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岩宿遺跡は群馬が誇る歴史スポット!アクセスや観光の見どころは?

岩宿遺跡は群馬が誇る歴史スポット!アクセスや観光の見どころは?
投稿日: 2018年4月7日最終更新日: 2020年10月8日

群馬県みどり市には歴史の定説を覆した岩宿遺跡があります。1人の男性が発見した小さな石器によって日本の歴史は大きく塗り替えられたのです。群馬県が誇る岩宿遺跡は見どころがいっぱい!今回は岩宿遺跡の見どころからおすすめのお土産までご紹介いたします。

歴史的大発見!群馬県の岩宿遺跡見出し

Photo by frontriver

岩宿遺跡(いわじゅくいせき)は群馬県みどり市にある遺跡です。岩宿遺跡は旧石器時代の存在を明らかにし、それまでの常識を大きく覆した歴史的発見の現場。既存の日本の歴史を大きく塗り替えたのは、1人の男性の長年にわたる地道な活動でした。今回は群馬県が誇る岩宿遺跡の見どころや観光スポットなども合わせてご紹介いたします。

群馬県みどり市はどんなところ?見出し

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

群馬県みどり市は、2006年に群馬県の新田郡笠懸町、山田郡大間々町、勢多郡東村の3つが合併した市です。また「平成の大合併」によって群馬県で48年ぶりに新しく誕生した唯一の市でもあります。それぞれ別の群に所属していた町が1つに合併した極めて珍しい事例でもあり、みどり市は群馬県初の「ひらがなの名前」の市となった初めて尽くしの町なのです。

群馬県の観光おすすめスポット!旅行するなら行ってみたい観光地まとめ! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
群馬県の観光おすすめスポット!旅行するなら行ってみたい観光地まとめ! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
群馬県には、癒しの温泉や美味しいグルメ、楽しい観光地が盛り沢山なので、老若男女、多くの旅行客で賑わっている観光地です。今回は定番の観光スポットから、おすすめの穴場スポットまで、群馬県へ旅行に行ったら是非寄っていただきたいおすすめスポットを紹介します!

歴史を覆した!群馬県の岩宿遺跡見出し

遺跡から発掘される「道具」は、古代人のライフスタイルを証明する大切な遺産です。狩猟や農耕にまつわる道具は古代人の知恵が、土偶や埴輪などからは当時の人の宗教観を想像することができます。群馬県の岩宿遺跡からも、このような「道具」が数多く出土していますが、岩宿遺跡の見どころは出土数だけに留まりません。

Photo by Open Grid Scheduler / Grid Engine

群馬県の岩宿遺跡はいわば歴史を塗り替えた遺跡です。岩宿遺跡の発見によってそれまで認識もされていなかった「一時代」の存在が明らかにされ、日本の歴史研究をさらに遡らせることになりました。岩宿遺跡が明らかにしたのは、人類が存在しなかったと考えられていた「旧石器時代」。人類がもっと古くから日本列島に存在していたことが証明されたのです。

岩宿遺跡の見どころは?見出し

Photo by thedailyenglishshow

群馬県の岩宿遺跡の見どころは、発掘調査をした記念の場所である「A地点」と、ガイダンス施設・岩宿ドームのある「B地点」、さらには岩宿遺跡の遺物や資料を展示した「岩宿博物館」にあります。また、博物館の浦には旧石器時代の住居を復元した「岩宿人の広場」もあります。古代人の生活に思いを馳せながら歴史探求の旅を楽しみましょう。

Photo by 池田隆一

岩宿遺跡の3つの見どころにお決まりのコースはありません。しかし、3つすべて廻ることで岩宿遺跡をより深く理解することができます。今回は各スポットの詳細情報も紹介しておりますのでぜひ観光してみてください。また、岩宿遺跡を発見した相澤忠洋氏の素晴らしい功績にもぜひ目を向けてください。きっと古代ロマンへの興味が湧くはずです。

岩宿遺跡が証明!旧石器時代とは?見出し

Photo by brina_blum

日本の歴史では、太古の時代人類がどのような道具を使って生活をしていたかによって「石器時代」や「青銅器時代」、「鉄器時代」のように分類しています。とくに「石器時代」はさらに細分化され、石を砕いて作る打製石器を使っていた時代を「旧石器時代」、土器や磨製石器を使っていた時代を「新石器時代」と呼んでいます。

教科書で読んだことがあるはず!

Photo by naosuke ii

平成の今、現役世代と呼ばれる世代の多くは旧石器時代の存在を教科書で学んで育っています。石を叩いて作った石のナイフや矢じりなどの写真は社会の教科書で誰もが一度は目にしているはずです。しかし、今から70年前まではこの「旧石器時代」という概念は存在していませんでした。つまり当時日本の歴史の始まりは「縄文時代」とされていたのです。

Photo by G4GTi

「新石器時代以前に日本列島に人は存在していなかった。」この定説が覆されたのは1946年のこと。群馬県で納豆の行商をしながら生涯を考古学に捧げた1人の男性の手によって、日本の歴史は大きくひっくり返されたのです。今でも岩宿遺跡は発掘作業が進められており、古代歴史ロマンを今に伝える「日本考古学史上最大級の遺跡」となっています。

住所:群馬県みどり市笠懸町阿左美 電話番号:0277-76-1933

大発見のカギは関東ローム層にあった!見出し

Photo by Andrea Schaffer

では、どうして「新石器時代以前に日本列島に人は存在していなかった。」という定説が存在していたのでしょうか。その理由となっているのは「関東ローム層」の特徴に秘密があります。関東ローム層は1万年以上前に起きた火山の噴火によってできた火山灰堆積層で、とても人が住める環境ではなかったと多くの学者たちに考えられていたためです。

Photo by OIST (Okinawa Institute of Science and Technology)

しかし、その関東ローム層の中から打製石器が発掘されたことにより、これまでの定説は完全に否定されることとなりました。関東ローム層の中から出土したのは、人類が狩猟などに用いていたナイフ形石器や握斧様石器。その時代にまちがいなくここに人類が存在し、豊かな生活を営んでいたことが証明されたのです。

Photo byczu_czu_PL

このように目覚しい発見が成された「旧石器時代」は「岩宿時代」とも呼ばれ、群馬県ではこれまでに325カ所の岩宿時代の遺跡が発掘されました。また、日本全国では1万カ所におよぶ遺跡が存在していることも明らかになっています。なお、群馬県は遺跡が発見されている密度の高さは世界一と言われています。

岩宿遺跡の発見者・相澤忠洋氏について見出し

Photo byJamesDeMers

岩宿遺跡を発見したのは、考古学を研究する一般男性・相澤忠洋氏でした。納豆の行商を営みながら発掘作業を続け、晩年は「相澤の歩くところに必ず遺跡が出る」と世間に言わしめる存在になりました。「納豆売りが発掘など生意気だ」という中傷にも「発掘がやりたいから時間的拘束の少ない行商をやっているのだ」と言い切ったのだそうです。

Photo by G4GTi

相澤氏は幼い頃妹を亡くし、家族団らんに恵まれない環境で育ちました。たまたま遊びに出かけた工事現場から縄文土器が発掘されるのを見かけたことが興味を持ち始めたきっかけでした。現場で調査していた人から聞かされた「古代人の家族団らん」の話により、相澤少年の心は次第に「古代」へと向けられていったのです。

ある日、行商に出かけていた相澤氏は地層の中から将来旧石器時代の発見の足がかりとなる1片の石片を見つけます。そしてさらに時を経た3年後、今度は黒曜石でできた完全な形の槍先型尖頭器を発見します。この大発見は昭和24年新聞各紙で大きく報道されました。家族団らんに憧れた少年時代の情熱はついに日本の歴史まで塗り替えたのです。

Photo by gbaku

相澤氏は岩宿遺跡大発見のあとも、最古の旧石器を求めて新しい遺跡探求を続け、生涯で21カ所もの遺跡を発掘しました。「赤城人類文化研究所」や資料館を設立し、ようやくこれからというときに相澤氏は入院生活を余儀なくされてしまいます。相澤忠洋氏の長年の活躍と情熱は桐生市新里町の記念館で触れることができます。

岩宿遺跡は2016年にも石器が出土!見出し

Photo byAllmann

1979年岩宿遺跡は重要な遺跡として国指定の史跡となりました。遺跡周辺の保存と整備が進められる中1987年にふたたび石器群が発見されます。その後も続々と旧石器時代の石器が発掘され、2001年には相澤氏の手によって500点におよぶ槍先方尖頭器が発見されました。これは1950年当時まだ謎であった「岩宿Ⅲ石器文化」を証明することになりました。

今後も岩宿遺跡は見逃せない!

Photo by 和椛山水

ごく最近では2015・16年に岩宿遺跡の南側であらたな石器が発見されています。このときの発見では岩宿遺跡の範囲がこれまで考えられていた範囲よりさらに広いことが分かり、2015年の発掘場所も新たな史跡として追加指定されました。日本の歴史の定説が岩宿遺跡によってさらに覆される可能性もあり、目がはなせない遺跡となっています。

岩宿遺跡へのアクセス見出し

Photo by Emotinal Black

群馬県の岩宿遺跡までは、公共交通機関でアクセスできます。最寄り駅はJR両毛線「岩宿駅」で、現地までのアクセス時間は徒歩で約20分程度です。駅前からはタクシーが常駐していますのでタクシーでもアクセス可能です。また電話で予約する乗り合いバス「デマンドバス」を利用すると博物館横「かたくりの湯」までアクセスできます。

マイカーでアクセスする場合

Photo by sabamiso

マイカーでアクセスする場合は練馬インターチェンジから関越・北関東自動車道へ乗り換え、藪塚インターを経由し県道「大間々尾島線」にアクセスしましょう。浦和インターチェンジからアクセスする場合は東北・北関東自動車道自動車道経由大田インターで降車、国道50号線経由し現地へアクセスします。練馬。浦和方面ともアクセス時間は85分程度です。

岩宿遺跡周辺の観光スポット1:岩宿博物館見出し

「岩宿博物館」は岩宿遺跡のとなりにある博物館です。岩宿遺跡を中心に日本全国から集めた「岩宿時代」の資料を数多く展示しています。その中には岩宿遺跡の発掘調査の貴重な映像や、各地で採掘された石器、マンモスの骨格標本も常設展示され大きな見どころとなっています。学芸員の方の詳しい解説や、子どもにもわかりやすい映像も人気を集めています。

岩宿博物館の開館時間は9時30分から17時まで。最終入館は16時30分までとなっています。休館日は月曜日で、祝日に重なった場合は翌日が休館となります。見どころがかなり多くじっくり見学すると1時間はかかりますので、時間にゆとりをもって入館してください。入館料は一般300円・高校生200円・小中学生は100円です。

岩宿遺跡周辺の観光スポット2:岩宿ドーム見出し

岩宿遺跡のB地点とされる場所に建てられているのが遺構保護観察施設の「岩宿ドーム」です。B地点は相澤氏が多くの石器を発見した場所にあたり、現在でもすぐそばで発掘作業が行われています。岩宿ドームの建物の半地下部分では、ガラス越しに本物の赤土の地層を観察することができます。石器を使った当時の人々の暮らしの紹介ビデオも見どころです。

Photo by jetalone

岩宿遺跡ちかくで遺跡について学ぶなら、岩宿博物館と岩宿ドームの両方を見学することをおすすめします。どちらも見学すると最短でも1時間30分はかかります。日本史上最大の発見と言われる貴重な遺跡ですので、見どころを見逃すことがないよう、時間をかけてじっくりと見学・観光してください。

岩宿遺跡周辺の観光スポット3:相澤忠洋記念館見出し

岩宿遺跡や岩宿博物館を訪ねたとき必ず足を運んでいただきたいイチオシの見どころは、岩宿遺跡発見者である「相澤忠洋記念館」です。生前、相澤氏は自身が発見した遺物をもったいぶらず、多くの人に見せ語りかけたといいます。できるだけ多くの人に旧石器を見てもらいたい、そんな相澤氏の願いによって創立されたのがこの記念館なのです。

「相澤忠洋記念館」では、相澤氏が発見した21カ所の遺跡から発掘した300点におよぶ石器や土器片が展示されています。東北大学名誉教授・芹沢長介氏との手紙や自筆原稿、相澤氏が愛用したカメラなども公開されており、遺跡ファンにとっては必見の見どころとなっています。また館内では岩波映画社が作成した「太古への夢、岩宿遺跡」も放映されています。

住所:群馬県桐生市新里町奥沢537 電話番号:0277-74-3342

岩宿遺跡周辺の観光スポット4:かたくりの湯見出し

Photo by neverbutterfly

岩宿遺跡で見どころを見てまわったあとは、遺跡のすぐそばにある公営の日帰り温泉「かたくりの湯」で疲れを癒して帰りましょう。施設の建物は群馬県産の木材を使って建設されています。地下1600メートルから汲みあげる源泉100パーセントのお湯は無色透明で肌がしっとりすべすべになる人気の温泉で、観光客だけではなく地元の人も多く利用しています。

かたくりの湯の営業時間は10時から21時(11月から4月は20時)まで。入湯料は市外在住の場合は大人500円、子どもは300円となっています。温泉の泉質はナトリウム硫酸塩温泉で、効能は神経痛や関節痛、うちみやくじき、疲労回復にすぐれた効果をもたらすといわれています。施設の近くにはかたくりの花の群生地もあり観光の見どころとなっています。

住所:群馬県みどり市笠懸町鹿250 電話番号:0277-76-1126

自販機食堂は群馬の伊勢崎にあり!レトロで人気!アクセスもご紹介! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
自販機食堂は群馬の伊勢崎にあり!レトロで人気!アクセスもご紹介! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
群馬県伊勢崎市にある自販機食堂は多くの人に人気のスポットとなっています。今ではずいぶん減ってしまったレトロ自販機で食事ができるというところが人気の理由です。ここでは、自販機食堂のことを知らない人のために魅力を紹介します。

岩宿遺跡観光土産はコレ!石器サブレ見出し

岩宿遺跡観光の記念に、ぜひ買って帰りたいお土産をご紹介します。その名も「石器サブレ」。「槍先型の石器」をリアルに再現したサクサクとおいしいサブレですが、実はこのサブレ、実際に石器の形を正確にかたどったものなのです!石器サブレを販売する店主の方が、相澤忠洋氏と親しかったことから生まれた奇跡のお菓子です。

Photo by siojoah

「石器サブレ」が購入できるのは、みどり市内にある和菓子屋さん「文屋大塚」。岩宿遺跡からも近いので、見学のあとにも気軽に立ち寄れます。石器サブレの値段は1枚95円、群馬県みどり市の銘菓としてぜひ地元に持って帰ってください。「文屋大塚」の営業時間は9時30分から18時、定休日は岩宿博物館とおなじ毎週月曜日となっています。

住所:群馬県みどり市笠懸町鹿2553 電話番号:0277-76-3960

岩宿遺跡で古代に思いを馳せよう!見出し

Photo byFree-Photos

遺跡を散策する「遺跡巡り観光ツアー」も人気が高まっています。寺院やお城や古墳など、歴史のロマンを感じながら歩くだけでその時代にタイムスリップできるようです。遺跡は特別な人物だけではなく当時の人々の一般的な暮らしを伝える重要な遺産です。相澤氏が思いを寄せたように、私たちの大先輩の生活に思いを寄せてみてはいかがでしょうか。

投稿日: 2018年4月7日最終更新日: 2020年10月8日

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