柿其渓谷は南木曾町のおすすめ秘境!
柿其渓谷(かきぞれけいこく)は、木曽川の支流にあるV字谷の秘境です。木曽路の渓谷の中でも特に美しいといわれ、「恋路のつり橋」の上流には牛ケ滝や黒淵など大小の滝やエメラルドグリーンの淵が連続して、美しい景色を繰り広げています。
深い谷を埋めた巨大な花崗岩も見事で、ハイキングコースもあります。南木曾町(なぎそまち)でおすすめの秘境をご紹介します。
紅葉や牛ケ滝など見どころがたくさん!
柿其渓谷は、エメラルドグリーンの柿其川の清流にはじまり、25mの落差をダイナミックに流れ落ちる牛ケ滝、川底まで澄み切った黒淵などスケールの大きい渓谷美が人を引き付けます。
見どころはそれだけではありません。秋の紅葉です。山や谷が色とりどりの紅葉に染まる「山粧う」(やまよそう)とき、まるで別世界です。吊り橋もあり、ハイキングコースも整備されています。
柿其渓谷のハイキングコースと見どころ
「恋路の吊り橋」の上流8kmにわたって滝や淵などが美しい景色を見せる柿其渓谷。見どころが多く、遊歩道も整備されていて絶好のハイキングコースです。
まず、吊り橋から牛ケ滝まで10分、牛ケ滝から林道を40分歩くと展望台からの眺めが見事な「霧ヶ滝」。道路下に「虹ヶ滝」。やがて「カモシカ帰り」という岩壁や「雷の滝」があります。
長さ35メートル【恋路の吊り橋】
駐車場から遊歩道を数分、吊り橋が見えてきます。ワイヤロープを鉄製の柱で吊った長さ35mの橋。「恋路の吊り橋」の看板があります。
橋の横に「一度に5人まで」と、「吊り橋はゆれるものです ゆらす物ではありません」の注意書きが。橋の中央まで進むとかなり横揺れがします。そのスリルを楽しむ人もいます。
渓流沿いに整備された遊歩道を進む
吊り橋を渡って対岸へ出ると、柿其川に沿ってハイキングコースの遊歩道が整備されています。川には大きな石がごろごろと転がり、それを縫うように水が音をたてて流れ下って行きます。
きれいな水に誘われて川辺に下りて水遊びをする家族連れもいます。鉄製の橋で補強された遊歩道を先へ進みます。
美しいエメラルドグリーンの【黒淵】
間もなく、川底がくっきり見える透明度の高い淵に来ます。「黒淵」です。上流から流れ下って来たエメラルドグリーンの水が、淵に流れ着くと穏やかな流れになり、色も濃さを増して黒っぽくなります。
神秘的な水に手を入れてみます。あまりの冷たさにすぐ手を抜きました。夏は土地っ子の天然プールになります。
木曽随一の景勝地【牛ヶ滝】
断崖絶壁の深い谷底に、轟音を響かせ、水しぶきを上げながら流れ落ちる滝。エメラルドグリーンの水に白い水しぶき、水が渦巻く滝壺。「牛ケ滝」です。
柿其川の本流が、長年の水勢でくり抜いた花崗岩のウォータースライダーを滑り落ちるように流れる「牛ケ滝」。豪華な滝には、目を見張ります。その落差25m。木曽随一の景勝地です。
柿其渓谷は四季折々の自然が楽しめる
柿其渓谷は四季折々の自然が楽しめる秘境です。春は芽吹きに続いてツツジやシャクナゲが渓谷を彩り、夏はエメラルドグリーンのきれいな淵で水遊び、そして秋は錦繍の紅葉。ハイキングコースも整備されています。
また、渓谷の入り口には日帰り入浴や宿泊もできる温泉宿もあり、1年を通して楽しめます。アクセスが良く、遊歩道が整備されているのも評判です。
柿其渓谷は秋の紅葉の名所!
きれいな水と巨大な花崗岩がつくる渓谷美。そんな柿其渓谷の景色が秋になると、絵の具を塗ったような鮮やかな世界に一変します。
大小さまざまな滝や淵、エメラルドグリーンの豊かな流れが赤や黄色、オレンジに包まれ、息をのむ美しさを見せます。10月下旬から始まるシーズン中、紅葉狩りを楽しむ人が絶えません。
エメラルドグリーンの渓流と紅葉の鮮やかなコントラスト
渓谷を流れるエメラルドグリーンの水と、川辺から山をローラーのように染めていく紅葉。川と渓谷の鮮やかなコントラストは見事です。
外国よりはるかに多い落葉樹があり、それが短期間にみるみるうちに色とりどりの装いに変化していく日本の紅葉。そんな紅葉で彩られた谷の風景が谿紅葉(たにもみじ)です。
柿其渓谷の紅葉の見頃
柿其渓谷では、毎年10月中旬になると、牛ケ滝や黒渕、霧ヶ滝、虹の滝などの滝や淵が美しい紅葉に包まれます。
紅葉は日々変化し、1日のうちでも朝日に映し出される瞬間が最も見応えがある、といわれています。見頃は11月初旬まで続き、期間中紅葉狩りに訪れる人で渓谷やハイキングコースはにぎわいます。
柿其渓谷の紅葉撮影スポット①:黒淵と紅葉
人の背以上の大きな花崗岩が河川敷にゴロゴロ転がり、穏やかになった流れが深い淵をつくる「黒淵」。淵を覆うように張り出したブナやクロモミジ、カエデなどの木が、黄色や茶色になってあでやかな渓谷美を見せています。
日の光で刻々と色を変えていくエメラルドグリーンの水と、岩や紅葉が織りなす風景は絶景です。
柿其渓谷の紅葉撮影スポット②:牛ヶ滝と紅葉
牛ケ滝は、渓谷の紅葉撮影スポットの中でも抜きん出ています。屹立した絶壁に囲まれた滝壺に、跳び込むように流れ落ちるエメラルドグリーンの水、勢いよく上がる白い水しぶき、それを上から横から眺めるように立つ色鮮やかな木々。
感動のフォトスポットです。紅葉した葉が落ちた「紅葉の川」(もみじのかわ)も絵になります。
柿其渓谷のアクセス・駐車場
柿其渓谷は国道19号線から4kmほど山へ入った場所にあり、とてもアクセスの良い所です。ですから訪れた人が口々に「こんな所に、こんな秘境があるなんて」と言って驚きます。
ここでは、車を使って柿其渓谷へアクセスする方法と、電車を使って柿其渓谷へアクセスする方法に合わせ、駐車場についても詳しくご紹介します。
柿其渓谷への行き方
柿其渓谷まで車を使う場合は、長野自動車道の中津川ICで下車し、国道19号を塩尻方面へ向かって33km、45分で柿其渓谷です。塩尻ICからだと80kmで100分ほどです。
柿其渓谷まで電車を使う場合は、JR中央本線十二兼駅下車後徒歩60分。または南木曽駅で下車してタクシーで恋路の吊り橋手前駐車場まで約15分、その後徒歩15分ほどで到着します。
車での所要時間 妻籠から32分 南木曽駅から21分
名古屋方面からだと国道19号線で長野県に入り、約3kmで妻籠宿入口交差点。ここを直進して桃介橋(国の重文の木造吊り橋)を渡って7kmほど進み、柿其入口交差点を左折。
あとは案内看板に従って曲がりくねった狭い道を約4km、32分で柿其渓谷です。南木曽駅からだと21分です。
駐車場
柿其渓谷まで車で行く場合、宿泊施設「きこりの家」の前に無料駐車場があります。普通車30台が収容できる駐車で、トイレも完備しています。
バスなどの大型車両は全長7mまでの車が、「きこりの家」の前まで進入可能で駐車OKです。ロングバスなどの進入は柿其水路橋付近までですので注意が必要です。
柿其渓谷周辺で寄りたいスポット①:冬の湯治ができる温泉「いちかわ」
南木曾町・柿其渓谷の入り口に日帰り入浴と宿泊ができる宿があります。渓谷の宿「いちかわ」です。井戸を掘ったときに湧出したというラドンの酸性泉で、加温かけ流しの温泉。
痛風に効能があり、冬の湯治にも利用可能です。食事はイワナの塩焼きや馬刺し、お酒はどぶろく風味の地酒「杣酒」などが楽しめます。
基本情報
南木曾町にある「いちかわ」は、南木曽駅よりタクシーで15分ほどの、長野県木曽郡南木曽町読書1380-6にあります。予約は予約は電話0264-57-2655、FAX0264-57-2600 です。
入浴料は大人800円、小人400円。宿泊は大人10000円~13000円、小人9000円~11000円 (シーズン制)です。営業時間は、日帰り入浴が10時から20時となります。宿泊の場合、チェックインが15時、チェックアウトが10時です。
柿其渓谷周辺で寄りたいスポット②:美味しいそばを堪能「手打ちそば おんたけ」
南木曾町・柿其渓谷から4.2kmほどの場所に「手打ちそば おんたけ」があります。木曽郡産の玄そばを自家製粉、そばの聖地・開田高原と同じ方法で打ったそばは、やや切れやすく、太さが不ぞろいですが、香り豊かで野趣あふれる味わいが魅力です。
天ぷらは地場の恵みをふんだんに使い、サクサクとした食感が絶妙です。濃厚なそば湯でしめれば、至福の時が楽しめます。
おすすめメニュー
そば本来の味をシンプルに味わえる「ざるそば」(税込830円)や、天ぷらも一度に楽しめる「天ざる」(税込1650円)が人気です。
11月末から2月末には、その時期限定の「自家製すんきそば」(税込1050円)がおすすめです。甘辛いそばつゆと極上のそばのうえに、かぶの葉を乳酸発酵した漬物・すんきをたっぷりのせた、熱々のそばがおすすめです。
基本情報
南木曾町・柿其渓谷にある「手打ちそば おんたけ」はJR中央本線の野尻駅から1.5km、十二兼駅から2.3kmほどの、長野県木曽郡大桑村野尻3081にあります。電話番号は0264-55-2205です。
営業時間は、火曜から土曜・祝日が11時から14時30分と17時から19時30分の二部制となります。日曜は11時から14時30分のみの営業です。定休日は月曜です。
見どころいっぱいの柿其渓谷でハイキングを楽しもう!
紅葉や牛ケ滝など見どころいっぱいの南木曾町の秘境・柿其渓谷はいかがでしたか。きれいな水が、水しぶきを上げて滑り落ちる滝、その水が穏やかになり、まるで天然のプールのような淵。
全山が染まる秋。冬の湯治も可能で、通年見どころいっぱい。ぜひ、ハイキングコースに足を運び、木曽の秘境を楽しんでください。
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