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大無間山は南アルプス深南部にある山
大無間山は南アルプスの深南部にある山です。南アルプスは三伏峠を境界として、更に北部南アルプスと南部南アルプスに分かれています。南アルプスの中でも更に北部と南部に分けられていることが、その自然の雄大さがどれほどのスケールかを物語っています。
今回まとめている大無間山はそんな南アルプスの中でもかなり南に位置しています。南アルプス深南部と言われる場所にあり、2000mの標高を越えるのが特徴です。登山ルートや難易度、天気や日帰りで行けるかなど、静岡にある大無間山についてまとめました。
大無間山登山は上級者向けの難易度
まずはじめに、静岡にある大無間山登山の難易度がどれくらいなのか確認しておきましょう。静岡県が定めた登山難易度のグレーディングでは体力面では10段階中6、技術面ではA~Eのうち最大難易度Eの評価をされています。
体力面の10段階中6というのは、2泊あるいは3泊をかけての登山が適切だと言われている難易度です。体力の面から見ても、日帰りでの登山は推奨されていないことがまずここで分かります。
もちろんルートによっても難易度やかかる時間は違うため、自分に合ったルートを選択することが大切です。日帰りで行こうとするあまり、難易度の高いルートを急いで歩いて滑り落ちてしまう、といった事故が起こらないようにしましょう。
崩落地も多く地面が悪い
大無間山の登山難易度をあげている要因の1つに崩落地が多いことがあげられます。大無間山は足場が悪い場所や簡単に崩れそうになっているポイントが多く、中には山肌ごと崩落して削り取られている場所もあります。
特に登山ルートでのP1から大無間山に向かう途中では、ごっそりと地形が滑落している部分を見ることができます。ただでさえ足場が悪い上、天気が悪いときは更に危険度が増加します。怪我をしてしまうのは山道では絶対に避けたいことです。
天気や装備も難易度に関わってくるポイントに
登山にかかる時間、ルートの長さ、地面の悪さや急斜面など静岡にある大無間山の難易度をあげている理由は様々なことが関係しています。登山する前後の日の天気には敏感でいる必要があります。
自然と装備も重たくなるため不安定な足場や滑落の危険がある場所、急勾配などありとあらゆる要素が大無間山での山歩きを困難なものとしています。体力的、技術的な難易度が高いためしっかりと判断できる先導者と一緒に登山することが初心者にとっては望ましいです。
いずれは大無間山に登れなくなるかも?
地面の崩落が激しいこと、登山者の滑落の危険から大無間山にはいずれ登れなくなるのではないかという意見もよく寄せられています。現在は登山禁止と指定されている山ではないですが、登山ルートの道の悪さからいつそうなってもおかしくないのが現状です。
逆に考えると、これからいつでも大無間山に行けるわけではないとも考えられます。大無間山に行ける間に行っておこうと考える人もいるため、体力や知識に自信がある人にとっては今登るのに適した山ともいえそうです。
初心者で大無間山に登るならベテランのガイドが必要
上記のような理由から静岡の大無間山に登る際、初心者は必ずベテランのガイドと一緒に山を登ることを心がけましょう。特に登るのが初めての人は、登るペースやテント泊のやり方など勝手がわからないことが多くあります。
「日帰りで登ることが推奨されていない」ことからも長時間山中で過ごすことになりがちです。食事面や健康面など山中ではできることが著しく制限されるため、ベテランの登山経験者と一緒に登ることがおすすめされます。
静岡の大無間山はそこまで有名な山ではないため、最初の登山で登ろうと考える人は少ないでしょう。初心者はまず他の低い山々に日帰りで挑戦し、テント泊を含めた登山にある程度慣れてから大無間山に挑戦するのがおすすめと言われています。
大無間山の登山ルートは田代温泉発がおすすめ
静岡の大無間山の登山ルートは複数ありますが、中でも田代温泉から出発するルートが1番おすすめと言われています。こちらは日帰りで帰ってくることは不可能ですが、体力的にもちょうどよく、登頂を目指すには最も合理的なルートとなっています。
田代温泉(70分)→雷段(65分)→小ピーク(80分)→P4(75分)→P1(70分)→小無間山(50分)→関ノ沢ノ頭(中無間山)(80分)→大無間山(70分)というルートです。P1から大無間山までのルートはマップでは通行不可となっています。
しかし山を登る際、登山者はこちらのルートを通るのが一般的となっており、最もおすすめのルートも静岡の田代温泉発のルートがあげられています。実際は通行不可というわけではなく、地点間の正確な計測ができないため登山道として扱われていないだけのようです。
P1やP2という表記は何を表している?
大無間山の登山ルートにもP1やP2といった表記が出てきました。これは英語のpeak、ピークを意味しており頂上や小高い岩峰を指しています。大無間山を登頂するまでに、いくつかの小高い頂上があることが分かります。
そこまで整備が行き届いておらず、目印が少ない山道ではP1といったように比較的分かりやすい頂きを便宜的な目印とすることがあります。ペース配分のための目安ともなるため、大無間山を登山するときは意識しておきましょう。
大無間山登山中は数々の絶景を見ることができる
また、大無間山登山中は数々の絶景を見ることも可能です。こういった絶景を独り占めできるのも、南アルプス深南部のうれしいポイントと言えるでしょう。静岡ということで、登山中に富士山を見ることももちろんできます。
南アルプスの中でも最南端に位置する光岳をはじめ易老岳や仁田岳、池口岳や阿部奥の景色などさまざまな大自然の雄大なパノラマが目に飛び込んできます。大無間山だけでなく南アルプスそれぞれの位置関係を知っていると、より大無間山登山は楽しくなるでしょう。
標高2000m越えの峰々が連なっているのを見るのは、登山をしていないとなかなかない経験です。難易度も高く、そこまで有名な山ではありませんが静岡近隣に住んでいる人はぜひ登山してもらいたい、そんな絶景が大無間山にはあります。
大無間山登山中の山小屋は簡易的なもの
大無間山の登山ルート途中には山小屋が設置されています。急勾配も多く、難易度の高い登山ルートばかりの大無間山では山小屋は大切な存在です。静岡市営の小無間小屋が道中にあるため、1泊目はここで泊まるのがおすすめとされています。
小屋の周囲は平場になっているため、休息するのにも向いています。小屋といってもお店が開かれているタイプのものではなく、まさしく小屋が置かれているだけです。トイレやお風呂、ベッドなどがあるわけではないため雨風を凌ぐための小屋を想像するとよいでしょう。
山小屋ではマナーを大切に
日帰りが難しく、天気の変わりやすい山ではこういった小屋が大事です。中には囲炉裏も用意されていることからも、ここで宿泊する人が多くいます。使用後は来る前と同じく、きれいな状態で小屋を去ることを心がけましょう。
静岡市営の山小屋とは言えど、誰か市の職員が常駐しているわけではありません。登山者が気をつかうべき点と言えます。見た目と中身は完全に小屋のため、後から訪れる人のことを考えた行動は登山道だけでなく山小屋でも大切です。
大無間山山頂の見晴らしはよい?
次は静岡の大無間山、山頂の景色についてです。登山中の見晴らしがよいことでも知られている大無間山ですが、残念ながら山頂に見晴らしはあまりよくないと言われています。理由としては山頂の周囲が樹木に囲まれており、視界が開けていないためです。
せっかくの山頂の景色は、ぱっと華やぐようなものであってほしいと思う人も少なくないですが、残念ながら大無間山山頂はそうではありません。しかし山頂に着いたことを示す立て看板があり、登頂を実感することは間違いなくできます。
また、山頂から少し移動すればまた開けた視界の大パノラマがあるため、「山頂での景色」にこだわらないのであれば絶景を見る機会は大無間山では多くあるため心配ないでしょう。
大無間山に日帰りで挑むなら諏訪神社から
大無間山は日帰りで登ることが難しい山だということが分かりました。理由としてはルートが長く、かつ普通に登山するだけでも道が険しかったり不安定であることがあげられていました。
しかし登山する人の中には、スケジュールの都合でどうしても日帰りで登山したいと思う人がいるのではないでしょうか。あるいは2日目、3日目は天気が崩れることが分かっているから天気のよい1日だけ日帰りで登頂を目指したいという場合もあるでしょう。
どうしても日帰りで登りたいという場合、かなりの強行軍にはなりますが日帰りで登ることも大無間山では可能と言われています。最短コースは諏訪神社から登るコースで、このコースであれば日帰りも不可能ではありません。
最短コースなら14時間で帰ってこれる
諏訪神社からの登山ルートは往復20kmのルートとなります。ただでさえ1日に20kmも歩くのはかなり疲れることですが、それにプラスして大無間山ならではの急勾配や崩れやすい斜面も加味されます。健脚かつ山道を歩きなれている人でないと現実的には厳しいでしょう。
しかし諏訪神社から登るこの最短ルートでは、早い人であれば14時間で帰ってくることが可能です。どこから日帰りを目的にするかにもよりますが、「日帰り登山だけ」に焦点をあてて考えるのであればできないこともないと言えるでしょう。
しかしコスパを追求して時間を切り詰めたコースでも、14時間かかることが大無間山の登山の難しさを物語っています。高原地図に記載されているルートが片道11時間かかることからも、山登りに自信がある人が準備を整えてようやく達成できるレベルと言えます。
大無間山登山のために必要な装備
大無間山登山の際に必要な装備は、通常の登山よりも多くなりがちです。1~2泊を山中ですることが推奨されているため、テントは欠かせない装備と言えるでしょう。テントをかついで登山をしていくことになるため、軽くてよい素材のものを選ぶ必要があります。
携帯できる食糧や雨具、替えの衣類など通常の山登りで必要となるものに加えて、水をしっかり準備する必要があります。紹介した田代温泉登山口水場があり、唯一ここで給水することができます。4リットルは必要なこと、途中で給水できないことにも注意が必要です。
大無間山の天気は変わりやすい
「山の天気は変わりやすい」とよく言われますが、それは大無間山にも等しくあてはまります。静岡県内の他の場所は晴れていても、大無間山一帯の山だけ天気が悪かったり、それまで晴れていたのに急な大雨に降られることもあります。
天気予報で晴れだと言われていても、雨具や靴下など、天気が崩れたときのことは予想していく必要があります。登山中に雨に降られてしまって体調不良に陥ってしまうと、登山はおろか下山も難しくなってしまいます。
雪が降っているときは更に難易度アップ
標高2300mの大無間山では、冬に雪が降ることもあります。雪が降っているときは登山も難しくなるため、登ることを考えている人は雪がどれくらい残っているかの情報にも注意しましょう。
雨の場合もそうですが、雪が解けてぬかるんでいる地面は非常に危険です。大無間山では足元が不安定なため、大丈夫に見えても体重が乗った瞬間に滑ってしまうこともあります。慎重に足を運ぶ必要がある他、この時期には登らないというのも1つの選択肢でしょう。
大無間山登山口までのアクセス
登山口までのアクセスは、東名高速道路の静岡インターチェンジから県道74、27、60号線経由のルートを通って約80キロとされています。時間にすると静岡インターチェンジから2時間半です。駐車場はありますが、登山客が駐車することはできません。
電車で来る場合は南アルプスあぶとラインの終点井川駅からタクシーを使っておよそ20分ほどで着きます。日を何日かまたいで登山することになるので、数日かかることを見越したアクセス手段を使うことをおすすめします。
大無間山下山後も田代温泉近くが便利
大無間山の登山口としても紹介されている田代温泉からの出発ですが、こちらは下山後にも助かる施設が多くあります。民宿が近くにあって宿泊できるため、日帰りでの登山を考えている人におすすめです。
日帰り入浴ができる場所も多いため、下山後に汗を流したいときにもバッチリです。南アルプス井川オートキャンプ場なども近くにあり、こちらでもコインランドリーや入浴することが可能です。トータルで考えて田代温泉近くは利便性が高い場所と言えます。
大無間山で登山の楽しさを噛み締めよう!
大無間山の登山難易度やルート、アクセスから装備や天気をまとめました。日本二百名山にも数えられる大無間山は、登山客は多くないながらも登山の魅力をぎゅっと詰め込んだ素敵な山と言われています。
難易度が高いと言われていますが、日本最高峰の難易度というわけではなく、ベテランに同行してもらえれば山歩きにある程度慣れた人なら踏破できるのも魅力です。付近にある南アルプスの山々も一望できる、大無間山を次の登山先に考えてみてはいかがでしょうか。
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