門前仲町の天ぷら「みかわ是山居」とは？ミシュランにも認められた名店の味！

みかわ是山居は、門前仲町にある天ぷら専門店です。予約をとることすら困難といわれる超人気店で、グルメ雑誌やTVなど様々なメディアでも取りあげられたことのあるお店です。今回は、あのミシュランガイドブックの星を獲得したとされる名店の素晴らしい技・魅力を余すことなくご紹介していきます。

東京メトロ東西線門前仲町駅から徒歩10分程度と距離はあります。落ち着いた雰囲気の外観・店内ですが、洗練された空気を感じられるお店です。こちらでは、長年の修業を重ねた職人が腕によりをかけて作られる芸術的な天ぷらの数々を堪能できます。世界的に有名なミシュランガイドブックにも載り、星を獲得している名店です。

お店の看板として飾られている一枚板には大きく「是山居」と彫られており、それだけでも名店の風格を感じることができます。それもそのはず、この文字は人間国宝である「故・芹澤銈介氏」の筆によるものだからです。お店に入る前から、気持ちの良い緊張感が感じられ、訪れる人の心と胃袋を刺激します。

店内に入ると、大きな帽子のオブジェが目に入ります。これはただのオブジェではなく「排気口」です。このような粋な計らいがあるのもうれしいです。なお、こちらのお店では、3階を待合室としておりそこにはお店が支援している芸術家の作品や貴重な文化財がずらりと飾られていて、まるで博物館のようです。

ミシュランのガイドブックに載り、星を獲得した絶品天ぷらを揚げる職人さんは「早乙女哲哉氏」。早乙女さんは、15歳でこちらの道に入り、それから1日でも休んだことのない、プロ中のプロ。お店を名店として育て上げ、世界的に有名なミシュランで星を獲得するにふさわしい人物、そしてお店であると分かります。

早乙女さんは「伝説の職人」とも呼ばれています。その理由は、ストイックな姿勢と経験だけでなく、科学的な根拠も重視した天ぷらの揚げ方にあります。素材に応じて的確な油の温度・時間などを的確に見極めているのがこだわりです。エビの天ぷらなら、エビの身の中心が45度から47度になるように揚げます。

そして早乙女さんの思う「天ぷら」とは、油で揚げる料理という価値観ではありません。早乙女流と呼ばれる天ぷらの揚げる極意は「素材の水分を極限まで抜ききる方法」と称しています。この方法こそが、素材の持つ風味や食感・持ち味を最大限に引き出す方法となります。そのため、ただ「揚げる」という調理法とは異なります。

ミシュランガイドブックで星を獲得する決め手の1つともいわれるメニューが「車えびの天ぷら」です。カラリと揚がったえびは、レアの状態でありながらしっかりと火は通っています。それなのに身の中心部分の温度は熱すぎないという絶妙な揚げ上がりが特徴。舌の上で、えびの風味ととろりとした滑らかな甘みを感じられます。

こちらの天ぷら江戸前で作られているので、揚げ油はごま油が主として使われています。そのため、淡白な味のネタとごま油のコクのある風味とよく合います。えびの美味しさを最大限に引き出すため胴の部分はわずか20秒足らずで揚げ上がりとなります。通常180度で揚げるところを、なんと220度まで火力を揚げて仕上げます。

おまかせメニューでも大変人気の「車えびの頭」は、サクサクと歯ごたえの良さが気持ちよい一品。胴体部分とは異なり、倍以上の時間をかけて揚げていきます。おせんべいのような食感と、えびの頭の香り・旨みが濃厚に詰まっていて、お塩だけでいただくのが一番おすすめの食べ方です。えびの奥深さを感じる一品となります。

あのすきやばし次郎の創業者「小野二郎氏」が絶賛したといわれる「穴子の天ぷら」は、ぜひ食べていただきたい一品。ミシュランをはじめ、様々なグルメ雑誌などでも星を獲得するほどの一品。とても大きい穴子なので、揚げあがったら目の前で真っ二つにしてもらえるので食べやすいです。

こちらの天ぷらは、出汁に浸していただきます。割りたての穴子は、切った断面からホワホワと美味しそうな湯気が立ち、穴子のふくよかな香りが漂います。熱々の穴子をダシに浸し、一口入れるとふわっふわの繊細な穴子の身が、口の中でほろほろとほどけていくように消えます。上品な身を包む衣も相性がとても良いです。

野菜の揚げ方にも、こちらのお店独特の方法が光ります。アスパラガスの場合は、真ん中で2つに切り分けて揚げます。上の部分は繊維も柔らかく香りが強い部分なのでサッと短めの時間で仕上げます。そして下半分は、甘みが凝縮された部分なので火を通すことでさらに甘みが引き立つように揚げます。

この揚げ方は、早乙女さんが独自に考案したもので、他の職人では真似のできないものです。なお、コース料理ではアスパラガスの天ぷらを提供する際には同時にしいたけの天ぷらも添えられます。原木のしいたけを使用しており、香りや旨みが濃厚。まるでステーキのような肉厚な弾力と、瑞々しさを閉じ込めた一品です。

みかわ是山居といえば「キスの天ぷら」と評価する常連さんも多いといわれるこちらの一品は、穴子と同じくらいの人気メニューです。キスは本来、身に水分を多く含み天ぷらにしてもぼやけた味になりがちですが、こちらのお店で出されるキスの天ぷらは、水っぽさが全くありません。キスの瑞々しさを残しつつも上品に仕上げています。

こちらでのキスの天ぷらを作るには、まず焼き上げの工程が含まれて居ます。焼き上げることによって、キスの水分を程よく取り除き、キスの油を身の中に閉じ込めることができます。この工程によって、キスの味をはっきりと引き出すことが可能になります。食感はふわふわ・ホクホク。湯気まで美味しい絶品といえます。

繊細で甘みのあるウニを大葉ではさみ、軽やかに揚げた「雲丹大葉巻」はお酒に良く合います。大葉は火を通すと香りが飛びやすいのですが、こちらは温度の見極めが完璧。そのため、大葉の香りを損なわずに揚げることができます。一口入れれば、カラっとした衣に大葉の爽やかな香りが移り、中からトロットロのウニが堪能できます。

雲丹大葉巻の箸休めとして添えられるのが「銀杏」です。こちらのお店では、欠かせないものの1つで、ほのかな苦味と銀杏独特の香りが、口の中をリセットしてくれます。こちらのメニューは、特に女性に人気で、油っぽさを全く感じさせずとろけるような食感がたまらないと評判です。

肉厚ながらも上品な白身が人気の「メゴチの天ぷら」も、穴子やキスと同様に焼き上げからの工程を入れます。メゴチはとても繊細かつ淡い味わいが特徴なので、その旨みを閉じ込める手法はやはり早乙女さんにしかできない技といえます。舌の上でふわふわとほぐれていく感覚をお楽しみください。

メゴチの天ぷらはお塩でいただいてもダシに浸していただいてもどちらでも美味しいです。2枚提供されるので、それぞれ違う味でいただく人が多いです。味は、キスよりも濃厚で香りも豊か。そして、旨みを逃さぬように包む衣と、ごま油の華やかな香り・風味が相まって絶品となります。

コース料理の〆として出されるのは「はし羅かき揚げ丼」または「天茶」です。こちらのメニューはどちらも「お食事」として提供されるものです。大ぶりのホタテの貝柱が贅沢に使われ、硬めにカラっと揚がっています。それを甘辛い秘伝のタレにつけてから炊きたてのご飯の上で乗せた一品。満腹でもペロリといただけちゃいます。

そしてあっさりと揚がった小エビのかき揚げにお茶をたっぷりとかけていただく料理も〆として最高です。まろやかで甘い飲み口が特徴のお茶を香ばしいかき揚げの上から注ぐことによって、絶妙なバランスが生まれます。なお、かき揚げ丼の際には赤出汁のお味噌汁、そして天茶の際には和風スープがついてきます。

門前仲町にある天ぷらの名店「みかわ是山居」のおすすめ情報はいかがでしたか。ミシュランで星を獲得し、世界中から多くのファンを持つこちらのお店は、洗練された職人の技とストイックかつ科学的・論理的な考え方から作り上げられる料理がいただけます。日本一と称される、名店の味をぜひご堪能ください。