自然が作り出した神秘の景観「阿波の土柱」
阿波の土柱は徳島県北東部の阿波市に存在しており「国の天然記念物」「とくしま88景」の一つとして指定されています。「日本三大暴れ川」や近年では「日本一の清流」に選ばれている「吉野川」の北岸に位置し、切り立つ断崖が連続したその姿は「まるで壁の様」と言われています。
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— もんもんちゃん (@monmonchin) December 31, 2016
阿波の土柱は国の天然記念物に指定されていますが、頂上に上って景観を楽しむ事ができます。また遊歩道や展望台が設けられており夜にはライトアップも行われる等、観光場所としてしっかりと整備がなされています。そんな阿波の土柱へのアクセス方法や必要な料金、おすすめの見所を詳しくご紹介します。
「土柱」ってなあに?
そもそも「土柱」とは一体どのように出来上がるのでしょうか。土柱が出来るためには段丘礫層とは小石の層である「礫層(れきそう)」が階段状の地形「段丘(だんきゅう)」を形成した「段丘礫層(だんきゅうれきそう)」が鍵を握ります。石や岩の塊等が侵食されやすい砂の土壌が雨風からの侵食を防ぎます。これが非常に長い時間続く事で、徐々に土柱として出来上がっていきます。
土柱が生成される条件は大きく2つあります。1つ目は土壌の性質が、侵食されやすい砂の土壌と硬い礫の層が存在する事です。2つ目は侵食が急速に進む事です。この2つの条件を満たすと土柱が形成される可能性が出てきます。
土柱として有名なのはアメリカはユタ州にあるロッキー山脈ブライス・キャニオン国立公園内の「フードゥー」、イタリアの南チロル地方にある「レノンの土柱」「プラータの土柱」、そして日本の阿波の土柱の3つです。これらの土柱はまとめて「世界三大土柱」と呼ばれています。
阿波の土柱の歴史を知ろう!
阿波の土柱が位置する場所は130万年程前は吉野川の川底で砂礫層が積み重なっていました。それが長い年月をかけて雨風に晒される事で侵食が進み、現在の阿波の土柱として形成されました。土柱が発見されたのは今から800年程前という記録が残っています。
阿波の土柱と一言でまとめていますが実際には不老嶽(ふろうだけ)、橘嶽(たちばなだけ)、筵嶽(むしろだけ)、燈籠嶽(とうろうだけ)、扇子嶽(せんすだけ)、波濤嶽(はとうがだけ)の六嶽が存在します。中でも高さ13メートル、南北に90メートル、東西に50メートルある波濤嶽は、昭和9年に国の天然記念物に指定されました。
土柱には有名な歴史の人物が何人も訪れています。昭和31年には「裸の大将」こと放浪画家の「山下清」が阿波の土柱を写生しました。また童謡「シャボン玉」「赤い靴」の作者「野口雨情」も阿波の土柱に訪れており、土柱の麓には詩碑が立てられています。
阿波の土柱へのアクセス方法は?
阿波の土柱へのアクセス方法をご紹介します。阿波の土柱は最寄りの駅やインターチェンジから少し離れた所に存在するためバスやタクシー等、車でのアクセスが一般的です。
JR・徳島駅から向かう
JR・徳島駅からはタクシーやバスが出ています。タクシーの場合はJR・徳島駅から15分程走れば阿波の土柱に到着します。バスの場合は「穴吹」方面行のバスに乗り「穴吹」で下車します。その後、土柱行のバスに乗り換えると阿波の土柱へ到着します。
徳島自動車道「脇町インターチェンジ」から向かう
徳島自動車道から向かう場合、最寄りのインターチェンジは「脇町インターチェンジ」になります。脇町インターチェンジを降りてから、車で15分程走ると阿波の土柱に到着します。
徳島自動車道「阿波パーキングエリア」から向かう
徳島自動車道「阿波パーキングエリア」からは阿波の土柱へ徒歩で行ける道が整備されています。阿波パーキングエリアに車を駐車し、阿波バスストップへの誘導路を徒歩で進むと、10分程で阿波の土柱に到着します。
阿波の土柱の料金は?
阿波の土柱の観光には料金は必要ありません。駐車場も入場料金等も無く、全て無料で楽しむことができます。お金をかける事無く、大自然を楽しみながら自然の力強さを感じれるという、お財布に優しい観光スポットとなっています。
阿波の土柱の見所~昼編~
阿波の土柱は遊歩道や展望台が整備されており、全てを回ると徒歩で約1時間程必要になります。阿波の土柱のここだけは押さえておきたいというおすすめの見所をご紹介します。
阿波の土柱の見所は、なんといっても国の天然記念物に指定された波濤嶽です。道路沿いの駐車場から伸びた遊歩道を進むと途中二手に分かれている道があります。この道を左手に進めば展望台が、右手に進めば阿波の土柱を真下から見られるポイントにたどり着きます。
阿波の土柱を下から眺めれば、そのスケールの大きさと自然とのコントラストの美しさから言葉が出なくなる事間違い無しです。阿波の土柱は非常に静かな場所なので、木々の騒めきや鳥の声を聴きながら、自然が創り出した作品を存分に楽しみましょう。
展望台からの眺めもおすすめです。展望台からは阿波の土柱を正面から眺める事ができ、下から見上げるのとはまた違った美しさがあります。展望台にはベンチも設置されているので、ベンチに腰掛け時間を忘れて自然を楽しんではいかがでしょうか。
さらにおすすめなのが、展望台からさらに坂道を登って行ったところにある休憩所からの眺めです。こちらからは土柱と阿波の街並みを一望できるポイントとなっています。遠くまで続く街並みとそこから少し離れた所にひっそりと佇む土柱の姿が楽しめます。
上から見た土柱なんだけど、柵も何もない崖だから恐い(笑)#土柱 #世界三大土柱 #徳島 https://t.co/15TVHbk2TT pic.twitter.com/3PUnPtrzB8
— Keisuke (@keisuke_ci) January 5, 2016
国の天然記念物である阿波の土柱ですが、頂上に上って眺める事ができます。頂上へのアクセスには車が必要で道中はヘアピンカーブが続きます。しかし頂上付近にも無料駐車場がありますし入り口から600メートル程で頂上に到着します。頂上には安全柵が張られておらず崖の間近まで行って土柱を見下ろす事ができます。高い所が苦手な人も勇気を振り絞って頂上からの土柱の姿を確かめて見て下さい。
阿波の土柱の見所~夜編~
今日は世界三大奇勝の阿波の土柱に行ってきた。ライトアップもしてた!一人だったから怖かった#ファインダー越しの私の世界 #写真好きな人と繋がりたい #nikond5500 #d5500 #coregraphy #ふぉと #阿波の土柱 #星空 #夜景 #夕日 #徳島 #阿波 pic.twitter.com/dR7VHWYWv8
— 誠 写真垢 (@fantom9a) February 21, 2017
阿波の土柱は昼間だけでなく夜間に訪れるのもおすすめです。夜間は阿波の土柱がライトアップがされており昼間とは違った風景を楽しむ事ができます。静まり返った暗闇の中、展望台から見るライトアップされた阿波の土柱の姿は幻想的で非常に美しいです。ライトアップの時間帯ですが、夏季は19時~22時、冬季は18時~21時となっています。ライトアップされている場所までは暗い道を進むので懐中電灯等を用意していく事をおすすめします。
阿波の土柱の周辺施設は?
阿波の土柱の観光は基本的に徒歩です。展望台に行くために徒歩で歩くと少々疲れがたまりますし、夜間のライトアップとなると、近場に宿泊施設があると便利ですよね。阿波の土柱周辺には日帰り温泉や宿泊施設など疲れを癒したり観光の拠点にしたりできる場所が存在します。ここでは阿波の土柱を観光する際に役立つおすすめの施設をご紹介します。
土柱ランド新温泉
阿波の土柱まで徒歩5分と非常に近い施設です。宿泊や日帰り入浴も可能ですので、土柱観光でかいた汗を流したり、土柱の夜間ライトアップのために宿泊したりと様々活用できます。温泉はラドン温泉となっているため疲れた体を癒すには絶好の施設です。
土柱どんどん
こちらも阿波の土柱まで徒歩5分の場所にある施設です。旅館・宴会・ビジネスホテルと名を打つこの施設は様々な宿泊プランを用意おり、どれも1万円以下で宿泊する事ができます。
土柱パラダイス
土柱ラドン温泉。適温で気持ち良かった:dash: #阿波市 #土柱 #徳島 pic.twitter.com/adRSk5dDnR
— jay'sbar@温泉ソムリエ (@of_norway) November 14, 2015
家族経営の家庭的で素朴な宿泊施設で、土柱まで徒歩5分でたどり着きます。この施設の売りは宿泊料金が非常に安い事で、全宿泊プランが5千円以下とリーズナブルな価格となっています。
阿波の土柱の変化と景観を守る人々
長い時間をかけて出来た阿波の土柱ですが、侵食自体はそれ程進んでいないものの、樹木や草木が伸びた事で徐々にその景観が崩れつつあるようです。それが原因の一つとなって2004年には台風の影響で土柱の一部が崩落してしまった事もありました。
阿波の土柱は雨風によって浸食された景観に価値がある事から、人工的に成形する等の行為は許されていません。阿波市では阿波の土柱の希少な景観を守るため、様々な方法を検討しているようです。
阿波の土柱で自然の神秘を感じよう
阿波の土柱の観光情報をご紹介しました。自然が長い年月をかけて作り出した阿波の土柱は、地球が創り出した美術品と言っても過言ではないのではないでしょうか。無料駐車場完備でアクセスしやすく、天然記念物なのに真下や頂上から楽しめ、夜間ライトアップされている阿波の土柱。自然の力を感じられる阿波の土柱へ赴き、その神秘的な雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
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