オランダ焼きは秋田・湯沢市の名物！地元民も愛する味を徹底紹介！

日本各地には様々に工夫を凝らしたご当地グルメがあります。そんなご当地グルメを本場で食べるのは旅行の楽しみのひとつ。今回ご紹介するのは、秋田県湯沢市の名物、オランダ焼きです。オランダ焼きとはどのような食べ物なのでしょうか。湯沢市民が誇るオランダ焼きのおいしさの秘密や、おいしいオランダ焼きが買える人気の店舗をご紹介します。

オランダ焼きとは、秋田県南部にある湯沢市の名物です。見た目は今川焼きや大判焼きと同じですが、中身はハムとマヨネーズが入っているのが特徴。30年ほど前に誕生し、今では湯沢以外でも秋田の各地で親しまれるおやつとなっています。ちなみに、同じ名前でもワッフル型のオランダ焼きは北海道根室市の名物で、長崎県平戸市発祥のオランダせんべいがルーツと言われています。

オランダ焼きの作り方は、今川焼の型に三角に切ったハムとたっぷりのマヨネーズを乗せて焼き上げるというもの。シンプルですが、ほんのり甘い生地はマヨネーズの酸味と絶妙にマッチして、マヨネーズの好きな人にはたまらないおいしさなのだとか。ハムの縁が赤いところも一層懐かしさを感じさせます。

オランダ焼きという名前の由来は、ハムを風車のように組み合わせて乗せていることから、風車が名物のオランダの名前をつけたのだそうです。また、ヨーロッパのハイカラなイメージを表現するためのネーミングだとも言われています。ちなみに、同じ秋田県の大潟市はオランダのドロンテン市と友好都市関係にあるそうです。オランダ人が湯沢を訪れてオランダ焼きを見たらびっくりするかもしれません。

オランダ焼きは屋台で目にすることも多いです。初詣の縁日では、ほかほかの温かいオランダ焼きは人気のおやつ。オランダ焼きを食べて育った湯沢の人々の中には、帰省したら必ずオランダ焼きを食べるという人や、無性にオランダ焼きが食べたくなって自宅で作るという人もいるほど、オランダ焼きは湯沢市民のソウルフードとして親しまれています。

オランダ焼き発祥の地、湯沢でオランダ焼きを食べるなら外せないお店が「高市青果店」です。昭和初期には看板通り青果店として営業していたそうですが、戦後から揚げ物などの惣菜を販売するお店となり、30年ほど前からはオランダ焼きや大判焼きなどの甘味も作るようになったのだとか。お店には学生からお年寄りまで、いつもたくさんの人がやって来ます。湯沢駅から徒歩5分、アーケード商店街の一角にあります。

店先は、人気のオランダ焼きが焼き上がるのを待つ人で賑わいます。生クリームのようにたっぷりと絞りだされるマヨネーズが温められて、お店にはまろやかな香りが漂います。お客さんからのたくさんの注文にも、店員さんは手際よくどんどんオランダ焼きを作っていきます。店員さんの手さばきを眺めるのも楽しいひととき。

高市青果店のオランダ焼きの価格は100円と、学生でも気軽に買えるうれしい価格設定も人気の秘密です。一口頬張ると、ふわふわの生地からとろとろのマヨネーズがあふれ出します。そしてマヨネーズのまろやかな味わいをハムの塩気が引き締めて、オランダ焼きの絶妙なおいしさとなっています。店舗の営業時間は9時から17時までです。

住所:秋田県湯沢市表町1-1-28 電話番号:0183-73-2623

高市青果店では、オランダ焼きの他にもたくさんのメニューがあります。あんこの入った大判焼きやたい焼きといった定番の甘味メニューから、オランダ焼きのアレンジメニューまで豊富なバリエーション。オランダ焼きのアレンジメニューは国名つながりで、オランダ焼きにキーマカレーをプラスした「インド焼き」や、トマトとピーマンをトッピングした「イタリア焼き」などが期間限定で販売されています。

オランダ焼きと並んで高市青果店の看板メニューとなっているのが「さつまてん」です。さつまいもをアメリカンドッグのような衣で包んで揚げたもので、天ぷらともフライとも違うありそうでなかったメニュー。衣は甘さの中に塩気もあり、しっかりした味付け。また、さつまいものかわりにバナナが入った「バナナてん」も人気メニューのひとつです。オランダ焼きと一緒に食べればお腹いっぱいに!

オランダ焼きのおいしさはたちまち湯沢から秋田県内に広がり、中には湯沢発祥とは知らずすっかり地元のグルメだと思い込んでいる人もいるほどなのだとか。湯沢市の北、花火大会で有名な大仙市大曲にもオランダ焼きの人気店があります。花火大会会場の雄物川の近くにある「おやつの店さぬき」の本業は米屋さんですが、店舗の目の前が高校ということもあり、すっかり学生たち御用達のおやつの店となっています。

気になるオランダ焼きはやや小ぶりで食べやすいサイズ。その分価格は90円と抑え目になっています。また、親子のコアラの姿が微笑ましい「コアラちゃん焼き」もオランダ焼きと並んで人気のメニューです。ちなみにこのコアラちゃん焼きは徳島のお好み焼き屋が発祥で形も同じ。昭和59年にコアラが初来日した記念に作ったのが始まりだそうです。営業時間は10時から17時30分までです。

住所:秋田県大仙市大曲金谷町3-8 電話番号:0187-62-4590

大曲から羽州街道を南下したところにある六郷には、おやつの店さぬきの姉妹店舗があります。こちらは「おやつの店本間」と呼ばれる「本間菓子店」。菓子店といってもお好み焼きも販売しており、店内のテーブル席で食べることができます。もちろん出来たて熱々のオランダ焼きも!営業時間は10時から18時までです。

オランダ焼きは、マヨネーズが少なめのあっさり風味。大きさが小ぶりなのでその分ハムのボリュームが多く感じられます。名物オランダ焼きの販売は10月から5月下旬の期間限定。コアラちゃん焼きも夏場はお休みとなります。夏場は、オランダ焼きに代わってかき氷やアイスクリームが人気です。

オランダ焼きがテレビで紹介されて以来、本間菓子店には全国各地からお取り寄せの問い合わせがあるそうですが、配送は行っていないとのこと。店舗に足を運んで直接買うのがやっぱり一番おいしいもの。お店の前には車や自転車がずらりと並ぶこともあるのだとか。たくさん購入したい時や時間通りに受け取りたい場合は、電話での予約を受け付けているそうです。

住所:秋田県仙北郡美郷町六郷米町9 電話番号:0187-84-0784

湯沢市から遠く離れた秋田県北部の鹿角市にもオランダ焼きはあります。「山田商店」は、JR鹿角花輪駅前のバス通りから少し入った場所にある、街のおやつ屋さん。店舗の外には「あんこ入れすぎの大判焼き」という、ついつい食べてみたくなるPOPが。営業時間は9時30分から17時まで、木曜は定休日です。

山田商店のオランダ焼きを食べて育った人には「オランダ焼きといえば山田商店」というイメージが定着しているようで、湯沢の名物だと知らない人もいるのだとか。山田商店のオランダ焼きは湯沢のものとは少し変わっていて、マヨネーズの代わりにからしマヨネーズとケチャップが入り、ハムに加えてさらにチーズがプラスされています。注文を受けてから丁寧に焼き上げるオランダ焼きは絶品のおいしさ!価格は140円です。

山田商店の店内はテーブル席があり、出来たてをその場で食べることができます。お好み焼きやたこ焼きと一緒に食べればちょっとした昼食にも。また、人気メニューは店先の看板にあるようにあんこ入れすぎの大判焼き。生地によもぎをたっぷり練り込んだものやチーズクリームなどもあり、子供からお年寄りまでたくさんの鹿角市民に親しまれています。

住所:秋田県鹿角市花輪上中島95 電話番号:0186-23-2953

オランダ焼きをまだ食べたことがないという人は、試しに手作りしてみるのもおすすめです。市販のホットケーキミックスを使えば手軽に作ることができます。ポイントは、ホットケーキミックスの生地にハチミツを少々混ぜること。マヨネーズの量は好みで調節してみて下さい!

秋田県湯沢市の名物、オランダ焼きをご紹介しました。テレビで紹介されて一躍全国的に有名になった湯沢のソウルフード、オランダ焼き。湯沢を訪れた際には、マヨラーでなくても一度食べたらやみつきになるというオランダ焼きの味を試してみてはいかがでしょうか。