デンマークおすすめ料理ランキングTOP11！人気店や名物もご紹介！

ヨーロッパの北部に位置するスカンジナビア半島、バルト海と北海に挟まれたスウェーデンからちょうど南西の方角にデンマークが存在します。ユトランド半島をはじめ多くの島々から成るデンマークの首都、コペンハーゲンはシェラン島に位置しこの国の幸福度の高さは世界的に知られています。では幸福度にも関係してくる彼らの食文化を覗いていきましょう。

太古の昔、西ヨーロッパで最強と恐れられ、各地に勢力を次々と広げていった北方系ゲルマン民族であるヴァイキング。ノルウェーの入江(ヴィーク)に住む人に由来する呼び名で呼ばれ伝説になった彼らは、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー王国を建国しアングロサクソンの治めるイングランドを侵略していった過去を持っています。

かつて捕鯨や航海をしながら海賊行為や交易活動を行っていた彼らを祖先に持つ北欧諸国はいずれも漁業大国。昔から林業や農業、海や大自然との関わりが深い生活を送っていました。そんな彼らが編み出した代表的な料理の1つがニシンの酢漬。ノルウェーでは脂ののった美味しいサーモンが獲れ、パンに魚、香辛料やオイルも食欲をそそります。

北欧料理と言われ、大抵最初に思い浮かぶのが日本でもお馴染みのバイキング料理。実はバイキング料理という言葉は北欧では使用されず日本国内のみで使用される和製英語。英語ではスカンジナビアンビュッフェと言い、デンマークやノルウェー語では「冷たいテーブル」スウェーデン語では「食べ放題」と呼ばれる、スウェーデンが起源の料理です。

これは、魚料理を中心とした沢山の「冷たい皿」に乗ったご馳走が、テーブルの上に所狭しと並べられるところから来ています。デンマークを仕事や観光で訪れた際にはユネスコの世界遺産に登録された城や、作家アンデルセンの人魚姫の像だけでなく地元の人々に愛される名物や、本場のバイキング料理を堪能して見てはどうでしょう?

魚料理の他、デンマークの伝統的料理として頻繁に家庭に並んでいるのが、豚肉や乳製品、ジャガイモやベリー類などを使用した料理。酪農大国でもあるデンマークでは、豚肉が安く手に入ることもあり豚肉を使用した料理も多いそうです。朝は紅茶やコーヒーと共に軽くすませ、昼はオープンサンド、夜に肉や魚を食べるというのがデンマーク式。

チーズやバターの消費量や乳製品の種類も豊富なようで、ジャガイモから造られる焼酎であるアクアヴィットやアルコール度が40度以上あるスナップス、カールスバーグやツボルグを始めとする豊富なビールもおすすめです。近年では、伝統的オーガニック食材を使いつつ新しい調理法を料理に取り入れる「新北欧料理」が世界から注目を集めているそうです。

日本、イタリアやフランスに住んでいる人々は比較的グルメが多く、様々な新商品や流行りの人気店に来店し楽しむ方も多いと思いますが、北欧やイギリスを含むその他の国は比較的味やグルメに対しては保守的、食への関心度もそれほど高くはなく、海外の料理を積極的に何でも取り入れようとするよりは伝統を大事にしている印象を受けます。

スーパーに並んでいる食品も、シーズンが変われどそれほど変化はなし。昔から食べられている素材を生かしただけのシンプルな料理やサーモン、ジャガイモにソースをかけたものや肉や魚の付け合せにベリーが使用されたものなどがデンマーク流に思えます。しかし周辺は海に囲まれている島でも白身魚やニシン、サーモン以外の魚は結構値段が高いようです。

もともと寒い地域の料理には材料を長期保存するため料理に沢山の塩が使われる傾向があります。料理の味見を気にせず塩を沢山振りかけているというデンマーク人も多いそう。スープやソースにも乳製品であるバターが豊富に使用されているため味付けはやや濃厚。薄味が好きな方にとっては夏に食べるデンマーク料理や名物は重たいと感じる物もあるようです。

その一方で首都のコペンハーゲンには、3年連続で世界のベストレストラン1位にランクインしたノーマと呼ばれる新北欧料理の火付け役になったレストランを始め、本格派カフェ、極上ブランチや自然をテーマにしたおしゃれな人気レストラン、王室御用達のお店などが軒を連ねるエリアもあるため、グルメや美食家にとってはとても刺激的な場所でしょう。

りんごのエープルと、豚肉を意味するフラシュクをとったデンマーク料理エープルフラシュク(Æbleflæsk)は、厚切りにした豚バラ肉を1cmの厚切りにし表面がカリカリになるなで焼いた物。甘いりんごのソテーと共にいただく甘さとしょっぱさが癖になりそうな一品です。カリッとした表面の焼き加減にする家庭や柔らかいまま食べる家庭と好みは様々。

カリカリベーコンのようになるまで焼く家庭もあれば、豚肉の焼き加減は家庭によっても変わってくるようです。豚肉を薄切りソテーにしてもおすすめで、リンゴのコンポート、たまねぎやベーコンなどを添えていただきます。夕食は暖かいものが一般的でビールやワインと一緒に頂きますが、この名物もどうやらビールやショットに良く合うようです。

豚肉と仔牛肉に香辛料を加えて作るデンマークの伝統料理フリカデラ(Frikadeller)は、ハンバーグやミートボールに似た一品。たまねぎのみじん切りに香辛料を加え、捏ねて混ぜ、平たくするかもしくは丸めてフライパンで焼きます。大きめのお皿に載せ、ピクルスやパン、その他ジャガイモやマッシュポテトを一緒に付け合せ盛り付けをすれば完成です。

北欧フィンランドやスウェーデンでもこのミートボールは主流で、トッピングとしても定番。香辛料のきいたカレーの中に入れていただく事も可能です。実際にホテルやレストランなどへ出向くとりんごとセロリ、キュウリやサラダが添えられたミートボール入りカレーライスというデンマークならではの斬新なカレーもあり、なかなか美味しいようです。

デンマーク風皮付きローストポークであるフルスケスタイ(Flæskesteg)はデンマークを代表するクリスマスの伝統料理。小さく切った皮付きのローストポークをオーブンで焼く事によりカリカリの表面に仕上げていきます。それをスライスし、グレーヴィーソースをかけていただきます。豚肉の皮の、クリスピーでカリカリの歯ごたえがたまらない一品です。

紫キャベツの煮込みや茹でたジャガイモ、クリスマスに欠かせないクランベリーソースを付け合わせるのがもっとも一般的だとされています。フライパンで溶かした砂糖をバターで調理したカラメルポルトを添えても美味しいのでおすすめです。グレーヴィーソースとは、肉汁にワインを加えたもの、サワークリームでとろみを付けた美味しいソースもあります。

デンマーク料理の中でも定番中の定番、ランキングにも欠かせないのが冷静ビュッフェである「冷たい皿」(koldt bord)。これは通常昼食に提供される料理で、スウェーデンが起源の料理スモーガスボード(Smörgåsbord) にも類似します。様々な種類の冷静料理がダイニングテーブルに並べられるので大皿から取り分けていくビュッフェ形式の料理です。

料理のメインは、デンマークを代表するニシンや魚介類による魚料理。ニシンの酢漬けは通常、赤いトマト調味酢やコショウの効いた調味酢でマリネにされて提供されます。その他、美容や健康に敏感な方には嬉しいサワークリームの調味酢のマリネなどがあり、これらをライ麦パンにのせ、特別な祝祭の日を中心として頂きます。

伝統的な名物料理ランキング7位にふさわしいのは、エゲケー(Æggekage)と呼ばれるオムレツにも似たデンマーク料理。これは日本語でいう卵ケーキ、英語でいうエッグケーキのことです。一見見た感じはスペインでも食べられているトルティージャにも見えますが、軽く解きほぐした卵に牛乳、トマトやたまねぎ、人参が加えられているのが特徴です。

他にはランキングでも良く登場する名物、ニシンなども加えられ塩でじっくり味付けをしてからフライパンで焼きます。オムレツの中にニシンが具材として使用されているというのはいかにもデンマークらしく興味深い発想。魚介類やお魚が好きな方にとっては一度は試してみたい一品。意外にも日本人の味覚に合うデンマーク料理も多いようです。

タールテレッタ(Tarteletter)とは、タルトで作りあげられた型の中にホワイトアスパラガスや鶏肉、ホワイトソースが流し込まれている人気の料理。おすすめランキングにもふさわしい、昔から続く伝統料理で、本来は鶏肉ではなく、タルトの型の中に牛肉とマッシュルームを入れたものがより古くから続いている伝統料理だそうです。

白身魚のソテーや、ニシンの酢漬けをライ麦パンにのせタルタルソースをかけた料理、リバーパテ同様、クリスマスイヴやお祝い事に適した人気のデンマーク料理。レストランでも気軽に食べられ、サクサクの食感のタルトと、とろりとしたホワイトソースの組み合わせが人気、ハイストリートに位置するフードコートでも食べる事ができるようです。

ランキングで最もお洒落なデンマーク料理として人気があるのが、ランチの定番であるオープンサンドのスモーブロー(Smørrebrød)。デンマーク語でバターとパンを意味するこのスモーブローは、バターを塗った黒パンやライ麦パン1枚で完成。チーズ、またはプレイスと呼ばれる白身魚、ランプフィッシュキャビアやサーモンなどをトッピングします。

見た目も美しく、ランチの定番料理として人気があり、家で食べる時でも自分でビュッフェスタイルから具材をパンにトッピングをするそうです。デンマークの学食の食事メニューにもスモーブローが多く登場するそうで、ドイツの影響を受けたかためのライ麦パンが使用されます。中でもレバーペーストとベリージャムの組み合わせは特に人気があるようです。

プレイス(rødspætte)とは、カレイやヒラメ、ウシノシタ同様、海底で暮らす底生性の魚類カレイ目の一種。バレンツ海から地中海沿岸、グリーンランド周辺の水深200メートルほどの場所に生息し、イギリス海峡東部が彼らの主な産卵場所。フィッシュアンドチップスや北ドイツ料理、デンマーク料理に良く使用されている美味しい人気の白身魚です。

ランキング入りした定番のデンマーク料理の中でも、スライスしたレモンと共にオープンサンドイッチの具材として使用されています。魚の消費は、漁業の長い伝統を持つデンマークの特徴で、プレイスの切り身をフライにし、バターソテーにしたりフライドポテトとレムラードソースを添えたものなどが特に人気があるようでレストランでも定番の名物料理です。

おすすめランキング3位でご紹介する料理は、起源が中世の漁師にまで遡るグラブラックス(gravlaks)。大昔の漁師達が鮭を塩漬けにし、満潮時の海面よりも高い位置にある砂浜に鮭を埋めて軽く発酵させていたものがはじまりとされています。グラブラックスのグラブは、英語のgraveと同じスカンジナビア諸語であるgrav(地面に穴を掘る)に由来。

現在では、グラブラックスを作るのに鮭の発酵が行われているわけではなく、塩や砂糖、黒胡椒をはじめとするコリアンダーなどの香草や香辛料、ウォッカやブランデーに漬けたものの薄切りが使用されています。これを平たく乾いたクラッカー状のパン(クリスプブレッド)に乗せてレモンとマスタードを合わせた美味しいソースをかけていただきます。

タラやニシン、プレイスやサーモンをはじめとするデンマークを代表する魚達はメインディッシュとして食卓に頻繁に並びますが、デンマーク料理で良く使用される他の魚介類としては、魚卵や小エビなどがあります。これらはメインディッシュだけでなく前菜として小エビのカクテルや魚介類のパテ、テリーヌやパンと共に使用されています。

特に北大西洋産の甘みがあり身のしまった小エビは名物として人気があり、フィヨルド原産の小エビは珍味として知られています。爪先ほどの大きさで非常に小さい小エビですが、とても風味が豊かで美味しい名物です。フィヨルドに生息しているエビは約50種類におよび、ビタミンB12が多く含まれる甘エビがなどが代表的です。

日本のたこ焼きにも似た特徴をもつエイブルスキーヴァーは、クリスマスのデザートとして定番の名物、ふわふわした軽さが人気の不思議なパンケーキです。名前のエイブルスキーバーとは、デンマーク語でリンゴの薄切りを意味し、ほんのり甘みがあり、バターの香りが香ばしく美味しい名物料理。伝統としてアップルソースが長年使われていたそうです。

パンケーキのように表面はカリカリに焼いてあるため固い感じがするものの、ロールパンやワッフルのように中身はふんわり柔らかいのが特徴です。焼き方もたこ焼きに似ていて、丸い穴が幾つか空いた特殊なフライパンで焼く料理。材料はバターに小麦粉、生クリームやバターミルク、レモンピールやジャムが味付けに使用されます。

ランキングでも紹介した通り現在デンマークではお洒落な食通の間で流行しているジャンル、ニューノルディック料理というものがレストランで注目を浴びていて、地元の新鮮な旬のオーガニック素材のみを使用した繊細で斬新なアイディア料理が次々に誕生しています。その火付け役の星付きレストランが、コペンハーゲンにある「ゲラニウム」と「ノーマ」。

昔から地元の人々に親しまれている伝統的なデンマーク料理や名物に、和食や懐石料理などの繊細な感覚を取り入れ新しい風をデンマークに吹き込んだ美味しい料理です。有名になりすぎてしまったノーマに代わり世界ランキング42位、コンクールで金銅賞を受賞した一流のコックの集まるレストラン、ゲラニウムで名物を堪能するのがおすすめです。

こちらもコペンハーゲンに位置するレストラン、その名もソレン・ケー。このレストランはグルメや美食家達を唸らせるスペイン料理やデンマーク料理があることで知られています。運河沿いに建つ四面体の黒いモダンな外観が特徴的な、ブラックダイヤモンドでお馴染みの、王立図書館内に位置する雰囲気のあるレストランです。

コペンハーゲンのランドマーク的な役割も果たすこの王立図書館では、カフェやコンサートホール、このレストランも含めた場所が多目的に利用されているそうです。リピーターも多い評判のレストランとして有名で野菜は全て近郊で収穫されたオーガニック栽培のみが使用されています。ランチ及びディナーは3500円から。日曜日はお休みです。

コペンハーゲンのノアブロ・ブリッゲフスは地元のデンマーク人に人気の穴場的レストラン。実はここビール・ブルーワリー(醸造所)になっていてブルーワリーに併設する形でレストランがオープンしています。10年ほど前国内では、醸造所で地ビールを造ることが流行だったためここでは美味しいビールとボリュームのあるデンマーク料理が堪能できます。

この醸造所では、庶民的な雰囲気の中、約200種類の世界各国を代表する様々なビールが楽しめます。併設されているレストランのランチで人気があるのは卵料理。野菜とチキンのコンビネーションと珍しいチーズソースの風味が絶品で、比較的どんなビールとも相性がいいそう。ランチのお値段も、1300円とお手頃です。

芸術作品のように美しくお皿に盛られたモダンなデンマーク料理に加え、昔からの伝統料理に欠かせない素朴なメニュー、味付けやデンマーク人の食文化をご紹介してきました。このように景色を楽しみながら散策がてら徒歩で周れる素敵なレストランや本格派カフェも多いですがシーズン時期は予約が必要な場所もあるようです。