鳳凰三山の登山ルートをチェック！アクセスや山小屋情報もご紹介！

山梨県の鳳凰三山は南アルプス北東部にある地蔵岳、観音岳、薬師岳の三山のことを指します。いずれも標高2800メートル前後の高い山々で、古くは鳳凰山と呼ばれる信仰の山でした。ここではそんな鳳凰三山について、日帰り可能な登山ルートやアクセス、山小屋などの情報を交えながら紹介します。

鳳凰三山は山梨県のアルプス国立公園内にあり、日本百名山、新日本百名山、新･花の百名山、山梨百名山などに選定されている名山です。この三山には、滝巡りの人気コースや、鳳凰三山と南アルプスの名峰を縦走するコース、日帰り可能なコースなど、いくつもの登山ルートがあり、初級者から上級者まで、どんな登山者にも楽しめる人気の山々です。

青木鉱泉から鳳凰三山を制覇する縦走ルートは、中級クラス程度のコースで、青木鉱泉をスタート後、南精進ヶ滝、鳳凰小屋、地蔵岳、観音岳、薬師岳と進み青木鉱泉に戻るルートです。このルートは初心者向けの夜叉神峠ルートより短時間で登ることができ、滝などを巡ることができるため、人気のコースとなっています。

まず、青木鉱泉をスタートし、登ること2時間30分ほどで南精進ヶ滝に到着します。沢沿いに南精進ヶ滝や五色滝などの素晴らしい名瀑を巡りながら標高差1700メートルという、ややハードな急坂を3時間30分ほどかけて登ると鳳凰小屋に到着します。

鳳凰小屋に1泊し、2日目に鳳凰三山を目指します。鳳凰小屋を出発後約1時間20分で地蔵岳に到着します。地蔵岳から観音岳までは1時間20分、更に薬師岳までは30分ほどでアクセスできます。三山を縦走した後は、中道コースを5時間ほどかけて青木鉱泉に戻るという周回ルートとなります。

鳳凰三山の縦走では、変化や起伏に富む三山のや南アルプスの名峰など、素晴らしい景色を望みながら楽しい登山が満喫できます。

鳳凰三山の登山には、様々なルートがあり、登りと下りのコースを変えれば更に変化に富んだ登山が楽しめます。これから紹介する中級車向けルートは、御座石温泉や広河原、甘利山などから鳳凰三山を目指すルートで、人気のルートもあれば、あまり一般的ではない穴場のルートもあります。

鳳凰三山登山の中級車向けルートには、おすすめのルートが3つほどあります。まず1番目は青木鉱泉の北側に位置する御座石温泉から地蔵岳を目指すルート、2番目は地蔵岳の南西に位置する広河原から地蔵岳を目指すルート、そして3番目は青木鉱泉の南側に位置する甘利山から薬師岳を目指すルートです。

青木鉱泉の北側に位置する御座石温泉から地蔵岳を目指すルートを紹介します。このルートではまず御座石温泉からスタートし、西野平を経て、主に尾根伝いの樹林帯を進み、4時間30分ほどで燕頭山に到着します。燕頭山からは約1時間20分で地蔵岳に着きます。

このルートは難所は無いものの、白砂の崩壊している場所付近を通ったり、トラバースするスポットに架かる橋を渡ったりするため、足元の注意が必要となります。

地蔵岳登頂後、帰りのルートは種々ありますが。広河原に下れば総行程時間が10時間30分程度となり、日帰りも可能です。

地蔵岳の南西に位置する広河原から鳳凰三山を目指す場合は、まず広河原を出発し、白鳳峠入口まで3時間35分ほど北を目指して山を登ります。白鳳峠入口から東にコースを変え約1時間で白鳳峠に到着します。白鳳峠からは、高嶺、赤抜沢ノ頭を経て50分ほどで地蔵岳に到達します。

北岳の登山口でもある広河原は南アルプス登山では最も登山者の多い登山口で、途中の白鳳峠入口から地蔵岳までの高度差が1100メートルもある急峻なコースとなります。ハシゴやロープを使う場面もあるため、注意が必要です。

青木鉱泉の南側に位置する甘利山広河原駐車場から鳳凰三山では最も南東側にある薬師岳を目指すルートを紹介します。

このコースでは、まず甘利山広河原駐車場を起点に、30分ほどで甘利山にアクセス後、1時間30分ほどで大西峰へ、その後千頭星山、大ナジカ峠まで1時間30分、夜叉神ルートとの合流地点･苺平まで2時間40分、そして苺平から南御室小屋を経て2時間ほどで薬師岳に到着します。

このルートは、利用者の少ない穴場のルートですが、距離にして10キロと、夜叉神ルート同様かなり長いコースになります。

では最後に山梨･鳳凰三山登山の上級者向けルートを紹介しましょう。鳳凰三山周辺には南アルプスの様々な名峰が聳えており、日程が許せばそれらの山々に挑戦することも可能です。鳳凰三山から北岳、間の岳を縦走するルートや早川尾根を抜けて甲斐駒、仙丈ケ岳を登るルートなどがあります。

また別のルートでは鳳凰三山に青木鉱泉から日帰りでチャレンジする強行コースもありますが、1日十数キロをこなせる強靭な体力が必要です。

このルートは技術的に難しいルートではありませんが、体力を消耗するコースのため、自信の無い人は1泊するのが無難です。また、日帰りを目指して登っても、日没までに戻るのが難しい場合には途中で引き返す勇気も必要です。

鳳凰山から北岳･間ノ岳まで縦走するルートの起点となるのは夜叉神登山口です。ここから7時間ほどで薬師岳に到着します。薬師岳から地蔵岳まで約2時間、その後地蔵岳から広河原まで3時間45分ほどかけてアクセスします。この場所でまず1泊します。

広河原から白根御池小屋分岐、大樺沢二俣･右俣コースを通り、小太郎尾根分岐、そして5時間30分ほどで北岳肩ノ小屋に到着し、ここで更に1泊します。翌朝、両俣小屋分岐から30分ほどで北岳に着きます。北岳からは2時間30分ほどかけて間ノ岳にアクセスします。

このルートは途中、広河原と北岳の山小屋でそれぞれ1泊した後、北岳と間ノ岳に登るルートで、最短でも2泊3日、余裕があれば3泊4日かけてじっくり攻略するコースとなります。

地蔵岳を登頂後、北西方向の早川尾根を縦走すれば、甲斐駒や仙丈ケ岳にも登ることができます。地蔵岳付近の赤抜沢の頭を起点に、鷹峰、白鳳峠、広河原峠、早川尾根小屋、アサヨ峰まで約5時間、その後、栗沢山、仙水峠、駒津峰、甲斐駒ヶ岳まで約5時間という順番で縦走します。

地蔵岳登頂後に、そのまま北西方向にある早川尾根を縦走すれば、鳳凰三山以外にも甲斐駒ケ岳や仙丈ケ岳に登ることもできます。

地蔵岳までの時間や帰りの時間も換算すると2、3泊が必要となり、体力を消耗するため、時間と体力のある人はチャレンジしてみると良いかも知れません。

山梨･鳳凰三山にアプローチするには、まず、その起点となる登山口にアクセスする必要があります。

ここでは最も一般的な登山口･山梨県青木鉱泉へのアクセス方法始め、御座石温泉、山梨県甘利山へのアクセス方法や駐車場情報も併せて紹介しましょう。

山梨県青木鉱泉へアクセスする場合は、中央道須玉インターから国道141号に入り、薬師堂橋東詰で左折後、県道611号線を走行し、牧原で左折して国道20号を進みます。宮脇で右折後、700メートルで左折、川を渡ってすぐ右折して小部川沿いを走ってアクセスします。所要時間は30分強です。

青木鉱泉には有料駐車場があり、１日750円で約100台の車が駐車可能です。ただし、青木鉱泉宿泊客は無料で駐車できます。

山梨県御座石温泉へアクセスする場合は、JR中央線･韮崎駅下車後、山梨中央交通の鳳凰三山路線バスに乗り、御座石温泉で下車します。

鳳凰三山路線バスの値段は、大人1500円、子供750円で、荷物代として別途200円がかかります。

御座石温泉バス停の近くに無料の市営･御座石温泉駐車場があり、約80台の車が駐車できます。駐車場の住所は以下のとおりです。

山梨県甘利山へアクセスする場合は、中央道韮崎インターから県道27号を走り、東中学校前を真っ直ぐ進んで国道141号に入り、一ツ谷を左折して国道20号線に入ります。武田橋北詰で右折後直進し、神山町を過ぎたT字路を左折後直進して県道613号を右折、道なりに進めば40分ほどで甘利山広河原駐車場にアクセスできます。

甘利山グリーンロッジ前の甘利山広河原駐車場には約200台の車が無料で駐車できます。甘利山山頂に続く県道は、12月から4月末までの冬季にはゲートが閉められるため注意が必要です。甘利山広河原駐車場の住所は以下の通りです。

鳳凰三山をじっくり攻略するには、日帰りには無理があるため、山小屋に宿泊する必要が出てきます。

鳳凰三山の周囲には様々な山小屋があるため、登山ルートを決めた後はその途上にある山小屋の情報を入手し、事前に予約を入れておくことをおすすめします。

鳳凰小屋は御座石鉱泉や青木鉱泉からの登山の拠点となる標高2380メートル地点の山小屋で、地蔵岳の賽の河原まで徒歩約1時間の場所にあります。料金は1泊2食付きで8000円、素泊まりが寝具付き5000円、寝具無し4000円となっています。

夕食は鳳凰小屋こだわりのカレーが楽しめます。また、木々や花々に囲まれた山小屋付近では、雄大な山の自然が思う存分満喫できます。収容人数は150名で、テント場には1張800円で25張のテントが張れます。営業は4月末から年末年始までとなっています。

標高1520メートルの高さに位置する広河原山荘は、林に囲まれ、前方からは川のせせらぎが聞こえるシャワー付きの快適な山小屋です。

収容人数は80名で、1泊2食付きの料金が7820円、素泊まりが5200円となっており、テント場では、1張500円で100張ほどのテントが張れます。営業日は6月中旬から11月上旬となっています。

標高2720メートルの場所に位置する薬師岳小屋は、砂払岳と薬師岳の鞍部にあり、山頂まで10分ほどでアクセスできます。薬師岳小屋は、老朽化のためリニューアルを経て、2017年の夏より新しい建物で営業を再開しています。

この山小屋では40名の宿泊が可能で、布団や毛布などの寝具が完備しています。売店では、飲み物や酒類の他、記念バッジや絵葉書なども販売されています。

宿泊料金は、1泊2食付きが9000円、1泊夕食付8000円、寝具付き素泊まり6500円、寝具無し素泊まり5000円となっています。

夜叉神峠小屋は標高1790メートルの夜叉神峠の頂上にあります。この山小屋の収容人数は15名と小規模ですが、白峰三山の展望台としても知られており、小屋の周りは多くの登山者で賑わいます。キャンプ場では1張500円で15張のテントが張れます。7月初旬から8月末までの夏季は毎日営業していますが、その他の時期については問合せが必要となります。

料金は1泊2食付きが8000円、寝具付き素泊まり4500円、寝具付無し素泊まり3500円となっています。トイレはバルブ式、水場もあります。

標高2420メートルの高さにある南御室小屋は夜叉神峠登山口から薬師岳を目指すルートの途中にあります。この山小屋は基本的には週末のみの営業ですが変則的なため、事前の予約が必要です。宿泊可能な人数は70名で、水場があり、テント場は1人につき500円、50張が可能です。

宿泊料金は1泊2食付きが8800円、1泊夕食付7700円、1泊朝食付6600円、寝具付き素泊まり5500円、寝具無し素泊まり4500円となっています。

鳳凰山周辺の日帰り温泉としておすすめなのが青木鉱泉の北側に位置する御座石温泉です。この温泉は地蔵岳を目指すルートの起点ともなっており、多くの登山者が立ち寄ります。御座石温泉では宿泊、日帰り入浴のみのどちらも可能で、泉質は弱アルカリの単純温泉です。

御座石温泉にはテントサイトがあり50張のテントが張れます。無料の駐車場には80台の車と5台のバスが駐車できます。

山梨県の鳳凰三山は南アルプス北東部にある地蔵岳、観音岳、薬師岳の三山の総称です。これらの山々は縦走したり、ルートによっては日帰り登山もできます。ここではそんな鳳凰三山について、アクセスや山小屋、日帰り、登山ルートなどの情報を取り入れながら説明してみました。