パリ北駅の概要
パリ北駅(Gare du Nord/Paris-Nord)はシャルル・ド・ゴール空港にも繋がっており、パリの玄関口とも言える駅です。パリと郊外を結ぶ路線も乗り入れており、地元の人々にとってもハブ駅となっています。この記事では空港からパリ北駅へのアクセス方法、パリ北駅でのTGV(タリス、ユーロスターを含む)や地下鉄への乗り換え方法、気になる治安についてお伝えします。
空港からパリ北駅へのアクセス
シャルル・ド・ゴール国際空港からパリ市内へ移動する方法は、タクシー、電車、バスの3つの方法がありますが、電車を利用する場合は、RER(パリ高速鉄道)のB線を利用し、パリ北駅で下車します。RERはパリ市内の主要な駅(シャトレ-レ・アル駅やサン・ミシェル=ノートルダム駅等)に停車するため、メトロへの乗り換えがスムーズで便利です。
空港から街へはRERが便利 pic.twitter.com/U64FWgNXWo
— ぼんじょるの (@buongiorno_roma) June 28, 2017
RERは、各駅に停車する「普通」、パリ市内全駅と空港駅と主要駅3つ程度に停車する「快速」、パリ市内全駅と空港駅のみに停車する「急行」があり、急行利用による追加料金は発生しません。本数も多く、日中は5分に1本程度、早朝深夜でも15分に1本程度運行しています。
フランス国鉄 RER B線 マッシー・パレゾー行 シャルル・ド・ゴール空港第2・TGV12:51→パリ北駅13:23 #南欧巡検 pic.twitter.com/Nc68SBw9ai
— twinrail (@twinrail) February 9, 2016
運賃も空港(ZONE5)からパリ(ZONE1)までの大人(10歳以上)料金が片道10ユーロとリーズナブル(バスの場合は11.5ユーロ、タクシーの場合は50ユーロが目安)。ストライキや電車遅延のリスクもありますが、タクシーやバスに比べると、渋滞が関係ない分時間が読みやすいというメリットもあります。ただし、車両はいわゆる普通の電車なので、荷物が多い場合には不便かもしれません。
空港からパリ北駅行き列車(RER B線)への乗り方
#シャルルドゴール #空港 の #無人電車 で 第1ターミナルへ。 Taking the unmanned #cdgval train to Terminal 1 . #cdg #airport pic.twitter.com/P98hWMZge3
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シャルル・ド・ゴール国際空港には「T1」「T2」「T3」の3つのターミナルがあり、「T2」はさらに2A~2Gまで7つのターミナルに分かれています。各ターミナルは空港専用の無料モノレールでつながっており、空港敷地内にある2つのRER駅もこのモノレールと直行しています。
ANA等スターアライアンス加盟航空会社が主に乗り入れている「T1」、フランス国内線が乗り入れている「T3」の最寄駅はAéroport Charles de Gaulle 1 駅。JALやエールフランス等、エールフランス提携航空会社が乗り入れている「T2(T2A〜T2G)」の最寄駅はAéroport Charles de Gaulle 2 駅となっています。
シャルルドゴール空港(CDG)から電車で一路パリへ https://t.co/MnGeAWtdqc pic.twitter.com/MSQlZsl3as
— jetsetter (@anajalspg) December 4, 2016
駅には切符の自動販売機と窓口がありますが、自動販売機は紙幣の取り扱いをしていない場合があるので要注意。クレジットカードは、VISAや MasterCardが利用できます。「Paris」行きの切符を購入すると、パリ市内でのメトロへの乗り換えは無料です。「普通」「快速」「急行」のいずれの列車も、いずれもパリ市内の駅は各駅に停車します。
パリ北駅はメトロ2、4、5線、シャトレ-レ・アル駅は1、4、7、11、14線、サン・ミシェル=ノートルダム駅は4、10線のメトロにそれぞれ乗り入れており、切符はそのままで乗り換えることができます。
パリ北駅での地下鉄の乗り方
パリ北駅ではメトロ2、4、5線に乗り換えることができます(2号線については、パリ北駅という名前ではなく、連絡通路でラ・シャペル駅と繋がっています)。駅には案内看板があるので、案内看板の方向に進むと乗り換えもスムーズです。
それぞれの線の主要な観光地を挙げると、2号線は凱旋門(シャルル・ド・ゴール=エトワール駅)やサクレ・クール寺院(アンヴェール駅)、4号線はノートルダム大聖堂(シテ駅)やモンパルナスタワー(モンパルナス ビアンヴニュ駅)、5号線はバスティーユ広場やヴィクトル ユゴー記念館(いずれもバスティーユ駅)などがあります。
パリ北駅でのTGVの乗り方
北駅の眺め。
— Ryosuke@まずは振休 (@tunante_tunante) October 17, 2016
左端にユーロスター、その隣がタリス。真ん中やや右がTGV。 pic.twitter.com/FduTNGxn0N
TGV(テ・ジェ・ヴェ)はフランス語で高速鉄道という意味の「Train à Grande Vitesse」の頭文字をとって名付けられました。最高時速は300キロを超え、日本の新幹線と並ぶ世界有数の超特急列車です。
南東線・地中海線系統はリヨン駅、大西洋線系統はモンパルナス駅、北ヨーロッパ線系統はパリ北駅、東ヨーロッパ線はパリ東駅が発着駅となっており、パリ北駅発着TGVの主な行き先はブリュッセル、アムステルダム、ケルン、ロンドン等。このうち、パリ~ブリュッセル~アムステルダム/ケルン間を走るものは「タリス」、海峡トンネル「ユーロトンネル」を通ってロンドンまで行くものは「ユーロスター」と呼ばれます。
パリ北駅の地上ホームは西から順に1〜21番線および30〜36番線となっていますが、TGVは9〜18番線に到着することが多いです。自分が乗る電車がどのホームから出発するか、駅についたら確認しておきましょう。ただし、出発ギリギリまで表示されなかったり、一旦表示されても後から変更になることもあるので、最終確認を忘れずに。
TGVに乗る前には、ホームの入り口にある黄色い機械で打刻するのは忘れずないようにしてください。この印字がないと、電車内のチケットコントロールの時に罰金を支払わなければならない場合があります。
パリ北駅でのユーロスターの乗り方
ユーロスター(Eurostar)は、TGVのうち、英仏海峡トンネルを通る国際高速列車で、ロンドンとパリ、およびブリュッセルを結んでいます。ユーロスターの乗り場は左端2〜6番ホームです。改札は二階にあり、ホームの入り口に出入国審査があります(イギリスはシェンゲン協定に加盟していないため)。ここで時間がかかることもあるので、余裕をもって1時間〜1時間半くらい前に着いておくと安心です。
パリ北駅でもイギリス方面の列車だけ別になっている pic.twitter.com/ZLAiqnzOhc
— 俄かなる国 (@Sakhalinkrilyon) August 20, 2017
改札を通った後に荷物検査があり、フランス出国審査→イギリス入国審査の順に審査があります。手荷物検査では、液体の持ち込みはOKですが、武器になりうるもの(ナイフ等)や爆発性のあるもの(花火等)、肉、魚、乳製品の持ち込みは禁止されています。また、イギリスの入国審査では、帰りのチケットの提示が求められますので、用意しておきましょう。
パリ北駅より出国手続き中。今から10日間ロンドン出張である。 pic.twitter.com/L5eohA97zb
— Claude (@mmeouioui) October 11, 2016
パリ北駅でのタリスの乗り方
タリス(Thalys)は、TGVのうち、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツを結ぶ国際超特急列車を指します。ワインレッドのおしゃれな車体が特徴です。北駅のタリスの乗り場は、TGVより少し奥の方で、7・8番線あたりです。
ベルギー、オランダ、ドイツはいずれもシェンゲン協定加盟国のため、ユーロスターと違って出入国審査はありません。ただし、フランス国外に出ることになるため、パスポートは肌身離さず持っておきましょう。タリス乗車時も、ホーム入り口にある黄色い機械で打刻するのを忘れないように注意してください。e-ticketやモバイルチケットなら、打刻せずに直接ホームから乗車することができます。
パリ北駅構内の様子
パリ北駅はかなり大きな駅で、ホームも2階建になっています。カフェやサンドイッチ屋さん、ギフトショップもあり、時間潰しには困りません。また、銀座にレストランを構えるティエリー・マルクス氏がプロデュースするレストランもあります。
パリ北駅内にTHIERRY MARX(有名なシェフ)プロデュースのレストラン「L'ETOILE DU NORD」ができていた(昨年11月開店らしい)。お値段も当然本家より安い。
— ぼんじょるの (@buongiorno_roma) July 20, 2017
今回は胃袋の都合で食べる機会が無かったが、そのうち行ってみたい。 pic.twitter.com/Qo01gSjN5c
ただし、駅構内という場所柄、軽食類(サンドイッチ等)は多少お高いので、時間に余裕があれば、駅の外にあるコンビニエンスストアなどで買い物されることをお勧めします。駅周辺にはレストランやマクドナルドをはじめ、ファーストフード店やパン屋さんもあります。なお、パリ北駅構内のトイレは有料トイレのみとなっていますので、こちらも要注意です。
パリ北駅の治安は?
一般的に、パリ北駅の治安はあまりよくないと言われています。実際、ものすごく危険ということはありませんが、やはり日本と比べると治安がいいとは言えませんし、多数の被害が報告されています。しかし、十分に注意することで被害を防ぐことは可能です。渡航前には外務省のHPやガイドブックで治安情報をチェックしておきましょう。
パリ北駅は確かに治安悪そうな雰囲気でした…。 pic.twitter.com/GEgLS9Lg4B
— Zunn (@guzayuki) August 14, 2017
空港への移動についても、電車は危険なのでバスが安全と書いてあるものもありますが、料金が安かったり、時間の見通しが立ちやすいということは大きな魅力なので、状況に応じて使い分けましょう。スリや引ったくりに遭わないよう、身の回り品に気を配ったり、財布を持ったままウロウロしない、荷物をその辺において目を離さない、夜間には乗らないといったことに注意してください。
テロの危険性について
:fr:Paris’s #GareduNord was evacuated. Police surrounded the stationパリ北駅が封鎖される事件に出くわす。デモとテロ、警備隊を #パリで取材する事が本当に多くなった … https://t.co/pQReRM64L3 pic.twitter.com/woa4hIofNn
— Kenji Oliveras (@kenjioliveras) May 9, 2017
最近はヨーロッパでもテロが多発しています。特にフランスでは、2015年1月及び11月にパリで、2016年7月にはニース及びルーアン近郊でテロ事件が発生しており、国境管理も強化されています。テロに巻き込まれる確率は高くはないですが、万一巻き込まれた場合には身を守ることが非常に難しくなりますので、不特定多数の人が集まる場所に長時間いないようにするなど、巻き込まれないように注意することが大事です。
治安に注意してパリを楽しもう!
パリはとても素敵な街です。エッフェル塔やノートルダム大聖堂をはじめ、多数の世界遺産があり、その街並みの美しさは多くの人を魅了しています。治安にも注意しつつ、パリで素敵な思い出を作ってください!