三河湾の離島・佐久島へのアクセス方法
今、佐久島アートで注目の佐久島。三河湾の真ん中にある佐久島までのアクセス方法を名古屋、大阪、東京からのケースで、それぞれ電車の場合と車の場合について紹介します。大阪からのアクセスについては費用面や所要時間で様々なパターンがあります。また佐久島までのアクセスだけでなく、島の中での移動手段についてもご紹介します。
佐久島はどこにあるのか
佐久島は愛知県の知多半島と渥美半島に抱かれた三河湾の真ん中にあります。西尾市の一色港から佐久島西港まで約10kmで、定期船で約20分のところにあります。フグやタコで有名な日間賀島のすぐ北東にあり、広さは東京ディズニーランドの3.5倍です。海岸線は11.6kmで人口252人の離島です。
佐久島アートで注目の佐久島
佐久島を気になる島にしたのは、佐久島アートでしょう。島の各所に22個の造形物が点在しています。特に有名なのが「おひるねハウス」や「イーストハウス」です。まわりの風景に溶け込んでいるのが特徴で、今流行りのインスタ映えすること確実です。このようなことから女子旅としても注目されています。
また大正5年に建てられた八十八か所の小さな弘法の祠(ほこら)が、時とともに傷んだり、失われていたのですがアートの力を借りて蘇っています。これを「弘法巡り」としてお遍路体験ができるようになっています。八十八番 は「崇運寺」というお寺で1192年建立です。徳川家康も滞在しました。「佐久島アート」とともに徒歩や自転車でまわります。
佐久島をアートの島にする試みのきっかけは1995年頃に遡ります。元々海運業が盛んだった佐久島は人口も減り、寂しい思いをしていましたが、そんな時国土庁(当時)の離島振興調査委員会が訪れ、島の自然の魅力を島民に伝えました。そこで町役場(一色町)が委員会に佐久島活性化策定ビジョンを依頼するとアートを中心にした案が提示されました。
その後、島民中心のボランテイア組織である「島を美しくする会」が中心にして、町役場も協力し民間の企画会社「オフィス・マッチング・モウル」に具体案を業務委託しました。島外のボランテイアも参加し、あらゆる立場の人が協力し合って現在のような形ができました。プロに任せきりにするのでなく、島民も強い意識で進めてきた結果でしょう。
西集落の黒壁も魅力的な佐久島
もう一つ気になるスポットが西集落の黒壁です。黒色の「おひるねハウス」は、この西集落の黒壁をモチーフにしています。もともと船底に塗っていたコールタールを潮風に耐えるよう家に塗ったものが残っています。しかも風に耐えるようにするために家を互い違いに建てる工夫もしており、その名残が今の黒壁の景観になったと言われています。
西地区は東に比べて昔から台風の被害が少なかったために黒壁の景観が残ったと言われています。この黒壁の景観を保存するため、空家を安全性の高い黒ペンキで塗って黒壁のように整備してアート作品化する「佐久島空家計画」もあります。空家問題と佐久島アートプロジェクトの推進という2つの課題を一気に解決する力強い計画です。
宿泊施設や店は東地区にあります。西地区には滞在型市民農園として近年注目を浴びている佐久島クラインガルテンもあり年間48万円で滞在しながら野菜づくりができます。完全移住ではなく、おためしのプチ移住ができるわけです。敷地内にはバーベキュー会場もあります。グルメは年間を通して味わえるタコや冬グルメのカキがおすすめです。
佐久島へのアクセス方法の特徴
まず「フェリー」について少し説明します。新日本海フェリーとか阪九フェリーのような呼び名の船は車を運びますのでフェリーは車を運ぶ船と思っている人は多いと思います。しかし「フェリー」とは観光ではなく日常の交通手段として使われる客船、貨客船の意味です。車を運ぶ場合は厳密にはカーフェリーと呼びます。
佐久島へは西尾市一色港からのフェリー(客船)によるアクセスのみで、カーフェリーではありませんので車で上陸することはできません。同じく三河湾に浮かぶフグやタコで有名な日間賀島や笹島は知多半島からアクセスしますので、佐久島にも知多半島から行けそうですが、知多半島からのアクセスはありません。
佐久島側の港は西と東の2つあり、一色から来た船はまず、西港(西渡船場)に入港し、さらに約5分で東港(東渡船場)に入港します。帰りは逆に東港から西港経由で一色に向かいますので散策コースとしては西港で下船し、東港に向かって散策し東港から帰るコースが一般的です。
また夕方、宿泊施設について翌日散策する場合は、宿泊施設は東港近辺にありますので、佐久島に来た時は東港まで行って、翌日西港方面に向かって散策して西港から帰途につくと便利です。ただし自転車を借りて島を散策する場合は2kmほどしか離れていない西港と東港の区別は不要です。ちなみに西港で借りて東港に返すことも(その逆も)可能です。
名古屋からの電車と船での佐久島へのアクセス方法
名古屋から電車でアクセスする場合、名鉄の名古屋本線で新安城まで行き、西尾線で西尾駅まで行き、バスに乗り換えて佐久島行きのフェリーが出る一色港(さかな広場)に向かうコースです。名鉄では急行 吉良吉田行きに乗れば、乗り換えなしで行けますが本数が少ないので、特急で新安城まで行き、西尾線に乗り換えるのが一般的です。
名鉄バスから船への乗り換えの待ち時間は22分から47分で、その間はさかな広場で時間を潰すことができます。一色港から佐久島西港までは約20分でさらに約5分で佐久島東港へ向かいます。旅館は東港近辺ですので宿泊に向けて夕方着の場合は東港が便利です。船は定員110名の高速船で屋上デッキもあり快適な船旅になります。
佐久島へのアクセス・フェリー待ち時間に「一色さかな広場」
三河一色といえば浜名湖などと並んで有数の国産うなぎの産地です。特にスーパーに並んでいる国産うなぎの産地によく登場します。この一色港に「さかな」をテーマにしたショピングエリアがあります。海鮮丼、寿司、うなぎなどをいただける食堂から、海産物、野菜、お菓子などの販売店まで数多く並んでいます。
また月曜日以外の毎日5:00から8:00(土日は12:00)まで朝市を開いていますので、とれとれの魚介類から野菜まで、あらゆる店が並びます。とれたて海鮮料理の店やうなぎ屋はもちろん、うどん屋や韓国料理食材など異色の店も並びます。港の市場ならではの雰囲気が味わえます。
名古屋から車と船での佐久島へのアクセス方法
名古屋から車でくる場合、名古屋北部か東部にお住まいの方は東名高速を使い東名高速岡崎ICを出て一路南南西の一色港(一色さかな広場)を目指します。また名古屋南部にお住まいの方は、名古屋高速3号大高線から大高で伊勢湾自動車に乗り豊明ICで降りて国道23号線で一色港(一色さかな広場)を目指します。
車は「一色港」と「一色さかな広場」を兼ねた1000台収容の駐車場に停めて船に乗ります。駐車料金は無料ですので佐久島での宿泊でも停めておけます。船に乗り、徒歩での移動や宿への宿泊がありますので、車といえども荷物はコンパクトにし、歩ける靴を履いてくるのが無難でしょう。
東京からの電車と船での佐久島へのアクセス方法
東京から電車で向かう場合、最短距離で最安では東海道新幹線の豊橋駅で下車し、名鉄豊橋から名鉄名古屋本線で新安城に向かい西尾線に乗り換えて西尾駅に向かう方法ですが、豊橋駅から西尾駅までは約1時間で、名古屋から西尾も約1時間ですので、割高ですが本数の多い「のぞみ」で名古屋にでるのも便利です。
東京からの車と船での佐久島へのアクセス方法
東京から車でアクセスする場合は東名高速の音羽蒲郡インターチェンジを出て県道73と国道23号を通って一色港に向かいます。一色港(さかな広場)の駐車場(1000台収容 無料)に停めて、フェリー(客船)で佐久島に向かいます。駐車場は無料ですので宿泊の場合も心配する必要はありません。
大阪からの電車と船での佐久島へのアクセス方法
大阪から電車で佐久島に向かう場合は、新幹線で名古屋駅まで行き、名鉄名古屋本線で新安城、そして新安城で西尾線に乗り換えて西尾駅に行き、バスで一色港に向かうコースになります。時間の余裕があれば大阪の難波から近鉄特急で名古屋駅に向かうと、新幹線より割安で車内も高級感があり、ゆったりした旅が楽しめます。
大阪から名古屋まで新幹線であれば運賃は6000円強で所要時間は約1時間。近鉄なら運賃は4000円代で所要時間が約2時間半です。名古屋行き近鉄特急でも毎時0分に出る特急(アーバンライナー)は車両もよく、いわゆる「ノンストップ」で大阪市内鶴橋駅から三重県の「津駅」しか止まらない列車もあります。所要時間は約2時間10分です。
さらに時間はあるから運賃を節約したいという方は東海道本線(在来線)で大阪から名古屋に向かう方法があります。大阪から米原までは新快速がありますので在来線の特急とひけをとりません。米原から大垣までは普通電車ですがわずかな距離です。そして大垣から名古屋までも東海地区の快速電車ですから快適です。運賃は約3000円で所要時間は約3時間です。
同じく時間はあるので運賃を節約したい方には在来線の電車とほぼ同額で所要時間も同じ高速バスがあります。同じ時間と運賃であれば、好き嫌いはありますが確実に座れるバスの方が快適かもしれません。大阪と名古屋の間の交通機関は東京と名古屋に比べて選択肢が多くなっています。近鉄という私鉄があるのと、在来線も関西地区の快速電車と東海地区の快速電車を乗り継げる便利さがあります。
大阪からの車と船での佐久島へのアクセス方法
大阪からは新名神を通って伊勢湾岸自動車道に入り、豊明ICで降りて一色港に向かうのが、最短距離になります。名古屋から車で向かう場合に利用する東名の岡崎ICは遠回りになります。一色港(さかな広場)では1000台収容の駐車場がありますので、ここに停めてフェリーで佐久島に向かいます。駐車場は無料ですので宿泊の場合も安心です。
大阪からのコースで新名神から亀山JCTを経て東名阪自動車道に入り四日市JCTで伊勢湾岸自動車道に入る場合よく間違います。そのまままっすぐ行くと伊勢湾岸自動車道で名古屋方面は枝分かれだと勘違いし、そのまままっすぐ言って名古屋市内に入ってしまうケースがあるので気をつけます。伊勢湾岸自動車道は左にそれていかなければなりません。
佐久島島内の各地へのアクセス方法
気になる佐久島島内の交通ですが、まずカーフェリーはありませんので本土から車で上陸することはできません。そして島内の路線バスやタクシーもありません。つまり徒歩か自転車になります。なぜかといいますと島は海岸線の一周でも11kmですので徒歩でも3時間から半日、自転車なら2時間で回れるからです。島の住人は軽自動車を使っています。
佐久島内で最も人気のアクセス方法は自転車
22個の佐久島アートは島全域にありますので、思い切ってハイキング、トレッキングのつもりで訪れてもいいでしょう。しかし、さすがに徒歩はきついと思われる方のためにレンタサイクル店が西港と東港にありますので自転車で回ることができます。自転車の場合は島一周が約2時間です。混雑する夏は予約しておくことをおすすめします。
海岸沿いの道が比較的整備されていますので島一周には自転車がおすすめです。島の中心部は自転車で通れない道もありますので徒歩との組み合わせになります。レンタサイクルの料金は1時間300円、2時間500円、3時間800円、1日1000円ですので帰りの船などの制約がない場合は1日で借りたほうが、のんびり出来るでしょう。
島で有名なレンタサイクルショップは西港にも東港にもある「遊々」と東港の「愛ランド」です。「遊々」は西にも東にもありますので、西で借りた自転車を東に返したり、その逆も可能です。「愛ランド」は喫茶店も併設しています。両店とも料金体系は同じです。島は平坦ですので電動自転車はないようですが、サイズは揃っています。
佐久島内の施設のないないづくし
徒歩で散策や自転車でサイクリングの場合も、島内にはコンビニもスーパーもありませんので、軽食や飲み物は持って来た方がいいでしょう。信号もないですから交差点は気をつけましょう。島の住民は軽自動車で通行しています。また汗を流す温泉施設もありませんので、長時間散策する場合は宿泊をおすすめします。宿泊施設や食堂はあります。
佐久島へのアクセス方法のポイント
佐久島には一色港から船で渡るわけですが、知っておくべきポイントはカーフェリーではないので車では渡れないということです。その代わり一色港(さかな市場)に1000台収容の無料の駐車場があります。そして島内の交通ですが、島は小さいので徒歩でも回れますが、レンタサイクル店がありますので自転車で散策するのがおすすめです。
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