるのが有名なシスティーナ礼拝堂です。こちらは後の項目で詳しくご紹介しますが、美術館内のシスティーナ礼拝堂以外の見どころとして抑えておきたいのがラファエロの間にある「アテナイの学堂」です。
ラファエロの代表作とも言える作品で、古代ギリシャの哲学者たちの様子を描いた作品です。中央にいるのはプラトン、右端には画家本人のラファエロも描き込まれています。
バチカン美術館はどこにある?
バチカン美術館へのアクセスに便利な最寄り駅は、地下鉄A線のCipro(チプロ)駅で、駅からは徒歩10分です。営業時間は月曜日から土曜日が午前9時から午後6時、毎月最終日曜日が午前9時から午後2時です。
バチカン美術館の定休日は、最終日曜日を除く毎週日曜日です。料金は、19歳以上が17ユーロ、6歳から18歳が8ユーロです。
住所 | 00120 Vatican City |
電話番号 | +39-06-6988-4676 |
CASA&BOTTEGA
バチカン市国やローマに行ったら、できれば雰囲気のいいレストランで食事を楽しみたいところです。レストランCASA&BOTTEGAがある通りは、ローマのコロナーリ通りです。
通り沿いはバーやレストラン、アンティークショップなどが立ち並ぶ昔懐かしいローマの雰囲気を残しており、散策するだけでも楽しいスポットです。
見どころ
CASA&BOTTEGAのおすすめは、ブルスケッタとパスタ、そしてドリンクがセットになったランチメニューです。パスタはCASA&BOTTEGAで毎日作られている生パスタですので、もちもちの食感が味わえます。
バチカン市国からもすぐという立地ながら、落ち着いた雰囲気で、コスパも良いことでも評判です。コーヒーやクロワッサンも人気なので、朝ごはんにもどうぞ。
CASA&BOTTEGAはどこにある?
CASA&BOTTEGAがあるのは、バチカン市国を出てサンタンジェロ橋を渡ったエリア。コロナーリ通りのちょうど真ん中にあります。営業時間は午前7時30分から午後9時まで、日曜日のみ午後4時30分に閉まります。定休日はありません。
住所 | Via dei Coronari, 183, 00186 Roma RM, Italy |
電話番号 | +39-06-686-4358 |
ジェラテリア オールドブリッジ
美味しい食べ物がたくさんあるイタリアですが、その中でもぜひ食べたいスイーツがジェラートです。本場イタリアのローマで食べるジェラートは格別美味しいに違いありません。
イタリアには星の数ほどジェラテリアがありますが、その中でも観光客向けというよりも、ローマっ子が足しげく通うおすすめがジェラテリア オールドブリッジ(Old Bridge Gelateria)です。
見どころ
ジェラテリア オールドブリッジはいつも行列ができているお店ですが、回転が速いので待ち時間は少ないです。おすすめはチョコレートとピスタチオ。どちらも甘さ控えめなので、最後まで美味しく食べられます。無料で生クリームをトッピングしてもらえますので、ぜひ一緒にどうぞ。
ジェラテリア オールドブリッジはどこにある?
ジェラテリア オールドブリッジがあるのは、バチカン美術館の近くです。バチカン美術館からサン・ピエトロ大聖堂へ歩いていく途中にあります。営業時間は午前9時から深夜2時まで、定休日はなく年中無休での営業です。
住所 | Viale dei Bastioni di Michelangelo, 5, 00192 Roma |
電話番号 | +39-328-411-9478 |
システィーナ礼拝堂
最後にご紹介するバチカン市国の見どころはシスティーナ礼拝堂です。バチカン美術館の最後に位置しているシスティーナ礼拝堂は、ローマ教皇を選出するConclave(コンクラーベ)が開催される場所でもあります。礼拝堂の中は常に観光客で大混雑しており、一方通行です。
見どころ
システィーナ礼拝堂の見どころは2つ、ミケランジェロの「最後の審判」と天井にある「アダムの創造」です。
「最後の審判」はミケランジェロの最高傑作ともされている作品で、1535年から1541年にかけて描かれました。中央に位置しているキリストが、死者を左の天国と右の地獄へと分ける裁きをしている場面です。
「アダムの創造」は天井に描かれたフレスコ画の一部で、こちらもミケランジェロの作品です。天井には、この「アダムの創造」を含め、旧約聖書の9つのシーンが描き出されています。
システィーナ礼拝堂はどこにある?
システィーナ礼拝堂は、先にご紹介したバチカン美術館の中にあります。見学コースを順に見て周ると最後にあるのがシスティーナ礼拝堂で、バチカン美術館の入り口から急いで歩いても30分以上はかかります。
システィーナ礼拝堂の料金は、バチカン美術館のチケットに含まれています。システィーナ礼拝堂だけの見学はできません。
イタリア旅行に行く際はバチカン市国へも足を運んでみよう!
世界遺産の国バチカン市国は、国中が神聖な空気に包まれており、その芸術的な街並みは美しいの一言です。ローマからのアクセスもよく、国の中はどこへでも歩いて行けるので旅行しやすい国でもあるバチカン市国。ぜひローマと併せて訪れてみてください。
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