地域

地域から探す

  • 日本
  • 北米
  • 中南米
  • アフリカ
  • 中東
  • アジア
  • ヨーロッパ
  • オセアニア
キーワード

キーワードから探す

モヘンジョダロで遺跡巡り!インダス文明の歴史や博物館・見所を紹介

モヘンジョダロで遺跡巡り!インダス文明の歴史や博物館・見所を紹介
投稿日: 2018年6月13日最終更新日: 2020年10月8日

モヘンジョダロ遺跡はパキスタンにある世界遺産です。いまだに解明されていない謎を持つモヘンジョダロは、遺跡ファンなら一度は訪れておきたい場所。世界遺産モヘンジョダロ遺跡の見どころや、モヘンジョダロの出土品が展示されている博物館などの観光情報を紹介しています。

パキスタン「モヘンジョダロ」観光ガイド!見出し

Photo by bongo vongo

パキスタンにある遺跡「モヘンジョダロ」は、学校の授業でもその名が登場するほどの有名スポットです。今回は、モヘンジョダロという名前は聞いたことがあるけれどどんな場所か分からないという人のために、モヘンジョダロの見どころをたっぷりご紹介。モヘンジョダロの出土品が展示されている博物館やモヘンジョダロまでの行き方も解説します。

「モヘンジョダロ」ってどんな場所?見出し

「モヘンジョダロ」は、パキスタン南部のシンド州にある都市遺跡群です。インダス川流域に位置し、世界四大文明の1つに数えられるインダス文明の歴史を紐解く上で重要な遺跡とされています。ちなみに、インダス川流域にあるもう1つの有名な都市遺跡に「ハラッパー」があります。

モヘンジョダロという名前は「死の丘」という意味を持つそうです。この場所では古代の累々たる人骨が至る所から発見され、地元では死者が眠る墳丘として近寄りがたい禁忌の場所とされてきました。

すなわちモヘンジョダロとは後世の人々がつけた呼び名というわけです。この場所が遺跡になる前の、人々が生活していた当時の都市の名前については、インダス文字が解読されていないためにまだ分かっていません。

パキスタン観光はココがおすすめ!人気名所や見どころスポットも | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
パキスタン観光はココがおすすめ!人気名所や見どころスポットも | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
日本の約2倍の面積があり、3つの山脈が交わる国パキスタンには、魅力あふれる人気観光スポットが数多く点在しています。世界遺産も数多く残るパキスタンでの一度は行きたい観光名所や、見どころ満載のおすすめスポットを紹介していきます。

モヘンジョダロは世界遺産の遺跡見出し

モヘンジョダロは、紀元前5000年頃から存在し、紀元前2200年から紀元前1800年頃に栄えたと言われています。そのような古い時代であるにも関わらず、モヘンジョダロの遺跡からは優れた都市計画やインフラの跡が至る所から発見され、世界の学者たちを驚かせました。

また、モヘンジョダロ遺跡の出土品からも優れた技術が窺えます。最盛期にはこの都市におよそ4万人が生活していたと推測され、紛争の痕跡もないことから人々は平和で文化的な生活を送っていたと考えられています。

当時としては世界中で最も先進的であったと推測されるインダス文明の証拠として、モヘンジョダロは1980年にユネスコ世界遺産に登録されました。モヘンジョダロの遺跡群は、パキスタン国内にある世界遺産の中でも高い人気を誇る観光スポットとなっています。

長い間砂漠に覆われて隠されていたモヘンジョダロ遺跡は、インドの歴史学者であるR・D・ボンドパッダーエ氏によって1922年に発見されました。しかし、遺跡を覆っていた砂が発掘調査で取り払われたことや近所にダムが建設されて地下水が増えたことにより、遺跡の風化が進んでいるそうです。

モヘンジョダロ遺跡はアラビア海やインダス川に近いことから、遺跡のレンガが塩分を含んだ地下水を吸収してしまうことが風化の原因なのだそうです。謎に包まれたまま土に還ってしまった場所もあり、遺跡の保存が叫ばれていますが解決策はまだ見つかっていません。

古代遺跡モヘンジョダロにまつわる謎見出し

モヘンジョダロ遺跡周辺の地盤は掘り進めるとすぐに地下水が湧き出してしまい、発掘作業がなかなか進められないために解明されていないことがたくさんあります。

モヘンジョダロの都市は高い文明を築いていたにも関わらず、短期間のうちに滅亡したと考えられいます。発掘調査で発見された人骨は埋葬の痕跡はなく、遺跡の至る所で不自然な形で見つかったのだそうです。モヘンジョダロの都市が突然大洪水に見舞われたというのが現時点での有力な説とされています。

それに加えて謎を深めているのは、一部の人骨には高温で一気に焼かれたような形跡があることや、人骨や遺跡の壁から通常の50倍もの放射能が検出されたことです。周辺には火山もないことから、核爆発が起こったという説を唱える人もいます。

また、モヘンジョダロ遺跡には都市の遺跡が何層にも積み重なっていることが分かってきました。現在発見されている層は7層で、それぞれが前の遺跡をなぞるように同じ形式の都市を築いていたのだそうです。現在出土しているモヘンジョダロ遺跡の下にも、さらに遺跡の層は続いていると考えられ、それがどこまで遡るのかは謎に包まれています。

モヘンジョダロ観光の見どころ1【ストゥーパ】見出し

世界遺産モヘンジョダロ遺跡の広さは1.6km四方で、その中には見どころがたくさんあります。モヘンジョダロでひときわ目を引くのは「ストゥーパ」です。ストゥーパはインダス文明の遺跡ではなく、インダス文明が滅びた後に作られたもので、仏教寺院の中にあった仏塔の遺跡であると考えられています。

Photo bysharonang

ストゥーパとは仏教の「卒塔婆」のことで、モヘンジョダロの他にも世界の仏教寺院や仏教遺跡でストゥーパを見ることができます。ストゥーパは様々な形があり、日本では五重塔や三重塔、多宝塔がストゥーパに当たります。また、ミャンマーではパゴダがストゥーパに当たり、ヤンゴンにあるシュエダゴン・パゴダは世界遺産に登録されています。

モヘンジョダロにあるストゥーパは高さ15m。平坦なモヘンジョダロの中にあってランドマークのような存在となっています。このストゥーパからは、モヘンジョダロ遺跡全体を見渡すことができます。

モヘンジョダロ観光の見どころ2【市街遺跡】見出し

ストゥーパの裏手には、きっちりと碁盤目状に区画整理された市街地の遺跡が広がっています。モヘンジョダロの遺跡からは王族や将軍といった強い権力者がいた痕跡が見つかっておらず、人々はそれぞれ自分の職業を全うし、安定した政治のもとで平和に暮らしていたと考えられています。

このストゥーパ裏手の市街地は、農民でない人たち、つまり商人や職人たちが住んでいた場所とされています。大通りは真っ直ぐ広々としており、通りに沿って家が建っていました。住宅の造りは平屋や2階建てなど様々ですが、表通りに面している壁には窓がなく、表通りから路地に入った場所に窓や玄関が取られていた所は共通のようです。

住宅は主にレンガ造りで、遺跡の中には部屋の間取りまで分かる保存状態の良いものもあります。屋根こそないものの、実際に住居跡に入って当時の人々の暮らしぶりを想像しながら観光することができます。

また、モヘンジョダロの都市遺跡が世界を驚かせたのは、上下水道のインフラが緻密に整備されていたことです。それぞれの住宅には水洗トイレやお風呂があり、下水道を通して処理されていました。この下水道は詰まらないように工夫がされており、街の美観を損なわないように汚水は人目につかないようにきちんと蓋がされていたそうです。

モヘンジョダロ観光の見どころ3【城塞遺跡】見出し

モヘンジョダロの都市には争いの痕跡や軍事施設の遺跡がないことから、平和な街であったことが推測されています。それでも万一に備えてのことだったのか、モヘンジョダロ遺跡からは城塞の跡が発見されています。

城塞はストゥーパから見て住宅街の反対側にあります。城塞も住宅と同様レンガ造りですが、施設の土台がレンガで一段高く設けられているため、住宅街を見渡せるような造りになっていたそうです。城塞と言っても軍事施設ではなく、政治や公共の集まりの場所であったと考えられています。

モヘンジョダロの都市の建造物の多くはレンガで造られています。そのレンガは大きさが統一されていたり、強度が得られるように幾何学的に敷き詰められていたりすることから、インダス文明の高い技術が窺い知れます。

モヘンジョダロ観光の見どころ4【沐浴場遺跡】見出し

城塞遺跡の中央には、沐浴場と思われる施設があります。水場であったと推測される根拠は、この場所のレンガに防水処理が施されている点です。小さめのレンガを隙間なく積み、上からタールを塗りこむことで防水を可能としていたようです。また、底には緩やかに傾斜がついており、排水のこともきちんと考慮されていたことが分かります。

暑いパキスタンにあるモヘンジョダロの人々は、この沐浴場で水遊びを楽しんでいたのでしょうか。なお、この沐浴場公共のお風呂としてだけでなく、貯水槽としても活用されていたと考えられています。

モヘンジョダロ観光の見どころ5【農業地帯】見出し

モヘンジョダロの中でも建物が少なく緑が多い場所は畑の跡地と考えられています。当時の都市では農業が主要な産業であり、小麦の栽培や家畜牛の飼育が盛んに行われていたと推測されています。農民たちはこの農業地帯に住居を構えていたそうです。都市の道路は、農作物を輸送する道路としても利用されていました。

モヘンジョダロ観光の見どころ6【モヘンジョダロ博物館】見出し

モヘンジョダロ遺跡には「モヘンジョダロ博物館」が併設され、モヘンジョダロの出土品が数多く展示されています。有名な展示品は「神官王の胸像」のレプリカです。本物はカラチにあるパキスタン国立博物館に展示されているので、あわせて観光するのがおすすめ。

モヘンジョダロ博物館ではこの他にも、解読されないままの謎のインダス文字を彫った印章や、サイコロのようなおもちゃ、色とりどりのアクセサリーなど、紀元前のものとは思えない精巧な出土品の数々を見ることができます。そして、当時のモヘンジョダロの都市の様子を描いた想像図も必見です。

モヘンジョダロの出土品はパキスタン国立博物館にも見出し

パキスタン南部の都市カラチにある「パキスタン国立博物館」にも、モヘンジョダロ遺跡の出土品が展示されています。中でも、かの「神官王の胸像」の本物はパキスタンの至宝と言われ、パキスタン国立博物館内でも最も貴重な展示物の一つです。

パキスタン国立博物館には他にも、インダス文明の歴史やパキスタン建国当時の様子が分かる資料も数多く展示されています。

パキスタン国立博物館の場所

パキスタン国立博物館があるのは、カラチの港から程近い場所です。「ポート・グランド」から伸びる2本の幹線道路の中間にあります。開館時間は9時から17時までで、毎週水曜日は休館日となっています。

世界遺産モヘンジョダロへの行き方見出し

Photo by almosbech

パキスタンはバックパッカーに人気の場所です。個人でモヘンジョダロを観光するなら、モヘンジョダロの東にあるサッカルという街を拠点にするのがおすすめです。モヘンジョダロ周辺の地域は治安が心配なので、外国人観光客はサッカルからタクシーをチャーターするか、観光バスの日帰りツアーを利用するのが一般的です。

Photo by andreabbondanza

サッカルへ行くには、パキスタン北部にある首都イスラマバードからパキスタン南端のカラチに飛行機で移動し、カラチを経由してサッカルへ行きます。飛行機の便数は多くなく、しかも遅延も起こるためにパキスタン内の移動だけでも数日を要する場合があるので注意しましょう。

モヘンジョダロ観光はツアーがおすすめ見出し

日本からは、モヘンジョダロ観光のツアーも企画されています。モヘンジョダロとハラッパーの2大インダス文明遺跡を巡るツアーや、同じくパキスタンの世界遺産「ラホール城塞とシャリマール庭園」を訪れるツアーもあります。

Photo byhar103

初めてパキスタンへ旅行するなら、日本の旅行会社主催のツアーに参加するのが安心です。パキスタンは近年治安が悪化しており、パキスタン国内のほとんどのエリアが外務省の海外安全情報においてレベル2(不要不急の渡航は止めて下さい)に指定されています。外国人誘拐の事件も起こっていますので、現地での単独行動は避けましょう。

パキスタンの治安は悪い?観光するならテロや渡航情報に注意しよう! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
パキスタンの治安は悪い?観光するならテロや渡航情報に注意しよう! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
パキスタンというと、なんとなくテロのイメージが強い方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなパキスタンの治安についてまとめました。パキスタンを観光するのであれば、テロや治安、渡航情報に注意して、安全に旅行を楽しみましょう。

モヘンジョダロとあわせて行きたいパキスタンの世界遺産見出し

パキスタンには、モヘンジョダロ遺跡の他にも有名な世界遺産があります。せっかくパキスタンを訪れたら世界遺産巡りをするのもおすすめです。

古代都市の遺跡 「タッターの文化財」

モヘンジョダロと同じくシンド州のインダス川流域に位置する「タッターの文化財」は、1981年に世界遺産に登録された古代都市の遺跡です。タッターの文化財の見どころは、17世紀に建設されたバードシャーヒー・モスクです。

釉薬がかかったタイルを使用して建設された美しいモスクは101のドームによって構成され、モスクのどこにいてもイマーム(指導者)の声が響いて届くように設計されているそうです。

城塞遺跡「ロータス・フォート」

「ロータス・フォート」は、パキスタンの首都イスラマバードの南にある城塞遺跡で、ペシャーワルからラホールへと続くルートを防衛する要衝の役割を果たしていました。12の城門とモスク、3つの井戸、宮殿からなるロータス・フォートはアフガン建築とヒンドゥー建築を融合させた世界初の建築物で、堅牢かつ優美な見応え抜群の世界遺産です。

ラホールの城塞とシャーラマール庭園

パキスタン東部のパンジャーブ州にある「ラホールの城塞とシャーラマール庭園」は別々の施設ですが、同じラホール市内にあるため1件の世界遺産として登録されました。ラホール城の歴史は解明されておらず、少なくとも1180年代のゴール朝よりも前から存在していたとされています。

シャーラマール庭園は、ムガール帝国時代の1641年に造られた広大な庭園です。庭園には410もの噴水があり、その仕組みは現代の科学者でも解明できないと言われるほどの技術なのだとか。また、庭園を囲んでいるレンガは複雑な透かし彫りが施されているのも見どころの一つです。

ラホールの観光おすすめ!城や庭園などの見どころや治安情報もまとめて紹介 | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
ラホールの観光おすすめ!城や庭園などの見どころや治安情報もまとめて紹介 | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
パキスタン北部の一大都市ラホールは歴史上インドと関わりを持ち、ムガル帝国時代からの歴史的建造物や城などが残り観光地として知られています。今回はそんなパキスタンのラホールについて観光から空港、治安情報などまとめてご紹介します。

世界遺産モヘンジョダロ遺跡の旅へ出よう見出し

Photo byAwaix_Mughal

パキスタンの世界遺産「モヘンジョダロ」をご紹介しました。いまだに解明されていない謎に包まれたモヘンジョダロ遺跡は、知れば知るほど興味が湧くロマンあふれる観光スポットです。モヘンジョダロへ旅行する時はパキスタンの治安情報を十分チェックして、気をつけてお出かけ下さい!

投稿日: 2018年6月13日最終更新日: 2020年10月8日

アイコン

RELATED

関連記事


  • instagram
  • line

公式アカウントをフォローして
最新の旅行情報をチェックしよう!

旅行や観光スポット・グルメ・おでかけに関する情報発信メディア

©TravelNote