かおたんラーメンえんとつ屋は懐かしさ感じる中華料理屋！餃子も絶品！

南青山の街外れに、深夜まで人が集まる隠れ家のようなお店があります。その店こそ「かおたんラーメンえんとつ屋」。隠れた名店として長く愛され続けるかおたんラーメンえんとつ屋の人気の秘密はどこにあるのでしょうか。今回は、南青山にあるかおたんラーメンえんとつ屋の店内の様子や、人気のメニューをたっぷりご紹介します。また、芸能人御用達のかおたんラーメン赤坂店の情報もお伝えします。

かおたんラーメンえんとつ屋はバラック小屋にえんとつ4本という、おしゃれな南青山に似つかわしい簡素な店構えが印象的です。さぞかし昔から営業しているのだろうと思いきや、創業は思いのほか古くなく昭和60年なのだそうです。しかも現在の店舗は1度改装しているという事なので、何らかの思いがあってこの店構えに行き着いたのでしょう。モノクロ写真だと、一層古めかしさが増して見えます。

お店の入口は民家のドアのようです。小窓にはカーテンがかかっていて店内の様子を窺い知る事ができないので、初めて足を踏み入れるには勇気が要るかもしれません。初めての来店で不安な人は、グループで行くのもおすすめです。もちろん一見さんお断りではないのでご安心を。ドアを開けたらどんな世界が待っているのでしょう。

かおたんラーメンえんとつ屋の店内は、外観に違わずやっぱり簡素です。裸電球にむき出しの配線、色褪せたお品書きが貼られた店内は昭和の風情たっぷり。席は大きな木のテーブルに木の長椅子が並び、1つのテーブルに大人6人程度座れます。少人数で訪れると相席になる場合もあります。奥には小上がりもあり、ゆっくりお酒を飲むこともできます。

注文は食券ではなく店員に直接伝える昔ながらのスタイル。本場中国出身のスタッフもいるそうで、食券を渡すだけの最近のラーメン店に慣れている人には店員とのコミュニケーションも新鮮な体験です。かおたんラーメンえんとつ屋では、ここだけ時が止まったように古き良き昭和の空気が流れているかのようです。

かおたんラーメンが賑わう時間帯は、ランチタイムでも夕食の時間でもなく深夜から明け方にかけて。バブル全盛期には、六本木や西麻布で飲み明かしたソフトスーツの男性たちやボディコンの女性たちが、こぞってかおたんラーメンえんとつ屋にタクシーで乗りつけてシメのラーメンをすすっていたのだとか。バブル期に遊び歩いていたかつての若者たちは年を重ねた今でも時折、昔を懐かしんでかおたんラーメンに帰ってくるのだそうです。

そんなバブル時代の習わしは今でも受け継がれ、かおたんラーメンえんとつ屋はいつしか「シメのラーメン屋」としてのポジションを確立しました。麺の量が控え目な所も、たくさん飲んだ後のシメにはちょうど良い塩梅。明け方まで営業している事や、アクセスが良い割に繁華街から程良く離れていて静かな場所柄、仕事を終えた芸能人もしばしば訪れるそうです。

かおたんラーメンえんとつ屋には、ふらりと立ち寄りたくなるような、どこかほっとする不思議な雰囲気があります。メニューはラーメンの他にも一品料理やアルコールも充実しているので、シメのつもりがついつい飲み直してしまう人も多いのだとか。外の行列を気にしながらすするラーメンとは違い、会話を楽しみながらゆっくりと食べるラーメンがかおたんラーメンえんとつ屋のラーメンと言えるでしょう。

かおたんラーメンえんとつ屋の外看板に書いてある「中国福建省の高級スープ」の文字が気になった人も多いのではないでしょうか。誰かのあだ名のようにも聞こえる「かおたん」とは、中国でのスープの呼び名で「高湯」と書きます。中国のスープにはランクがあり、高湯は上海や北京料理の上級スープです。ちなみに、広東料理の上級スープは「頂湯」、四川料理では「頭湯」「紅湯」があります。

中国の高湯は、成熟した鶏と豚を煮込んでとったスープです。かおたんラーメンでは、その高湯スープに漢方薬の原料でもあるマコモを加えて独特の甘みを出しています。そこへ香ばしく揚げた刻みエシャロットと、オキアミの風味がついた香味油をたっぷりとスープに浮かべたものが、かおたんラーメンのオリジナルスープとなっています。

かおたんラーメンの創業者は、渋谷の老舗ラーメン店「喜楽」の出身です。かおたんラーメンの味の決め手となっている焦がしエシャロットは、喜楽のラーメンの特徴でもある焦がしネギにヒントを得たもの。ワンタンやもやしをメニューに多く取り入れている所も共通しています。かおたんラーメンえんとつ屋も喜楽と同様、南青山の地で老舗の名店と謳われるようになるのもそう遠くないかもしれません。

それではいよいよ、かおたんラーメンえんとつ屋でぜひ食べたいおすすめのメニューをご紹介しましょう。まずは、ツルツルのワンタンがたっぷり入った「雲吞メン」。しっかりとした醤油味のスープがワンタンに染みて一層ジューシーです。トッピングはワンタンの他にチャーシュー1枚と色鮮やかな絹さや、あっさり味のメンマにもやしです。値段は1000円です。

「チャーシューメン」は、口の中でとろけるほど柔らかなバラ肉チャーシューが4枚乗ったボリュームたっぷりのメニュー。チャーシューにはほんのり八角の風味が感じられ、「中国福建省」の文字が頭をよぎります。値段は1000円です。ちなみに、豚肉に含まれる旨味成分のイノシン酸には体内のアルコール分解酵素を活性化させる効果があるのだそうです。

かおたんラーメンで使われている麺は細いストレート麺。卵を加えた麺は柔らかくつるりとして、するすると口に入っていきます。醤油味のスープが染みてほんのり色がついた麺はスープとの相性も抜群。かおたんラーメンは、スープと具と麺のクオリティはそれぞれ高い上にどれか1つが目立つことなく調和している所が、食べる人々にオーソドックスと感じさせる所以なのでしょう。

「塩ラーメン」は、ほのかな甘みのある高湯スープをあっさりと仕上げた人気メニューです。コクのある醤油スープと一味違うあっさりテイストは、お酒を飲んだ後におすすめする人も多い優しい味。トッピングは醤油ラーメンと同じ、チャーシューに絹さや、メンマともやしです。価格は750円とリーズナブルなのも、飲んだ後の財布に優しいおすすめポイント。

ピリ辛の「坦々メン」もファンの多いメニューです。高湯スープにたっぷりのごまが入り、辛さの中にコクと香ばしさを感じられるラーメンになっています。夏には冷やし担々メンも登場。価格は1000円となっています。なお、パクチーは期間限定トッピングだそうです。ランチタイムにラーメンを注文すると、麺大盛りまたは半ライスが無料となります。

一時は販売を休止していた人気の「味肉野菜ラーメン」が8年ぶりに復活を果たし、古参のかおたんラーメンファンが歓喜の声を挙げているのだとか。味肉野菜ラーメンは、角切りチャーシューとボイル野菜にキクラゲがたっぷり入って栄養に優れたメニューでランチにおすすめです。味肉野菜ラーメンの価格は1100円です。

かおたんラーメンえんとつ屋でお酒を飲む人には一品料理もおすすめです。例えば「味もやし」。さっと茹でたもやしにチリソースをかけただけのシンプルなメニューながら、お酒のおつまみにもラーメンのおかずにもなる優秀サイドメニューです。シャキシャキの食感を楽しみましょう。価格は400円です。

中華料理のおつまみの定番「腸詰」。スライスして炒めた腸詰ははっきりした味でビールが進みます。豆板醤とコチュジャンがつけだれとなっています。価格は600円です。ちなみに、中国では腸詰をそのまま食べるだけでなく、炒め物や蒸し物、煮込み料理などの食材としても幅広く利用されています。日本では中華街で購入することもできます。

かおたんラーメンえんとつ屋で忘れてはならない一品料理と言えば「餃子」です。テレビ番組で紹介され一躍注目の的となった餃子ですが、餡は豚ひき肉、キャベツ、ニラというオーソドックスな組み合わせ。これにたっぷりのニンニクが入って、パンチのきいた味に仕上がっています。餃子はビールやハイボールのお供に欠かせないだけでなく、もちろんラーメンのおかずにもぴったり。また、期間限定で水餃子も登場します。

かおたんラーメンの餃子は自家製。1つ1つお店で丁寧に作られています。もちもちの皮に包まれたたっぷりの餡がジューシーな餃子は、小ぶりながら食べ応えがあり大満足のサイドメニューです。店内を見渡せば、どの席にも餃子のお皿があるほどの人気ぶり。餃子の価格は6個で600円です。なお、餃子は持ち帰りもできお土産におすすめ。6個入りと3個入りが選べます。

お笑い芸人のバナナマン設楽さんがラジオ番組で絶賛したという「肉野菜炒め」。設楽さん本人はかおたんラーメンの常連で肉野菜炒めを普段からよく食べているそうですが、ラジオを聞いたファンもこぞって肉野菜炒めを食べに訪れるようになったのだそうです。ただ残念なことに、肉野菜炒めは南青山のかおたんラーメンえんとつ屋では扱っておらず、赤坂店のみで食べることができます。

肉野菜炒めの具材は、豚肉にキャベツ、もやし、にんじん、ニラ、キクラゲ、玉ねぎといったオーソドックスな組み合わせです。昔懐かしい味がどこかほっとする、元気をもらえるような一品です。肉野菜炒めの価格は単品で800円。ランチタイムは肉野菜炒めにお替り自由のライスとスープがついて850円です。

かおたんラーメンえんとつ屋の営業時間は、月曜から木曜までは11時30分から翌朝5時まで、金曜と土曜は翌朝6時までです。日曜は定休日となっています。以前より営業時間が長くなり利用しやすくなったかおたんラーメンは口コミで人気が広がり、最近では深夜だけでなくランチにも人気のお店になってきています。ランチタイムは11時30分から15時までです。

店内は禁煙となっているので、ラーメンや餃子の味や香りを存分に楽しめます。たばこを吸いたい人は店入口に備え付けの灰皿のある場所で。また、場所柄ほとんど見かけませんが子供の入店も可能です。店舗の専用駐車場はないので、近隣のコインパーキングを利用しましょう。

住所:東京都港区南青山2-34-30 電話番号:03-3475-6337

かおたんラーメンえんとつ屋は、青山墓地の南側にあります。最寄り駅は東京メトロ千代田線乃木坂駅ですが、5番出口を出て青山墓地の脇を通ることになるので夜に歩くのは怖いという人も。そんな人は日比谷線または都営大江戸線六本木駅を利用しましょう。2番出口を出て六本木通りを西麻布方面に進み、西麻布交差点の手前を右折して3ブロック先にある五差路の向かい側です。

広尾方面からは、外苑西通りを西麻布方面へ進み、西麻布交差点を真っ直ぐ渡った先の分岐を右に進むとかおたんラーメンえんとつ屋のある五差路に出ます。表参道方面からは、根津美術館を越えるとかおたんラーメンえんとつ屋までは細い路地が多くなるので地図を確認しながら進みましょう。

かおたんラーメンえんとつ屋の姉妹店は東京メトロ千代田線赤坂駅前にあります。赤坂店の店構えはバラック小屋ではなく、TBSと道を挟んだ向かいのビルの1階にあります。毎年11月に行われるTBSラジオフェスタ当日には、バナナマンゆかりのお店としてファンが殺到し、写真のような大行列ができたのだとか。営業時間は11時30分から翌朝4時までで、定休日は日曜です。

南青山の店舗とはメニュー構成が異なり、赤坂店はラーメン店というより中華料理店といった雰囲気です。肉野菜炒めを始めとした炒め料理や麻婆豆腐、海老のチリソースといった中華の定番料理が定食で食べられて、しっかり食事をしたい人におすすめのお店。ご飯ものも充実しており、チャーハンや五目あんかけ焼きそばも人気があります。南青山店との雰囲気の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

住所:東京都港区赤坂6-3-15J-AKASAKA101 電話番号:03-5570-2330

南青山の隠れた人気店「かおたんラーメンえんとつ屋」をご紹介しました。近年流行している女性好みのおしゃれなラーメン店とは真逆の、昭和の映画に出てきそうな場末感がかえって新鮮なかおたんラーメンえんとつ屋。いつもと違う雰囲気の中ですするラーメンの味を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。