世界最高峰のキリマンジャロ登山を楽しもう
アフリカ大陸での世界最高峰の山であるキリマンジャロはタンザニアの北東にあり、山頂は雪に覆われた氷河となっており、タンザニアの国立公園にも指定され、国家の象徴であり国章にキリマンジャロをあしらう等親しまれています。ここでは登山に関する方法や費用、気候に関する注意事項に至るまで説明していきます。
七大陸最高峰の一つキリマンジャロ
中央アジアのエベレスト、北アメリカのデナリ等と並び世界における七大陸世界最高峰の一つがこのキリマンジャロになります。赤道から僅かに340kmの南方に位置し、その標高は5895mであり東西に約50㎞、南北に約30㎞に広がる独立した山として世界屈指を誇ります。
朝には、全てが凍ります。#タンザニア #キリマンジャロ pic.twitter.com/MHGmlOCWPH
— 旅人ハルキ (@Journeyharuki) September 6, 2017
キリマンジャロは雪や氷河に覆われた山頂のキボ峰、左右に標高3962mのジラ峰、5149mのマウエンジ峰から構成され、キボ峰がある山頂は国立公園にも指定され、直径2.5kmのカルデラが広がりその内側に900mの火口となっている成層火山になります。現在に至るまでにキリマンジャロが噴火したという情報はありません。
キリマンジャロは頂上に雪が積もる気候から、現地のスワヒリ語で「白く輝く山」としての意味を持つとされていますが定かではありません。18世紀頃からキリマンジャロに対して諸外国から注目を浴びるようになり1889年にドイツ人のハンス・メイヤーによって人類初めての登頂に成功したとされています。
キリマンジャロ
— 火水土風・地球の脅威 (@gekigeki3) September 16, 2017
アフリカ最高峰の山が縮小している。森林の伐採と地球温暖化のせいで、氷河が溶けているのだ。pic.twitter.com/Bj4GFl9LUo
タンザニアは赤道直下の国であり熱帯地域であるにも関わらず、キリマンジャロの頂上付近では一年通じて雪が積もる気候で氷河となっています。しかし近年において温暖化等の気候変動により雪が積もらなくなり、その氷河の面積は次第に減少していく上に、いずれは氷河そのものが消失してしまう可能性が指摘されています。
キリマンジャロ山麓付近とアクセス方法
キリマンジャロへの登山において、その準備を進める上でまず立ち寄る重要なポイントとしてタンザニアの山麓に位置するモシと呼ばれる都市になります。山麓付近ではタンザニアにおいてこのモシが唯一の拠点であり、多くの登山家が訪れることから観光都市としての役割を担っています。
観光都市であるモシでは道路や鉄道が整備され、滞在できる設備の整った清潔感のある宿泊施設も多く、中にはプールが設置されたホテルもあり、キリマンジャロ登山の前後で十分に安らぐことができます。世界的にも有名なキリマンジャロコーヒーの主要な生産地でもあります。
タンザニアにおける主要な空路の主要な拠点であるキリマンジャロ国際空港であり、キリマンジャロやその北西に位置するアル―シャ国立公園へのアクセスも近く多くの観光客や登山家に利用されています。山麓のモシまではバスかタクシーを利用することになります。
諸外国からタンザニアまでのアクセスとしては空路を利用することが一般的であり、日本からではヨーロッパを経由する方法やトルコ、エジプト等を経由するアジア周りの方法があります。途中乗り換えが必要な場合が多く、費用的には10万円台の運賃が主流になっているようです。
キリマンジャロ登山ルート1:マラングルート
キリマンジャロにおける長い登山の歴史の中で、実に多くのルートが整備されてきました。比較的にキリマンジャロは傾斜の緩やかな山であり、その中で最も利用しやすく容易いルートとされるマラングであり約64kmの行程を6日程度の日数で進んでいきます。途中の山小屋で宿泊できるのも魅力の一つになります。
キリマンジャロ登山ルート2:ウンブウェルート
キリマンジャロの登山においては最も難易度が高いコースとなっており、頂上までの行程は37㎞と最短になりますが高低差が高く急な勾配が多いのが特徴であり、十分な装備が必要になってくるコースとなっています。日数としては5日から6日を要し美しい森や景色に関しては優れています。
キリマンジャロ登山ルート3:ノーザンサーキットルート
キリマンジャロの北側からアタックスする最も新しいコースとなっています。約8日から9日間かけて全行程90kmとその長さも最長であるために日数的にかかりすぎる点で登山家の利用者が少ないコースとなっています。景色に関しては見晴らしの良いコースと言えます。
キリマンジャロ登山ルート4:レモショルート
難易度の比較的高いコースですが道中の景観の良さが魅力です。頂上までの到達日数は距離にして56㎞の行程を約7日から8日程度を要します。山小屋等の宿泊施設はありませんので、全てテントでの宿泊になります。麓から標高を徐々に上げていくので高山病対策にも最適のコースと言えます。
キリマンジャロ登山ルート5:マチャメルート
登山日数は6日から7日、行程49㎞の人気の高いルートになります。人気ルートの為に人込みは多い上に難易度がやや高いので注意が必要になります。標高が急に上がる地点もあるので高山病の対策を怠らないように気を付けましょう。道中は山小屋はなく全てテント泊になります。
キリマンジャロ登山ルート6:ロンガイルート
キリマンジャロの北側に位置するケニアからアタックするルートになります。行程は65㎞となり5日から6日間の日数を要します。登山道の整備は進んでいない上に登山者が少ないルートでもあります。時間をかけてゆっくりと頂上へのアタックを目指す登山家にはお勧めのコースになります。
キリマンジャロ登山に関する注意事項とツアー費用
さてキリマンジャロ登山しに行って来ます。 pic.twitter.com/rxVaFtrQae
— Yukinori Inagaki (@cal4hike) August 18, 2017
キリマンジャロ登山に必要な装備になりますが、標高5000m以上であるキリマンジャロでは山頂と麓では雪が積もりあらゆる気候条件が異なります。比較的に初心者でも登山し易いと言われていますが、山頂へのアタックとなれば雪が積もり氷河が覆う気候であるため、軽装備での登山は危険ですので、事前の準備は重要になってくるでしょう。
キリマンジャロ登山において最低限持参しなければならないグッズを紹介しますと、まず服装ではダウンジャケット及びインナーにおいても厚手のものが必要になり気候によってはレインコートが必須になります。次に寝袋ですが数日かけての登山になり、高所での防寒対策を心がけましょう。
大学生がキリマンジャロ登山に挑戦!全員登頂証明書をゲットしました!みんなイイ顔してる~ pic.twitter.com/QW8TtmJuD8
— fk-safari (@fk_safari) April 5, 2016
頂上へのアタックを想定したその他の装備や持参物としては、標高が上がれば上がるほど状況は過酷になり気候の変化も激しいため低地ではトレッキングシューズで十分ですが、高所での雪への対策としてアルパインシューズの持参、ライト、ストックが必要になってきます。また紫外線対策は必ずおこないましょう。
やっぱり気をつけるべきは高山病だな。富士山とは比べものにならないだろう。#キリマンジャロ登山 pic.twitter.com/XKVxHiCmGf
— 旅人ハルキ (@Journeyharuki) July 18, 2017
キリマンジャロ登山において最も注意しなければならない高山病の問題があります。標高5000mでは低酸素状態になり吐き気やめまいが起こり睡眠や運動障害を発症します。重度になりますと肺気腫や脳浮腫等の命の危険を及ぼしてしまいますので、予防や処置としては水分の補給を十分におこない、状況によっては登頂を断念せざるを得ません。
キリマンジャロへの登山ではツアー会社を利用することが一般的になります。登山における熟練したノウハウのあるツアー会社に参加することで、より安全に登山することができます。いずれのツアー会社も7日から10日ほどの期間を設定しておりキリマンジャロの他タンザニア近辺の観光地がパックになっています。
アフリカ大陸最高峰!キリマンジャロ登山ツアー体験談
— 旅行☆大好き! (@yusaburu2002) July 31, 2017
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キリマンジャロ登山へのツアー料金の内訳としては、旅費としておおよそ30万円から50万円ほどになります。この他に登山装備等をレンタルする場合の費用や各所チップ代金等を加味しなければなりません。滞在期間が多ければその分の追加料金が発生しますので、あらかじめ計画を立て行動しましょう。
キリマンジャロへのツアーを利用しますと登山をサポートしてくれる現地のガイドやポーターが同行してくれます。通常登山には数人から数十人のグループになり彼らの案内や荷物を運んでくれることで、より登山がスムーズに進むことができます。またガイドやポーターに対しては一人100ドルから200ドル程度のチップが必要です。
キリマンジャロ登山に出発する前に、ツアー会社等では日本国内において十分な高地トレーニングを推奨している場合があります。特に未経験者であれば、5000mの登山に順応できるようにいくらか国内で少し高地に慣れてからあらためてタンザニアに向けて出発ということになります。
十分な装備でキリマンジャロ登山を成功させよう
キリマンジャロ登山はいかがでしたでしょうか。比較的に初心者でも挑戦のしやすさが魅力であることが人気である理由です。しかし世界最高峰と呼ばれるキリマンジャロですので、事前の準備は入念におこなった上でこの機会にぜひ山頂への登山を経験してみてはいかがでしょうか。