蘇州博物館へようこそ!
2006年に現代建築家のI.M.ペイ氏の手によってリニューアルされた蘇州博物館は、展示物だけでなく建築物としても評価の高い建物として生まれ変わりました。美しい自然を活かした建築物も多く、池に色鮮やかな鯉がたくさん泳ぐ中庭の庭園などは一度散策してみるべきです。蘇州博物館の見所について紹介しますので、参考にしてください。
蘇州博物館ってどんな場所?
蘇州博物館はエントランスに入ってから左右に西館・東館と分かれ、階層も地上2階・地下1階から構成されています。館内には4つの展示ホールがあり、メインの建物物は美しい中庭に囲まれています。展示品も1点1点細やかに配置され、ゆっくりと楽しめるようになっています。蘇州や周辺地域の歴史と文化を反映した展示品をお楽しみください。
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— 大万D白猫狐 (@xuna890315) May 30, 2017
このモダンな建物は伝統的な中庭や庭園を現代風にアレンジしたものであり、屋内と屋外のスペースは現代と伝統が対置する魅力的な構造です。蘇州博物館はシンプルな建物ですが、機能的でモダンアートとしての要素もあり、蘇州の庭園のスタイルも保っている大変魅力的な建築物です。これで入場料無料なので素晴らしいという他ありません!
蘇州博物館の見所について①
発掘・寄贈された文物と革命文化財
西館は蘇州周辺で発掘あるいは寄贈された古代収集品で構成されています。虎丘雲岩寺塔と瑞光寺塔(北寺塔)内から発見された五代から北宋年間の宝物が「呉塔国宝」の第1・第2室に展示されています。「呉地遺珍」には、新石器時代の良渚文化の玉器・陶器から、元明時代の古墓副葬品などが展示され、呉の地の歴史文化が概観出来ます。
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— 有子 (@gumbymam888) October 18, 2016
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西館に常設されている展示区は「呉地遺珍」「呉塔国宝」「呉中風雅」「呉門書画」という4つの蘇州地方の特色をテーマとした展覧区になっています。陶器には当時の人々の生活や龍の絵が描き込まれている事が多く、中国の絵付け技術の優秀さを感じさせるほど見応えのある展示品ばかりです。蘇州の伝統に興味のある人は一度見てみましょう。
蘇州博物館の見所について②
刺繍など広州博物館からの寄贈品も多数!
広州博物館からの寄贈品として蘇州刺繡があります。蘇州刺繡はその鮮やかな色彩、高度な技術で内外に知られ、湖南の湘繍・広州の粤繍・四川の蜀繍と共に中国四大刺繍の一つとされています。2千年以上の歴史を持つ蘇州刺繡は立派な伝統技術であり、蘇州博物館にも多数展示されています。美しい幾何学模様には一目で虜にされます。
先日、染め替えに出していた色無地があがってきました。めっちゃきれいな色や、思い切って染め替えに出して良かった。一生着ます。 と、蘇州刺繍の帯、で今日は結婚式や! pic.twitter.com/EmPXAr72x6
— 服部しほり (@hattoori2) June 8, 2014
蘇州刺繡の特徴は極めて細い刺繍糸にあります。最も細い糸は実に髪の毛の10分の1で、色艶やかなシルクの刺繍糸は100色以上に及び、豊かなグラデーションを表現出来るようになります。これらの高度な技法と多種類の刺繍糸により、まるで写真と見まがうほどの豊かな色彩と立体感のある美しい刺繍に仕上がる事が可能になりました。
蘇州は刺繍が有名。太湖沿岸にある中国刺繍芸術館周辺には芸術家が集まっています。80年代ぐらいから日本の着物もこのあたりで作られ、輸出されていました。 pic.twitter.com/dij5czXBwV
— 藤田康介 (@mdfujita) June 19, 2017
蘇州刺繍の歴史についても軽く紹介しておきます。江蘇省蘇州市では約2500年前の春秋時代に始まったと見られています。蘇州には刺繍文化に縁のある建築物が多く見られます。その中にはこうしたお店が多く並んでいる「蘇州刺繡村」という場所もあります。刺繍文化に興味のある人は足を運んではいかがでしょうか?新しい発見がありますよ。
蘇州博物館の見所について③
気の遠くなるほど細かい象牙の彫刻技術!
蘇州博物館には多くの象牙の彫刻が寄贈されています。彫刻は伝統的な工芸技法の1つであり、古くから装飾品・生活用品・賞玩品などに幅広く応用されてきました。特に象牙を使った多層球は1本の象牙を外から彫る事で作られており、しかも球自体には一切の継ぎ目がない事から、高度な技術で作られた美しい芸術品として高く評価されています。
#博士 #それ象牙多層球ですよ pic.twitter.com/Q1yyWpILjj
— なとりはおじさんの音ちゅーがほしい (@bw_Sodium) January 14, 2017
象牙球の制作は、まず象牙を球体に掘り出し、中心に向かって均等感覚で多方向から円錐形の穴を開け、直角に曲がった鉤を使って内側から外側へと自在に動く球を一層ずつ彫っていき、最後に各種装飾を施して完成です。蘇州博物館では彫刻だけでなく、象牙で作った扇子なども展示されています。中国の象牙工芸についてよくわかる場所です。
蘇州博物館の見所について④
各種お土産が豊富なミュージアムショップ!
蘇州博物館の奥にはカフェやミュージアムショップがあり、しかも結構充実しています。山水画や扇子(展示品のレプリカでしょうか?)から、庭園のミニチュアに陶磁器などの伝統工芸品まで取り扱っています。なかなかセンスの良い商品が揃っているので、質の良い上海・蘇州のお土産が手に入る穴場スポットとしてオススメです。
#苏州博物馆 pic.twitter.com/QszANhXSfm
— YaoJun (@virginsky) September 10, 2015
このミュージアムショップでは、陶器で出来た文字の額縁や陶器のカバンといった珍しいものも用意しています。特に陶器のカバンはその美しい模様から持ち歩くのが勿体なく、花瓶としても利用したいほどです。他にも蘇州のシルクを使った小物や茶器。陶器なども売られています。素材の為かなり良い値段がするのは言うまでもないでしょう。
蘇州博物館の見所について⑤
太平天国の拠点・蘇州忠王府
清朝時代にキリスト教徒が清王朝打倒を掲げ蜂起した大規模な反乱「太平天国の乱」。その拠点として知られているのが蘇州忠王府です。アヘン戦争後の清朝社会の矛盾が深まる中、洪秀全がキリスト教社会を基にした拝上社会を組織したのが太平天国の始まりです。住民を略奪・蹂躙する事もなかったので当時から好意的に捉えられています。
太平天国忠王府 [ad#adsense] 太平天国末期に活躍した忠王の王府跡。1860年6月、蘇州を占領した忠王は、江蘇南部を「蘇福省」と称し、 ここを省都とした。外国列強が、清朝に荷担するきっかけとなった2度の上海進攻は https://t.co/OGbp0e03gL
— 中国捏造近現代史の旅 (@chinaredtour) June 21, 2017
忠王府は蘇州博物館の付属施設のようになっていて、建築物の中から入れます。しかも忠王府には蘇州博物館のチケットで入れるので、蘇州博物館からそのまま忠王府にセットで行けるという大変便利な建築物です。忠王府には礼拝堂(教会)や軍事会議室などがあり、軍事会議室中央の黄金の椅子など、カラフルな雰囲気をそのまま残しています。
蘇州博物館の見所について⑥
蘇州の拙政園は見所が豊富な庭園!
蘇州にある歴史的な庭園「蘇州古典園林」のうち、中国四大名園の一つに数えられているのが拙政園です。忠王府と同様に蘇州博物館の敷地内にあるので、蘇州博物館からそのまま行けます。拙政園は明代に官界に失望した御史王献臣が故郷に戻り、庭園を建造したのが始まりだとされています。拙政園は5万ヘクタールの広さを持つ建築物です。
拙政園は複数のエリアに分かれており、それぞれが水と楼閣が複雑に組み合わさる景観美溢れる建築物になっています。南北に通る園内通路を越えると建物の数がグッと急増します。拙政園の見学はまず遠香堂から始まります。そこを起点として心憎いばかりの精微な庭園をしばし楽しみ、北寺塔借景に出ると水を中心とした風景が広がります。
北寺塔借景を抜け、更にその先の雪香雲尉亭から丘を下りると、楽園のような景観が広がります。そこにある見山楼を中心とした水の景色は、拙政園の中でも最も建物と自然が調和した風景が広がるエリアです。建物に秘められた、隠者でありながらも明るくのびのびと生きたいという庭主の心は見学する我々の心まで開放するような気がします。
蘇州博物館の見所について⑦
迷路のように入り組んだ通路が特徴!獅子林
拙政園のすぐ南にある庭園で、こちらも蘇州四大庭園の一つに数えられます。高僧天如禅師惟則の弟子が師の為に禅式の庭園を築造したのが始まりで、如来説法の仏典を獅子吼と称する事などから「獅子林」と名付けられました。蘇州博物館には蘇州四大庭園のうち二つもあるので、自然や古典庭園が好きな人にはたまらない構成になっています。
園内は花崗岩の奇石や太胡石が林立し、その太胡石を積み重ねて作った築山は迷路のような洞窟になっています。築山内では山を登ったり下りたりするので、ハイヒールではちょっと厳しいようです。またかなり細い道を歩く事もあるので、荷物は極力少なく動きやすい服装で行くのがオススメです。石をふんだんに使った日本人好みの庭園です。
蘇州博物館の見所について⑧
現代アートが拝見出来る現代美術画廊!
蘇州博物館の西館は発掘された遺物などを展示していますが、東館には現代美術の展示コーナーがあります。拙政園の造園に携わった文徴明を初め、明清書画や呉派文人画が展示され、「天下の法書はみな語中(蘇州)に帰す」と特筆されています。なお東館からは忠王府に繋がっているので、太平天国の拠点をそのまま見る事も出来ます。
中国の明・清時代の絵画史を考える時には、都市という枠組が大切です。明代中期以降、市場経済の発展を受けて、江南地域の杭州・蘇州・南京・松江などで個性ある都市文化が花開いていきました。中でも重要なのが「呉」と呼ばれた古都・蘇州で、呉派文人画ではその栄華の様子などを絵という形で残しています。皆さんも見てみましょう。
伝統と近代のコラボ・蘇州博物館に行こう!
蘇州は伝統と近代技術を見事に織り交ぜた街です。蘇州博物館やその中庭にある庭園など、古くからの伝統技術と美しい自然を活かした観光スポットが目を引きます。これ以外にも蘇州刺繍や象牙の彫刻など、とても細かい高度な技術によって生み出される伝統工芸も外せません。皆さんも今回を機に蘇州博物館に行って、実際に見てみましょう。
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