台南「蝦仁飯（エビ飯）」はおすすめ名物料理！人気有名店もご紹介

台南小吃というほど多数の小吃（軽食）グルメが豊富な台南ですが、そのなかでも特に有名でおすすめなのが蝦仁飯です。ここでは蝦仁飯とは何なのか、その歴史や有名店などの情報をご紹介します。

台南名物の「蝦仁飯（エビ飯）」とは、見た目はチャーハンのようですが、作り方はチャーハンとは少々違います。まずそれぞれのお店の特製のダシを作り、その中にご飯を入れて煮るように炒めます。別の鍋で少し甘しょっぱい醤油味に味付けした小エビとネギを炒めてたものをご飯の上にたっぷり載せます。ダシで煮るので、パラパラのチャーハンとは違い、少し汁気のあるご飯です。日本の御茶碗サイズなので、女性でもペロリと食べてしまいます。

1922年（日本の大正11年）、台南蝦仁飯を始めて台湾（台南）に広めた人は、台湾が日本に統治されていた時代に日本の料理学校で学んだ人物だと言われています。確かに、カツオ節やエビからダシを作るという考え方は日本料理の知識からヒントを得たのだろうということが想像できますね。

毎日高雄の魚市場から新鮮なエビを仕入れて、手作業で一尾ずつ殻と背ワタを取り除き調理されます。新鮮なぷりぷりのエビは台湾の名物でもあります。また取った殻は集められアヒル（鴨）の養殖場に送られます。アヒルたちはエビの殻を混ぜたエサを食べておいしい卵を産むのです。

矮仔成蝦仁飯は台南名物蝦仁飯（エビ飯）の元祖で創業は1922年。現在のオーナーは4代目ですが、台南に数ある蝦仁飯のお店の中でも突出したおいしさは揺らぐことがありません。台南でも知らない人はいないほどのおすすめの超有名店です。

矮仔成蝦仁飯は台南ローカルにも観光客にも人気のあるお店ですので、一度に沢山の量を流れ作業の様に手際よく作っていきます。行列必死の有名店ですが、回転が速いので、並んでいればあっという間に順番が来ます。せっかく台南に行ったのであれば行列をしてでも食べていただきたいおすすめ料理です。

矮仔成蝦仁飯の味の特徴は大量の鰹節でとったダシです。日本統治時代意に台湾に持ち込まれた日本の鰹節は「柴魚片」などと呼ばれ台湾の食文化に定着しました。台湾の花蓮というところには鰹節博物館があるほど台湾人にはおなじみの食材なのです。

矮仔成蝦仁飯は台南ローカルだけでなく、観光客に大人気です。台湾伝統の味を求めて、多くの日本人が来店しますので日本語メニューもあります。これで中国語が話せなくても食べたいものを指さすだけで簡単に注文ができますね。

住所：台南市中西區海安路一段66號 電話番号：+866-6-220-1897

台南蝦仁飯の有名店の中でも1、2を争う集品集品蝦仁飯の店構えはローカルな雰囲気ですが、素材にこだわりを感じる蝦仁飯は台南ローカルの人々にもとても人気があります。ここの蝦仁飯は2010年の府城十大傳統美食（台南10大伝統美食）にも選ばれたことがあります。

有名店はどれも甲乙つけがたいのですが。こちらは他店に比べしっかり目に味がついているような気がします。高級米を使用したご飯が、鰹節とエビで取られたダシをたっぷり吸いこんで茶色に色づいている様子は食欲をそそります。

「集品蝦仁飯」のお米は、台湾の米どころとして有名な雲林県で獲られる「西螺米」を使用しています。濁水渓の上流からもたらされた土壌は豊富なミネラル分を含んでおり、炊きあがりも瑞々しく、香りも良く美味で、かつては天皇に献上されたこともある高級米です。

実はこの集品蝦仁飯、もともとは矮仔成蝦仁飯のオーナーの息子が独立して創業した店で、最近では「もう息子は父親を超えた」などという台南ローカルの意見もあります。創業者である父親の背中を見て育った息子はさらなる味しさの追求のために努力をしたのでしょう。今では台湾の名物料理ですが、その歴史にドラマを感じます。

台湾で人気の飲食店にはメニューの他にだいたいこのような注文票があって、注文する際に渡してくれます。万が一日本語のメニューがなくても、漢字が読めるのが日本人の強みですね。文字からどのようなものか大体イメージできます。左下の「請先付款」は「先払い」の意味ですのでご注意ください。

小吃（シャオチー）とは大きなレストランでたくさんの量を頼むのではなく、気軽に入った店でちょっと小腹を満たすような軽食を指します。蝦仁飯も有名な台南小吃の一つですので、提供される量は基本的には小ぶりです。お腹に余裕のある方は何店舗が食べ比べをするのもおすすめです。

住所：台南市中西區海安路一段107號 電話番号：+866-6-226-3929

定番の蝦仁飯に飽きてしまった方におすすめしたいのがこの明卿蝦仁飯、作り方が上記の2店舗とは少し違います。上記の二店舗がお出汁にお米を入れて炒めるのに対し、こちらは玉ねぎとエビを甘く炒めたところにご飯を入れて炒めます。ピラフに近いのですが、甘く味付けされた新鮮なエビの量は断トツです。

また、明卿蝦仁飯は蝦仁飯だけでなく、人気の台南小吃も扱っています。観光客で台南を訪れる場合は時間制限があると思いますので、このお店でしたら、一度に様々な小吃を楽しめます。カップラーメンの由来でもある意麺なども扱っていいますので、蝦仁飯とともに是非試してみてください。

住所：台湾台南中西區民族路二段270號 電話番号：+866-6-222-0806

ところで、エビ飯の横についている黄色いものに気づきましたか？そうです。あれは「たくあん」です。台湾のたくあんは日本のたくあんと少し作り方が違っており、干し大根を使用した塩漬けを黄色く着色したものです。日本の統治時代の影響で、今でも年配の方は「タクアン」という日本語を知っているそうです。蝦仁飯には台湾の歴史もいっぱい詰まっているのです。

台湾で卵というとアヒルの卵（鴨蛋）を指すことが多いです。アヒルの卵は台湾人にとってとてもポピュラーな食材です。アヒルの卵は鳥の卵（雞蛋）より一回り小さく、青白い色もしくは少し肌色がかった色をしています。台湾料理を楽しむのならぜひアヒルの卵をおすすめしますが、苦手な方は鶏の卵を選択できるお店もあります。

アヒルの卵は半熟、固め、スクランブルエッグと焼き方が選べるのですが、黄身が半熟の目玉焼きは台湾人にも大人気です。ダシをたっぷり吸いこんだお米に半熟の卵の黄身がとろりと流れ出す様子はこれぞ蝦仁飯！台南ローカルのみならず観光客にも人気のトッピングです。

ご飯ものにスープは欠かせません。カツオ出汁のスープに溶き卵。この溶き卵も基本はアヒルの卵です。エビの殻を混ぜた栄養たっぷりのエサで育ったアヒルの卵は味が濃く、さっぱりとしたカツオ出汁と合わせるとなんだか懐かしい気持ちになります。

台湾は蛤の産地としても有名です。台湾名物の蛤スープはプリプリとした蛤から良く出汁が出ていて、しっかりとした味のついている蝦仁飯によく合います。日本の蛤のお吸い物をイメージすると、ちょっと薄味かもしれませんが、蛤の風味としょうがの香りが楽しめるとてもさわやかな台湾を代表するスープです。

つみれスープ魚丸湯のつみれは白身魚のすり身で、日本のつみれよりもしっかりとした弾力のあるつみれです。つみれから魚のお出汁が出て、優しい味のスープです。台湾の名物料理の一つとしてもとても有名ですなつみれスープは、つみれスープの専門店があるほど人気の台湾料理です是非蝦仁飯とご一緒にどうぞ。

サバヒー（虱目魚）は台湾の大衆魚でイワシやニシンの仲です。焼きサバヒーは外がカリカリ中はジューシーで日本人の口によく合います。台南でよく収穫されるのですが、痛みやすいため、新鮮なサバヒーは台湾でも台南以外の土地ではあまり目にすることはない台南の名物です。蝦仁飯のお店にもサイドメニューとして置いている場合もあります。もしお店にあったら頼んでみましょう。

上記にあげた名店はいずれも人気店のため、お昼時は行列必死です。回転は速いのですが、もし席が中々空かないようであれば、テイクアウトもできます！実はお客さんの半分はテイクアウトです。作りたてが一番おいしく、台湾の食堂の雰囲気を是非楽しんでいただきたいのですが、どうしても待ちたくない方にはおすすめです。

いかがでしたか？蝦仁飯（エビ飯）は台南ローカールのソウルフードと言っても過言ではないほど台南では人気の高い料理ですが、台湾に日本の食文化を参考にした料理が根付いているのはうれしいですね。お店によって味付けや素材にこだわりがありますので色々と食べ比べをしてお気に入りのお店を探してくださいね。