富岡製糸場へのアクセスは車と電車どっちがおすすめ？周辺の駐車場も紹介！

富岡製糸場は2014年にユネスコ世界遺産に正式に登録された日本初の器械製糸工場です。明治5年の開業以来、日本の技術革新の根幹を担ってきました。そんな富岡製糸場の絹産業遺産群を楽しもうと連日多くの観光客がやってきます。そこで今回は富岡製糸場に観光に訪れるためのアクセスや周辺の駐車場情報についてまとめました。

富岡製糸場がなぜ世界遺産になったのか、少し歴史についておさらいしておきましょう。富岡製糸場が建てられる前は、ヨーロッパにおいて蚕の病気が大流行していました。そのため日本から生糸の輸出産業の需要が高まります。しかし安易な製造は粗製乱造を招き、せっかく高まった需要に質が追いついていかず、日本の生糸の国際的な評価はさがる一方でした。

日本政府は器械製糸技術の導入を考え、1870年に官営模範工場を建設することを決定。長野、群馬、埼玉などの候補地の中から、周辺の土地環境などを考慮し、最終的に富岡に建設することになったのです。フランス人設計者監修のもと、和洋折衷の建物が1872年完成し、官営模範工場として操業したのが富岡製糸場のはじまりです。

富岡製糸場は日中国交正常化によって安価な中国産生糸が増えたことで生産量が減少し、1987年に操業停止します。しかし建物はその後も管理され、保存状態が良かったことが世界遺産委員会からの評価につながりました。戦争中も機能し続け、空襲の被害に見舞われることなく維持された美しい美観が富岡製糸場の世界遺産認定につながったのです。

さてそんな富岡製糸場ですが、観光に行くとしたらアクセスは車やバスや電車のどれがいいのでしょうか。富岡市は群馬県の人口総数10番目の街で、世界遺産登録したとはいえ、都内の観光地のように最寄りのアクセスが充実しているわけではありません。

様々なアクセス方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。どんな方法でアクセスするのが自分にとってベストか、いくつか紹介するのでその中であなたのベスト方法を選択してください。

まず電車でのアクセスです。富岡製糸場の最寄り駅は上信電鉄の上州富岡駅となり、高崎駅で上信鉄道に乗り換えてアクセスします。だいたい高崎駅から上州富岡駅までは37分で運賃は790円。高崎駅から13番目の駅が上州富岡駅です。駅を降りたら富岡製糸場は約1.1キロ程度、徒歩15分かかりますので徒歩が嫌であればタクシー移動がおすすめです。

ちなみに上信鉄道は高崎駅と上州福島駅、上州富岡駅の3駅において無料のレンタサイクルを貸し出しています。もちろん健脚な人向けのアクセス方法ですが、自転車であれば富岡市のグルメや観光地などの周辺散策もできるため、自転車にの扱いに慣れている人は富岡製糸場まで自転車でアクセスするのもおすすめです。

高崎駅から富岡製糸場へのアクセスはこの上信電鉄ルートが基本となります。各地から高崎駅経由で富岡製糸場を訪れる際は必ずこのルートを経由するためまずはこの上信鉄道ルートをおぼえておきましょう。では都内から富岡製糸場へアクセスするにはどんなルートがあるでしょうか。電車やバスや車でのアクセス方法があります。

東京駅からのルートは新幹線がおすすめです。東京駅から高崎駅は、上越新幹線自由席で4410円、約50分で到着します。一番はやく到着したいのであれば東京からは新幹線ルートでアクセスしましょう。高崎駅に到着後は上記の上信電鉄ルートで富岡製糸場を目指します。東京駅から合計約2時間もあれば富岡製糸場までアクセスできるでしょう。

もちろん東京駅から新幹線を使わず高崎駅にアクセスも可能です。東京駅から高崎線を使う在来線ルートで高崎駅までめざすのです。1940円と安くなりますが乗車時間が約2時間かかります。あまりお金を使いたくない場合こういった鈍行ルートで東京から賢く富岡製糸場にアクセスしましょう。

つづいてバスで富岡製糸場にアクセスするルートです。東京ではバスタ新宿や池袋駅から高崎駅までの高速バスが出ています。電車や新幹線が嫌いであればバスでアクセスするのがおすすめです。だいたい高崎駅まではバスタ新宿から2時間10分ほどで、料金は最安で950円でアクセスできます。

高崎駅に到着したら電車で上信電鉄から上州富岡駅を目指す方法でアプローチしてください。バスルートは時期や乗車時間帯によって東京からの乗車料金が変動しますが、移動時間ぐっすり眠れたり、携帯を充電しながらアクセスできるおすすめルートです。鈍行電車と同じくらい移動時間がとられてしまいますが、バス好きの人はこのルートがおすすめです。

また、高速バスでは高崎駅ではなく、富岡製糸場近くにあるバス営業所にアクセスできるおすすめルートもあります。バスタ新宿や池袋駅から富岡製糸場近くに近くに停まるジェイアールバスの高速バス便がでています。料金はピンキリですが約1500円程度で1時間40分ほどで富岡までアクセスできますのでこちらを利用するのもおすすめです。

このバスルートのデメリットは富岡バス停に停まった後は、富岡製糸場まで少し歩くところです。電車ルートの上州富岡駅より少し距離が遠く、3キロ程度の距離があります。ですが片道1500円は他のルートにくらべ大きなアドバンテージ。安いルートで行きたい人、周辺でランチを楽しみたい人はこのルートがおすすめです。

つづいて大阪から富岡製糸場までのアクセスをみていきましょう。飛行機を使うルートと新幹線を使うルート、そして高速バスのルートがあります。まず飛行機は最も早く富岡製糸場までアクセスできます。まず関西国際空港から羽田空港まで行き、そこから空港バスで高崎駅まで行くルートです。

高崎駅からは電車ルートで上州富岡駅を目指し、駅からは徒歩で富岡製糸場までアクセスしましょう。飛行機が一時間10分で8820円、空港バスが2時間45分で3600円、残りの電車が37分790円、合計13210円約3時間程度でアクセスできます。

新幹線の場合は新大阪駅からのぞみで東京へ行き、東京ではMAXとき新潟行で高崎駅を目指します。高崎駅に到着してからは上信鉄道で富岡製糸場までアクセスしましょう。だいたい5時間くらい、新幹線14700円電車で790円で合計15490円程度でアクセスできます。東京駅から鈍行で高崎駅を目指すのであればもう少し運賃を圧縮できておすすめです。

大阪からは富岡営業所バス停までの深夜バスが出ています。この夜行バスはなんばOCATから前橋バスセンターまでのルートとなっていて、20時半に出発して翌朝5時前に日本中央タクシー富岡営業所に到着します。夜行バスのデメリットは明け方の到着になってしまうところですが、睡眠時間を移動に使えるのは大きなメリットです。

富岡製糸場の営業時間は午前9時からなので、あまりはやすぎても時間を持て余してしまいます。とはいえ約2分で到着できるバス停なので帰りの乗車口としておすすめです。運賃は時期によりますが概ね8500円程度でアクセスできるでしょう。

つづいては愛知県から富岡製糸場までのアクセスです。こちらも高速バスと新幹線ルートがあります。まず新幹線では名古屋駅から新幹線のぞみで東京駅にアクセスし、東京駅から上越新幹線越後湯沢行で高崎駅に入ります。その後は上信鉄道で富岡製糸場までアクセスします。トータル4時間半程度、運賃はおよそ14920円になります。

名古屋からも大阪ルートのように高速バスを使って富岡製糸場へアクセスする方法もあります。日本旅行バスぷらざのシルクライナーで名古屋駅から乗車し、およそ6時間かけて高崎駅に到着します。料金は最安6800円、高崎駅に到着後は上信鉄道で富岡製糸場にアプローチしましょう。

ここまで電車や新幹線、バスを使ったルートをまとめました。では次に都内から車でのアクセスを見ていきましょう。東京から車で訪れる場合はまず関越自動車道に乗り、藤岡ジャンクションで上信越道自動車道に乗り換えて、富岡インターチェンジを目指します。そこから一般道で富岡製糸場を目指す形になります。

高速料金はおよそ3090円です。東京からは車で約1時間50分で、富岡インターチェンジからは約7分3キロで富岡製糸場までアクセスできます。

富岡製糸場に車でアクセスする際気になるのが駐車場の問題です。富岡製糸場には直接車で乗り入れることができません。したがって周辺の市営駐車場や有料駐車場を使う必要があります。現地で戸惑わないためにも車で訪れる人が使っているおすすめ駐車場をいくつか紹介しましょう。

まずは宮本町駐車場です。富岡インターチェンジから車でおよそ3キロ程度の場所にある有料駐車場で、駐車時料金は1台30分につき100円となります。最初の30分は無料で、上限は500円。富岡製糸場までは西へ500メートル歩くだけで到着できるので、利便性を考えると最もおすすめの駐車場です。

もう一つのおすすめ駐車場は富岡東駅駐車場です。こちらは上州富岡駅に隣接された駐車場で、駐車料金がかかりません。富岡インターチェンジからおよそ3キロ程度なのは宮本町駐車場と同じです。一つ難点としては車で訪れたにも関わらず、駅から少し歩かなくてはいけないところです。

とはいえ富岡市は富岡製糸場が世界遺産に登録される前は、昭和レトリックな街並みをウリにして観光客を呼んでいました。そのため駅周辺は富岡市の風情ある街並みを楽しみながら富岡製糸場までの街歩き楽しめるのです。駅の駐車場に車をとめてゆっくり周辺を散策しながら富岡製糸場を楽しむのも悪くないかもしれません。

富岡製糸場の他にも群馬県にはおすすめ観光スポットがありますが、どこも公共の交通機関を利用してアクセスするには不便な場所にあります。その理由は群馬県が県1人当たりの車の保有台数が日本一高い車社会の地域だからです。したがって県民のほとんどが車を使って移動をするため、バスや電車といった交通機関が発展できなかった事情があります。

世界遺産登録をして間もない富岡製糸場はこれから様々なルートが開拓され、年々アクセス環境が良くなるかもしれません。ここの情報は全て2018年10月現在の情報に基づいていますので、新しい情報は富岡製糸場公式サイト、もしくは管轄する富岡市観光協会からチェックしましょう。

ここまで電車やバスや車でのアクセス方法をまとめました。ではどの方法で富岡製糸場でアクセスするのがおすすめでしょうか?時間やコスパを考えたら車やバスの直行便で直接富岡まで行くのがおすすめですが、あえて上信鉄道を経由するルートをおすすめします。その理由は上信鉄道でアクセスするほうが、より旅の気分を味わえるからです。

上信鉄道は単線なため、富岡製糸場のアクセスに時間を要するのが難点ですが、車両のデザインが個性的で、風情があってより観光気分を楽しめるのです。富岡製糸場は世界遺産といえど、基本的に工場だった施設なので派手なアトラクションもなければ遊具があるわけでもありません。

お子様を連れてくると飽きられてしまうことも考えられます。そういった状況で可愛い上信電鉄の車両に乗る経験ができれば、お子様を笑顔にさせて旅行の思い出を作れるはずです。デザインは変わるので日々かわるユニークな車両で旅を楽しんでください。

さらに上信鉄道ルートは富岡製糸場の割引券がセットになっているのもおすすめポイント。高崎駅から上州富岡駅までの運賃と見学料がセットになった割引チケットが販売されているのです。通常片道790円、往復1580円で富岡製糸場入場料500円の合計2080円の料金がこの割引チケットで1640円セットとなり、合計400円近くも割引されます。

こういった割引チケットを使ってお得に富岡製糸場を満喫しましょう。時間にゆとりがあるのであれば富岡製糸場へは、上信電鉄を利用してアクセスするのがおすすめです。

富岡製糸場の電車、バス、新幹線などのアクセス情報についてまとめました。一歩足を踏み入れれば昭和の味わいを感じる和洋折衷の日本有数の世界遺産。アクセス方法はいくつかあるので自分に合ったルート選択をしましょう。今度の週末は是非世界遺産である富岡製糸場まで足を運んでみてはいかがでしょうか。