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ボロブドゥールの巨大遺跡に圧倒される!世界遺産にも選ばれたスポットの紹介!

ボロブドゥールの巨大遺跡に圧倒される!世界遺産にも選ばれたスポットの紹介!
投稿日: 2017年11月20日最終更新日: 2020年10月8日

ボロブドゥール遺跡は、中部ジャワの中心都市ジョグジャカルタの北西約42kmにあり、巨大なムラピ火山に囲まれた平原の中央に立地しています。ジャカルタ市内からボロブドゥールへの行き方は、バス移動が便利で、朝日に佇む絶景を楽しむ観光が人気です。

千年の眠りから覚めたボロブドゥール寺院見出し

ボロブドゥール寺院遺跡群は、8世紀後半に造られその後、1814年に当時ジャワ総督代理のトーマスラッフルズとオランダ人技師コルネリウスにより発見されるまで、実に千年もの長きに渡り森の中に眠り続けていた驚異の仏教寺院遺跡です。ここでは、その奇跡の遺跡である世界遺産、ボロブドゥール寺院遺跡群の魅力を紹介していきます。

ボロブドゥール寺院の歴史的背景見出し

なぜ千年もの長きに渡り発見されることがなかったのか、それには宗教的な問題と地理的な問題があるとされています。インドネシアはイスラム教とヒンドゥー教が主で、仏教徒は全体のわずか0.4%しかいません。当時、仏教を崇拝していたシャイレーンドラ朝の民がイスラム教徒の破壊を恐れて埋めてしまったのではないかと言う説があります。

もうひとつの説は火山の降灰により埋もれてしまったというものです。ジャワ島中央部にあるメラピ山は現在も活発に活動する火山で、40万年前から活動が始まり、1万年前から活発になってます。1548年以来68回も噴火をしていて多くの犠牲者を出しています。標高3000mのメラピ山の中腹には、今も数千人が居住しています。

近年では、2010年の大噴火が有名で、死者322人、避難者27万人、噴出物総量1.4億立方mという甚大な被害をもたらしました。噴出した亜硫酸ガスは、西インド洋3000kmとオーストラリアのポートヘッドランド付近まで達しています。この時にボロブドゥール遺跡には、3cmの火山灰が降ったため、重要部分をビニールシートで覆っています。

シャイレーンドラ朝とは見出し

ボロブドゥール寺院遺跡群を造ったとされるのが、8世紀半ばから9世紀後半に中部ジャワに栄えたシャイレーンドラ朝です。その勢力は、ジャワ島西部のヒンドゥー教古マタラム王国、スマトラ島のシュリーヴィジャヤ王国、そして現在のマレーシア半島にまで及んでいました。大乗仏教を信仰しその支配は9世紀後半まで続いています。

シャイレーンドラ朝は、シュリーヴィジャヤ王国と姻戚関係を持ちジャワでの統一を目指したものの、古マタラム王国などのヒンドゥー勢力の台頭によりやがて衰退していきます。ジャワでは大乗仏教が衰退し、再びシヴァ信仰のヒンドゥー文化が栄えていきます。こうしてシャイレーンドラ朝の衰退とともにボロブドゥールも埋もれました。

ボロブドゥール寺院の構造見出し

ボロブドゥール寺院の構造は、仏教の三界を表しているとされています。一番下の界は、淫欲と食欲という2つの欲望にとらわれた世界、その上段は、2つの欲望は超越したが、物質的欲にとらわれた世界、そして一番上が、2つの欲望も物質欲も超越し、精神作用のみの世界で、下から上に悟りを目指す菩薩の修行を表現しています。

一番上の円形壇に登ると、幾何学的模様の釣鐘状の形をしたストゥーパーと呼ばれる造形物と72体もの数の釈迦如来の仏像が置いてあり、俗物の世界から解き放たれた悟りの境地を表現していると言われています。ここにいると未体験の神聖な空気に支配されているのが分かるような、そんな気持ちにさせてくれます。

ボロブドゥール寺院は、建築総面積1.5万平米、基盤となる一番下の壇が4方向併せて480mもの長さになっており、その基壇の上に5層で出来た方形壇、さらにその上に3層で出来た円形壇で出来ており、全部で9層になる世界最大級の仏像建築物です。これだけ大きな仏像建築物は、世界でも類を見ない貴重な遺跡です。

ボロブドゥール寺院の建築意匠見出し

総延長5kmにも及ぶ方形壇の廻りには、歴史上の出来事と仏教説話に基づいた1460面にも及ぶ浮彫彫刻のレリーフがあり、その登場人物は約1万人いるとされています。また1212面の装飾浮彫には、鳥獣類や植物類及びインド神話に出てくる伝説上の鳥獣が彫られており、当時の生活様式を解明できる貴重な世界遺産の遺跡となっています。

8世紀の後半、シャイレーンドラ朝は、広く東南アジアの海域に進出したと見られています。カンボジアやベトナム南部、さらにはハノイ辺りまで攻略したという碑文が各地に残っており、かなり発達した造船技術を持っていたと推測されます。基壇にある装飾浮彫にも船で航海する様子などが彫られており果敢に進出していたようです。

方形壇のレリーフには、釈迦の前世物語を絵巻物風に表し、前世の釈迦が巡礼の旅をする仏教経典が描かれ、釈迦の誕生から最初の説法いたるまでの経緯について、数々の伝説も交えて詳細に表現されています。その構図の巧みさ、洗練された浮彫彫刻の技法、細部表現に至るまで、世界遺産たる見事な彫刻芸術の世界が示されています。

ボロブドゥール寺院の仏像見出し

ボロブドゥール寺院にある仏像の数は、全部で504体もありそれぞれに異なる仏像が造られています。大きくは、最上階の円形壇にある72体の釈迦如来と方形壇の壁面にある窪みに彫られた432体の如来像に分かれます。方形壇の如来像は、4面に分かれて東西南北各92対ずつと方形壇の最上部に64体とに分かれています。

円形壇には、72体の転法輪印を結ぶ釈迦如来が置いてあります。釣鐘状の部分は、一辺23cmの石のブロックで格子状に積み上げられ中の仏像を拝めるようになっています。また全体で3重の円を描くように配置され、頂上には釈迦の遺骨を納めたとされる大きなストゥーパーがあり、天空を目指しています。ここからの景色はまさに絶景です。

ボロブドゥール寺院の資材とその数見出し

5層ある方形壇には壁が巡らされ壁には全部で20の吐水口が取り付けられています。資材には、厚さ20cmから30cmの煉瓦仕様のブロックが使われており、質の粗い安山岩や凝灰岩を切断して建造されています。ブロックの個数は、200万弱、容積は5万5000立法メートル、総重量は約350万トンにも及ぶとされています。

秀逸な美しさの如来像があるムンドゥッ寺院見出し

ムンドゥッ寺院への行き方は、ボロブドゥールから東へ約3kmほど離れた場所にあります。9世紀初期のシャイレーンドラ朝によって建造されました。壁面には美しいレリーフが保存状態も良く残されています。また堂内には3体の仏像が安置されており、中央にある如来像の美しさは秀逸で、専門家の間で世界遺産として高く評価されています。

王廟であったと推測されるパオン寺院見出し

パオン寺院への行き方は、ボロブドゥール寺院とムンドゥッ寺院の間に位置し、それぞれが直線上に並び、この3つの寺院がボロブドゥール寺院遺跡群として世界遺産として登録されています。パオン寺院は、内部に何も残されていませんが、王廟ではなかったかと推測されています。ボロブドゥール寺院と同時期に建造されています。

壁面のレリーフには、聖なる木カルバタール、天女、半鳥人などが描かれており、東面にある天女は腰を振り脚を曲げて、実にしなやかな仕草をしています。廻りは毅然とした直線になっていて、東西南北すべて同じようなテーマで描かれています。小規模ですが、世界遺産に相応しい精巧な技術と南国ムードの漂う魅力的な寺院です。

観光地化しているボロブドゥール寺院遺産群見出し

仏教徒がわずか0.4%にも満たないインドネシアでは、管理そのものを株式会社化して、マラソン大会のイベントやアトラクションなど観光化し、今やボロブドゥール寺院遺跡群は、年間100万人が観光に訪れる観光地と化しています。こうしたことから国外から世界遺産としての重要性を重視し、その保護に努めようという動きが高まっています。

1602年にオランダ東インド会社がジャワ島に進出し、その後1942年2月第二次世界大戦の日本軍侵攻によるオランダ撤退まで350年もの長きに渡り、オランダの植民地時代が続いていました。オランダ本国へ莫大な富がもたらされた一方で、過酷な搾取と愚民化政策のもと、この世界遺産であるボロブドゥールも過酷な運命に遭遇していました。

ボロブドゥール寺院で毎年ある仏教の祭り見出し

一方、世界遺産であるボロブドゥールは、世界中の仏教徒にとっては重要な場所であり、タイやインドなどから数多くの仏僧や一般信者が参拝に訪れています。ボロブドゥールでは、毎年5月の満月の夜にワイシャックと呼ばれる仏教の祭りが開催されています。この日は、インドネシアの祝日でもあり多くの観光客などが見学に訪れます。

ワイシャックという祭りは、国内外から仏教徒や一般信者がムンドゥッ寺院に集まり、経典を唱えながらパオン寺院を経由して西に向って行脚し、ボロブドゥールの回廊を登り涅槃に至る参拝を行います。写真はタイからの僧侶御一行の様子です。まるでオリンピックか何かの国別の入場行進のようです。

ボロブドゥール寺院の絶景ポイント見出し

ボロブドゥールからの絶景ポイントのひとつは、円形壇から見る朝焼けの景色です。赤道直下にあるジャワ島では18時に陽が沈み6時に陽が昇ります。そして太陽は東の空から頭上をきっちりと垂直に昇っていきます。まだ夜明けの朝靄に包まれたジャワの森林を太陽の陽の光が徐々に照らしていく姿は、まさに自然界が造る絶景のドラマです。

ボロブドゥールから東に約38km離れたムラピ山の裏側から登ってくる朝日は、その威風堂々としたムラピ山をより一層、雄大に映し出します。当時の人は、このムラピ山の彼方から昇ってくる朝日を見て何を思ったのか、その眼前に横たわるボロブドゥールは、まさにムラピ山に守られているかのような静けさの中に佇んでいます。

ボロブドゥール遺跡サンライズツアーと題した朝日が昇る中に佇むボロブドゥール寺院を紹介する動画です。ムラピ山の中腹からゆっくりと朝日が昇り、ボロブドゥール寺院が朝焼けに染まり出すと、そこに横たわる絶景の世界が現れます。この絶景サンライズツアーは赤道直下ならではで、一年を通して見ることが出来ます。

ボロブドゥール寺院への行き方見出し

ボロブドゥールへの行き方は、ひとつには、ジャカルタ市内のホテルであれば、ほとんどのホテルがボロブドゥール絶景観光ツアーを実施しています。5つ星クラスのホテルであれば、バスもデラックス型が多く冷房完備で快適に移動することが出来ます。短期間の効率いい行き方なら、この絶景観光ツアー参加型の行き方が楽でおすすめです。

旅行会社エイチアイエスが紹介する、空から見た絶景のボロブドゥール遺跡などの紹介動画です。こうして空からその絶景の映像を見るとボロブドゥールの広大さがよく分かります。行き方はいろいろとありますが、こうした旅行会社のツアーに参加するのもお手軽で、無駄なくそれぞれの絶景ポイントを廻ることが出来て便利な行き方です。

もうひとつの行き方は、市内バスでの移動です。時間にして約1時間半ぐらいで、南部のギワンガンバスターミナルから朝6時から夕方5時半まで30分おきに出ています。料金は片道170円ぐらい。途中からの行き方は、乗車するにはバス停がなく、激しく乗る意思を示さないと永遠に無視されるのでターミナルからの行き方がおすすめです。

ボロブドゥール寺院周辺のホテル見出し

ボロブドゥール寺院を含めた遺跡公園の中にあるマノハラホテルボロブドゥールは、ボロブドゥール寺院のすぐ近くにあるリゾート型観光ホテルです。自然と一体化したジャワ建築様式の外観、専用バルコニー付きの客室、解放感溢れる屋外の専用レストラン、コーヒーショップなどロケーションとともにリラクゼーションを提供するホテルです。

客室タイプは、スタンダードツインルーム20室とスタンダードダブルルーム15室の2タイプに分かれ全部で35部屋です。伝統的なジャワ様式の色調で整えられており、それぞれ広い緑の自然に囲まれた庭からは世界遺産であるボロブドゥール寺院を眺めることができ、部屋に居ながらにして、ジャワ島観光の自然を満喫することが出来ます。

ウィタカーレストと呼ばれるレストランでは、夜景に広がるボロブドゥール寺院を眺めながらゆったりとしたディナーを楽しむことができます。インドネシア料理だけでなく、ヨーロッパ料理、中華料理など様々な料理があり、雄大な自然に囲まれながら観光気分を満喫できる、リゾート感覚溢れるレストランになっています。

ボロブドゥール寺院まとめ見出し

世界遺産として登録されているボロブドゥール寺院遺跡群は、今や年間100万人が訪れる観光地となっていますが、実際に訪れてその神秘さと廻りを取り囲む自然の雄大さに身を置くと、未体験の神秘な雰囲気に包まれます。さあ、あなたもこの年末年始や連休を使って世界遺産ボロブドゥール遺跡の旅へ出掛けてみてはいかがでしょう。

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