悪石島へのアクセスは？ボゼの魅力やおすすめの見所・穴場を紹介！

悪石島(あくせきじま)は鹿児島県十島村、トカラ列島に属する7つの有人島の1つです。鹿児島県に属しつつも、鹿児島港からはフェリーで10～13時間もかかるため、普段は観光客があまり訪れることがない穴場スポットでもあります。一方、悪石島は「神々の島」とも呼ばれ、年に1度見られる「ボゼ」は知る人ぞ知る人気イベント!今回は、ボゼの魅力や見所、悪石島へのアクセス、おすすめ・穴場スポットをまとめました!

悪石島には、70人36世帯(2015年12月時点)が暮らしており、島の周囲は約13kmです。島の名前の由来は諸説あり、「島内に石がゴロゴロしており、崖の上から落ちてきそうだから」や、「平家の落人が、追手が寄り付かないように怖そうな名前にした」と言った説があります。少し怖い名前とは裏腹に、今でも島の神様を大事にしている温かい住民達が暮らす、のんびりした島です。

悪石島を始めとするトカラ列島の島々には空港が無いため、アクセスする手段はフェリーしかありません。就航している船は「フェリーとしま」のみで、トカラ列島の各島を経由しながら鹿児島から奄美大島へ行く便は週に2便、逆向きの奄美大島から鹿児島へ向かう便は週に2便出ています。

鹿児島からの便は、鹿児島本港南埠頭から出ています。飛行機の場合は、鹿児島空港から鹿児島本港南埠頭へはリムジンバス(1250円)が出ています。電車の場合は、JR鹿児島中央駅から桜島桟橋シャトルバス(160円)に乗り「高速船ターミナル」で下車、もしくは鹿児島中央駅からタクシーで15分程度です。

鹿児島本港南埠頭からのフェリーは週に2便(月曜日と金曜日)で、どちらの便も23時00分鹿児島港発です。悪石島までの所要時間は約10時間半。料金は一等席14030円、指定席9580円、二等席7010円です。それぞれ子供は半額で、二等席のみ学生割引があります(2割引)。

奄美大島からの便は、名瀬港から出ています。奄美大島へは成田空港や伊丹空港からLCCが就航しています。奄美空港から名瀬港へは、路線バスが出ています。名瀬港からのフェリーは週に2便(水曜日と日曜日)で、どちらの便も深夜2時00分名瀬港発です。悪石島までの所要時間は約5時間。料金は一等席9480円、指定席6280円、二等席4740円です。それぞれ子供は半額で、二等席のみ学生割引があります(2割引)。

悪石島にいつから人が住んでいたのかははっきりしていません。平家の安徳天皇が三島硫黄島に流されたという伝説では、悪石島から米が奉納されたという話がありますが、定かではありません。近代では第二次世界大戦末期の1944年8月、学童疎開の児童を乗せた船「対馬丸」が悪石島沖で沈没したと言う悲しい歴史があります。

「ボゼ」とは悪石島に伝わる、神様に扮した仮面装束のことで、ボゼが現れる来訪神行事そのものを指して言うこともあります。赤土と墨で作られた巨大な異形のお面をつけ、ビロウの葉をわさわさとまとったボゼは、日本では他に類を見ない形状で、東南アジアかどこかの異国の物のよう!トカラでも悪石島だけに残るめずらしい文化だと言うことで「悪石島のボゼ」は国の重要無形民俗文化財に指定されています。

悪石島一番の見所ボゼは、毎年盆の最終日翌日にあたる旧暦7月16日の午後に出現します。現在の暦では8月に該当しますが、日にちは毎年違うので事前に確認して下さい。ボゼに扮した人々は、島内にある聖域テラを出発して島民が盆踊りをしている公民館前の広場に訪れます。広場にボゼが滞在するのは15分程度。その後ボゼはすぐにテラへ戻っていきます。1年で15分程度しか見られないなんて、とっても貴重ですね!

ボゼは、広場に滞在する15分の間に住民たちの悪霊を祓うのが役目です。その祓い方も一風変わっていて、ボゼマラと呼ばれる棒の先端につけた赤い泥水を人々にこすりつけるというもの!これによって悪霊が祓われ、女性は子宝に恵まれるとされています。

悪霊を祓ってもらえるとは言え、棒を持って迫って来るボゼの迫力は大人でもびっくりするほど!子供たちは泣いて逃げ回り、中には泣き出してしまう子もいます。大人たちはそんな広場の大騒ぎの様子を見て大笑いし、大騒動の中またボゼは走って去っていきます。テラに戻ったボゼは、かぶっていたお面を壊してしまいます。これで一連の行事は終了です。

ボゼの時期に訪れる場合は注意点があります。島には民宿があり平常時訪れる観光客は民宿に泊まる事ができますが、ボゼの時期は民宿の人も祭事の準備にかかってしまうため、民宿に泊まる事ができません!旅行会社のツアーでは公民館での宿泊になります。また、この時期だけ運航される臨時フェリーの船内にも宿泊が可能です。ボゼの時期だけは「民宿でのんびり」というわけには行きませんので、注意して下さいね。

悪石島の魅力はボゼだけじゃないんです!実は悪石島は穴場の温泉スポットがいっぱい。しかもどれも個性的な見所いっぱいの温泉ばかり。ここ海中温泉はまさに自然の露天風呂!場所は海際にあり、見渡す限りの海を眺めながら温泉につかることができちゃうんです。ここで注意したいのは潮の満ち引き。完全に天然の温泉のため、温度調節する水を引いていません。

そこで温度調節に活躍するのが潮の満ち引き。潮の満ち引きによって海水が温泉に流入するので、適温の時を見計らって入るんです。干潮の時は源泉のままで熱すぎるし、満潮の時はほとんど海水と同じ。コツはやや干潮気味の時が丁度良いのだとか!なお入浴には水着が必要ですので、用意して行って下さいね。

湯泊温泉は建物内の内湯と露天風呂がある温泉です。観光客向けではなく、地元客に人気の公衆浴場と言った風情の、おすすめ温泉です。ちゃんと温度調節用の冷水もあり、男女風呂が分かれているので、海中温泉はちょっと難しいという方にもおすすめです。

砂蒸し風呂は湯泊公園キャンプ場の敷地内にあります。地熱を利用した天然の砂蒸し風呂で、温度が高めのため長時間利用する場合は毛布を敷いたほうが良いそうです。これら海中温泉、湯泊温泉、砂蒸し風呂はやすら浜港に近く、すべて徒歩でまわれる範囲にあるので、時間をかけてのんびり各温泉をハシゴするのがおすすめです。

断崖絶壁の多い悪石島ですが、特にビューポイントとしておすすめなのがここノンゼ岬です。綺麗な青い海を背景に、陸地では牛やヤギが牧草を食む姿が見られます。ノンゼ岬から5分ほど下に降りると悪石島灯台があり、こちらも人気のスポット。是非あわせて訪れて下さいね。

釣り好きの人にとって魅力的なスポットがここ、ハヨームネ・ガンコツです。島の北端、三角に切り立った岩礁の一級ポイントで、釣りポイントとして人気です。瀬渡し船が出ており、渡る事ができます。

悪石島は、ボゼの時期以外は観光客は多くないため、大型のホテル等はありませんし、民宿も悪石島内に4件しかありません。また、悪石島内にお食事処が無いため、民宿はいずれも3食付きが基本となっています。予約・お問い合わせは各民宿に電話しましょう。

悪石島には湯泊公園キャンプ場があります。広々とした芝生が広がっている気持ちの良いキャンプ場です。砂蒸し風呂に近く、温泉巡りをするには良い場所にあります。ただし、悪石島には飲食店が無く、島内には自販機が1台と商店が1件しかありませんので、食料や飲料は島に来る前に購入して持ち込む必要があります。しっかり準備をして行って下さい。

悪石島のボゼについて、基本情報やアクセス、その他の見所やおすすめスポット、穴場スポット等を一気にまとめてみました!悪石島の魅力は伝わったでしょうか?ボゼを見に行くも良し、それ以外のシーズンでのんびり島と温泉を楽しむも良しの悪石島、是非訪れてみて下さいね。