台湾のウイスキーKAVALAN(カバラン)とは
「カバラン」とは、台湾北東部の雪山山脈を東に位置する宜蘭・蘭陽平野の先住民の呼び名。2008年誕生。
— ねこのぼる (@nekonoboru) December 11, 2016
雪山山脈の水を使用、原料から製造までを台湾国内で行っている。
2010年、本場スコットランドで開催されたテイスティング大会で地元銘柄を抑えて圧勝、実力が本物であることを証明した。 pic.twitter.com/KspLc4VD07
Made in Taiwanであるウイスキーブランド「KAVALAN」(噶瑪蘭、以下カバラン)をご存知でしょうか。2008年に台湾の宜蘭(ぎらん)で生まれ、2010年にはウイスキーの世界的コンペティションにて優勝するなど、大きく話題になっている「台湾初」のシングルモルトウイスキーです。今回は世界で認められたカバランウイスキーについてご紹介します。
固定概念を覆したカバランウイスキー
ウイスキーは寒い地方の蒸留所で造られるのが通常?
ウイスキーは寒いとこで熟成するものと言う常識を無視して台湾で始めたのがカバラン。天使の分け前が多いので長熟は無理だけど、硬い原酒が早く熟成するのがメリット。ノンエイジドの分野では世界中でアワード取りまくってる。さて、ミニボトル何本か買ってきたので何処に配ろうか。 pic.twitter.com/YrXlAw6IIy
— やっそ (@yyasso) August 15, 2017
ウイスキーが好きな人の間では「美味しいウイスキー = 寒い地方で造られる」という事が当たり前の事でした。しかし台湾の環境は亜熱帯。お世辞でも寒い地方とは言えません。しかしその固定概念を覆したのがこのカバランウイスキー。亜熱帯である台湾では熟成が大変早く、通常の熟成期間よりも倍近いといわれる速さで成熟するのだそうです。
カバランウイスキーが美味しい理由
亜熱帯地域の蒸留所だからこそのカバランクオリティー
寒い地方でしか造れないとされてきたウイスキー。どうやって克服したのか、それは「水」が大きなヒントでした。ウイスキーを作るには綺麗でおいしい水が必要とされています。しかしそれだけではありません、亜熱帯の蒸留所の環境でウイスキーを作るには「冷却水」が必要となるのです。
この地帯の平均気温は30度から夏には最高42度にまでなるそうで、膨大な冷却水を必要とします。しかし、水の質が大変良いとされている台湾の員山鄉、この周辺の山には豊富な地下水があります。さらに水温は14から15度。ウイスキーを冷却には最適な温度です。こうして寒い地方でなくともカバランウイスキーという名品が生み出されたのです。
世界が認めたカバランウイスキー
製造からわずか2年
製造からわずか2年の2010年に、世界へ名を轟かせることとなったカバランウイスキー。ウイスキーの本場であるスコットランドで開催されたテイスティング大会にて「KAVALAN CLASSIC SINGLE MALT WHISKY」(カバラン・クラシック・シングルモルト・ウイスキー)が見事、まさかの優勝を収めたのでした。
世界で最も権威ある「World Whiskies Awards」での受賞
さらにはウイスキーの世界で名だたる名誉な賞と呼ばれる「World Whiskies Awards」にて、「KAVALAN SOLIST ex-BOURBON SINGLE CASK STRENGTH SINGLE MALT WHISKY」(カバラン・ソリスト・バーボン・シングルカスク・ストレングス)が続けて「ベスト・レスト・オブ・ザ・ワールド・シングルモルト・ウイスキー」を受賞しました。
さらには国際スピリッツ鑑評会で2年連続で金賞受賞
2017年7月には「International Spirits Challenge」の部門で最大の賞を受賞しました。上記同様「KAVALAN SOLIST ex-BOURBON SINGLE CASK STRENGTH SINGLE MALT WHISKY」で2年連続の受賞。さらに同年5月にもサンフランシスコの大会でもカバランはダブルゴールドを受賞しており、金メダル受賞数は220を超えています。
台湾唯一のカバランウイスキー蒸留所「金車威士忌酒廠」
宜蘭にある員山郷に、台湾唯一の蒸溜所「金車噶瑪蘭威士忌酒廠」があります。2006年から操業を開始しました。スコットランドから輸入した蒸留釜やアメリカ・スペインなど、様々な地域から入手した貯蔵樽を使用し、2005年にカバラン蒸留所を設立しました。そうして台湾初のウイスキー製造メーカーとなることができました。
King Car Groupによる30年の飲料製造ノウハウ
台湾人がこよなく愛す昔ながらの名店「伯朗珈琲館」にお邪魔してきました。こちらは何十年もの間、コーヒー豆を継ぎ足すことによって変わらぬ味を味を維持していて、都会の喧騒の中で唯一変わらない空間を感じることが出来ました。 pic.twitter.com/ziBU1z76Xl
— ジュボア (@coffee_jebois) March 8, 2016
実はこの蒸溜所は、台湾の有名カフェチェーン「MR.BROWN COFFEE」(伯朗珈琲)を経営している会社、「King Car Group」(金車集団)が設立したものです。MR.BROWN COFFEEは缶コーヒーやインスタントコーヒー、カフェを展開しており、ポカリスエットなど製造販売しています。カバランウイスキーは30年に及ぶノウハウによって支えられているのです。
地場で有名らしいコーヒーチェーン、Mr.ブラウンカフェ。
— 草食い投機家 (@investor_er) September 24, 2017
カバランと同じ金車グループが経営。
店の雰囲気はサンマルクに近い感じ。 pic.twitter.com/Yopd3LXVYR
台湾のカフェチェーンの中では一番おいしいと評判です。日本でいえばドトールやサンマルクカフェのようなイメージですが、意外と食べ物が充実して用意されています。サンドイッチだけでなく、スパゲッティーやカドリアから、ケーキなどの甘いものまで網羅されているカフェです。台湾を観光する際にはぜひこちらも訪れて欲しい場所です。
カバラン蒸留所に見学・観光へ!
ここまで世界から認められているカバランウイスキー。ぜひ見学してみたいと思いませんか?実は2008年12月より工場見学のツアーが始まっています。実際にウイスキーが造られる工程を見学でき、さらには展示施設や売店、カフェにまさかのシアターが併設されたビジターセンターなどもあるため、一日中観光を満喫することが可能です。
1階にはお土産ショップや試飲コーナーがあります。ここでは様々な種類のカバランウイスキーはもちろん、試験管ボトル、ポロシャツや名刺入れ、小さい樽まで販売されているので、面白いお土産を買いたい方にもおすすめです。2階には「MR.BROWN COFFEE」があり美味しい食事も可能です。台湾ではすっかり定番の観光スポットとなっています!
早速カバランウイスキーの工場見学してみよう
台湾のシングルモルトウィスキー、カバラン蒸留所から、招待を受けて工場見学へ行って来ました:exclamation:️広大な敷地と、素晴らしい建物、施設。世界の賞を数々受賞したウィスキー達が作り出されている現場と、携わっている人たちに出会えて感動:musical_note: pic.twitter.com/EubTFpXyQI
— bar527 (@bar527) August 20, 2015
壁にかかったパネルや展示物などを見たりと自由に中を見学する事ができます。ウイスキーの歴史や製法についてや、熟成による変化など詳細に説明されています。中は自由に見学可能ですが、無料の解説ツアーもあるのでそちらに参加するとより深くウイスキーについて知ることができますよ。約70分ほどで、20人未満は予約不要なのでぜひお試しください。
カバラン蒸留所で無料テイスティング
見学を終えると「ウイスキーを今すぐに飲みたくなった」と思う方も多いかもしれません。実は工場を見学したあと、すぐにその願いを叶えてくれるのがここ金車噶瑪蘭威士忌酒廠なのです!嬉しいことに無料で何種類ものカバランウイスキーのテイスティングを楽しむ事ができますよ。
むしろこのテイスティングが最大の目玉と言っても過言ではないでしょう。無料試飲はビジターセンターにて約30分毎に行われており、係りの方が試飲用のウイスキーを配ってくれます。テーブルの真ん中には香りの比較用に小瓶も用意されています。友人や恋人同士でどれがどのウイスキーか当ててみましょう!
気になる味はどんな味?
久々に飲むKAVALAN。これはポートカスクフィニッシュのシングルモルト、「コンサートマスター」。如何にもカバランらしいフルーティさ。リッチな味わい。あ、でもちょっと後味に渋味があるのかな。 pic.twitter.com/VmTCbilq0y
— やっそ (@yyasso) May 2, 2016
カバランウイスキーは全般にフルーティな味わいや風味がするといわれています。その甘さからフルーツ以外にもチョコレートの香りがするという人もいるほどです。甘さも手伝い、女性からも飲みやすいと評判です。ただし日本のウイスキーとは違い味に強さがあるので、「少し後味が渋い?」と思う方もいるようです。
多くの種類があるカバランウイスキーですが、やはり人気は世界から最も評価されている「クラシック」と「ソリスト」シリーズのようです。クラシックシリーズはよりスタンダードな味わいで作られており、ソリストシリーズはカバランの特徴であるフルーティさが強いシリーズです。最初はストレートで味わうのがおすすめされています。
オリジナルのカバランウイスキーが造れる
そのほかにもカバラン蒸留所では3種類の原酒から自分好みにアレンジできる「DIYブレンディング体験」ができます。ブレンドしたウイスキーは持ち帰る事ができるので、観光の素敵なお土産になりますね!ただしこちらのDIYブレンディングは予約が必要となります。事前にHPから予約を入れて見学へ行くようにしましょう。
カバラン蒸留所への行き方
カバラン蒸留所への行き方はタクシーがおすすめ
行き方はバスかタクシーでの方法がありますが、バスはあまり本数がないのでタクシーの方がおすすめです。「宜蘭駅」からタクシーに乗り、「金車噶瑪蘭威士忌酒廠」と伝えましょう。言葉が分からないという方は事前に紙に書いたりスマホなどで場所を見せるようにすれば行き方は伝わりますよ! 所要時間は15から20分、運賃は270元ほど。
バスでの行き方は?
今日はバスでウイスキーのカバラン蒸溜所へ向かいます pic.twitter.com/fZeZUzC14i
— 石原誠 (@oomiti_maruiti) February 6, 2017
行き方の一つとして、もしバスでいきたいのであれば「宜蘭轉運站」というバス乗り場から乗りましょう。行きは「員山農會成功分部」で降り、帰りは「金車酒廠」から乗ります。運賃は20元ほどですが、所要時間が約35分前後かかります。バスでも行けるのですが上記の通り本数が少なく時間もかかってしまうため、あまりお勧めできる行き方ではありません。
台湾観光へ行くならぜひ「カバランウイスキー」を楽しもう
誰しもが「まさか台湾で美味しいウイスキーが出来上がるなんて」と思っていた事でしょう。しかしカバランは奇跡を起こした最高のウイスキーとなりました。蒸留所への行き方は少し難しいかもしれませんが、現地で台湾のカバランと日本のウイスキーを飲み比べてみるという事はとても素敵な思い出になるかと思います。ぜひ一度足を運んではいかがでしょうか。
住所:宜蘭県員山郷員山路2段326号 電話番号:03-922-9000#1104
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