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ナスカの地上絵には謎がいっぱい! ペルーの人気観光スポットを徹底調査!

ナスカの地上絵には謎がいっぱい! ペルーの人気観光スポットを徹底調査!
投稿日: 2018年1月9日最終更新日: 2020年10月8日

ペルーにあるナスカの地上絵は、1994年に世界文化遺産として登録され、その後2016年に正式名称「ナスカとフマナ平原の地上絵」として名称変更されています。このナスカの地上絵は、人類の創造的才能を表現する類稀な文化遺産として、今も多くの謎に包まれています。

巨大アートの奇跡ナスカの地上絵見出し

ペルーの首都リマから南へ500kmいった場所にあるナスカの地上絵は、アンデス文明よりもはるか昔、約1000年前に描かれた謎に包まれた巨大な描画です。動物や植物から、直線や三角形の幾何学模様など、その数は何百点にも及びます。ここでは、その謎に包まれたナスカの地上絵について、観光地としての魅力や行き方などを紹介します。

ナスカの地上絵を描いたナスカ文化見出し

ナスカ文化は、ペルー南海岸のナスカ川とイカ川の河川流域を中心として、紀元前100年から紀元後700年頃に繁栄した文化で、アンデス文明形成期後期にさかのぼるパラカス文化から連続的に継承発展した文化とされています。特に、カワチ遺跡から発掘された土器と織物には、多彩色の美しさと優れたデザイン性の痕跡が残されてます。

土器に描かれた人物の描画を見ると、頭に冠のようなもの、首には飾りのようなものを身にまとっており、そして顔には顔料を塗っています。古代アンデス文明を始めとするアンデス山脈という場所に文化を築いた人々は遥か遠くベーリング海峡を渡ってきたモンゴロイド、お尻に蒙古班を持つ我々日本人の祖先と同じ民族とされています。

黄河文明の象形文字から漢字が発展したように、ナスカの土器に描かれているものは、身の回りにあった動物や植物などの日常の生活のもの。そこから彼らの生活や文化の様子が伺えます。その描画の特徴は、どこかしらコミカルでアニメチックなもの。ナスカの地上絵に通じる彼らの描写する技術と創造性、芸術性の高さに改めて驚かされます。

ナスカの地上絵は総数千点以上の膨大な数見出し

ナスカの地上絵は大きく3種類に分けられます。一つ目は、動植物の具象図で70点以上。二つ目は、台形、三角形、ジグザグ文様などの幾何学図形が200点以上。そして三つ目は、約60の中心点から放射状に広がる直線があり、これが762点です。これらが何の目的で描かれたのか、仮設と推測の諸説ある中で現在も謎のままです。

ナスカの地上絵の描かれた地表に下りてその場所を見てみると、その作業が如何に大変なものであるかが分かります。一定間隔の直線の場所だけが小石が取り払われ、それによってそれぞれの作画をしていました。それで何キロにも及ぶナスカの地上絵を作り上げる技術がどのようにして備わったのか、調べるほどに謎が深まります。

ナスカの地上絵:ハチドリ見出し

全長110m、横幅96m。ナスカの地上絵で最も多く紹介されている有名な地上絵です。ナスカへ行くと、町のいろんな場所にこのハミングバードの図柄を目にするほどで、土産物屋にはTシャツやマグカップ、キーホルダーなどの観光グッズが販売されていて、ナスカの地上絵の中で最もポピュラーな観光用図柄のひとつになっています。

このハミングバードは、蜜を吸っているところだったり、飛び立っているところだったり、何種類か形を変えて描かれています。それだけ身近な存在だったと思われます。アメリカ北部から中南米に生息するハミングバードは、その種300種類以上といわれ、寒冷地、砂漠、高地など厳しい自然環境の場所に順応する太古の昔から存在する鳥です。

ナスカの地上絵:サル見出し

長さ80m。クモザルと推測されています。ナスカにクモザルは生息しておらず、熱帯雨林から連れて来られペットとして飼われていたものと思われます。1952年にマリアライヘ女史によって発見されたこの地上絵は、彼女の天上の星座を写し取ったものではないかという「天文図、暦説」を語る上で転機となる重要な意味を持つ絵です。

ナスカの地上絵:男見出し

長さ35m。ナスカの儀式に関係する人物である可能性が高いとされています。いろんな解説書によれば宇宙人とも言われていますが、単なる憶測の域を出ていません。他の絵と違って小高い丘の場所に描かれています。上空から見ると、丸い目をした男が右手を上げて挨拶しているようにも見える謎めいた形をしたナスカの地上絵です。

ナスカの地上絵:犬見出し

ナスカの地上絵は、どのようにして書かれたのかといろんな説がある中で、原画拡大法が最も有力とされています。最初に地上絵のモデルとなる絵を描き、紐を真直ぐに張った状態で描写してく方法を用いていたのではないかとされ、この犬の地上絵は、極端にデフォルメされた直線を多用している点にその特徴がよく表れています。

ナスカの地上絵:クモ見出し

長さ46m。このクモはリチヌレイと呼ばれる稀少な種類のクモで、アマゾンの熱帯雨林にしか生息しないとされています。ナスカの人々は、アンデス山脈を超えてアマゾン奥地にまで行き来していたと推測されます。地上絵ひとつひとつに驚くと同時に、それぞれが当時のナスカの人々の暮らしぶりを伺うことのできる壮大な観光スポットです。

ナスカの地上絵に生涯を捧げたマリアライヘ見出し

ナスカの地上絵研究で知られるマリアライヘは、ドイツの数学者、考古学者です。29歳でペルーへ渡り、40歳の時にアメリカ人ポールコソックの助手となり、ナスカの地上絵を発見しました。その後も私財を投げ打って、生涯をナスカの地上絵の謎の解明と保護運動に捧げ、1993年には、功労十字勲章を授与され翌年ペルー市民となりました。

マリアライヘ女史の功績は、その後押し寄せる観光客やこの場所を開発しようとする勢力に一人で闘い続けたことです。箒を使って丁寧にラインを掃き、余分な小石を取り除くなど、荒らされた地上絵を消えないように修復して廻る日々に明け暮れ、その生涯を捧げた姿に、いつしか人々は敬愛の念を込め大平原の母と呼ぶようになりました。

マリアライヘがナスカの地上絵の研究作業を行っていた場所は、現在イカからナスカに行く途中にある「マリアライヘ博物館」として観光用に一般公開されています。マリアライヘ女史が作成したナスカの地上絵図や彼女が研究に費やしていた作業場、その他測量機器、ナスカの出土品、などを見ることができます。

ナスカの地上絵の観測やぐら見出し

ナスカの地上絵の謎の解明に一生を捧げたマリアライヘ女史が、地上絵の風化状況などの観測のために建設した観測やぐらです。やぐらの一番上からは、近くにある地上絵のいくつかを観測することができますが、観光客の多くはその近くの場所に見える地上絵の全貌がわかりにくいことに気付き、地上絵のあまりに壮大な大きさに驚かされます。

道路が横断する様子と途中の場所にやぐらがあるのが分かります。この道路によって貴重な地上絵が分断されています。この地上絵が発見されるまでは、道路建設の現場からはもちろんその存在に気付くことはありませんでした。現在、ペルーの遺跡保護団体によってラインが消えないよう立入禁止区域を設けるなど保護管理されています。

観察やぐらからの様子を紹介した動画です。保護団体によってラインが消えないように保護管理しているものの、ほとんど消えかかっている箇所も多々あり、場所によってはその存在が危ぶまれています。以前、日本のテレビ局が立入禁止区域に入り物議を呼んだことがありますが、貴重な財産として何とか消えないよう節度ある行動が必要です。

ナスカの地上絵はなぜ消えないのか見出し

ナスカの地上絵は、1000年以上も前に描かれたのになぜ消えないのか。描かれた描画の謎もさることながら、この消えないラインというのも謎のひとつです。ナスカ平原は、年間雨量がわずか5ミリという、ほとんど雨の降らない超乾燥地帯にあり、それが長大な年月を超えて維持されているため、消えない形を残していると言われています。

1000年以上もの長きに渡り、なぜ消えないのかというもうひとつの理由は、その描き方と土質にあります。ラインの上を辿ると、点在する小石を取り除くように掘削する方法で描かれています。そうして黒い表面から取り除かれ地表へ現れた白い石灰質の土が、微量で長きに渡る雨と日照りにさらされ固まり消えないようにできたと推測されます。

ナスカの地上絵が消えないさらに別の理由は、やはり何といってもマリアライヘ女史の功績によることが大きいと言えます。自然風化と共に最大の敵は押し寄せる観光客だったり開発しようとする勢力です。そうしたことに微力ながらも活動を続け、その意志が現在の保護団体へと引き継がれていることが消えない理由のひとつといえます。

ナスカの地上絵への行き方見出し

日本からペルーの首都リマへ

日本からペルーへ最短での行き方は、成田発ユナイテッド航空で、ヒューストン経由でリマまで、乗り継ぎの待ち時間を含めて約20時間のフライトです。成田発17:45のユナイテッド航空6便でヒューストン着14:00。ヒューストンでユナイテッド航空854便に乗り換えヒューストン発15:40でリマのホルヘチャベス空港着23:15となっています。

リマから南へ500km離れたナスカの街へ

リマからナスカへはいろんな行き方がありますが、おすすめの行き方は、大型バスでの移動です。中でもおすすめの行き方は、欧米人にも人気のクルスデルソル社のバスです。ペルーの物価からするとやや割高ですが、安心安全面を考えるとお得な行き方です。料金と移動時間はスケジュールによって異なりますが、大凡54ドル7時間半です。

ナスカ市内ホテルは比較的格安料金見出し

ナスカ市内へ入ると、低層のアドビ土塀を使った建物が目に入ってきます。ナスカの町は人口3万人ほどの町で、小さなアルマス広場を中心に、ホテルやレストラン、市場があるこじんまりとした町です。ペルーの首都リマには、スペイン人が建てた歴史的建造物などがありますが、ここにはその痕跡はほとんど見ることはできません。

ナスカの町中には、いたるところにナスカの地上絵が溢れています。ハチドリやサル、クモなどお馴染みのデザインが看板や建物の壁面、モニュメントなど色々な場所に作られています。ナスカの先代の人達の財産がこういったところで活かされ、町のイメージアップに繋がってることを考えると、それは観光の側面で有効なことでもあります。

スペイン風建築物が数多く残るペルーの都市リマや世界遺産が残るクスコの街並みとは違って、独自の雰囲気を携えています。ナスカの地上絵が不思議と町中のモニュメントとして溶け込んでいて、古代ナスカの人々は、将来のナスカの町をデザイン性溢れるイラストで埋め尽くそうとしたのかも、と考えるのも楽しいことかも知れません。

ナスカ市内にはいくつかの観光用ホテルがありますが、どれもこじんまりとして比較的格安料金で宿泊可能です。安いところでは日本円にして2千円前後から、高いところでも最大1万円ちょっとが相場のようです。おすすめは1万円程度で宿泊できるホテルマホロ。南米風のアドビ土塀を活かしたシックな作りで自然と一体化しています。

ツアー会社のセスナでいざ現地へ見出し

セスナによる遊覧観光ツアーへの行き方は、バスターミナル口から町の中心地アルマス広場まで1kmない距離で、徒歩で充分の距離です。アルマス広場には多くのツアー会社があり、そこでセスナによる遊覧観光ツアーの受付をしています。料金は大凡、100ドルから150ドル前後です。小さな町なので行き方に迷うことはありません。

ナスカ空港は、地上絵専用フライトのセスナ機を飛ばすいくつかの会社が空港敷地内に窓口を構えているだけの小さな空港です。ザッと飛ぶだけの安いフライトや右へ左へ旋回しながらしっかりと見せるフライトなどがあり、料金は、3人から5人乗りの少人数低空飛行ほど高くなっており、15人乗りの大人数で高度が上がるほど安くなります。

12人乗りセスナ機は、6列横2シートでパイロットが2名同乗しています。小型のセスナよりもかなり高度に上がるため、視界に捉え難い地上絵もあったりしますが、予めツアー会社が配布するマップで頭に入れておくと大凡のところは分かります。またパイロットが単語だけの下手な日本語で説明してくれたりして楽しく盛り上がります。

セスナでの遊覧飛行の様子を納めた動画です。この動画で紹介されている空港は、ピスコという太平洋岸にある町の空港です。行き方は、リマから車で約200kmちょと、3時間半ぐらいの移動距離です。ピスコからナスカへの行き方は、さらに200km弱、3時間ちょっとの距離です。南米での行き方を考えれば地上での移動はバスが一番便利です。

ナスカの地上絵は人類の壮大な英知見出し

遥か1000年以上も前に描かれたとされるナスカの地上絵は、その明確な理由には多くの説があり、いずれも推測の域を出ておらず、未だに多くの謎に包まれています。それだけに世界中の人々から注目を浴び続け、多くの観光客が訪れています。さあ、あなたもこの人類の壮大な英知の結集である文化遺産とその謎に接してみてはいかがでしょう。

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