モロッコを安全にひとり旅するために
モロッコは地域によって全く気候が異なります。海・山・砂漠といろんな風景を楽しめるのがモロッコ旅行の楽しみでもあります。様々な見どころがたくさんあるので、じっくりモロッコを楽しむならひとり旅がおすすめ。安全にひとり旅するのに気になるモロッコの治安や注意点、ベストシーズンやビザや時差についてもご案内します。
まずはモロッコについてざっくりと知ろう!
モロッコの地理
北アフリカのモロッコは、北は地中海でその先はスペイン、東はアルジェリア、南は西サハラ、西は大西洋に面しています。中央部にはアトラス山脈が東西に続き、北側は地中海気候やステップ気候、南側は砂漠気候となり、地域によって気候が全く異なります。また、地中海沿岸のセウタとメリリャは飛び地といってスペイン領です。
モロッコの宗教
国教はイスラム教で、イスラム教スンニ派がほとんどですが、ユダヤ教やキリスト教も禁止されてません。イスラム教といえば一夫多妻制で有名ですが、モロッコでは2004年に新家族法が制定され、女性の婚姻は18歳以上、一夫多妻制についても厳しい条件が設けられました。憲法で信仰の自由が保護されている、寛容なイスラム教の国です。
モロッコの言語
公用語は、アラビア語とベルベル語です。アラビア語は国や地方によって結構違いがあり、モロッコではアラビア語モロッコ方言が話され、アルジェリア国教近くのサハラ砂漠近辺ではアラビア語アルジェリア方言になるとのこと。昔フランス領だったことから高年齢層を中心にフランス語が通じ、北部ではスペイン語、観光地では英語が通じます。
モロッコ旅行にはビザが必要?
日本人がモロッコを旅行する場合、滞在が3ヶ月以内ならビザは不要です。ノービザだからこそ、ヨーロッパ旅行後、気軽に地中海を超えてモロッコに入国することができます。3ヶ月以上滞在するなら、必要書類とともにモロッコ大使館にビザの申請をする必要があります。または一旦出国して他国へ行ってからノービザで再入国する方法もあります。
モロッコの時差について
モロッコと日本との時差は9時間です。モロッコにはサマータイムがあり、サマータイム中の日本との時差は8時間です。サマータイムは大体毎年3月後半から10月後半までで、ラマダン(断食月)は中断され、時差もかわるので注意が必要です。ヨーロッパとの時差は1、2時間が多く、ヨーロッパ滞在後にモロッコ入国すると時差ボケがなくて楽です。
モロッコ旅行のベストシーズンとは?
モロッコ全体でのベストシーズン
モロッコは地域によってかなり気候が異なるため、地域ごとにベストシーズンが異なります。特にマラケシュはアトラス山脈南側の地域では、7月から8月は40度以上となることも多いので避けるべき。そして12月から2月の夜はかなり冷えます。モロッコ周遊の旅をするなら、ベストシーズンは4月から6月か、9月から10月です。
ラマダン(断食月)は要チェック
モロッコを旅行する際に気をつけるべきことは、ラマダン(断食月)を避けるべきということです。ラマダンの約1ヶ月間は、イスラム教徒は日中の飲食を一切断ちます。そのため、街中のレストランやカフェは閉まっていることが多く、断食をしない人にとっては辛い時期となります。ラマダンは毎年行われ、イスラム暦で数えるので、要チェックです。
モロッコひとり旅の注意点とは?
イスラム教の国・モロッコでは日本と常識が異なる点があります。旅するときはその国へ敬意を払い、外国人もきちんとルールを守るべきです。旅行者としての一般的な常識だけでなく、モロッコならではの注意点もあります。楽しくモロッコをひとり旅するために必要な注意点をいくつかご紹介します。
ひとり歩きに注意!
モロッコでの犯罪は殺人や誘拐は比較的少なく、多くは窃盗や強盗です。夜間・早朝のひとり歩きはなるべくせず、日中でも人通りの少ないエリアは避けましょう。東洋人である日本人は目立ちやすく、裕福なイメージがあります。華美な服装は避けて貴重品は肌身離さず、できれば分散して持つのがおすすめです。
偽ガイドに注意!
観光地では頻繁にモロッコ人に話しかけられます。親切な人もいますが、多くは観光客から何かしらでお金を取ろうとしている偽ガイドです。モロッコでは政府が認めた公認ガイド以外のガイドを雇ってはいけないという規制があります。公認ガイドは証明書を携帯し、前もって主要ホテルなどで雇うこともできます。
服装に注意!
イスラム教のモロッコでは、特に女性は肌の露出を控えましょう。体のラインがはっきりわかるタイトな服や、肩が出てしまうノースリーブや膝上が見えてしまうミニスカート・ショートパンツは避けましょう。肌を必要以上に露出することで、自分の身を危険にさらすことになるので注意しましょう。
女性が注意すべきこと
モロッコで日本女性はとにかく声をかけられます。そしてモロッコ人男性と結婚する日本人女性が多くいるのも事実です。イスラム教では結婚前の男女関係についてとても厳しく、その分日本人が自由に見えるのかもしれません。また日本人女性と結婚することで裕福な生活ができると考えられています。とにかく軽率な行動は慎みましょう。
モロッコの気になる治安は?
外務省のモロッコへの注意喚起を見ると、現在は全土でレベル1の「十分注意してください」。その理由は、モロッコ全土にテロの脅威があることと、窃盗の件数が増加しているためです。イスラム国(IS)によるテロも気になります。モロッコ全体の治安と地域ごとの治安を把握して、できる限り危険を回避し、安全な旅を楽しみましょう。
テロの脅威
モロッコではイスラム国(IS)以前から観光客が巻き込まれるテロ事件は起きていました。近年では政府による取り締まりが強まり、特にイスラム国(IS)に関連したテロ組織が多数摘発されています。モロッコのテロ件数は決して多くはないですが、今後も主要都市で人がたくさん集まる場所などには注意が必要です。
窃盗・強盗
モロッコで日本人が巻き込まれる犯罪は、殺人や誘拐は少なく、窃盗や強盗がダントツです。東洋人である日本人は、人混みの中でも目立ちます。スリやひったくりは夜間以上に日中に起きています。ナイフを突きつけられた凶悪なケースの他、街で話しかけられて気づいたら取られていたなど、自分で防げるものもあるので、十分気をつけましょう。
モロッコ・ラバトの治安
【モロッコ】ラバト:近代の首都と歴史都市の側面を併せもつ都市北アフリカ、モロッコの首都ラバト。その中心部は大きな城壁に囲まれており、その中で旧市街と新市街が隣り合っています。旧市街と新市街の両方でひとつの世界遺産となりました。 pic.twitter.com/DCbXxZ7o2o
— まか不思議 (@mokypinekyj) June 25, 2017
ラバトはモロッコの首都です。ラバトの街は綺麗で、治安も良いと言われてきました。とはいえ、日本人が巻き込まれた犯罪発生都市第2位がラバトなので、油断は禁物です。最近でも夜9時過ぎに日本人男性がラバトにて約20名の集団に暴行・強盗の被害にあいました。また、ラマダン中やその前後に日本人が被害にあう犯罪が頻発しています。
モロッコ・カサブランカの治安
なお巨大な権力と浄財ふくむ莫大な資金が合体すれば、現代の建築でもこう。写真3枚はハッサン2世モスク(モロッコ・カサブランカ、1993完成) pic.twitter.com/xD9ETLZNCK
— だむらわだる (@TAMURAwataru) May 9, 2017
カサブランカでは、2003年に同時爆弾テロ事件が起きて観光客も巻き込まれ、2007年にはアメリカ領事館前で自爆テロがありました。日本人が巻き込まれる犯罪発生都市第1位でもあります。モロッコ第2の大都市なので、その分犯罪発生率も高くなります。人混みに注意し、夜間・早朝の外出は控えるようにしましょう。
モロッコ・マラケシュの治安
イスラーム文化香る神秘の街!マラケシュ
— 旅★大好き!色んな所へ行きたい♪ (@55_travel) July 24, 2017
多くの旅人を魅了してやまないモロッコ。そんなモロッコの中でも歴史があり、魅力的な街が”マラケシュ”です。https://t.co/n37vltNyM5pic.twitter.com/E6cFN8Shwc<
観光客に大人気のマラケシュでは、2011年にジャマ・エル・フナ広場に面した人気カフェで観光客を狙った爆破テロがあり、観光客を含む死者が出ています。とはいえ、マラケシュでも観光客が巻き込まれる犯罪の多くは、窃盗・強盗です。特にひとり旅の場合、人通りの少ないエリアは避けるなど、宿選びにも注意しましょう。
モロッコ・シャウエンの治安
何もかもが青い街シャウエン。
— オジョー (@ojoheygirl) May 2, 2017
なんでこんな事になるんだー!ととても感激。
人もとても良い。
聞くと、モロッコ一治安が良いそうだ。 pic.twitter.com/ZqBpZfbTeY
地中海に面した美しい青い街・シャウエン。住民の人柄も穏やかな人が多く、治安もいいと言われています。マラケシュなど他の観光地のように人が言い寄ってこないのも旅しやすいところです。ただ、こちらでの注意点は、大麻の栽培地であり、街中で声をかけられることがあることです。モロッコで大麻吸引は違法です。
モロッコ・エッサウィラの治安
モロッコの美しい港町エッサウィラに来ました。
— WACCI (@life_is_startup) February 18, 2017
マラケシュと違って静かで良い街。 pic.twitter.com/HFvtHNHMDs
大西洋に面して気候が良くて過ごしやすく、新鮮な魚介類が豊富で、初夏の音楽フェスで大人気のエッサウィラ。比較的に治安が良く、長期滞在の旅行者も多くいます。しかし、2016年にはイスラム国(IS)関連のテログループが摘発され、大量の武器が押収されました。当時は警戒レベル最高度でしたが、現在は解除されてます。
モロッコ・フェズの治安
世界一の迷宮都市モロッコの街路はハンパない!世界遺産フェズの歴史
— Amazing ニュース動画 (@kanndo_naita) March 16, 2017
⇒https://t.co/jljUip2U5c pic.twitter.com/uYpXNJCX5z
世界遺産の迷宮都市・フェズには、多くの観光客が集まり、その分観光客を狙った犯罪も起こります。一番はスリや強盗です。迷路のような細い道では注意しながら観光し、夜間・早朝の外出は控えましょう。お金だけでなくスマートフォンを狙ったスリも増えてます。また、偽ガイドによる被害が多いので、不要ならはっきりと断りましょう。
モロッコ・砂漠地域の治安
モロッコは、ラマダンスタートしました!ただいまメルズーガに滞在中。写真は、サハラ砂漠の砂丘です。 pic.twitter.com/VtcxodQoXD
— Morocco Trails (@morocco_trails) May 27, 2017
モロッコの砂漠地域といえば、メルズーガとマーミドです。砂漠地域の治安は特に悪い訳ではないですが、砂漠ツアーなどでぼられることがあります。ひとり旅で砂漠ツアーに参加する場合、他にも参加者がいるのを確認した方が安心です。さらに9月はベストシーズンですが砂嵐が発生しやすく、行方不明者が出たことがあるのでご注意を。
モロッコの治安を知って楽しくひとり旅!
モロッコは治安が比較的良く、ビザも不要で、アラブ諸国の中でも旅行しやすい国です。テロへの脅威は常にありますが、モロッコに限らず世界中の問題です。旅行者に近づいてくる人たちは面倒な場合も多々ありますが、一般的なモロッコ人は優しい人たちが多いです。治安や注意点を踏まえた上で、是非モロッコひとり旅を楽しく満喫してください。
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