ロサンゼルスの日本人街「リトルトーキョー」治安や気になる見どころを紹介！

アメリカでニューヨークに次いで2番目に大きいとされる都市、ロサンゼルスにあるリトルトーキョーは米国最大の日本人街。かつては治安が悪いなどとされる時期もあったものの、現在は観光地として人気を誇ると共に、ロサンゼルスに暮らす日本人にとってのコミュニティの役割を果たしてきました。今回はそんなリトルトーキョーのおすすめ観光スポットから日本食レストラン、気になる治安情報までまとめてお伝えします。

米国最大の日本人街であるリトルトーキョーは、1885年にチャールズ・カメとの名で知られる日本人が現在のリトルトーキョーの地に日本食レストランを開業したのが始まりとされています。この後日本人がリトルトーキョーに居住し始め、日本に関係する店が徐々にオープン。さらに1906年、サンフランシスコの地震により、同地に居住していた日本人が移住し、ロサンゼルスの日本人街は拡大したとされています。

しかしリトルトーキョーと同地に住んでいた日本人は苦難の時期をも経ることになります。第二次世界大戦により、リトルトーキョーの日本人は強制収容所に送られ、人の姿がなくなったリトルトーキョーは廃墟化。治安も急速に悪化し、黒人が居住していたりもしたそうですが、戦争終結後は収容所から解放された日本人が帰還。近年はロサンゼルス市街の再開発もあって周辺は活気が満ち、魅力ある場所へと変化を遂げました。

それではここからはロサンゼルスの日本人街・リトルトーキョーでおすすめの観光スポットから日本食レストランなどをご紹介します。リトルトーキョーの中心に位置するショッピングセンター「日本村プラザ」(Japanese village plaza)はレストランからコスメ、洋服と様々なものが売られていておすすめ。さらに全てのお店で日本語の対応が可能なので、英語が話せないという方でも安心してショッピングが出来ます。

こちらの「全米日系人博物館」(Japanese American National Museum)は、アメリカの日本人移民の歴史を伝える博物館。ここロサンゼルスの地に日本人街が誕生したのは19世紀のことですが、それ以降日本人移民は第二次大戦の際の強制収容など平坦な道を歩んできたわけではありませんでした。博物館の展示を通じ、そんな異国の国で困難に立ち向かってきた日本人に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

こちらの「マルカイ・マーケット」(Marukai Market)では日本人が異国の地で恋しくなってしまうような食材の大半が売られていておすすめです。それというのもこちらは元々は大阪に本拠を構える日本企業だということで、日本関連の品ぞろえは他の追随を許しません。さらに近年はアニメなどサブカル関連の品ぞろえまであり、日本好きのアメリカ人の間でも人気のスポットになっています。

全米一の規模を誇るとされるここロサンゼルスのリトルトーキョーにはなんとお寺まであるんです。その名も「東本願寺ロサンゼルス別院」という名のこちらのお寺は1904年に日本人のため創設された仏教会に起源を持つというれっきとしたお寺。新年には初詣に訪れる人で賑わう米国在住日本人の憩いの場所となっているようです。

日本人街であるリトルトーキョーを訪れたら日本食レストランにもぜひ足を運びたいところ。リトルトーキョー内には数多くの日本食を提供するレストランが店を構えており、日本企業が運営しているものなどもあるため、そのお味は本場に勝るとも劣らないほどとなっています。そんな中でも特におすすめの日本食レストランをご紹介します。

近年海外でも日本食はブームとなっており、中でもラーメンは大人気。そのためかリトルトーキョー内にも複数のラーメン店が存在しています。しかし断トツ人気はこちらの「新撰組 博多ラーメン」です。こちらのラーメンは豚骨ベースのコクがあるスープに加え、麺の固さなどが選べる本場博多式。ランチ帯などには長蛇の列が出来ることなどもあるおすすめのラーメン店です。

本場四国出身のオーナーによるこちらの「丸亀もんぞう」はリトルトーキョーの日本食レストランの中でも一押しのおすすめレストランです。職人まで本場讃岐で修業を積んできたというこちらのお店では、本場顔負けの強いこし、つるりとした食感のうどんが特徴です。汁はオーソドックスなものからアメリカ流のアレンジが加えられたものまで幅広いため、日本食が恋しい場合以外でも訪れてみたいところです。

1940年の第二次大戦当時より続くというこちらの「JIST CAFE」は、日本食からパンケーキなどといったアメリカンフードまで幅広く提供するお店となっています。しかし多岐にわたるメニューの中でも一番人気は「Chashu Hash Skillet」という自家製ダレによって作られた極旨チャーシューが盛り付けられた丼ぶり。日本人の口に非常に合うと共に、現地のアメリカ人からも大人気のおすすめメニューです。

リトルトーキョーにあって日本にないものといえばこちらの「ヤマザキベーカリー」。コンビニなどでもお馴染みのあのヤマザキパンのベーカリーとなっています。こちらのパンは種類も豊富ながらさらには焼き立てとなっており、日本で味わうヤマザキパンよりさらに美味しく感じられてしまうのではないでしょうか。

ロサンゼルスは近年の再開発で治安が向上したものの、いまだに危険な地区も残されています。そんな中で気になるのはやはりリトルトーキョーの治安ではないでしょうか。現在のリトルトーキョー自体は治安が良いとされ、また日本人街であるため日本語も通じるので日本人の観光客が訪れても全く問題ない場所となっています。ただ夜になると人の姿がめっきり減ってしまうので、夜の観光には少々注意が必要かもしれません。

しかし問題は日本人街であるリトルトーキョーのすぐ隣にロサンゼルス一治安が悪いとされる「Skid Row」という地区があること。このSkid Rowとは日本でいうところのドヤ街のような場所で、ホームレスが暮らす地区となっており、麻薬中毒者やマフィアによる凶悪犯罪が絶えません。日没後はもちろんのこと、昼間でも日本人であったら絶対に近づいてはいけません。

ロサンゼルスの中でも最も治安の悪いSkid Rowはリトルトーキョーの南隣りに位置しています。通りでいうと、南北を3番通りと7番通りに挟まれた地区がSkid Rowとなっており、この地区に1万5000人を超えるホームレスが生活しているとのこと。リトルトーキョーを観光される際には間違ってもここに足を踏み入れてしまわない要注意です。

ロサンゼルスでも治安が悪く有名なSkid Rowですが、その他にもロサンゼルス市内には治安が悪い地区が多数存在しています。代表的なものがHarvard Park、Harbor、Chesterfield Squareなどとなっていますが、ロサンゼルス内で治安が悪いのはこれらの地区だけではありません。観光の際には自分が行きたい場所や宿泊する場所がそのような地区の近くに位置していないかなど、十分に調べてから行くようにしましょう。

リトルトーキョー観光のみならず、治安が悪い地区を複数有するロサンゼルスを観光する際には安全確保のため幾つか気を付けたいことがあります。夜はタクシーに乗車する、財布をむき出しで持たない、ATMは屋内にあるものを利用する、ゴミが散乱するなど不潔なエリアには近寄らない、人込みではリュックを背にかけて歩かない、などは自分の身を守るため最低限気を付けたいことです。

ロサンゼルス国際空港から安全にリトルトーキョーに行くには空港から「Flyaway」というシャトルバスの利用が便利です。「Flyaway」には空港1階の到着ターミナル外のバスターミナルから「UNION STATION」行きに乗車し、「UNION STATION」に到着したら地下鉄に乗り換えます。地下鉄では「Atlantic」行き乗車で1つ目の「Little Tokyo / Arts District Station」で下車、リトルトーキョーはもうすぐ目の前です。

注意したいのはロサンゼルス市街からリトルトーキョーを訪れる際、バスは治安面で非常に危険であるということ。リトルトーキョー南端に隣接する「Skid Row」は治安が非常に悪いことで有名であるにも関わらず、ロサンゼルス市街からのバスの中にはなんとここに終点を設置しているものがあるんです。誤ってそんなバスに乗ってしまったら大変ですので、リトルトーキョーを訪れる際には地下鉄等で行かれる方が無難です。

活気あふれる魅力的な観光地として人気を誇るリトルトーキョーは、現地に在住する日本人のコミュニティとして、さらには異文化を結ぶ懸け橋としても多くの役割を果たしてきました。日本人からすると本来の日本とはちょっと異なるようにも感じられるリトルトーキョーですが、そんな違いを見つけるのもまた一興。ロサンゼルスを訪れる際にはぜひそんなリトルトーキョーをも訪れてみてはいかがでしょうか。