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砂漠のど真ん中にあるサルベーションマウンテン
アメリカ・カリフォルニア州中ほどに位置する砂漠のど真ん中に存在するアートな丘「サルベーションマウンテン」をご存知でしょうか?こちらは近年有名アーティストのミュージックビデオのロケ地となったことなどから知られ、現在では観光客にも人気のスポットとなっています。今回はそんなサルベーションマウンテンを観光する際に人気の見どころから気になる行き方まで、まとめてお伝えします。
サルベーションマウンテンって何?
サルベーションマウンテンとはアメリカ・カリフォルニア州の砂漠のど真ん中に突如として現れるカラフルでポップなアートに彩られた丘。雑誌に掲載されたことをきっかけに、フォトジェニックなスポットとして広く知られることとなり、現在ではアメリカ国内外から多くの観光客が足を運ぶ人気の観光地となっています。
サルベーションマウンテンを築いたのはたった一人の人
Photos by #TedDegener in #RawVision 94https://t.co/nf43vU3qNW#LeonardKnight #SalvationMountain #artenvironment #outsiderart #selftaughtart pic.twitter.com/p9V14X0dgX
— Raw Vision Magazine (@RawVisionMag) November 4, 2017
観光地として人気を集めるサルベーションマウンテンですが、そんな丘を築いたのは実はたった一人の人物です。サルベーションマウンテンを築いた当の人物であるレナード・ナイト氏は、1983年にここカリフォルニアの砂漠の地にサルベーションマウンテンの建設を開始。それから約30年もの間、享年83歳で2014年に死去する直前までアートの創作に取り組んでいたそうです。
The wonderful #LeonardKnight, interviewed before he passed for UNION#4 on building @SalvationMtn near the #SaltonSea. #folkart #unionmag pic.twitter.com/EYCeJPrSlT
— Union Magazine (@UnionFeatures) June 25, 2017
なんでもバーモント州出身であったというレナード・ナイト氏は、サルベーションマウンテン建設以前に旅行をした際に訪れたカリフォルニアの地が気に入ってしまったんだそう。その後カリフォルニアで宗教的なメッセージを載せた気球の打ち上げを試みるも失敗し、その代わりとして築き始めたのがこちらのサルベーションマウンテンだったとのことです。
サルベーションマウンテンが砂漠の中に作られた理由
カリフォルニアの砂漠のど真ん中という人里離れたところに位置するサルベーションマウンテンですが、この地にこんな素敵なアートが誕生したのには理由があるとのこと。なんでもレナード氏いわく、キリスト教は砂漠で誕生した宗教であるため、サルベーションマウンテンを築くのにもそんな砂漠の中を選んだのだそうです。
当初は無断で造り始めたものの最終的には「国家的財産」に
#LeonardKnight's #SalvationMountain in #Niland, California.https://t.co/PQhfhku0z9#RawVision #outsiderart #artenvironment pic.twitter.com/lNCkm1JcVE
— Raw Vision Magazine (@RawVisionMag) February 15, 2017
ちなみにサルベーションマウンテンを築き始めた当時、レナード・ナイト氏は何ら建設許可等を取得していなかったそう。その後徐々に知られることとなったサルベーションマウンテンには寄付が集まり、ペンキ代やサルベーションマウンテン制作期間中のレナード氏の生活費を賄うことまで出来たそうです。そして2002年にはサルベーションマウンテンはなんと「国家的財産」にまで認定されています。
サルベーションマウンテンのテーマは“神の愛”
レナード・ナイト氏の宗教心によって築かれたサルベーションマウンテンはそのテーマも“GOD IS LOVE”となっており、丘中が神を賛美する言葉の数々で溢れています。またサルベーションマウンテンの“サルベーション”とは“救済”を意味しており、こちらを訪れたらポップで愛らしいだけではなく、レナード・ナイト氏のキリスト教に対する深い信仰心をも感じることが出来ます。
一人の人が築いたとは思えない巨大さ!
そんなサルベーションマウンテンでメインとなっている丘は、たった一人の人間の手によって築き上げられたものとは思えないほど巨大。その大きさは横幅45メートル、高さは15メートルほどとなっており、本当にちょっとした丘のよう。そのカラフルでポップな姿も目を惹きますが、一度訪れてみれば想像以上の大きさに驚くこと間違いなしです。
サルベーションマウンテンは何で出来ている?
Seeing such beautiful artwork all throughout Salvation Mountain had me speechless. Respect to you Leonard Knight. pic.twitter.com/hK3rzAkU5S
— James Sidela (@jd_sidela) November 29, 2015
砂漠のど真ん中の人里離れた地にぽつんと存在するサルベーションマウンテンですが、この地には元々丘があったわけでもなんでもありません。サルベーションマウンテンは1983年の建設開始当初はセメントと砂を用いたもので造られていましたが、砂漠の風雨の中で壊れてしまったため、その後は赤土とわらを混ぜた原料で作り上げたんだそう。その結果現在までも残る丈夫なものとなったそうです。
サルベーションマウンテンではPV撮影も!
#nowplaying Hi-Res 24bit/96kHz Sakura Melody-加藤 ミリヤ×清水 翔太-THE BEST via NePLAYER https://t.co/uQkQsST9eP pic.twitter.com/uQ0vjRwhlA
— 刹那・F・とむくま (@tomukuma) March 9, 2017
サルベーションマウンテンは多くの有名アーティストがミュージックビデオのロケ地として利用したことでも知られています。中でも有名なものとしては加藤ミリヤ×清水翔太の「Sakura Melody」が挙げられ、またEXILEや三代目J Soul Brothersを手掛けたプロデューサーT.KuraによるDANCE EARTH PARTYの「DREAMERS' PARADISE」のPVもここサルベーションマウンテンで撮影されたものとなっています。
Thrilled to see @KeshaRose video for #Praying shot at #SalvationMountain. I went & met w/ the artist Leonard Knight shortly before he died. pic.twitter.com/210aGKOCqG
— John Marble (@JHMarble) July 13, 2017
またサルベーションマウンテンは日本人アーティストのみならず外国人アーティストのPV撮影地としても多用されており、Coldplayの「Birds」やKeshaの「Praying」もここサルベーションマウンテンで撮影されたもの。さらにはサルベーションマウンテンは映画「イントゥ・ザ・ワイルド」のロケ地としても使用されており、映画中にはサルベーションマウンテンを築き上げたレナード・ナイト氏本人も出演しているのだとか。
サルベーションマウンテンで人気のスポット!
どこから見てもカラフルでポップなアートに彩られたサルベーションマウンテン。しかしその中でも観光客には人気のフォトジェニックなスポットが複数存在しています。サルベーションマウンテン観光の際にそんなスポットを忘れず目にすることが出来るよう、そんな人気のスポットについてもご紹介します。
これこそサルベーションマウンテンの景色!
サルベーションマウンテンのことを少しでも知る方であれば、これこそサルベーションマウンテンの景色であると実感させてくれるのがここ。巨大な十字架が立つ丘の麓には“GOD IS LOVE”とハートマークが。その周りにもカラフルなアートが施され、そのあまりの愛らしさにサルベーションマウンテンのことを知っていた方も知らなかった方も、これを見れば心ときめいてしまうはずです。
ゲートに乗るLOVEの文字
#Sunset at the Grotto entrance at @SalvationMtn near Niland, California built by the late great #LeonardKnight #Love #salvationmountain pic.twitter.com/ldWKm3sBWm
— James Cheadle Photo (@JamesCheadle) November 28, 2016
サルベーションマウンテンのゲートには木に彫られたと思われる“LOVE”の文字が躍っています。この文字が載るゲート自体も手作り感たっぷりで愛らしいのですが、ポイントは天候や時間によってはこの“LOVE”の文字が影となって壁や地面に映し出されるということ。“LOVE”の文字が影となってビビッドな周囲の地面や壁に映し出される様は本当にフォトジェニックなので観光客にはこちらも人気のスポットとなっています。
サルベーションマウンテンは2つの作品
サルベーションマウンテンの丘には実はそれぞれ異なる名前が付けられた2つの作品が存在しています。そのうちの一つが「ミュージアム」と名付けられたもので、なんでもレナード・ナイト氏がかつて飛ばそうと試みた気球をモチーフにしたものなんだそう。天井を支えるカラフルな木々が特徴的なこちらの中はあたかもジャングルのようで、レナード氏の発想力が光る非常にユニークな空間です。
また「ミュージアム」と並ぶもう一つの作品は「ホーガン」というもので、ネイティブアメリカンの住居である“ホーガン”から着想を得たとのこと。こちらはカリフォルニアの砂漠のど真ん中という立地の中、暑さをしのぐための場所として建設されたとのことですが、もちろんその内部もカラフルなアートに彩られた空間となっています。
内部にはテーマ別に分かれた小部屋が!
サルベーションマウンテンの内部にはテーマ別に分かれた様々な小部屋が設置されており、いずれも中に入れるようになっています。小部屋の中にはもちろん神への愛が感じられる言葉と共にカラフルなアートが散りばめられており、その様はアイスクリームやキャンディーといったカラフルなお菓子をも思い起こさせてくれるほどキュートです。
サルベーションマウンテンには礼拝堂も!
サルベーションマウンテンには洞窟のような形をした礼拝堂もあります。なんでもサルベーションマウンテンを制作していた当時のレナード氏はここで神への祈りを捧げていたとのこと。礼拝堂内は花や鳥などといったカラフルな絵柄で彩られており、“神はあなたを愛している”といった言葉が記されていなければここが礼拝堂であるということがわからないほどポップなアート空間となっています。
レナード・ナイト氏が過ごしたトラックも!
サルベーションマウンテンにはこのアートを築き上げたレナード・ナイト氏がアートの制作中に生活をしていたトラックも残されており、こちらも観光客には人気のスポットの一つ。最高40度以上にも達する気温に加え、電気もガスもない砂漠内の過酷な環境下、ただこのアートを築くためだけにトラック生活を営んでいたレナード氏のひたむきな思いがトラックを通して伝わって来るようです。
頂上から眺める砂漠の景色も壮観!
サルベーションマウンテン観光の際には丘そのもののみならず、丘の頂上から見渡す砂漠の景色も壮観です。丘の頂上から見下ろすと、カラフルなアートが連なるサルベーションマウンテンの向こうにはどこまでも砂漠の景色が広がっており、ここがアメリカ・カリフォルニアの砂漠のど真ん中であるということを改めて感じさせてくれます。
サルベーションマウンテンの入場料は?
Respect the Art, Salvation Mountain. #LeonardKnight #SalvationMountain #OutsiderArt #Nilan… https://t.co/TI3YLKpwpZ pic.twitter.com/QCqXjuvqFW
— Mark Melnick (@riverrunpast) March 23, 2017
これだけ手の込んだポップなアートに彩られたサルベーションマウンテンですが、入場料はなんと無料。その理由としてはレナード・ナイト氏個人によって作られたものであるという以上に、やはり神への愛を伝えたいという思いで制作されたものであるからという背景があるのではないでしょうか。
サルベーションマウンテンへの行き方は?
LA行ったら前からずーっと行ってみたいサルベーションマウンテンにも行きたい思って調べてたけど、ツアー高いしレンタカーも一人やと高いし悩む \(^o^)/
— chess (@SOjpnAZ) October 24, 2017
誰か1月LA行かんかなーw pic.twitter.com/kCurZ0sLGd
気になるサルベーションマウンテンへの行き方です。カリフォルニア州中ほどの砂漠のど真ん中に位置するサルベーションマウンテンへの行き方は、車での行き方かあるいはツアー参加する行き方の二通りしか存在しません。いずれにしても、カリフォルニア州にはアメリカでも有数の都市として知られるロサンゼルスもあるため、そちらと併せた行き方がおすすめです。
サルベーションマウンテンへの車での行き方
サルベーションマウンテンはいずれの大都市からも距離が離れているため、自力で訪れる際は車での行き方しか存在しません。また同じくカリフォルニア州内に位置する大都市、ロサンゼルスからも車で訪れる際には片道3~4時間程度はかかるため、サルベーションマウンテンを観光の際には一日がかりとなることを覚悟しなければなりません。
サルベーションマウンテンから最も近い一大都市、ロサンゼルスからサルベーションマウンテンを訪れる際には一日がかりとなってしまう一方、サルベーションマウンテンから最も近い都市であるサンディエゴから車で訪れる際には、片道2~3時間ほどとなっています。ですのでサルベーションマウンテンを日帰りで訪れたいという方にはサンディエゴからの行き方がおすすめです。
サルベーションマウンテンへ行くにはツアーに参加する方法も
車以外でのサルベーションマウンテンへの行き方としては、現地のオプショナルツアーに参加するという行き方も存在します。その際多くのツアーではロサンゼルスからの送迎付きで、サルベーションマウンテンに加えて近隣の観光地も観光できるので、車の免許がない方や現地での運転が怖い方にはこちらの行き方も人気です。ただこの場合ツアー代金は概ね200ドル以上はするので車での行き方よりお高くはなってしまいます。
サルベーションマウンテン観光の際に併せて訪れたい
ちなみにサルベーションマウンテンをロサンゼルスから訪れるのであれば、その途中に位置するデザートヒルズ・プレミアム・アウトレットに立ち寄るのもおすすめです。こちらは130以上もの店舗が店を構えるロサンゼルス近郊では最大のアウトレットとして知られており、ここを訪れればお気に入りのブランド品をお安く購入することが出来るでしょう。
サルベーションマウンテンを訪れる際気を付けたいこと
ポップなアートに彩られたサルベーションマウンテンですが、こちらを訪れる際にはここがカリフォルニアの砂漠のど真ん中に位置しているということを忘れてはいけません。カリフォルニア州は年間を通して快晴が非常に多く、春~夏のような気候が続くため過ごしやすい土地とですが、砂漠の真ん中に位置するサルベーションマウンテンは時には40度を超えることもあるため暑さ対策は必至です。
サルベーションマウンテン観光の際の持ち物は?
そんなサルベーションマウンテンを訪れる際には持ち物も準備が必要です。照り付けるような暑さに襲われる可能性のある日中の観光であれば飲料水と日焼け止め、帽子やサングラスといったグッズは忘れずに持っていきたいところ。また砂漠の中に位置するサルベーションマウンテンはほこりっぽく、丘の頂上に上る際にハイヒール等の靴は足元を滑らせる可能性もあるため、スニーカー等の歩きやすい靴がおすすめです。
サルベーションマウンテンに上る際には黄色の線上を!
サルベーションマウンテン観光の際にもう一つ忘れてはならないルールがあります。それが黄色の線上を歩く、ということ。丘のように小高いサルベーションマウンテンは頂上に上ることも出来ますが、その際には他の色の部分を歩くことは禁止されており、黄色の線上しか歩けません。それももちろんサルベーションマウンテンのアートを保護するためですのでくれぐれも観光の際にはこれを念頭に観光するよう心がけましょう。
アメリカ旅行の際はサルベーションマウンテンへ!
カリフォルニア州内の砂漠のど真ん中というアクセスの悪いところに位置していながら、観光客から人気のスポットとして知られるサルベーションマウンテン。たった一人の人物によって作られたとは思えないポップなアート空間は訪れる者を皆楽しい気持ちにさせてくれます。アメリカ観光でロサンゼルス近郊を訪れるのであれば、そんなサルベーションマウンテンにもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。