人間将棋は天童桜祭りのメインイベント！勇壮な時代絵巻に酔いしれる！

日本の伝統文化将棋といえば通常は将棋盤の上で対局をする遊びですが、山形県天童市では巨大な将棋盤の上で駒武者を使いながら対局する人間将棋が毎年開催されています。リアルな衣装とパフォーマンスはまるで戦国絵巻を眺めているよう。天童市春の風物詩、人間将棋の魅力、見所、ルール、アクセス方法について見て行きましょう。

現在では人間将棋を始め「将棋のまち」として全国に知られる天童市と将棋の歴史は古く、天童市では将棋が庶民の娯楽として定着した江戸時代後期から駒作りが始められました。大正時代にはいち早く産業の機械化を進めたことで、将棋の駒作りは街をあげての一大産業となりました。現在では全国の生産量の大半を占めています。まさに人間将棋の街に歴史あり、と言ったところです。

天童市で量産型の将棋駒作りをしている業者のうち、名工と呼ばれる職人の作った将棋駒は国の伝統的工芸品指定を受け、天童市では伝統的な職人技の継承と将棋文化の発達に地域一体となって力を注いでいるのです。人間将棋もその文化を継承する一環として、地元の人に支えられているのです。将棋とともに発達してきた山形県天童市。人間将棋は天童市民に愛されているお祭りなのです。

人間将棋は毎年4月桜の見頃を迎える時期に開催される天童桜祭りのイベントの目玉として開催されています。毎年開催時期には、約５万人の人が訪れるお祭りです。人間将棋が開催される舞鶴山山頂は桜の名所としても有名で、人間将棋の舞台となる山頂で甲冑や着物姿に身を包んだ武者や腰元たちが、人間将棋の駒となり対局を行います。

人間将棋の始まりは、豊臣秀吉が伏見城で小姓と腰元を将棋駒に見立てて楽しんだことが元になったと言われています。天童市の人間将棋の歴史は古く、昭和51年から毎年この時期に全国各地の人を楽しませる、春の恒例イベントとなっています。この時期ならではの背景も一緒に楽しめるのが人間将棋の魅力でもあります。

天童市の人間将棋は毎年桜が見頃を迎える4月下旬に開催されています。時期が合えば満開の桜と共にイベントを楽しむことが可能です。2017年は４月22日と23日の週末にかけて開催されました。人間将棋と桜が満開の時期がぴったり重なるのはなかなか珍しいことだそうで、桜の時期による変化も楽しめるのが人間将棋の魅力です。

今年は映画「3月のライオン」公開記念とのコラボレーションとして、人間将棋開催二日目には映画監督の大友啓史監督と、桐山零を演じた神木隆之介さんが特別ゲストとして出演し、トークショーで会場に来たお客さんを大いに盛り上げました。天童市ではふるさと納税でも3月のライオンとコラボをしたり、3月のライオンに出てくる島田開というキャラクターが天童市出身だったりということもあり、街をあげて応援しているのです。

人間将棋の見所は何と言ってもそのスケールの大きさと、細部まで凝った装飾がされた駒役の武士や腰元の衣装です。勇敢に動くリアルな戦国時代の衣装を見にまとった駒達の演技は、まさに動く戦国絵巻を眺めているよう。圧巻の一戦は、将棋に詳しい人もルールをよく知らない人も、大人から子供まで楽しめるイベントとなっています。

人間将棋イベント当日もいきなり対局が始まるわけではなく、まずは織田信長や戦国武将に扮した役者さんが登場し、お芝居の対決が始まります。東軍西軍の大将が殺陣で戦いますが、その勝負は両者どちらも引けを取らずなかなか勝負がつきません。そこで「人間将棋」で対決だという流れになり、いよいよ戦局が始まるのです。

人間将棋で実際に対局するのは若手のプロ棋士。2日間で異なる棋士の対局が見られるのもお祭りの見所です。対局する棋士はそれぞれ裃を身にまとい、戦国武将さながらの雰囲気で会場を盛り上げてくれます。普段の対局では冷静沈着なイメージのあるプロ棋士のちょっとお茶目な面が楽しめるのも人間将棋の楽しみです。

駒役である武士が動く度に、 駒ごとに異なるリズムと音色の太鼓の音頭が取られたり、相手の駒を取るシーンでは駒役のアドリブいっぱいの演技が見られたりと、人間将棋はルールがわかならい人でも一局ずつ進むうちに会場は大盛り上がり。役者さんたちの迫真の演技にも目を見張るものがあります。実際に人間将棋を見た人からは、そのキャラクターのリアルさに驚いたという声が多数上がっています。

人間将棋のルールは通常の将棋盤と同じです。唯一通常の将棋と異なるのは、全ての駒を必ず１回は動かさなければならないということ。見ている側もどのタイミングでどの駒が動くのか、ドキドキしながら人間将棋を楽しむことができるのです。一局ごとにパフォーマンスが見られるため、人間将棋のルールを知らなくても楽しむことができます。

人間将棋の会場は、桜の名所としても知られる山形県天童市舞鶴山山頂です。最寄りの駅はJR天童駅で、新幹線の停車駅でもあるJR山形駅からは、JR山形線新庄行きで約20分で着くことができるので、遠方からのアクセスも簡単です。人間将棋の開催期間には駅から無料のシャトルバスも出ているため、人間将棋会場までのアクセスも楽々。

人間将棋で駒役となる駒武者は、16歳以上の方であれば誰でも応募をすることができます。 大観衆に包まれながら人間将棋に参加できるのも、全国でここだけ。人間将棋の面白さにハマってしまった！次は自分が人間将棋に参加して会場を盛り上げたい！という方は、是非記念に次回の駒武者役に応募をしてみてはいかがでしょうか。

天童桜祭りのメインイベントである人間将棋ですが、お祭り期間中のイベントはそれだけではありません。お祭りの開催期間中には将棋の女王コンテストや天童花笠踊りフェスティバル、しだれ桜祭りなど、天童市内で春の訪れと祭りの雰囲気を盛り上げる様々なイベントが開催されます。

また人間将棋開催当日は屋台やブースの出展なども数多く、1日を通して華やかな体験をすることができます。人間将棋のルールはよくわからない！という人でも満足できるような内容になっています。この時期ならではの春の風情を感じることができるのも、天童桜祭りの魅力です。

山形市のベッドタウン天童市は、人間将棋だけではなく「温泉のまち」としても知られています。天童駅から徒歩10分の好立地にある天童温泉は、街からのアクセスが簡単な至るところに飲泉所や手湯、足湯が点在しているため、町歩きの休憩スポットとしてぴったりです。人間将棋開催時期の4月の山形はまだ肌寒い時期なので、旅行者にも嬉しいですね。

日帰りで楽しめる温泉施設も多いので、人間将棋観光で歩き回ってかいた汗を洗い流すのにはぴったり。また天童市内には山形県らしい郷土料理を堪能できるお店だけでなく、天童市で有名な天童ラーメンや蕎麦屋など、人間将棋のイベント帰りに是非立ち寄りたい見所が詰まった町なのです。一日遊べるイベントに加え、魅力的な食事処、休憩どころが多いのも天童市が多くの観光客を引きつける理由です。

せっかく人間将棋の街を訪れたからには是非お土産にも天童市名産の将棋グッツをチェックしていきたいところ。人間将棋で有名な天童市を始め、山形県はラ・フランスやさくらんぼやぶとうといったフルーツも名産です。観光物産協会はJR天童駅のすぐ隣に位置しているので、アクセスもバッチリです。人間将棋のイベントの帰りには旅の思い出に是非のぞいて見てください。

桜舞い散る春の陽気に包まれて、歴史ある将棋の街山形県天童市で楽しむ人間将棋。戦国絵巻さながらの圧巻の一戦と、山形市内からのアクセスの良さで毎年多くの観客を楽しませてきました。地元の方だけでなく、全国各地から人間将棋を見物に来る人、参加する人を募ることで、人間将棋は春の一大イベントとなりました。

地元の人が一体となって盛り上げる人間将棋は大人から子供まで楽しめる見所満載で、1日楽しませてくれること間違いありません。徒歩でもアクセス可能な見所満載の天童市の一大イベント人間将棋は最適なイベントとなるでしょう。将棋が好きな人でもルールを知らない人でも、将棋の街が誇る人間将棋を見にぜひ一度足を運んで見て下さい。