ミャンマーの新首都ネピドーを徹底解剖
ミャンマーは、東南アジアに位置するタイ、中国、インドなどに挟まれたインドシナ半島西部の国です。このミャンマーという国、2006年に首都が移転したことはご存知でしょうか?新しい首都はネピドーという都市ですが、このネピドーは何とも不思議な所なのだとか。早速、ミャンマーの新首都ネピドーについて詳しく見てみましょう!
ミャンマーの首都はヤンゴンからネピドーへ
かつてはラングーンという名だったヤンゴン
ミャンマーの旧首都ヤンゴンは、一時はラングーンという名でも呼ばれていました。昔のヤンゴンは小さな漁村でしたが、1850年代にイギリスの支配下に置かれた際にラングーンという名に改称され、商業と政治の中心都市となりました。その後1948年にビルマはイギリスから独立を果たし、名前もラングーンから元のヤンゴンに戻されましたが、一部の地元民やイギリス国家などからは今でもラングーンと呼ばれているそうです。
世界遺産もある大都市ヤンゴン
ヤンゴンはラングーンと名前を変えたり首都がネピドーへ移転したりと激動の過去を経てきましたが、今でもミャンマーの経済や観光の中心地として発展を続けています。特に、世界遺産にも指定されている「シュエダゴンパゴダ」は国内外からの参拝客や観光客が後を絶ちません。多くの人が行き交い活気あふれるヤンゴンを見て「本当に首都が移転したの?」と驚く人もいるかもしれません。
ヤンゴンからネピドーへの首都移転
ヤンゴンとネピドーがどのくらい違うかはホテルの窓から見た風景でわかる。やばいよお首都とは思えないよお。 pic.twitter.com/9TlUzS45st
— :white_flower:albireo:white_flower: (@albireosec) September 8, 2016
2006年、首都が大都市ヤンゴンからネピドーへ移転しました。ミャンマー大使館の話によると、移転の理由はヤンゴンが過密状態にあり、さらに水害に弱い海辺の土地柄を考慮してだそうです。ネピドーはミャンマー国土のほぼ真ん中にあり、広大な土地が確保しやすいという理由から新首都に選ばれました。しかし、新首都ネピドーは私達が想像する賑やかな首都の姿とは違い、不思議な雰囲気がある所のようです。
ミャンマーの首都移転劇の背景は?
「未知なるミャンマー」買ったのに今日はほとんど読めなかった。今週ぼちぼち読もう… pic.twitter.com/sKprcA1rAn
— MEON (@MeonMusic) March 17, 2013
ヤンゴンからネピドーへの首都移転は、十分な説明と準備がなされていなかったためか、移転の理由について様々な憶測が飛び交っているようです。ある人は占いで決まったとか、内陸のネピドーは海に近いヤンゴンより他国の侵攻を受けにくいという軍事的な背景があるとか、色々な見方があります。外国人の私達はあまり知らないミャンマーの内情ですが、旅行の際は少し頭に入れておくと良いかもしれません。
ミャンマーの新首都ネピドーは不思議な街
ネピドーは軍用地だった場所に新たに造られた人工都市です。長い年月をかけて発展していったヤンゴンとは異なり、政治や行政の機関を置くために急ピッチで造られたいわゆる「ハコ」。多くの要人が訪れるため街自体は近代的で豪華な造りですが、ネピドーの主な住民は首都移転と共に引越してきた公務員のため、生活感があまり感じられないのが不思議と言われる理由のひとつかもしれません。
ジェット機も離着陸できるように広々と建設された道路は、最大20車線にもなるのだとか。大都市であればさぞかし車の往来が激しいのでしょうが、ネピドーでは車の代わりに近隣の村で飼われている馬や水牛が横切る有様。将来、この道路をたくさんの車が爽快に走ることを期待しましょう。
ネピドーの僕が滞在中のホテル、こんなに立派なんですが、昨晩から今朝の朝食にかけて、いまだに他の宿泊客を見かけません。自分ひとりで貸切状態なんじゃねーか疑惑w pic.twitter.com/dAxmF7H4D3
— 村上アシシ (@4JPN) October 9, 2014
車の通らない道路も不思議ですが、宿泊客の間で貸切疑惑が浮かぶホテルも不思議です。ネピドーは政治と行政の街なので観光客が大勢訪れるわけではありませんが、豪華なホテルがたくさんあります。こちらもまた要人のための施設で、きっと何かの行事の時には宿泊客でいっぱいになるのでしょう。
新首都ネピドーのランドマーク
黄金の寺院「ウッパタサンティパゴダ」
新首都ネピドーを代表する場所は「ウッパタサンティパゴダ」と呼ばれる金色の寺院。パゴダは「釈迦の住む家」であるとされ、ミャンマーの人々にとって心の拠り所となる場所です。旧首都ヤンゴンにある「シュエダゴンパゴダ」を模して造られ、高さは99m。高さ100mのシュエダゴンパゴダより1m低いのは、世界遺産に敬意を払ったためでしょうか。
ウッパタサンティパゴダはネピドーで数少ない観光施設でもあります。ウッパタサンティパゴダは無料で内部を拝観できますが、肌を大きく露出した服装は避けるようにしましょう。半袖のシャツは大丈夫なようです。内部は色鮮やかな装飾が施され、床に座ってお祈りをします。入口では白いゾウが飼われていて、時間帯によってはゾウの散歩を見られるチャンスも!夜のライトアップは荘厳な美しさです。
新首都ネピドーのショッピングモール
ネピドー最大級「ジャンクションセンター」
ネピドーには多くのショッピングセンターがありますが、中でも最大級の規模を誇るのが「ジャンクションセンター」です。建物は2階建てで、衣料品の店舗やレストランの他にゲームセンターや映画館なども入っていて、楽しめる場所です。暑い土地なので涼みに来る人も多いとか。
ミャンマーの新首都ネピドーのレストラン
懐かしい日本の居酒屋「勝」
かつ丼を食べたのは「Japanese Restaurant 勝」。いい名前です。ヤンゴンには日本食堂いっぱいありますが、ついに首都ネピドーにまで進出。2年前はなかった。嬉しい変化です。日中は男性も日傘です。 pic.twitter.com/FdPbkyjpj0
— あいさわ一郎 (@ichiroaisawa) July 28, 2016
ネピドーは北側に政府の官公庁が集まり、南側はショッピングセンターやホテルが集まる市街になっています。その中間に位置するレストラン勝は、長崎に本店がある和食レストラン。日本人が経営していることもあり、店内は日本の居酒屋そのものです。日本酒や梅酒もあり、駐在の日本人たちに人気があります。
ミャンマーで人気の麺カフェ「YKKO」
ヤンゴンを始めミャンマーに多くの支店を持つ麺カフェ「YKKO」は、ネピドー中心部のキャピタルハイパーマーケット内にあります。おしゃれな店内でミャンマーの麺「チェオー」がいただけます。鶏肉やシーフードがたっぷり乗ってボリュームたっぷり!ランチにおすすめのお店です。カフェメニューも豊富。
ネピドーにもあった!アジアといえば市場
アジア旅行の楽しみは、活気あふれる市場でのショッピングと食べ歩き。ネピドーの「ミューマ市場」は、地元の野菜や果物がたくさん揃い賑わいを見せています。ミャンマーの路上でよく見かけるおでんのような料理はヤギ肉の煮込み。お店の人がお皿にどんどん取り分けてくれるので、食べ過ぎに注意!ちくわや海老カマのような練り物の串は不思議なことにおでんではなく、そのままタレにつけて食べるのだそうです。
ミャンマーの新首都ネピドーのホテル
ケンピンスキーホテル
ドイツ系の有名ホテル「ケンピンスキーホテル」はネピドーにもあります。オバマ大統領も宿泊したというケンピンスキーホテルにはプールはもちろん、テニスコートやフィットネスジムなど豪華な設備が揃っていて、Wi-Fi環境も整い快適に滞在できます。レストラン「ラングーンキッチン」ではアジア料理が楽しめます。近隣にはゴルフ場があり、宿泊とゴルフがパックになった宿泊プランもあります。
オーレムパレスホテル
Aureum Palace Hotel & Resort Nay Pyi Taw ★★★★★ #Myanmar #NayPyiTaw | https://t.co/F46M47jOFb pic.twitter.com/KYs6qPdu71
— Checkinly Travel (@checkinly) December 1, 2016
ネピドーの南部はホテルが集まるエリアです。「オーレムパレスホテル」はネピドー中心部に近くショッピングセンターへ歩いていくこともできて買い物や食事に便利です。客室は広々としたコテージと、施設へのアクセスの良いビルディングの2タイプから選べます。温かく親切なスタッフの接客も評判のホテルです。
ミャンマーの新首都ネピドーの風景
ネピドーの周辺は農村地帯で、市街から少し足を延ばすとのどかな風景が広がっています。日本ではなかなか見られないトロピカルフルーツの畑があったり、農道を馬や牛が歩いていたり、ヤンゴン観光とはまた違ったミャンマーのローカルな魅力があふれています。ネピドーにはサファリパークがありますが、郊外には普通に動物がたくさん見られるのでこれで満足してしまうという声も。
新首都ネピドーへのアクセスは?
I'm at the lounge in Nay Pyi Taw Airport waiting for my flight. 今、1ヶ月ほどプロジェクトで滞在していたミャンマーの首都ネピドーの空港でフライトを待っています。ヤンゴンの古い空港よりはるかに近代的です(笑) pic.twitter.com/QVov33XOL1
— Chiaki Matsumoto ちあき (@icymoonchiaki) November 29, 2016
ネピドーへのアクセスは、ヤンゴンから車で行くのが便利です。ヤンゴンから高速道路に乗って約5時間、320kmの道のりです。飛行機ではヤンゴンから約45分ですが、フライトは毎日ではないそうです。日本からの直行便はないので、ヤンゴンを経由してネピドーに入ります。
ネピドーには電車で行くこともできます。ミャンマーの鉄道では懐かしい日本の中古車両が現役で走っているので探してみて下さい。ヤンゴンからネピドーまでは8時間程度で、夜間は寝台列車もあります。時間に余裕があれば、のんびり車窓からの眺めを楽しみながら移動してみてはいかがでしょうか。
ミャンマーの新首都ネピドーへ行ってみる?
ミャンマーは、イギリスによる占領のためにラングーンと名前を変えるなど波乱の歴史を刻んできた都市ヤンゴンから、まっさらな土地のネピドーに首都を移転して新たなスタートを切りました。新首都ネピドーが世界で認知されるにつれて、ネピドーはこれから「昔は何もなかったのにね」と笑えるような魅力あふれる街に成長することでしょう。
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