この記事の目次
岡山県の吹屋ふるさと村とは?
岡山県屈指の観光名所である吹屋ふるさと村は、見渡す限りのベンガラ色が美しい古い街並みを残した重要伝統的建造物群保存地区に選定されている貴重な町です。その町並の中に1歩足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたかのような不思議な気分になります。今回は、歴史を感じる事のできる、ベンガラ色に染まる美しい吹屋ふるさと村をご紹介します。
岡山県の吹屋ふるさと村は銅山だった
この吹屋ふるさと村は山間にあるかつては銅山で栄えた町です。江戸時代から明治時代にかけて栄えた銅山の町「吹屋ふるさと村」は町一面がベンガラ色に染められてなんとも言えないノスタルジックな雰囲気を持っています。天空の山城と呼ばれるあの「備中松山城」からも車でアクセスすることができるので岡山の観光名所として外せないおすすめの場所です。
先ほどからでてくる「ベンガラ」とは、銅山から採掘される酸化鉄鉱の副産物として採れる顔料で、このベンガラは現在の陶芸界でもよく使用されている顔料で、漆器などにも使用されている美しい赤を出すことで知られています。その赤色に染められた町は「ベンガラ長者」と呼ばれた人たちによって作り出されました。
この吹屋で作られていたベンガラは、他のどのベンガラよりも美しい赤を出すことができると、日本のみならず海外にも広がっていきました。中国やインドからも輸入されたベンガラですが、この吹屋のベンガラには遠く及ばないと言われていたほどとても珍重されていました。そのベンガラが本格的に製造されだしたのは1751年ごろのことでした。
岡山県の吹屋ふるさと村のベンガラ長者
吹屋ふるさと村をベンガラ色に統一して美しい町並みに整えたのは、当時のベンガラ長者たちだそうです。吹屋は銅山で栄えた町ではありましたが、実際に町を繁栄させたのはベンガラ製造で莫大な富を得たベンガラ長者たちでした。そのベンガラ長者が作り上げた吹屋の町には、江戸時代後期から昭和中頃まで倉敷と並ぶほど活気のある町だったそうです。
このベンガラの商品時価値を早くに見抜き、吹屋で製造を独占することを推奨したのが、当時吹屋を治めていた「早川八郎左衛門正紀」でした。この早川代官の先見の明のおかげでこの吹屋は繁栄することができたということで、今でも吹屋ふるさと村の人たちは、この早川代官のことを「恩人」として崇めています。
吹屋ふるさと村の観光名所1:旧吹屋小学校
この岡山県にある旧吹屋小学校は、明治6年開校の木造校舎です。平成24年まで現役で使われていたこの校舎は、日本国内では最古の木造校舎とされていて、現在では県指定重要文化財になっています。映画の中でしか見たことがないようなこの趣のある木造校舎は現在ではその貴重な文化財を後世に残すべく保存修理工事が行われています。
住所:岡山県高梁市成羽町吹屋1290−1
電話番号:0866-21-1516
吹屋ふるさと村の観光名所2:旧片山家住宅
こちらの片山家住宅は現在国の重要文化財に指定されている貴重な建物です。片山家はベンガラの製造販売を行っていた老舗で、その創業の歴史は200年間にも渡りました。片山家の家屋には、ベンガラ製造に関わる付属室が並んでおりベンガラ屋としての面影を色濃く残しています。歴史を感じる事のできる建物から重要文化財の貴重さを味わうことができます。
片山家の系譜ですが存在が明確にわかる資料はベンガラ業を始めた初代「浅治郎」以降のものになります。片山家の当主は10代まで続き、それぞれ「浅治郎」の名前を襲名していました。10代目当主が亡くなった2002年以降は吹屋のある町、岡山県の成羽町に寄贈されて大切に保存されています。吹屋ふるさと村に行った際は必ず立ち寄ることをおすすめします。
住所:岡山県高梁市成羽町吹屋 電話番号:0866-29-2205
吹屋ふるさと村の観光名所3:ベンガラ館
岡山県吹屋ふるさと村にあるベンガラ館は、明治時代に実際に使用されていたベンガラ工場を利用し、忠実に復元した当時使用されていた製造器具などを展示しています。建物内に並んでいる大きな釜や碾き臼(ひきうす)などを見ていると、実際に見たことはないのに、当時の作業風景が目に浮かんできます。
この、当時の雰囲気を感じられるベンガラ館を見学するための料金は大人200円、小人100円です。また、4施設を回るための周遊券というチケットもあり、そちらの料金は大人850円ととてもお得な料金体制になっています。おそらくこの吹屋ふるさと村に観光で訪れる人たちはどの施設も観光するでしょうから、お得な料金の周遊券がおすすめです。
住所:岡山県高梁市成羽町吹屋 電話番号:0866-29-2136
吹屋ふるさと村の観光名所4:吉岡銅山笹畝坑道
岡山県の吹屋ふるさと村を江戸時代から大正時代まで支えてきたこの吉岡銅山笹畝坑道は、現在坑内を復元し、当時の様子を見学できるようになっています。この吉岡銅山は古書によると西暦807年に発見されたと言われているそうです。807年といえば日本は歴史の教科書でよく見る平安時代の真っ只中でした。
吹屋ふるさと村に観光しに行ったら、ぜひこの吉岡銅山笹畝坑道にもアクセスしてみてください。ヘルメットをかぶって中を見学できるこの銅山坑道は、中に入るとなんとも言えない神秘的な雰囲気を感じることができます。当時の作業風景を頭に思い描くことができます。見学料金は大人300円小人150円で見学することができ、こちらも周遊券が利用できます。
住所:岡山県高梁市成羽町中野1987 電話番号:0866-29-2145
吹屋ふるさと村の観光名所5:ベンガラ陶芸館
自分で何か作ることが好きな人におすすめなのがこちらのベンガラ陶芸館での陶芸教室です。この陶芸教室では土ひねりのベンガラ焼きと、陶器への絵付けを体験することができます。陶芸の経験がなくても、スタッフの方が丁寧に教えてくれますので安心してチャレンジできます。少しぐらい不恰好な器でも、それが味となって素敵に仕上がります。
もしも時間がある方はぜひこちらにアクセスして陶芸にチャレンジしてみてください。意外な自分の才能に気づくかもしれません。陶芸教室に参加する料金は、材料費として500円、作った作品を焼成してもらう金額が1500円です。出来上がった器を郵送してもらうための料金は別途必要になりますが、楽しい体験ができるおすすめの観光スポットです。
住所:岡山県高梁市成羽町吹屋86 電話番号:090-5694-8746
吹屋ふるさと村の観光名所6:広兼邸
次におすすめの観光スポットは、広兼邸です。こちらは映画「八つ墓村」のロケ地として使われたことがある、雰囲気のある豪邸です。江戸時代末期ごろに、銅山とローハによって富を得た大野呂の庄屋の邸宅として建てられました。石垣や楼門づくりなどからもその富豪ぶりが伺えます。この豪華な佇まいはまるでお城のようです。
この広兼邸は周遊券で入ることができますのでぜひアクセスしてみてください。通常の料金は大人300円、小・中学生が150円です。もしアクセスした場合はまず駐車場から広兼邸を見上げてみてください。山肌にぴったりと寄り添う広兼邸はまるで家主を何かから守っているようなただならぬ雰囲気を醸し出しています。歴史好きな方におすすめのスポットです。
住所:岡山県高梁市成羽町中野2710 電話番号:0866-29-3182
足を伸ばして備中松山城にもアクセスしよう!
岡山県の高梁方面にアクセスした際に、ぜひ訪れていただきたいおすすめの観光スポットが「備中松山城」です。このお城は最寄駅「備中高梁駅」から車で10分ほどの場所にあるお城なのですが、そう簡単にはお城を間近に見ることができません。「山城」という名前がつくお城は、その名の通り「標高の高い山にある城」という意味なのです。
このお城を間近に見るためには1時間ほどの山道を登っていかなくてはいけません。城を攻め落とす為にこの山道を登って行ったのかと思うと気の毒になってしまいます。しかし辛いだけではありません。この長い山道を登り終えた先には現存の天守がという貴重な建造物を見ることができます。日本の山城で現存の天守が残っているのはこの備中松山城だけです。
また何と言ってもおすすめなのが、備中松山城展望台から眺める景色です。条件が揃うと見ることのできる夢のような美しさの「天空の城」は、この展望台から見ることができます。雲間に浮かぶ備中松山城が、幻想的で美しく、我を忘れて見入ってしまいます。もしもこの景色を見ることができたら本当にラッキーです。ぜひ秋の季節にアクセスしてください。
吹屋ふるさと村の「ラ・フォーレ吹屋」
もしも吹屋近郊で宿泊を考えているなら、こちらの「和味の宿ラ・フォーレ吹屋」がおすすめです。宿泊することもできますし、食事を取ることもでき、お土産なども購入することができる便利な施設です。この宿泊施設「和味の宿ラ・フォーレ吹屋」が建っているのは、旧吹屋小学校の隣という立地です。旧吹屋小学校の隣には以前吹屋中学校が建っていました。
その吹屋中学校跡地に建てられたこの宿泊施設は、旧吹屋小学校を模して建てられた為、古い雰囲気を味わうことができるノスタルジックな建物です。宿泊客が寝泊まりする部屋も昔懐かしいような雰囲気で、ゆったりとくつろぐことができます。お風呂も昔の銭湯のようなタイル張りの浴室で、田舎のおばあちゃんの家に泊まりに来たような感覚になります。
またラ・フォーレ吹屋では宿泊するとベンガラ染めの体験できるというお得なセットプランもあります。その他にも宿泊と地元の銘酒の利き酒がセットになったプランなど様々なプランがありますので詳しくは公式のホームページで確認してみることをおすすめします。その他料金やお部屋の様子なども確認できますのでアクセスする際は1度覗いてみてください。
ラ・フォーレ吹屋のおすすめの食事は?
宿泊施設のラ・フォーレ吹屋では、豪華な食事を楽しむこともできます。千屋牛というブランド牛のステーキやしゃぶしゃぶがとても柔らかな肉質で、甘みがありおすすめです。全国出回るほど流通していないので、ブランド牛と言っても知名度は低いかもしれません。だからこそ岡山に観光しに行った際には、岡山の地元の食材で食事を楽しんでみてください。
千屋牛が使われた食事をする場合のおおよその料金はランチで3000円程度です。ランチにしてみると少し値が張るような気がしますがその分地元の美味しい食事を味わうことができます。せっかくの観光ですから多少の贅沢な食事は許容範囲でしょう。その他にも岡山牛を使った食事メニューや1000円程度の料金で食べられる食事メニューなどもあります。
ラ・フォーレ吹屋は合宿もできる!
ラ・フォーレ吹屋には多目的ホールという広い体育館のような場所や、ミーティングを行えるような施設も揃っています。そのため宿泊は観光以外でも、学生の合宿などにも利用することができます。もちろん学生ではなくてもサークルの仲間で利用することもできますし、趣味のあう仲間たち大勢と利用する時にもおすすめです。
大ホールの収容人数は約100名と、大人数に対応することができます。そしてミーティングなどを行うのにぴったりな談話室は30名入ることができて、カラオケも楽しむことができますので、仲間と食事をした後にカラオケを楽しむといったプランもおすすめです。また、大型バスも正面玄関に横付けできるというアクセスのしやすさも魅力です。
岡山県の吹屋ふるさと村へのアクセス
吹屋ふるさと村は標高500mという高い山間にあります。そのためおすすめのアクセス方法は、自家用車かレンタカーです。車でないと少し観光するのにも不便かもしれません。車でのアクセスの場合は道幅が狭い道を通ったりする場合があるので気をつけてください。アクセス方法は、道が狭くて短時間でつくルートか道が広くて時間がかかるルートがあります。
狭い道でのアクセスは岡山自動車道を賀陽インターで降りて国道484号を高梁方面に進み、高梁警察署を左折するルートです。広い道でのアクセスは高梁警察署を右折します。詳しいアクセス方法は和味の宿ラ・フォーレ吹屋の公式ホームページを見てみてください。写真付きでとてもわかりやすく説明してくれています。
公共交通機関でのアクセスの場合は、岡山から伯備線に乗って高梁駅で降りてください。高梁駅からバスでのアクセスになります。しかし吹屋ふるさと村までのバスは1日に3〜4本ととても少ないので、時間を調節するのが難しいかもしれません。ただ、バスでのアクセスでおすすめしたい点は、季節限定のボンネットバスに乗ることができるということです。
ベンガラの町並みを見に吹屋ふるさと村に行こう!
歴史を感じることができるベンガラの町並は一見の価値があります。この吹屋ふるさと村で食事や宿泊を楽しむことができますので、歴史に触れながらゆったりと観光を楽しんでください。観光施設と宿泊施設にはお得な料金プランもありますので、事前にチェックしてください。最高の思い出と最高の食事と宿泊を、吹屋ふるさと村で作ってください。
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