まず西サハラに詳しくなろう!
西サハラは、多くの国土を実効支配しているモロッコと、西サハラの独立を要求している民族ポリサリオ戦線との係争地です。1976年にスペインから独立した「サハラ・アラブ民主共和国」を標榜していますが、モロッコに対する配慮から未だ独立国としての国連の承認を得られていません。治安状況も気になる西サハラを見ていきましょう。
西サハラはどこにある?
アフリカ大陸の北西部に位置し大陸側がモーリタニアに接しています。国土全体に大西洋岸までほとんどにサハラ砂漠が広がっていて、村人はラクダなどの牧畜で生計を立てたり、一部の沿岸部では農業も営まれています。水の補給はわずかばかりのオアシスとワジと呼ばれる涸れ谷ですが、季節によって川になって貴重な水資源になります。
西サハラの置かれた状況!
1975年にスペインが撤退後、モロッコの領有権主張、モーリタニアの侵攻を経て西サハラはモロッコ支配に抵抗するポリサリオ戦線によって「サハラ・アラブ民主共和国」という国として独立宣言し、国連の加盟国ではないがAUには国家として加盟しています。しかし、経済的にはモロッコ依存が強く実際には独立は無理であろうという現実も。
西サハラアクセス1.空路
カタール航空、コロンボとダッカ線を増便 9月1日から - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」 https://t.co/yMKbMKwsNV | :rocket: by https://t.co/BZY2D94DOY pic.twitter.com/HwdeJ0tjNx
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モロッコが実効支配している地域ではカサブランカが玄関口で、旅行者は空路入国後陸路または国内線利用での空路移動になります。1つ目の中東ルートは、エミレーツ航空がドバイ経由で、カタール航空がドーハ経由で毎日運航。2つ目は欧州ルートは、エールフランスがパリ経由で、ターキッシュエアラインズがイスタンブール経由で毎日運航しています。
西サハラアクセス2.陸路
サハラ・アラブ民主共和国が実効支配している地域へは、アルジェリアの都市・ティンドゥフにある亡命政府で入域の許可証を取得してアルジェリア側から陸路移動します。ティンドゥフは、モーリタニア、リマなどに接するティンドゥフ県の都市で、旅行者にとって中継点のオアシスと言えます。危険地域を含む観光旅行にはリサーチが重要です。
西サハラの首都アイウン
アイウン(現地語名はラユーン)は、西サハラ最大の都市。旧スペイン領サハラの首都でしたが、亡命政府であるサハラ・アラブ民主共和国は自国の首都と定めています。しかし、西サハラの多くはモロッコが実効支配していてアイウンもモロッコの統治下に。街は大西洋に注ぐサギア・エル・ハムラ川河口上流にありインフラ整備が進行中です。
西サハラの都市ダフラ
ダフラはポリサリオ戦線が実効支配する西サハラでは最大の都市。大西洋に面していてアイウンの約550km南。日本語ではダクラとも表記、空港・無線・インターネットカフェ・モスクなどがあります。暑さのせいか昼間はゴーストタウン化、夕暮時から深夜にかけて賑わいます。外国人、特に日本人旅行者は珍しいのか注目の的。純朴な人種です。
西サハラは地図で白く表示!
西サハラの地形図。 pic.twitter.com/5SHWchqOas
— 民族と国境bot (@NationBorderBOT) September 10, 2017
西サハラは地図上の表示では白か薄い色で色分けされています。その理由は、この国がどこに帰属する国であるのかが明確にわからないからです。西サハラの国土はほとんどが砂漠であることは前述しました。人口は567,000人で宗教はイスラム教。公用語はアラビア語・ハッサニア語ですが、フランス語・スペイン語が通じる場合もあります。
西サハラで子どもたちの安全は?
西サハラの治安と子供の安全、についてはどの方向から考えるかによっても違いが出てきます。現在でも500万から1000万個の地雷が埋まったままになっていると言われる砂の壁の周辺は、子どもにとってとても危険。一方で、観光客に対してモノや金をねだる子どもたちもいる。日本人は金持ちだと思われているので気をつけたいですね。
西サハラ観光の安全度!
“@SHIHOgoo: 西サハラ砂漠なう♡ pic.twitter.com/enkhBCSP”
— TSUYOSHI S (@93tys) December 28, 2011
すげぇ♪( ´▽`)
西サハラの国境では、車の検査をとても綿密に行なうため待たされる時間が異常なほど長いです。乗合タクシーも例外ではなく、巨大なトラックなどもひたすら待たされます。それというのも、ここがセネガルなどアフリカ諸国の人々が西サハラやモロッコを経由して難民としてヨーロッパへ脱出するルートになっているのがその理由です。
西サハラ観光の主なルート!
モロッコ、西サハラ砂漠でラクダ体験ツァーに参加、約1時間で45ユーロ。終わった後でアルバイトと言いながら汚い毛布に怪しげなアンモナイトや三葉虫の化石を並べセールされた。ベルベル人と言っていた。 pic.twitter.com/54AvcpDSS4
— suzume3 太郎 (@tarou120215) March 28, 2017
首都ダフラで乗合タクシーに乗り、およそ6時間でモロッコ実効支配国境へ、入国審査に長時間を要す。そこから同じく長時間の入国審査のあるモーリタニア国境まで3kmの地雷原のある緩衝地帯というルートです。観光施設は限られており、砂漠地方ではキャンプをすることになります。水は5リットル、食料は3日分くらい携帯すべきでしょうか。
西サハラ観光の別ルート!
ダフラは大陸から南に突き出た半島の先端に位置していて、1884年に軍事基地が建設された名残もみられ、汚染されていない海と砂漠の対比風景には特有の美しさがあり引き込まれます。アイウンからダフラを経由してモーリタニアのヌワディブに至る海岸沿いの道を行く、右手に大西洋、左手に不毛の砂漠が一望できる治安の良い旅行コース。
西サハラの治安状況!
西サハラの国境には大きくモロッコの旗が掲示されていて、入国手続きに多少の金額が必要です。パスポートと入国カードの審査などはその道のプロと言われる人がやってくれますが、旅行者の国籍によっては、あるいは人種によっては、かなりの高額賄賂?が必要になるようです。西サハラ国境の治安の要注意度は非常に高いと言えるでしょう。
外務省ホームページで確認!
外務省の[海外安全ホームページ]では、海外へ行く人たちに向けて、危険度などを色分けした地図を掲載して注意を喚起していますので覗いてみましょう。西サハラは危険な箇所もある国です。危険地帯で万が一事故に巻き込まれた場合、大使館員による迅速な対応は無理なので、行く前に在日本モロッコ大使館へ申告した方がよいそうです。
西サハラの砂の壁!
西サハラを貫く「恥の壁」の裏側に住む人々 写真11枚:AFPBB News
— 富の再配分で日本再生♡ (@tonbo0301) February 15, 2017
モロッコは1980~1987年
自国が支配下に置く西サハラの約90%にあたる土地に
ほぼ砂でできた6つの壁を築いた
総延長約2700キロに及ぶ壁https://t.co/Ureik0uMAZ
モロッコは約2700kmに及ぶ「砂の壁」を作って、西サハラ領土の3分の2程度を実効支配地として占領しています。そして、砂の壁の周りには500万から1000万個の地雷を埋めていて、砂の壁周辺は現存では世界最古、世界一長い地雷原と言われています。国連による法律上の見解では、西サハラはモロッコのものではないそうです。
西サハラの恥の壁とは?
砂の壁の周囲には有刺鉄線や溝や地雷原が張り巡らされ、反対側にはモロッコ兵が配備。地雷の犠牲となったサハラウィを支援する地元グループ代表は、世界一長い壁の一つで西サハラを封鎖している、と言い、ポリサリオのリーダーであるブラヒムさんはこの壁を、一つの土地を分かちながら家族たちを引き裂く恥の壁、と呼んでいます。
西サハラの絶景を見る!
西サハラの絶景①
西サハラは国土のほとんどをサハラ砂漠が占めています。そこでの絶景といえば、やはり砂漠そのものでしょう。サハラには大小様々な砂丘が続いていて、まさに360度パノラマアートの世界です。太陽の動きによって砂漠に映る像も刻々と変わり、飽きることなく眺めていられます。まさしく究極の造形アートの世界ですね。
西サハラの絶景②
サハラにあるのは空の青と砂の持つ変化に富んだ色彩のみです。まさに異次元の世界が目の前に広がります。深呼吸して目の前の景色の変化を脳裏に焼き付けましょう。サハラ砂漠を訪れたご褒美のように見える、沈む夕日はとても感動します。ラクダに乗っている自分たちの影が長く伸びて、夕陽の色に染まる光景はサハラならではです。
西サハラの絶景③
夜のサハラは満点の星空の絶景で満ちています。サハラでは時間の経過がとても速い気がしますし、その一瞬がとても貴重ですよね。夜のサハラ砂漠は昼の熱砂のイメージとは打って変わって静寂に包まれます。寝転がって眺める星空の神秘はアート、余計な遮蔽物のないサハラならではの世界です。宇宙の神秘を全身で味わうことができます。
西サハラのアートって?
綺麗な神秘的アートだ!【宇宙人?】エジプトサハラ砂漠巨大渦巻。紅海に面したエルグーナの街の近く砂漠の砂の上に規則正しく並ぶ円錐形の山と谷で構成。約9万3000m2。ギリシャのアーティスト、ダナエストラトウが1997年制作デザートブレス pic.twitter.com/sLeQP6ONNd
— 菊田邦洋 (@palaiso9) March 17, 2014
サハラ砂漠のアート渦巻きについて。この巨大渦巻きは、紅海に面したエルグーナの街の近くにあり、ギリシャ生まれのアーティスト、ダナエ・ストラトウさんが1997年に制作した「デザートブレス」(砂漠の息吹)です。その範囲は9万3000平方メートルにも及んでいますが、年月の経過によって風化もすすんでいるようです。
西サハラのグルメ
飲料水や簡単な食料は海岸沿いにある小さな漁村で買えますが、旅行者は水は常時5リットル、食料は3日分くらい携帯すべきだ、と西サハラ経験者は言っています。写真の羊肉もおいしそうですが、タジン鍋の煮込み蒸し料理は一般的にどこの家庭でも出てくる料理らしいですね。西サハラでは野菜不足をいろんな工夫で補っているようです。
西サハラの冒険と魅力!
西サハラの旅はいろんな暗喩に富んでいます。砂漠の造形アートは私たちのアートの概念を覆しますし、近年の流行である砂の壁は、実はアートではなく地雷原であったという現実。治安の悪い砂の壁周辺を通る時は現地の案内人でも息を詰めるそうです。しかし、治安の悪さを払拭させてくれる大自然の砂のアートが魅力的なのは確かです。
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