ネパール国旗の特徴と由来とは?二つの三角形となった背景もご紹介!
ネパールの国旗は他の国とは異なり、矩形ではなく、三角形の形をしているインパクトのある国旗です。国旗は長方形なのが当たり前だと思っていましたが、こんな形でも国旗として許されるのだと驚く方も多いのではないでしょうか。今回はネパールの国旗の特徴や由来、背景、紋章についてなどをご紹介します。国旗を通しネパールの歴史を学びましょう。
ネパール国旗の特徴
ネパール国旗の一番の特徴は、形です。国旗の形といえば、普通長方形をしていますが、世界で唯一、2つの三角形が組み合わさった形となっています。国旗に描かれている紋章は、上部は国家の月を表し、下部は宰相という意味のある太陽を表しています。また国旗の真紅は、国花のシャクナゲ色となっています。
国旗のシャクナゲ色は、ネパールのナショナルカラーでもあります。上下にある月と太陽の紋章は、太陽と月のようにネパール国家が末長く繁栄することを願って付けられたという由来があります。赤色は国民の勇敢さを象徴し、縁取りの青色は澄み渡るヒマラヤの空、平和を意味しているそうです。国旗のカラー・紋章には様々な由来があることが分かりました。
ネパール国旗が三角形である背景
ネパールの国旗の三角形は、ピタゴラスの定理やユダヤの六亡星、ヤントラ、ピラミッド、色即是空等、世界の中の場所で古来より歴史のあるシンボルとして使われています。またヒンドゥーの神々においても、三角形の旗と共に描かれていたそうで、現在でもヒンドゥー寺院には三角形が重なった旗のブロンズの銅像が建っていることが多いそうです。
【一体どゆこと?】ネパール国旗の描き方は憲法で指定されてるらしい! #ネパール #国旗 #憲法 https://t.co/UvM92Ll6zH pic.twitter.com/aVUSzrILbR
— 海外まとめネット (@kaigaimatomenet) January 18, 2016
またネパールでは、200年間、王家であるシャハ家と、ラナ宰相家では三角旗を使っていたという歴史があります。そして19世紀以降、ラナ宰相家がネパールの政治的な権力を握ってからというものの、シャハ王家とラナ宰相家の三角旗を組み合わせた二重の三角旗を使うようになりました。この国旗にはネパールの長く深い歴史が詰まっているのです。
それらの両家が由来して、ネパールの国旗は特徴的な三角形になったと言われています。1962年になると、従来のデザイン、形を引き継いで、現在の国旗が制定されたのです。特徴的な三角形2つは、ネパールのヒマラヤ山脈を意味していると言われています。ネパールの国旗の背景には、ネパールの歴史が深く刻まれている、画期的な国旗なのです。
ネパール国旗の紋章について
ネパール国旗の紋章について、上部でも軽くご説明をいたしましたが、詳しくご紹介をいたします。ネパールの国旗に描かれている紋章は、太陽と月です。上部の紋章は一見蓮の花のようにも見えますが、月です。下部のキラキラと輝いているように描かれているのは、太陽です。月はシャハ王家を表し、太陽はラナ宰相家を表していると言われています。
本日夕方、量産中の商品の一部が届いた。微妙な形だなーと思っても、それがイイ!と言ってくださる方もいらっしゃるので、一概にダメとは言えないのだよね。多民族国家ネパールにぴったりの個性的なネパール国旗の数々が出来上がってます! pic.twitter.com/8tSZqGheV4
— ネパール Kamadoma (@kamadoma_craft) December 1, 2015
現在の紋章が確定されたのは、1962年の国旗が定められた時からになります。その前までは、太陽と月の中には目と鼻、口が描かれており、まるでさくらももこが描くようなユニークなマークが描かれていました。国旗としては相応しくないように思えます。紋章は、ネパールという国が末長く繁栄するよう、太陽と月に願いと祈りを込めて付けられています。
ネパール国旗のカラーについて
ネパール国旗のカラーについて詳しくご紹介をいたします。ネパールの国旗のカラーは、綺麗な赤です。全面赤色の国旗となっており、ふちには青色、紋章はバックが赤色でも目立つように白色となっております。それにしても何故、赤に青色のふちとなっているのでしょうか。その理由は、上部でも軽くご紹介した通り、ネパールの国柄を表しています。
俺の家の前にネパールっぽい国旗の落し物です。届けてあげたいです。 pic.twitter.com/r4y7X3susY
— じゅらい@モンスト好き (@ametabetai7726) March 22, 2015
ネパール国旗の赤色は、前述した通り、ネパール国花のシャクナゲ色となっており、ネパールの国民の勇敢さ、たくましさ、勝利を表しています。赤というのは戦いを表しているという説もあるので、ネパール人の心の強さを感じられます。そしてふちの青色は、ヒマラヤの青い空、そしてネパールには海はないのですが、海という意味もあるそうなのです。
何故、ネパールに海がないのにも関わらず、海という意味もあるのか、真意は分かりませんが、広い海を表したかったのかもしれません。また青色は、平和という意味も含まれています。つまり国旗のカラーは、ネパール人の強さ、勝利、そして戦いに勝って平和という意味が含まれているのです。とても勇ましいかっこいい国民性だと思いませんか。
ネパールの国旗は変更されない⁈
1962年に定められたネパールの国旗ですが、国旗というものは、時代や政治的な理由で変更となることがあります。王家が変わることによって国旗が変わるという話は、他の国でよくあることかと思います。ネパールでも、1996年以降になると内戦が続き、ネパール国内は混乱に陥り、国王や議会、共産主義毛沢東派の三大勢力の争いが勃発しました。
三大勢力に伴い、議会が止まったり、武力対決などが始まったりし、2001年になると、残酷にも王族が次から次へと殺害されることになりました。それらの内戦は2006年まで続き、その年には従来の王家を讃えるための国家も変わったそうです。2008年になると、王政が廃止され、今まで240年もの間続いた歴史がそこで終わってしまいました。
通常であれば、上記のように王政が廃止された時点で国旗が変更されるかと思うのですが、ネパールでは変更されませんでした。しかも国旗には王家のシンボルが残っているにも関わらず、何故かそのままの状態なのです。もちろん変更案なども出たようなのですが、特徴的な三角形が人気で、国民の統一シンボルという意識が強く、そのままだそうです。
ネパールの国旗でギネスに挑戦していた⁈
"@afpbbcom: ネパールで3万5千人の「人間国旗」、内戦後の国造りにエール http://t.co/miqZkAZtdJ 世界の最新ニュースはこちら→ http://t.co/3cgaNENJj2 :写真 pic.twitter.com/f9VyM7f8Sm"
— Josephs Alexander k. (@reemunbai) August 24, 2014
ネパール国民は、実は人間国旗としてギネスに挑戦していたということを知っていますか?2014年、ネパールの首都、カトマンズでは、ネパール国民3万5千人もの人々が集まり、ネパールの国旗であるレッド、ブルー、ホワイトの色紙を頭の上に掲げて、世界で最大の人間国旗としてギネスへ挑戦をしました。とても大掛かりなイベントで、感動ものです。
世界記録への挑戦。
— うえのともこ:hearts: (@shantiweb) August 23, 2014
人間国旗、感動的でありました。“@NepalPix: World Record: The Nepalese national flag, formed by 35000+ pic.twitter.com/spnk6NjJDJ”#ネパール #カトマンズ
2014年に開催された人間国旗は、今まで内戦などがあり、国内全体が混乱していましたが、このイベントをきっかけにネパールの国民が国旗の下に団結をしているということを、世界に広めたかったそうです。困難な時代を乗り越えたネパールですが、人間国旗をきっかけに、これからますます国全体が団結して、素晴らしい国へ発展していただきたいです。
世界にはこんな国旗もある1:グアム
国旗としてはとてもゆるい国旗の代表は、アメリカ合衆国のグアムです。ご覧になると分かる通り、まるでTシャツのデザインのような国旗だと思いませんか。アメリカ本州の国旗がとてもかっこいいデザインなだけに、比較をすると大変ユニークというか、可愛らしい国旗です。背景も由来も、デザインを見るだけで何となく分かりそうな内容です。
グアムの国旗って ゆる〜 pic.twitter.com/x2qworARKO
— さのっち (@nyoronyororin) October 7, 2017
グアムの国旗は、背景は太平洋を表したブルー、レッドの縁は、スペインの統治時代から第二次世界大戦にかけ、大量に流された血を今後も決して忘れないようにしようという意味が含まれているそうです。ゆるい中にも、強い志が感じられる国旗です。中央にあるグアムの紋章は、グアムらしく海と船、ヤシの木が描かれていて、可愛らしいです。
世界にはこんな国旗もある2:ベニン王国
シチリアの国旗(正しくは州旗)もシュールだけど個人的には今のナイジェリア南部に100年前に存在したベニン王国の国旗も推していきたい。 pic.twitter.com/pU6nXlcc9H
— マヒシュマティ国民キリア (@dhxxx05) May 9, 2017
ベニン王国は、聞いたこともないという人も多いくらい、あまり有名ではない国ですが、ナイジェリア内部に、1897年迄に存在した国でした。現在は王家しか残っていません。一人の男が剣で相手の首を切っている、とてもシュールな国旗です。当時の治安の悪そうな国柄を表している珍しい国旗です。
世界にはこんな国旗もある3:フリースラント州
フリースラント州とは、オランダ北部にある州です。一般的な国旗と比較し、赤の丸っこいハートのようなデザインで、とてもキュートな国旗だと思いませんか。ハートらしき模様の他に、ホワイトのストラップ模様も描かれていて、大変おしゃれです。女性から人気がありそうな国旗です。
ネパールの国旗をよく見てみよう!
いかがでしたか?今回は、ネパール国旗の特徴と由来や、二つの三角形となった背景などをご紹介いたしました。世界には様々な種類の国旗がありますが、ネパールの国旗はとても斬新なデザインなだけに、多くの込められた意味があることが分かりました。これをキッカケに、ネパールに興味を持っていただけたら嬉しいです。
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