ジャカルタの治安に気を付けながら観光を楽しもう!
ジャカルタはインドネシアの首都であり、人口1000万人を誇る巨大な都市です。ジャワ島北西の海岸沿いに位置するこの街には、中国やアラブ、インド、ヨーロッパなどの文化が融合し合い、建築や言語、料理などにもその影響や傾向が見られます。
ここではそんなジャカルタについて、治安やおすすめの観光エリア、特に女性が注意することなどの情報を交え紹介します。
ジャカルタの基本情報
世界で4番目に多い人口を持つインドネシアの首都ジャカルタは、世界で2番目の規模を誇る都市圏です。またジャカルタは、歴史的にも東西が交わる中継的な位置を占め、重要な役割を果たしてきた貿易港を持ちます。それでは、ジャカルタの位置や時差、気候、言語、通貨、宗教、治安といった観光に当たっての基本的な情報について説明してみましょう。
ジャカルタの位置・場所
ジャカルタはジャワ島北西岸の、チリウン川河口に位置します。その北部には外港タンジョンプリオクがあり、海岸に近い旧市街と、少し離れた場所に位置する新市街に分かれています。
ジャカルタ北部の海抜は低く、南部は丘陵地となっているため、チリウン川などの河川は南から北へと流れています。チリウン川はジャカルタ市街のほぼ中央を流れており、ジャカルタの低地では、潮の干満や雨季の雨量によっては氾濫を起こすこともしばしばあります。
ジャカルタ行政区を含めた4地域は、ひっくるめてジャボデタベックと呼ばれています。これは、ジャカルタと西ジャワ州のブカシ市、ボゴール市、デポック市、バンテン州のタンゲラ市の頭文字を繋いだもので、ジャカルタ首都圏の呼び名として使われています。
ジャカルタの時差
ジャカルタのタイムゾーンはインドネシア西部時間に属します。日本とジャカルタの時差は2時間で、日本の方が2時間進んでいます。つまり、ジャカルタが午前9時の時は、日本時間で午前11時となります。また、ジャカルタと協定世界時との時差はUTC+7となり、ジャカルタの方が7時間進んでいます。ジャカルタではサマータイムは実施していません。
ジャカルタの気候・服装
赤道直下に位置するジャカルタは熱帯気候のため、乾季と雨季に分けられます。5月から10月が乾季、11月から4月が雨季となりますが、乾季には湿度が比較的低くて過ごしやすく、雨季には午後になると、決まったようにスコールのような大雨が降り、湿度も上がります。
気温は年中30度前後で、外を歩く分には半袖でも大丈夫ですが、レストランやショッピングモールなどの屋内では冷房が効いているため、カーデガン等の薄での上着を持ち歩くことをおすすめします。
ジャカルタの言語
ジャカルタではインドネシア語が公用語となっていますが、ジャワ語始め各地域の言語もよく耳にします。観光スポットやショッピングモール、ホテルなどでは英語を話す人も多いようですが、タクシー始め、小さなレストランやスーパーマーケットなどでは英語が通じないことが多いことを頭に入れておく必要があります。
ちなみに、インドネシア語で「おはようございます」は「スラマッパギ」、「こんにちは」は「スラマッシアン」、夕方の「こんにちは」はスラマッソレ」、「こんばんは」はスラマッマラム」と言います。
挨拶程度でも、現地で使ってみれば、ジャカルタの人がやさしく接してくれること間違い無しです。
ジャカルタの通貨
インドネシアの現地通貨にはルピアが使われてています。2019年10月11日現在の日本円に対するルピアの為替レートは、1円=130.28インドネシアルピアとなっています。ジャカルタ市内には多数の換金所がありますが、一般的には銀行の換金レートが最も良いレートとなっているため、銀行での換金をおすすめします。
ホテルやショッピングモールでも両替できますが、換金レートはあまり良くないようです。また、コンビニやショッピングモールにはATMも多数あります。
ジャカルタの宗教
インドネシアでは90%以上の人がイスラム教徒ですが、ジャカルタも例外ではありません。現地の人のほとんどは、豚肉や豚エキスの食物を口にすることができない他、お酒も飲めないため、ローカルの人と交流する機会がある場合は注意する必要があります。また、人前で怒ったり左手で頭をなでるなどの行為は、現地では反感を買うことがあります。
ジャカルタの治安情報①:注意する犯罪と危険
ジャカルタの治安は一時と比べると良くなってきており、殺人事件などの凶悪な犯罪は少ないですが、観光エリアなどで外国人に狙いを定めた強盗、置き引きなどの軽犯罪などは後を絶ちません。詐欺やデモ、暴動、麻薬、ドラッグといった犯罪は、ジャカルタでは頻繁に起こっており、観光時には治安上の注意が必要です。
スリ・ひったくり・盗難・置き引き
観光客の持つ貴重品を狙ったスリやひったくり、盗難、置き引きなどは、ジャカルタで最も多い犯行です。
手口としては、バイクに乗った2人組の1人が歩いている観光客に声をかけ、話しに気を取られている内にもう1人の仲間が、後ろから貴重品を抜き取るというやり方が多いようです。
また、道に釘を撒き、車のタイヤをパンクさせ、修理している間に貴重品を盗むパンク強盗という手口の強盗もあります。
これらの犯罪に対する観光時の対策としては、時計やバッグなどの高級ブランド品を持ち歩かないこと、派手で目立つような服装を避けること、お尻のポケットに貴重品を入れないこと、車道に面していない方の手で荷物を持つこと、ひったくりされにくいカバンを持つことなどが、治安の悪いジャカルタでは必要となります。
また、タイヤの修理は安全な場所に移動してから行ったり、歩きながら携帯や地図を見ないことなども治安上の有効な対策となります。
詐欺
インドネシアの首都ジャカルタで次に多いのは外国人に狙いをつけた種々の手口による詐欺行為です。例えば、両替所で実際の金額より低い金額が渡されたり、「有利なレートで両替します。」などと観光客を誘い、通常レートよりも高い値段を請求する詐欺師が多いようです。
高い経済成長を遂げつつあるインドネシアの情勢にかこつけて、投資や株などの話を持ち掛け、金銭をだまし取るような詐欺師もいます。日本語を巧みに話す詐欺師や日本人の詐欺師もいるため、観光時には細心の注意が必要です。
対応策としては、両替後の金額を自分でしっかり計算し確認すること、価格が間違っていることを確信した場合は、その両替所で替えることを止めること、日本語を話す人による甘い儲け話には乗らないよう注意することなどが、治安の悪いジャカルタでは必要となります。
麻薬・ドラッグ
インドネシアを含む東南アジアの多くの国では薬物の使用は即死刑ともなる重罪のため、厳重な注意が必要です。
手口としては、クラブなどでドラッグを入れたドリンクを飲ませ、相手をどっぷり麻薬漬にしたり、空港などで、観光客に「この荷物を運んでくれませんか?」と依頼するなどの方法が取られます。
治安対策としては、クラブやバーなどでは知らない人からむやみに物を貰ったりおごってもらったりしないこと、「荷物を運んでもらえませんか?」と依頼されても絶対に応じないことをおすすめします。麻薬密輸の共犯者と見做された場合には死刑になることもあり得るため、厳重な治安上の注意が必要です。
テロ
ジャカルタではデモや暴動、更にはテロ事件が頻繁に起きます。発展途上のジャカルタでは、賃金引上げを要求するデモが日常化しており、火炎瓶が投げられるなどの過激なケースが見受けられ、治安の悪化に繋がっています。また、最近では、3年ほど前にジャカルタで爆破テロが起き、民間人を含む8名が亡くなっています。
当時はイスラム国が全盛の時期で、この爆破テロはイスラム国を支持するグループの犯行によるものでした。インドネシア政府は治安対策を強化していますが、イスラム国が消滅した現在でも治安の悪さは続いており、テロが起きる可能性は否定できません。
観光時の治安対策としては、デモの行われる日時は在インドネシア日本国大使館の公式ホームページで紹介されているため、情報を確認し、デモが行われるエリアには近づかないこと、治安の悪いエリアは避けることなどの注意が必要となります。
ジャカルタの治安情報②:移動の際の注意点
ジャカルタで観光時に移動する際の注意点について説明しましょう。市内での移動にはタクシーやバスなどが使われますが、最も安全な移動方法はブルーバードタクシーを利用することです。バス内でのスリには注意が必要ですし、タクシーでもメーターの無いタクシーや白タクなどがあるため、治安上、必ずしも安全とは言えません。
タクシー
ジャカルタで、観光時に移動する手段として役立つのがタクシーです。インドネシアのタクシーは日本と比べ格安です。
例えば、空港からタクシーで市内エリアまで行くには、渋滞に巻き込まれなければ30分ほどで行けます。ジャカルタ市内での移動なら、500円もあればほとんどのエリアに行くことができます。
タクシーは比較的安全な乗り物ですが、利用する際に気を付けなけらばいけないことは、白タクに乗らないことです。白タクでは、ぼったくりのみでなく、強盗の被害にあったという例もあります。5年ほど前にあった事件ですが、荷物入れに潜んでいたドライバーの仲間が後部座席に入ってきて、金目の物を脅し取られたという例もあったようです。
おすすめはブルーバードタクシー
治安上、より安全度の高いタクシーに乗るならブルーバードグループのタクシーがおすすめです。その理由は、ほかのタクシーではメーターを使用しないタクシーが多々あることと、白タクなどのタクシーに遭遇すると、先述のような強盗被害に遭う可能性があるためです。
万一の場合、ブルーバードタクシーにはGPSが搭載されており、追跡ができるという安全面での機能が優れています。このタクシーーを拾う際に目印となるのは、フロントガラスに「ブルーバードグループ」と表記があることです。ブルーバードタクシーには大衆向けのものと高級なシルバーバードタクシーの2種類があります。
また、ブルーバードタクシーの場合、英語が通じないことが多いですが、シルバーバードタクシーはほぼ英語が通じます。ブルーバードタクシーの初乗り料金は70円程度、10分以内だと170円程度と格安です。空港から市内への利用料金は、ブルーバードタクシーで1500円程度、シルバーバードタクシーだと3000円程度になります。
ジャカルタでタクシーを拾う場合は、地面と水平に手を挙げると停まってくれます。もし、タクシースタンドが見つけられれば、そこから簡単にタクシーを拾うことができます。
公共交通機関
ジャカルタでは、タクシー以外にも公共交通機関としてバスが走っていますが、このバスはトランスジャカルタと呼ばれる専用レーンを走っています。そのため渋滞に巻き込まれにくいというメリットがあります。バスは主要路線のほとんどを走っているため、便利な上、料金も安いため、利用価値の高い移動手段となっています。
このバスの前方に女性専用エリアが設けられており、その近くに車掌がいるため、男性がその場所に座ろうとすると注意されます。その意味では女性が安心して利用できますが、混雑することが多いため、スリには注意が必要となります。
交通事故
ジャカルタは交通事故の多いことでも知られています。交通環境が整っていないジャカルタでは、道路を走る車やバイクが多い上に運転手の交通マナーが悪いため、交通事故が起こりやすいのが現状です。日本では歩行者優先の規則ですが、ジャカルタでは通用しないため、横断歩道を渡る時は特に気を付けることをおすすめします。
斜線や信号を無視する車が多いため、横断歩道での事故が絶えません。歩道橋のある場所では、なるべく歩道橋を利用すると良いでしょう。道路で停車している車をぬって走るバイクも多く、車を運転する場合には特に注意が必要となります。
ジャカルタの治安情報③:注意が必要な行事・イベント
ジャカルタでは、治安上注意すべきイベントがあります。1つはラマダンの行事で、この時期にはイスラム教徒は断食をしますので、ラマダン明けの時期には積もり積もった鬱積が爆発することがあり、それに伴い治安が悪化することがあります。また、定期的に行われるデモが暴徒化することもあり、治安上の注意が必要となります。
断食明け
6月始めから7月始めにかけて、インドネシアのイスラム教徒にはラマダンという断食月があります。その間は、日の出から日の入りまで飲食することができません。それ故、空腹となったイスラム教徒がいらいらしたりすることが多くなり、通常と異なった精神状態となります。
そして治安上特に気を付けなければならない時期が、「レバラン」と呼ばれるラマダン明けの時期です。この時期には多くのイスラム教徒たちが故郷へ帰るため、バスやタクシー、電車が大変混雑します。また、その旅費を得るために窃盗を行う人たちもいます。
お金持ちのイメージが強い日本人はその対象になることが多々あるため、この時期には特に注意を払うことをおすすめします。
またラマダン時に日本人が飲酒をしていると警察に連行されることがあるため、TPOを選んで飲酒することと、いざという時はある程度お金を渡せば解放してくれることなど、記憶しておくと良いでしょう。
デモ・暴動
ジャカルタでは一定のエリアで定期的にデモが行われることがあり、大規模デモの場合、数千人が集まることもあります。
イスラム教徒の大多数はやさしくて温厚な人が多いのですが、中には極右や極左の思想を持った人たちもいます。また、大規模デモに参加する人達の多くは政府の政策に反対する人たちです。
治安上最も大切なことは、デモの行われているエリアには近づかないことです。デモが暴動に発展することもしばしばあり、日本人を始めとする外国人が興味本位で近づいた場合、トラブルに巻き込まれる危険性があるため、現地の情報をしっかり把握しておき、デモの場所には行かないようにすることをおすすめします。
ジャカルタの治安情報④:衛生面の注意点
ジャカルタでは衛生面でも気を付けなければならない点があります。1つは井戸水を使用していることが多い水道水で、これを飲み水として飲むと衛生上危険なことがあるため、注意が必要です。また、衛生管理がいい加減なジャカルタでは、風俗店などでエイズを移されないような注意も必要となります。
水道水
ジャカルタだけの話ではなく、海外では当たり前のことですが、水道水は飲まないことをおすすめします。
蛇口から出てくる水は井戸水を使用している場合が多く、現地に住む日本人のみでなく、インドネシア人も水道水を飲むことはなく、市販のミネラルウオーターを購入して飲んでいます。物価の安いジャカルタでは、ミネラルウオーターの値段も格安となっています。
エイズ
ジャカルタには多数の風俗店があり、エイズに感染するリスクを負ってでもお金を稼ぎたいと思っている人がたくさんいます。更には、エイズに対する知識がなく、避妊具無しに多数の人と関係を持つ人も多いようです。また、病院やタトゥーショップでは、衛星管理のいい加減なところが多く、消毒していない注射器が使い回されるようなケースも多々あります。
治安上の対応策としては、風俗店には行かないこと、見ず知らずの人とは関係を持たないこと、病院では、衛生面をチェックすること、安易にタトゥーを入れないことなどが挙げられます。
ジャカルタの治安情報⑤:女性が特に注意すること
ジャカルタでの女性の一人旅は常に危険と隣り合わせています。ジャカルタでは、外国人の女性に目を付けた犯罪が横行しており、多額の現金は持ち歩かないようにする必要があります。
また、深夜の女性だけの外出は複数人の旅であっても控えることをおすすめします。女性だけの旅には常に危険が潜んでいることを忘れてはなりません。
女性の一人旅
女性の海外への一人旅または女性同士の旅をする人たちが近年増えていますが、訪れる国やエリアの状況をあまり知らないで事件に巻き込まれるケースも増加しています。
ジャカルタでも女性に狙いを定めた犯罪が増えており、注意が必要です。特に女性の一人旅の場合、脅されてお金を要求されたり奪われたりするケースも多々あるため、多額の現金は持ち歩かないようにすることをおすすめします。
脅された場合は、抵抗をせず、持ち合わせの現金を渡してしまった方が安全です。また、クレジットカードは、海外旅行保険付きのものを持参することをおすすめします。
女性の深夜の外出
ジャカルタでは、南国特有の気分に誘われて、女性一人でも深夜の街に出かけていきたくなることがありますが、深夜の一人歩きまたは複数での外出は止めておいた方が無難です。ジャカルタは、以前よりは治安が良くなったとは言え、日本とは比べられません。
危ない例として、深夜に飲酒をし、酔っぱらったままタクシー内で寝てしまい、犯罪にあった例などがあります。女性の場合は、日没直後であっても一人歩きの外出は控えるべきで、車やタクシーでの移動をおすすめします。
ジャカルタの治安情報⑥:危険なエリア
ジャカルタでは、立ち入ると危険なエリアがいくつかあります。中でもとりわけ危ないエリアがコタ地区と呼ばれる無法地帯で、交通マナーの悪いドライバーが多く、スリやひったくりも横行しています。もう1つは、ブロック「M」と呼ばれるエリアで、日本人対象の歓楽街ですが、このエリア内でも油断をするとスリなどに狙われることが多いようです。
コタ地区
ジャカルタの中で最も治安の悪い地域がコタ地区です。この地域では、自動車やバイクの交通マナーが劣悪で、交通法規がないことも手伝って、無法地帯に近い状態となっています。また、スリやひったくりなども頻繁に起きるため、この地区を訪れる場合は細心の注意が必要となります。
ブロック「M」(Burgos Street)
ジャカルタのブロック「M」は、ムラワイ通りにある日本人対象の歓楽街です。この通りには和食のレストランやカラオケ、クリーニング店なども並び、日本の郷愁に浸れるエリアではありますが、歓楽街だけに、スリやひったくりなどの危険とも隣り合わせています。夜遊びをする場合でも、絶えず油断しないよう心がけることをおすすめします。
治安に注意してジャカルタ観光を満喫しよう!
インドネシアの首都ジャカルタは活気に満ちた発展途上の大都市で、アラブやインド、中国、ヨーロッパなど、種々の国々の文化が入り交じった魅力的な都市です。ここではそんなジャカルタについて、治安やおすすめの観光エリア、女性が注意を払うべきポイントや場所などの情報を中心に説明してみました。
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