観光前に知りたいノルウェーの言語事情
ノルウェーは首都のオスロをはじめ、フィヨルドなど自然の景観が素晴らしい国です。絶景を求めて日本人観光客も多く訪れています。
ノルウェーで英語は通じるのか、ノルウェー人はどのくらい英語を話すのかなど、旅行前は語学面の不安が出てきます。そこで、今回はノルウェーの言語事情や観光の役に立つ公用語フレーズなどをご紹介します。
ノルウェーってどんな国?
まずノルウェーの言語事情を探る前に、ノルウェーについての基本的な情報を知っておきましょう。
観光に訪れる前にその国の地理や歴史を知っておくと、より理解を深めることができ、観光スポットも様々な視点から見えるようになります。
ノルウェーの地理
ノルウェーは、デンマーク・スウェーデン・フィンランド・アイスランドといった国と並ぶ北欧の国です。スカンディナヴィア半島の西側に位置し、隣にスウェーデン、そしてフィンランド・ロシアとも国境を接しています。
豊かな自然に囲まれた国であり、海岸線にはフィヨルドが数多くあり絶景が広がっています。また、オーロラが見える地域もあり、オーロラ鑑賞に訪れる観光客が絶えません。
ノルウェーの歴史
ノルウェーは約1万年前に人が住み始めた地域で、狩猟や漁業を中心として暮らしていた人々がやがて農地を耕し、家畜を飼って暮らすようになりました。
9世紀じゃら11世紀頃までは「ヴァイキング時代」と呼ばれ、ノルウェー史の中でも特にも有名な時代です。ヴァイキングは独自のヴァイキング船での長い航海を得意とし、海からの奇襲で物資を獲得すると恐れられていました。
その後、数百年に渡ってデンマークに一時支配された時代もあり、ノルウェーは言語も含めてデンマークの影響を強く受けている国です。
ノルウェーの人種構成
ノルウェーに住む人種はほとんどがノルウェー人ですが、サーミ族という民族がいるほか、フィンランド人やスウェーデン人も暮らしています。
サーミ族とは北極圏に住むトナカイ遊牧民のことを指します。季節ごとにトナカイと共に移動し、国をまたいで渡り歩いてきました。美しい伝統衣装や伝統音楽を持つことで知られています。
ノルウェーの公用語は?
英語が通じる国として知られるノルウェーですが、公用語はノルウェー語です。世界でもノルウェー語が公用語として使われているのはノルウェーだけなので、使用人口はさほど多くありません。
そしてこのノルウェーの公用語はデンマークの支配下にあった影響でデンマーク語の影響も受けている部分があります。ノルウェー語以外にはサーミ族が話すサーミ語があります。。サーミ族の居住地区ではサーミ語が公用語です。
ノルウェーの言語は実は2種類ある
公用語であるノルウェー語というのは、厳密には2種類存在します。90%以上が使用し、標準ノルウェー語として使われている言語が「ブークモール」です。デンマーク語の影響が強いのが特徴です。
もう1つは、デンマーク語の影響を排除した「ニーノシュク」という新しく作られた言語です。各地の方言をもとに作られています。どちらも公用語として認められていますが、「ニーノシュク」が日常生活において使われる頻度はまだまだ低いです。
ノルウェーの言語教育事情
人口約500万人という比較的小さな国ノルウェー。公用語のノルウェー語を話す人口も非常に少ないです。そのため本や映画などがノルウェー語に翻訳されることが少なく、普段から書籍・テレビ番組・映画などを英語で聞いたり読んだりしています。
学校での言語教育ももちろん充実していますが、小さい頃から日常的に英語に触れる環境にいるため、多くの人がネイティブ並みの英語を話すことができます。
小学校1年生から英語教育が始まる
福祉や教育環境が充実しているノルウェーでは、英語教育が小学校1年生からスタートします。公用語であるノルウェー語の授業の割合の方が大きいものの、英語の授業にも重きが置かれています。
授業ではアメリカ英語のテキストが使われ、多くの人が訛りの少ない綺麗な英語を話します。このように、普段の生活から学校での授業に至るまで、英語を習得する機会に恵まれているのがノルウェーの特徴です。
ノルウェーで英語は通じる?
ノルウェーでは日常生活と学校生活のどちらも言語学習の機会に溢れており、国民の多くが英語を理解し、話すことができます。
ノルウェー人の話す英語は、概ねはっきりとしたきれいな発音のため、聞き取りやすいのが特徴です。英語が母国語でないノルウェーに観光行っても、問題なく英語が通じるのは嬉しいポイントです。
ノルウェーは英語が通じる国ランキング世界第4位!
ノルウェーは世界的に見ても英語が通じる国として認識されています。統計によると、ノルウェーは英語が通じる国世界ランキングで第4位となっています。
第1位オランダ、第2位デンマーク、第3位スウェーデン、そして第5位フィンランドとトップ5が北ヨーロッパに集中しています。
日本からの観光ツアーではよく北欧の国々を巡るプランがよくありますが、これらの国に観光に訪れたら大概英語が通じるということです。
ノルウェー人にとって英語は身近な存在
既述のとおり、ノルウェー人にとっては英語というのは日常生活に当たり前にある身近な存在。小さな頃から毎日触れることで自然と身についていきます。
例えば、英語テレビ番組が数多く放送されますが、吹き替えなしで放送されていたり、書籍の多くは翻訳されず英語のままだったりします。このように学校の言語の授業以外にも、普段の生活に英語が溶け込んでいます。
地方の人や年配の人は英語を話せない場合もある
ここで1つ注意しておきたいのが、英語が通じるといっても公用語ではないため、話せない人も一定数いるということです。
特に地方に住んでいる人や年配の人などは英語を理解しない場合があります。言語学習環境がますます充実してきていることや、今はネットで世界中と繋がれる時代になったので、若い世代になればなるほど英語の習得率も高いです。
ノルウェーで英語が通じる観光スポット
ノルウェー観光では街ナカの観光スポットから地方の観光スポット、ホテルやレストランといった様々なスポットを訪れます。
そんな時に気になるのが、観光に訪れたスポットで実際に英語が通じるかどうかということ。ここでは英語が通じる主なスポットをご紹介します。
ほとんどの場所で英語が通じる
ノルウェーでは基本的にほとんどの地域で英語が通じ、特に観光スポットでは英語は問題なく通じます。実際ノルウェーに移住した人も、結局ノルウェー語を習得しないまま英語で生活ができると言うほどです。
道に迷った時に近くの人に英語で話しかけても大抵の場合は問題なく通じるので安心です。各スポットの看板や標識はノルウェー語表記になっているので、読むのが難しい場合も現地のノルウェー人に英語で聞いてみると良いでしょう。
ホテルやレストランには英語版のウェブサイトがある
ホテルやレストランには基本的に英語版のウェブサイトや、言語対応されたウェブサイトがあるので安心です。営業情報や場所、メニューや値段など気になる情報があれば、英語で問題なくチェックすることができます。
なお、レストランのメニューなどはノルウェー語表記が多いですが、分からなければ店員さんに英語で質問すればOKです。
美術館や博物館では主要作品に英語の説明書きがある
ノルウェーの首都オスロには、たくさんの博物館と美術館があります。観光スポットとして人気が高く、美術館や博物館巡りをするのもおすすめです。
これらのスポットに展示されている主要作品には、英語の解説も記載されているので安心して鑑賞を楽しめます。
オスロ国立美術館には、北欧を代表する画家エドヴァルド・ムンクの「叫び」をはじめ、様々な名作が展示されています。オスロ観光で外せないおすすめスポットです。
旅行で使えるノルウェー語の挨拶を覚えよう!
英語が通じるノルウェーですが、せっかく旅行に行くなら現地の言葉も覚えて行きましょう。ノルウェー人とちょっとした挨拶などができると旅の面白さも広がります。
ここからは、旅行で使える便利なノルウェー語のフレーズをご紹介します。カタカナ表記も合わせて記載するので、発音も練習してみましょう。
おはよう/こんにちは/こんばんは
まず、基本の挨拶から見ていきます。「おはよう」は「God morgen」と言います。発音はグモーンです。英語と同じゲルマン語族のため、グッドモーニングと似ています。
続いて「こんにちは」は「God dag」と言います。発音はグダーグです。同じく「Hei!」というのも「こんにちは」という意味があり、1日中使える便利な挨拶です。発音はハイで、こちらも英語と似ています。
そして「こんばんは」は「God kveld」と言います。発音はグクヴェルです。短くて覚えやすいので、シチュエーションに合わせて使ってみましょう。
ありがとう
会話の中で一番よく使うであろう「ありがとう」は「Takk!」と言います。発音はタックです。挨拶フレーズの中でも、一言で言える簡単な言葉のひとつです。
お店で買い物した後や、現地のノルウェー人に何か質問をしたあとなど、「Takk!」と一言伝えれば相手にも喜んでもらえます。
OK
ノルウェー語で「わかりました」は英語と同じ「OK」です。発音も「オーケー」になります。とても簡単で覚えやすいのが嬉しいポイントです。
「わかりました」という表現は他にも言い回しがありますが、発音が難しく長くなるため、旅行用に覚えるフレーズとしては「OK」が最も適しています。
ごめんなさい
「ごめんなさい」は「Jeg beklager」と言います。発音はベクラーゲルです。このフレーズは、次に紹介する「すみません」の意味よりも謝罪が込められています。
完全にこちらに落ち度がある場合、深い謝罪の意味を込めて使う言葉なので、よっぽどの事がない限り旅行中に頻繁に使うフレーズではありません。
すみません
「すみません」は「Unnskyld」と言います。発音はウンシルです。前項で紹介した「Beklager」よりももっと軽い意味合いを持ち、英語で言う「Excuse me」と似た使い方になります。
道に迷った時に声をかける時、歩いていて軽く肩がぶつかってしまった時など、いろいろなシチュエーションで使うことができるフレーズです。
別れ際の挨拶「さようなら」は「Ha det bra!」と言います。発音はハデ ブラです。さらに短く「Ha det」という事もあります。
さようなら/バイバイ
別れ際の挨拶「さようなら」は「Ha det bra!」と言います。発音はハデ ブラです。さらに短く「Ha det」という事もあります。
また、「Vi ses」も気軽な意味合いの「またね」というフレーズで、さらっと別れの挨拶を言う時に便利です。発音はヴィセースです。
旅行で使える便利なノルウェー語のフレーズをチェックしよう!
簡単な挨拶を学んだら、続いてはもう少し長いフレーズに挑戦しましょう。旅行の様々なシーンで使える便利なフレーズなので、何度も使う機会があります。
レストラン・ホテル・観光スポットなど行く先々で使えそうな場面に遭遇したら、ぜひ実践で使ってみましょう。
私の名前は~です
ホテルで自分の名前を伝える時や、誰かに自分の名前を聞かれた時に使えるのが「私の名前は~です」というフレーズです。
2通りの言い方があり、日常生活でよく使われるのは「Jeg heter 〜」(ヤイ ヘーテル 〜)です。最後に自分の名前を付け加えます。
もう一つ「Mitt navn er 〜」というフレーズもありますが、少し固い表現になるので、旅行の場面では「Jeg heter 〜」が良いでしょう。
これは何ですか?
お店に立ち寄った時に何か気になるものを見つけたら、「これは何ですか?」と思い切って聞いてみましょう。
ノルウェー語で「Hva er dette?」(ヴァー アル デッテ?)と言います。そのあとの返事がノルウェー語で分からなければ、英語で会話を続けても問題ありません。
これはいくらですか?
「これはいくらですか?」というフレーズは、土産店などのショップで使うことができる便利な一文です。
「Hva koster det?」(ヴァー コステル デ?)と言います。お店によっては値段表記が分かりにくいところや、商品カードがないこともありえるので、そんな時に使うと良いでしょう。
お会計をしてください
ホテルやレストランで食事をしたあとに「会計をしてください」と店員さんにスマートに伝えられると良いでしょう。
「Regningen, takk?」(ライニンゲン、タック?)と言い、最後に「ありがとう」の意味もある「takk」をつけるのがポイントです。
カードで支払えますか?
ホテル・レストラン・ショップなどでの支払いの場面で使いたいのが「カードで支払えますか?」というフレーズです。
「Kan jeg betale med kort?」(カン ヤイ ベターレ メ コット?)と言います。少し長いので覚えにくいかもしれませんが、使える場面は多くあります。
写真を撮ってもいいですか?
「写真を撮ってもいいですか?」は、観光スポットで写真撮影を撮っていいか現地のノルウェー人に尋ねる場合に使えるフレーズです。
こちらも少し長いフレーズになりますが、「Kan jeg få ta et bilde?」(カン ヤイ フォー ター エット ビルデ?)と言います。
~はどこですか?
道に迷った時やバスなどの交通機関を利用する時に使えるのが「〜はどこですか?」というフレーズです。
「Hvor er 〜?」(ヴォー アル 〜?)と言い、最後に目的地や探している場所の名前を付け加えます。
おすすめは何ですか?
レストランやショップを訪れた時にぜひ使いたいのが「おすすめはなんですか?」というフレーズです。
「Hva kan du anbefaler?」(ヴァー カン ドゥ アンブフォレー)と言います。店員さんにおすすめされたものを食べたり買ったりするのも良いでしょう。
とてもおいしいです!
レストランで食事している時や誰かの家で食事をごちそうになった時に使いたいのが「とてもおいしいです!」という表現です。
「Det er kjempegodt!」(デ アル シャンペゴット)と言います。現地の言葉で伝えることで、相手にもより一層喜びと感謝の気持ちが伝わります。
英語が通じるノルウェーは観光旅行におすすめ!
ノルウェーは英語が通じる国なので、観光に訪れる際も言語を心配する必要はそこまでありません。
でもせっかくなので、今回の記事で紹介した簡単な挨拶や会話フレーズを使って、ぜひ現地のノルウェー人と交流してみてはいかがでしょうか。それもまた楽しい旅の思い出になるはずです。
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