交易と文化の交差点喀什(カシュガル)
シルクロードという言葉にロマンを覚える人は多いといいます。もしあなたがその一人ならば、喀什(カシュガル)への旅行はどうでしょうか。中華と中央アジアの狭間で文化を育ててきた喀什(カシュガル)への旅行は忘れられない思い出を刻んでくれるはずです。今回はそんな喀什(カシュガル)の魅力について紹介してゆきます。
喀什(カシュガル)ってどんなところ?
喀什(カシュガル)ってどこにある?
<♪カラコルムハイウェイ・インフォメーション♪>
— ushigomekko (@ushigomekko) May 17, 2016
アナ『奥依塔克からダム湖の手前まで約70kmの区間は、集中工事のため迂回が必要です。現在この区間の通過に約2時間半かかっています。』#カシュガル pic.twitter.com/xZoggI765A
喀什(カシュガル)は中華人民共和国の最西端に位置する街で、行政区分としては新疆ウイグル自治区に含まれます。タクラマカン砂漠のはずれに位置しているため、砂漠気候に含まれ雨はほとんど降りません。喀什(カシュガル)は古来から中国大陸と中央アジア、そして西洋を結ぶ交易の要衝として栄えてきた街でした。
どうやって行けばいい?かかる時間は?
あこがれのカシュガルに行くか、ウルムチに行くか、その前にタイのメーサイとミャンマーのシャン州のチェントンに仕事にいかないといけないけど、先にカシュガルに行きたい(*´Д`*)
— 和田拓也@alkalin (@alkalinta) June 7, 2017
中国語覚えないとw#ミャンマー #カシュガル pic.twitter.com/2dajra1piM
日本から行くのならば、乌鲁木齐(ウルムチ)まで航空機で行く方法がお手軽です。乌鲁木齐からはさらに航空機で喀什(カシュガル)まで向かうこともできますし、鉄道(南疆線)を使うこともできます。東京からウルムチまでは直通便はなく早くて12時間ほど、ウルムチからは航空機で2時間ほど、鉄道で早くて18時間ほどで着きます。
歴史と文化香る喀什(カシュガル)
新疆ウイグル自治区のカシュガルに到着。
— Shin@ジョージア再 (@sorotabi_4649) May 16, 2017
久しぶりに、妙な場所に迷い込んでしまったような、ゾクッとする感覚を味わった。
イスラムの街並みに、漢民族の文化が混じってて、変な感じ。#カシュガル pic.twitter.com/tMZvqLkA69
喀什(カシュガル)とは一説によれば突厥(とっけつ)語で「彫刻のあるタイル」という意味だと言われています。喀什(カシュガル)の持つ魅力的な文化をわかっていただくためにここでは簡単に喀什(カシュガル)の歴史を解説してゆきます。興味を抱いてもらう糸口になれば幸いです。
中国文化圏の最果て
はてなブログに投稿しました #前漢 #中国 #武帝 #はてなブログ
— rekisinosekai (@rekisinosekai) January 19, 2017
前漢・武帝の治世(前2世紀中期~前1世紀初期)⑦: 領土拡大その5 西域支配:張騫と西域/李広利と大宛 - 歴史の世界https://t.co/b7G5xCrIXO pic.twitter.com/d2eCH0uShA
喀什(カシュガル)の歴史は前漢期(前206年から前8年)には存在していた疏勒(そろく)国に始まると言われています。もともとは匈奴(きょうど、中国北部に存在した騎馬民族)の支配を受けていましたが、武帝(前141年から前87年)の統治期に前漢の支配を受けることになりました。
イスラム文化の影響
ブログを更新しました。 #中国 #中国旅行 #ウイグル #ウイグル旅行 地球の覗き方 : #0497.アマンニサ・ハン(阿曼尼沙汗)の墓とヤルカンド・ハン国の王陵 https://t.co/McoNyhRsAD pic.twitter.com/PutB9Jy1P0
— えだまめ(에다마메)@กรุงเทพ (@edamame89) October 13, 2016
喀什(カシュガル)はその後長く中華文化の影響下にありましたが、タラス河畔の戦い(751年)をきっかけとして中華王朝の支配下を離れます。その後はウイグル民族の流入やチャガタイ・ハン国の支配、ヤルカンド・ハン国の支配を経る中でイスラム文化の影響を強く受けるようになってきました。
今も暮らすウイグルの人々
喀什(カシュガル)の人口の80%ほどを占めると言われるのはウイグル族(中文で维吾尔族)と呼ばれる民族です。言語はウイグル語を話し、人種としては漢民族とは異なりコーカソイドに分類されます。一般に性格としては気性がはげしい一面を持つほか、歌と踊りを好む陽気な人が多いと言われています。
美麗!荘厳!香妃墓は必見!
香妃墓は誰のお墓?
香妃墓は喀什(カシュガル)の有力者であったホージャ一族を祀った廟です。名前の由来は一族から出て清朝第6代皇帝乾隆帝の妃となったと言われるマイムールアズムの別名から来ています。香妃の亡骸は廟にはなく衣服だけが祀られていると言われますが、香妃は実は存在しなかったのではないかとも言われています。
見どころは?
香妃墓のおすすめできる見どころは何と言っても壮麗なイスラム建築です。1640年ごろに建てられた香妃墓は色ガラスで表面を飾り付けたレンガで作られています。高さ26メートルもの巨大な建築物が空にそびえる様は圧巻です。中に入ればドーム部分に柱は使われておらず当時の建築技術の高さをうかがうことができるでしょう。
アクセスと入館料
香妃墓に行くためには市街から20路のバスで行く方法が一般的です。香妃墓は市街から5kmほど離れたところにあるため、バスなら10分ほどで行くことができます。入場料は一人30元で、開館時間は北京時間で9時30分から21時30分までです。その他、場内ではアトラクションとしての踊りを一人10元で鑑賞できます。
喀什古城でウイグルの伝統にうんと浸ろう!
喀什古城はお城なの?
カシュガル古城 pic.twitter.com/b7QSnz8eAy
— 北平 (@pe_peko) August 14, 2016
古城という名前ですが、城とは中国語で「街」という意味で古城はそのまま「古い街」という意味です。喀什古城は喀什(カシュガル)の昔ながらの街並みが残された地区として国家5A級(中国の旅客地に定められた等級のうち最高。Aが多いほど位が高い)が定められています。現地の歴史や文化が知りたい方におすすめのスポットです。
見どころはどこ?
ウイグル カシュガル 泥の古城 https://t.co/Kb9Mt4I1iG pic.twitter.com/XFj5zP4QXl
— マンゴスチン (@Aki1112239) May 25, 2017
古城の見どころは現地の昔ながらの暮らしに触れられる点です。レンガと土壁で作られたウイグル族の伝統的な住居の間をくぐりながらウイグル族の人々とすれ違えば、歴史の流れの中に迷い込んだ風情を味わえます。昔ながらのお店もあったりするので、ショッピングを楽しむにもおすすめのスポットです。
アクセスと入場料
古城は喀什(カシュガル)市内の中心部に位置しているため、アクセスしやすいスポットです。2路、8路、22路、28路のバスを使い「艾提尕尔站(エイティガールモスク駅)」で降りるほか7路のバスで古城を過ぎ、どこか好きなところで降りる方法もあります。入場料は30元が必要です。
喀什(カシュガル)その他おすすめスポット
エイティガールモスク(艾提尕尔清真寺)
エイティガールモスクは1442年に現在の形が作られたと伝えられています。寺院は総面積16800平方メートルを数える大きなもので、黄色のレンガを基調として美麗な装飾が施されています。毎日2千人から3千人ものムスリムが礼拝に訪れ、イスラム教の祝日である金曜日には6千人から7千人ものムスリムが祈りを捧げます。
バザール(巴扎)
カシュガル散策!バザールとアニマルマーケットとウイグル族の集落へ。 https://t.co/iLuEVE5hhQ
— ゆーせー@7/14-17で宮古島と京都 (@suzu_yam) June 9, 2017
お土産を買う必要があったり、現地の暮らしに触れてみたくなったらバザールに行きましょう。バザールとはウイグル語で「市場」という意味になります。食べ物から衣類、装飾品まで多くのものが売られており、きっと新しい発見があると思います。「喀什中西亚国际贸易市场」が最大の規模の市場になるためおすすめできるスポットです。
パミール高原
カラクリ湖。新疆ウイグルの最西端カシュガルにある。カラクリとはキルギス語で「黒い湖」を表す。(新疆ウイグル自治区) pic.twitter.com/3JPGkLqOsA
— 中国旅行bot (@China_Travel_b) May 14, 2017
もし街の外に出たければ、喀什(カシュガル)の南西200kmに位置するパミール高原などはどうでしょうか。パミールとはペルシャ語で「世界の屋根」を意味すると言われ、その名の通り高地からの絶景が広がります。カラクリ湖やスバシ峠が景勝地として知られており、現地旅行会社のバスツアーなどで日帰りで訪れることができます。
備えあれば憂いなし!喀什(カシュガル)旅行のための心得集
イスラム教の文化に注意
Announcement day of the #Islamic republic of East #Turkestan (On 12 Nov 1933 ), #Kashgar city, East Turkestan (current so called #Xinjiang ) pic.twitter.com/e9veAbndIe
— عبدالغني ثابت (@AbdugheniSabit) June 6, 2017
喀什(カシュガル)ではイスラム教が主流であり、文化の違いを心得ておけばより快適に旅行ができるでしょう。例えばイスラム圏では金曜日が祝日であるため、その日は礼拝を行うためモスクに非イスラム教徒が入れなくなることがあります。また、ラマダンの月(旧暦の9月)の日中は閉まっている食堂が多くなるなどの注意点もあります。
昼は暑くて夜は寒い!砂漠気候に気をつけて
喀什(カシュガル)は砂漠に位置する街であるため、気候も砂漠に準じたものになります。夏季は暑く30度以上の日もしばしばあり、冬季で最も寒い1月は0度近くまで冷え込むときもあります。どちらの季節で行くにしても気温に対応できるような服装で行きましょう。また砂漠は夜間には特に冷え込むため注意が必要です。
漢民族とウイグル族をめぐる治安の問題
フリーウイグル フリーウイグル 3650円 購入はこちら→ ウイグル独立支援の意思表示を示すデザインです。 https://t.co/glH4DR6DU0 #レジスタンスデザイン
— レジスタンスデザイン (@resistancedesig) July 10, 2017
中華人民共和国政府はウイグル族をさまざまな形で弾圧してきたため、反発する形のテロリズムが過去に起こっています。2017年3月にはISISが犯行を予告するような動画を流すなどいまだテロの脅威は去っていません。外務省の渡航情報でも新疆ウイグル自治区はレベル1の危険レベルで記載されています。訪れる際は十分注意しましょう。
ぜひグルメの方に!喀什(カシュガル)の味
ナン
インド料理で有名なナンは喀什(カシュガル)にもあります。ナンは喀什(カシュガル)に住む人々の主食であり、街中のいたるところで売られています。ほのかな塩味がおいしく、シンプルがゆえに奥の深い味となっています。グルメの方にはぜひ味わってほしいと思います。
ラグメン
喀什(カシュガル)の名物料理であるラグメンは、ピーマンやトマト、羊肉といった具とスープを小麦粉の麺にかけた料理です。ラーメンに似ているためラーメングルメの方はぜひ違いを比べてみてください。味は店ごとに異なり、あっさりからこってり、酸味の有無など多岐にわたっています。ウイグル族の人々が頻繁に食べる料理の一つです。
ポロ
お昼に食べたウイグル風炊き込みご飯、手抓飯(ポロ)。もともと手で掴んで食べるものなのでこの名前だけど、現地でも今どきの若い子はスプーンで食べるらしいw 人参、玉ねぎ、レーズン、そして羊肉! pic.twitter.com/TY9zcS8MgG
— Fal (@fal48) May 7, 2017
ポロ(中国語では抓飯)はウイグル族の文化を代表する食べ物の一つです。ポロとは人参と羊肉で作ったピラフで、大量の油を加えて作るのが特徴です。場合によっては干しブドウなどの果物が入ることもあり、羊肉以外の肉が入っていることもあります。油分が多いため、油もの好きのグルメの方におすすめできる味です。
シシカバブ
「シシカバブ」とはトルコ語の名前ですが、喀什(カシュガル)でもシシカバブは売られています。喀什(カシュガル)では主に羊肉が使われており、「烤肉(カオロウ)」と呼ばれています。味は塩やスパイスが主流で、素材のうま味を引き出しています。街中に漂うジューシーなにおいに包まれれば異国情緒たっぷりのグルメを楽しめます。
帰路のお供に喀什(カシュガル)のお土産を
衣服および服飾品
ウイグル帽いろいろ#カシュガル pic.twitter.com/mnQ9MV8tXs
— ushigomekko (@ushigomekko) May 16, 2016
衣服や服飾品は軽くてかさばらないためお手軽なお土産だと思います。喀什(カシュガル)のバザールでは色彩豊かな衣服やアクセサリーが売られており、自分用にも誰かのためにも適したお土産を求めることができます。ウイグル族はほとんどの人が帽子を被っており、現地の帽子など男性向けのお土産として喜ばれるかもしれません。
民芸品
陶器やちょっとした置物などといった民芸品は旅の思い出を残す一番のお土産になるはずです。エイティガールモスクの裏通りには職人の店が集まっている一角があり、そこでは陶芸やブリキ細工、銅細工などが行われています。その他バザールなどでも売られており、目にすればウイグル族の器用さを実感できると思います。
食べ物や飲み物
グルメな方へのお土産なら食べ物などはいかがでしょう。喀什(カシュガル)の特産である干し果物は甘くておいしくかつヘルシーであるためおすすめです。干しぶどうや干しナツメ、干しイチジクといった種類をバザールなどで買い求めることができます。その他、お茶なども売っているため好きな方におすすめできます。
ピチャック
唐突ですがわたしのヘッダーは新疆ウイグル自治区の写真です。ウイグルナイフが欲しいことを思い出したのだ。 pic.twitter.com/i2g2TWMcjm
— 浮遊 (@UitelOkimochi) April 1, 2017
ピチャック(Pichaq)とはウイグルナイフとも呼ばれ、ウイグル族の伝統工芸となっているナイフのことです。美しい装飾からお土産としての人気も高く、海外にも多くのファンを持っています。ただ、航空機内に手荷物として持ち込めないため注意が必要です。また、日本国内の銃刀法に注意してあまり人目につかないようにしましょう。
喀什(カシュガル)の魅力を探しに行こう
喀什(カシュガル)の魅力とおすすめスポットをお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。文化の香る喀什(カシュガル)ではショッピングやグルメなど多彩な楽しみ方ができると思います。少しの間だけシルクロードの旅人になった気分であなたなりの喀什(カシュガル)の魅力を見つけてみてください。