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抜海駅は北海道にある日本最北端の秘境駅!情緒溢れる木造駅舎が魅力

抜海駅は北海道にある日本最北端の秘境駅!情緒溢れる木造駅舎が魅力
投稿日: 2018年4月27日最終更新日: 2020年10月8日

北海道稚内市にある宗谷本線の抜海駅をご存知でしょうか。大正時代に建てられた駅舎が情緒たっぷりで鉄道ファンのロマンを掻き立てる、ノスタルジックな風情の無人駅です。今日は日本最北端の秘境駅、抜海駅の魅力を余すところなく存分にご紹介します。

日本最北端の秘境駅「抜海駅」をご紹介見出し

Photo by Travel-Picture

北海道の旭川から稚内を結ぶ、全長269.4キロメートルに及ぶ宗谷本線の終点近くに、古い無人駅の抜海駅があります。付近には人の暮らす家も店舗も何もないうらぶれた荒野にぽつんと佇むこの駅は、かつて映画やテレビドラマのロケにも使われた、知る人ぞ知る秘境駅です。今日は鉄道ファンのみならず、映画ファンの聖地でもある抜海駅の魅力をたっぷりとお届けします。

北海道の秘境駅「抜海駅」はどんな駅?見出し

北海道の各地の地名にアイヌ語が使われているように、抜海という地名はアイヌ語で「子を背負うもの」を意味する「パッカイぺ」から付けられました。稚内市抜海村のはずれに抜海岩という岩があり、その姿が子どもを背負っているように見えることから抜海という名前になったそうです。宗谷本線抜海駅は単線の無人駅で、日本最北の木造駅舎を持つ駅です。

北海道の秘境駅「抜海駅」の歴史見出し

宗谷本線抜海駅は1924(大正13)年に、現JRの前身であり当時は鉄道省と呼ばれていた国の行政機関による、塩北線稚内駅と兜沼駅間の鉄道の開通に伴い開業した駅です。94年前の開業時に建設された木造駅舎は、現在も現役で使用されています。有人駅であった時代の賑やかさは失われましたが、そのひっそりとした佇まいを訪ねてくる人も多くいます。

北海道の秘境駅「抜海駅」はどこにあるの?見出し

Photo by A_CUVE

宗谷本線抜海駅は、北海道稚内市抜海村字クトネベツにあります。毎年大晦日には、宗谷岬へ初日の出を見に行く人たちで賑わう稚内は、言うまでもなく日本最北端の地です。その稚内駅は宗谷本線の終点であり、抜海駅は稚内駅の2つ手前の駅です。稚内からは電車で約15分、幌延からは約45分、名寄からは3時間10分ほどのところにあります。

北海道の秘境駅「抜海駅」のアクセス:鉄道見出し

Photo by x768

宗谷本線の特急「宗谷」で旭川から稚内までは、3時間40分ほどかかります。もし抜海駅までJRでのアクセスをお考えであれば、旭川で宗谷本線に乗車し名寄と幌延で乗り換え、5時間45分くらいはかかる、かなり長い鉄道の旅になります。また抜海駅に停車する電車は現在1日に3本ですので、宗谷本線を利用する場合は時間に十分余裕をみて旅行計画をたててください。

北海道の秘境駅「抜海駅」のアクセス:車見出し

Photo by snotch

宗谷本線抜海駅はJRの駅ではありますが、利用人数の非常に少ない無人駅ですので、旅行者にとってはやはり不便さは否めないところです。もし空路で稚内空港へ行くのであれば、空港からレンタカーを使うのが良いでしょう。特に途中の国道238号線はオホーツク海沿いを走るシーサイドラインですので、気持の良いドライブを楽しめます。

北海道の秘境駅「抜海駅」の見どころ見出し

抜海駅の魅力は、何と言っても情緒たっぷりの古びた木造駅舎です。日本最北の無人駅の駅舎である抜海駅の駅名標は、よく見るとオホーツク海沿岸の海の町らしく、細かい貝殻で作られています。長い間の風雪にも負けずに耐えてきた駅舎には、そこはかとない力強さを感じます。ぜひじっくりと観察したい抜海駅の駅舎です。

抜海駅の駅舎内に入ってみると、白い壁と赤い窓枠が明るい印象です。有人駅の時代から長い間ここに暮らす人々の生活を支えてきたであろう、その面影をはっきりと感じることができます。あと数年で築100年を迎える木造の駅舎は、その佇まいそのものが情緒を醸し出している必見の場所です。この駅舎を見ると、鉄道ファンがここを訪れる気持ちがよく分かります。

抜海駅は無人駅ですが、稚内駅が管理していてきちんと整備されています。駅舎内にはノートが1冊置いてあり、ここを訪れた旅行客が思い思いのコメントを残していきます。大勢の方が残したコメントを読んでみると、素朴な人のぬくもりと温かみを感じられます。抜海駅の駅舎でのんびりとこの駅の歴史や、人々の暮らしに思いを馳せるのも旅の良い思い出となることでしょう。

映画のロケ地「抜海駅」見出し

1983(昭和58)年公開の日本映画「南極物語」を覚えている方も多いことでしょう。時代背景は1956(昭和31)年、南極観測隊の第1次越冬隊が、南極観測船「宗谷」で南極へ向かう際に同伴した15頭の樺太犬をどうしても一緒に連れて帰ることができず、昭和基地に置き去りにした悲劇の物語です。抜海駅はそのロケ地としても使われた場所です。

映画「南極物語」のロケで抜海駅は、主演の高倉健さんが南極に置き去りにされた樺太犬の持ち主だった女性をこの抜海村に訪ね代わりの犬を差し出すという、とても重要なシーンで使われました。おそらくその当時からあまり変わってはいないだろうこの抜海駅に佇んでみると、まるでその名場面が目に浮かぶようです。

映画「南極物語」は、1年後に越冬隊の犬係だった2人の隊員が、残してきた犬たちのうち2頭の兄弟犬タロとジロとの再会を果たす、という感動のフィナーレを迎えます。そしてこの映画は2006年にディズニーによって「Eight Below」というタイトルでリメイク版も製作されました。北海道をロケ地とする映画は数多くありますが、抜海駅も映画史に残る名場面を演出した記念の場所です。

ドラマのロケ地「抜海駅」見出し

実は抜海駅はテレビドラマのロケで使われたこともあります。1985(昭和60)年に当時のトップアイドル、小泉今日子さんの初主演ドラマとして放映された「少女に何が起こったか」というタイトルのドラマで、主人公の少女が母親と二人、北海道の抜海村で暮らしていた、という設定で抜海村が登場しました。抜海駅にはドラマの写真などが貼ってあり、当時を偲ぶことができます。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:抜海原生花園見出し

宗谷本線最北の無人駅である抜海駅周辺には住宅は殆どなく、もちろんコンビニなどのお店もありませんが、駅から徒歩で10分ほどのところに「抜海原生花園」があります。お天気の良い日には利尻島がくっきりと見える、風光明媚なところです。せっかく抜海駅を訪れたのですから、ぜひ少し足を延ばして素晴らしい利尻島の遠景を眺めてみてください。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:抜海港見出し

レンタカーで旅行の方にはぜひ行っていただきたい場所が「抜海港」です。稚内からでも30分ほどのドライブで行けるところです。オホーツク海の新鮮な魚介類の水揚げで活気のある港ですが、この漁港からの利尻島の眺めも格別です。さすがに利尻富士と形容される見事な美しさは、思わず息をのむほどです。

そして「抜海港」のもうひとつの見どころが、この愛嬌たっぷりの可愛らしいゴマフアザラシたちです。毎年冬になると流氷に乗って「抜海港」へやって来ます。多いときで400頭ほどのアザラシが11月から4月頃までここで越冬します。ゆったりと泳いだり、のんびりと横になったり、思い思いの格好でまったりとしている姿を見ると、こちらまでほんわかと暖かい気持ちになります。

稚内市では11月から3月まで、防波堤の近くにゴマフアザラシの観測所を設置しています。双眼鏡も借りられるようですので、ぜひ利用してください。また今年からゴマフアザラシの生息地にライブカメラを設置し、観測所にある装置で遠隔操作して、アザラシの生態などを観察する試みも始まりました。可愛らしいゴマフアザラシの姿に癒されてみるのも良いものです。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:オロロンライン見出し

北海道の道路は、こんな風にどこまでも果てしなくまっすぐ続いていくところが多いです。「オロロンライン」とは、石狩市から稚内市までの日本海沿いを走る道路で、絶景のオンパレードが続く素晴らしい観光スポットのひとつです。特にサロベツ原野のあたりから臨む利尻富士の美しさには定評があります。

次から次へと現れるこんな絶景を目にすることが、海沿いを走ることの醍醐味ではないでしょうか。季節によって、お天気によって、そして時間によってもその姿を刻々と変える素晴らしい景観を見るためだけに「オロロンライン」を走っても、決して無駄ではないような気がしてきます。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:宗谷岬見出し

Photo by nachans

抜海駅を見学した後には、ぜひ周辺の観光も楽しみたいものです。稚内は日本最北に位置していますので、宗谷岬には「日本最北端の地の記念碑」が建っています。寒風吹きすさぶ岬の先端に佇んでみると、眼前にオホーツク海がうなるように迫ってくる絶景を楽しむことができ、またお土産屋さんでは日本最北端の地到達証明書を販売しています。

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宗谷岬観光!日の出やドライブにも良い絶景づくし!アクセス方法紹介 | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
日本最北の地とはどんなところか皆さんは知っているでしょうか?それは宗谷岬というところです。この観光スポットは北方領土を除く現在の日本の領土の中で一番北にあり、日本全国で有名になっています。今回は宗谷岬の観光情報をまとめました。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:ノシャップ岬見出し

Photo by acidlemon

稚内市街地からも近い「ノシャップ岬」も外すことのできない観光スポットです。宗谷岬同様、常に強風にさらされる場所ですが、可愛らしいイルカのオブジェと海に沈む夕陽の美しさで人気の観光地です。お天気が良ければ、言葉を忘れるほど美しい夕焼けが見られますし、日がすっかり落ちた後に海の色が変わっていく様子も見事な絶景です。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:稚内公園見出し

Photo by Rick McCharles

稚内市内にある稚内公園もぜひ行ってみたい観光スポットのひとつです。駅からもほど近い高台にあるので、稚内市街地はもちろん、遠く利尻島や礼文島までも見渡すことができます。ここにある「氷雪の門」は、その昔日本の領土だった樺太(サハリン)で亡くなった日本人の慰霊のために建立された像です。当時の人々の故郷への望郷の念を強く感じられる場所です。

Photo by Rick McCharles

稚内公園には、ここで南極観測隊と一緒に南極へ渡った樺太犬たちの訓練が行われたことから「樺太犬訓練記念碑」が建っています。抜海駅が映画「南極物語」のロケ地となり、タロやジロを始めとする樺太犬の活躍は多くの人々の心を打ちましたが、稚内の人たちにとってこの犬たちはより身近な存在だったのでしょう。野生の鹿に遭遇することもある、割と穴場的な観光スポットです。

北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の観光:北の桜守パーク見出し

抜海駅は映画やドラマのロケ地になったことで知られていますが、実は稚内市でも2017年に映画のロケが行われました。吉永小百合さん主演の「北の桜守」です。それを記念して、ロケで使われた建物を利用した「北の桜守パーク」という資料館がオープンしています。また映画で使われたセットは、現在網走の道の駅に展示されていますので、映画好きの方はそちらも必見です。

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北海道の秘境駅「抜海駅」周辺の宿泊見出し

旅人宿ばっかす

稚内市抜海村唯一のお宿がこちらの「旅人宿ばっかす」です。利尻の見える小さなお宿、というふれこみ通りとても小さな宿ですが、海の幸たっぷりのボリューム溢れるお食事と素朴なおもてなしで、ライダーやバイカーたちに人気のお宿です。この辺りは悪天候になると移動も難しいので、無理をせず抜海村で一晩過ごすのも楽しい思い出になるでしょう。

住所:北海道稚内市大字抜海村字バッカイ116-4 電話番号:0162-72-9625

ANAクラウンプラザホテル稚内

Photo by daipresents

宗谷本線抜海駅を訪れる旅の終わりは、眺めの良いホテルの部屋でゆっくりするのはいかがでしょうか。前述したように抜海駅のある抜海村には小さな宿が1軒ありますが、観光で稚内に来たら市内には便利なホテルがたくさんありますので、1泊して旅の疲れを癒すのもおすすめです。「ANAクラウンプラザホテル」は、客室の窓から利尻島、礼文島などが臨める絶景の宿です。

ANAクラウンプラザホテル稚内(旧:稚内全日空ホテル)

住所:
北海道稚内市開運1-2-2
アクセス:
JR稚内駅徒歩3分/稚内空港からバス35分【バス停はホテル前】・車で20分/フェリーターミナルまで車3分
料金の目安:
3,255円〜
提供:

稚内サンホテル

稚内駅から徒歩で約3分の場所にある「稚内サンホテル」は、宗谷バス駅前ターミナルからは徒歩約1分、また稚内港フェリーターミナルからは約10分ほどと、どこへ行くのにも便利な立地のホテルです。近くに国の登録有形文化財であり、底曳き網漁の親方だった瀬戸常蔵氏の邸宅で、昭和27年に建てられた「旧瀬戸邸」がありますので、訪れてみるのも良いでしょう。

稚内サンホテル

住所:
北海道稚内市中央3-7-16
アクセス:
JR稚内駅より徒歩2分/稚内港フェリーターミナルより徒歩10分/稚内空港より路線バスで30分・車で20分
料金の目安:
3,500円〜
提供:

稚内グランドホテル

Photo by regvn

広々としたきれいな客室と、大きな大浴場が自慢の「稚内グランドホテル」は、設備や客室のアメニティも充実していて、朝食もとても美味しいと評判のホテルです。最寄り駅は稚内駅と抜海駅の間にある南稚内になりますが、空港からは車で20分ほどと立地も申し分ない、観光の拠点としてもとても便利なホテルです。

稚内グランドホテル

住所:
北海道稚内市大黒2-13-11
アクセス:
JR 南稚内駅より徒歩3分/稚内空港よりバス・車で約20分
料金の目安:
3,880円〜
提供:

ペンション亜留芽利亜

鮮やかなイエローの建物がひときわ目を引く「ペンション亜留芽利亜」(ペンションアルメリア)は、オホーツク海の目の前に建つお宿です。決して大きな宿ではありませんが、新鮮な魚介類たっぷりの美味しいお料理と、細やかなおもてなしで落ち着けるペンションです。本当に最果ての地に来たと実感できる立地の宿で、心地よい潮風を楽しんでください。

ペンション亜留芽利亜

住所:
北海道稚内市宗谷村富磯番外地
アクセス:
車以外/新千歳—稚内直行便、稚内空港より車で約10分、国道238沿い
料金の目安:
3,800円〜
宿泊時間:
宿泊時間: 15:00 (IN) 〜 10:00 (OUT)
提供:

北海道の秘境駅「抜海駅」へ行ってみよう見出し

Photo by yoppy

映画やドラマのロケ地にもなった、北海道宗谷本線の抜海駅を周辺の観光スポットや宿泊などの情報も併せ、いろいろご紹介してきました。いかがでしたか?ひっそりとした佇まいが情緒たっぷりの抜海駅は、鉄道ファンならずとも深い歴史を偲び、実りある旅の思い出を私たちに与えてくれるのではないでしょうか。次に北海道を旅行する時には、ぜひ抜海駅へも足を延ばしてみてください。

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投稿日: 2018年4月27日最終更新日: 2020年10月8日

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