「さきたま古墳公園」は桜が有名な癒しスポット！レストランや博物館もあり！

埼玉県の北部、行田市にあるさきたま古墳公園は9基の古墳を中心にした広い公園です。桜の名所でもあり、ペットの入園も可能で市民の憩いの場になっています。園内にある博物館には古墳から出土した国宝の剣も展示されており、小中学生の見学者も多く訪れています。他にも古代の墓の様子が再現されている場所や各種イベントなど、見どころの多いさきたま古墳公園をご紹介します。

さきたま古墳公園はどこの駅からも離れた場所に位置しており、アクセスは便利とは言えません。JR行田駅または秩父鉄道の行田市駅からは市内循環バスが出ており、「さきたま古墳公園前」下車で徒歩2分です。

JR吹上駅からは朝日バスの佐間経由行田車庫行で「産業道路」下車、そこから徒歩15分です。JR高崎線の北鴻巣駅からは、さきたま緑道でアクセスが可能ですが、4.5キロメートルあるので徒歩だと約60分かかります。

さきたま古墳公園の周りはサイクリングロードが整備されており、車がない場合は駅まで電車を利用し、そこから自転車でアクセスするという方法もあります。JR行田駅や秩父鉄道の行田市駅の近くにはレンタサイクルの拠点があり、市内数か所で乗り捨ても可能です。気候の良い時は自転車でのアクセスがおすすめです。

車を利用の場合は、周囲に高速道路が多いので数多くのICからアクセスできます。東北自動車道では「加須」ICから17キロ、「羽生」ICから15キロの距離です。関越自動車道では「東松山」ICから18キロ、「花園」ICから25キロです。首都圏中央連絡自動車道を利用するなら「桶川加納」ICから17キロの距離になります。車があればどこからでもアクセスは容易です。

「さきたま古墳公園」はペットの入園が許されている公園ですが、当然マナーを守ることが前提です。ドッグランがあるわけではないので、ペットのリードは絶対に離さないことです。

排泄も公園に入る前に済ませておくこと。公園の中でしてしまってもすぐに処理できるようにグッズを用意しておくのは、普通の散歩の時と同じです。

また、公園内には小さい子供やおやつなどを食べている人も多いので、ペットが過度の興味を示さないよう注意したり、しつけたりしておく必要があります。予防接種を受けさせているのは当然のことでしょう。ペットを飼っている人なら改めて言われるまでもないでしょうが、細心の注意を払ってペットと楽しんでください。

さきたま古墳公園内には9基の古墳がありますが、一番のおすすめは丸墓山古墳です。この古墳の周りには特に桜の木が多く、花の時期は格別です。

直径は100メートルを超え、高さは約19メートル、日本一大きな円墳と言われています。階段があり、上るのは少し大変ですが、頂上の広場からは四方が見渡せて爽快です。

丸墓山古墳の頂上には古くて大きな桜の木が5本あります。中腹には菜の花も植わっており、桜の花を頂いた古墳はカメラマンの絶好の撮影スポットになっています。頂上に上ると、南西方向の石田堤に沿って桜並木の絶景が見られます。花の名所だけに人出はありますが、是非桜の時期に訪れて欲しい場所です。

丸墓山古墳の周囲を中心に、広いさきたま古墳公園内にはお花見ができるスポットがいくつかあります。丸墓山古墳と将軍山古墳間の芝生広場と呼ばれる場所、新レストハウスと愛宕山古墳の間の通路沿い、そして丸墓山古墳からは少し離れた鉄砲山古墳の周辺などです。桜の季節はゆったりと時間を取って散策してみてください。

さきたま古墳公園の中にある将軍山古墳は6世紀後半に造られたと推定される、長さ90メートルの前方後円墳です。平成の初めの頃までは私有地になっていましたが、それを買い取って復元しました。古墳の表面に埴輪が等間隔に並べられていた様子も再現されています。将軍山古墳の周りは菜の花の名所で、春は真っ黄色に染まります。

将軍山古墳の内部には、石室の様子を見学できるように「将軍山古墳展示室」が造られ、石室の広さや造り、副葬品が並べられた様子などをリアルに知ることができます。

入館料は大人200円(2017年11月)ですが、後述の「さきたま史跡の博物館」と共通ですので、是非両方見学してください。

さきたま古墳公園の一角に「さきたま史跡の博物館」があり、古墳から出土したものの展示や解説で、古墳時代について詳しく知ることができます。

展示品の中には国宝もあります。稲荷山古墳から発見された金錯銘鉄剣で、剣に彫られた115文字の銘文は千数百年を経た今でもはっきりと見ることができます。

「さきたま史跡の博物館」ではボランティアガイドが活躍しており、要領よく、かつ分かりやすく展示品観賞のポイントを教えてくれますので、是非ご活用ください。また、博物館では年間を通して勾玉づくりや土器づくりの体験を行っている他、学芸員による行田市内の史跡探訪などのイベントが行われています。

さきたま古墳公園は桜の名所として有名ですが、桜以外にも様々な花が植えられていて季節ごとに楽しめます。

丸墓山古墳の石田堤の先や、古民家の近くには梅並木があり、ひと足早く春の訪れを感じられます。将軍山古墳の菜の花、二子山古墳近くのポピー畑も春は美しく彩られます。また、愛宕山付近では花菖蒲も見られます。

初夏には石田堤近くにある蓮池の古代蓮が咲きますし、秋にはポピーが植えられていた二子山古墳そばにコスモスの花が咲き乱れます。このように、さきたま古墳公園では桜だけでなく、年間を通して素晴らしい花景色が楽しめますので、是非カメラを忘れずに訪問してください。

さきたま古墳公園では年間を通して数々のイベントが催されますが、最大のものは5月の火祭りでしょう。古代、コノハナサクヤヒメが自ら火を放ち、その中で双子を出産したという古事記に書かれている逸話を元にした祭りで、イベントの中では300人近い人々の松明をかかげての行列、産屋炎上、丸墓山と稲荷山から降りてくる御神火下りなどが行われます。

祭りの日には郷土芸能や物産展、フリーマーケットなどのイベントもたくさん開催されます。祭りのフィナーレは花火。本物の古墳を舞台にした壮麗な火祭りは古代にタイムスリップしたような趣があり、イベントには大勢の観光客が訪れます。予定が合う方は是非、古代のロマンを感じに祭りイベントに参加してみてください。

さきたま古墳公園にはレストハウスが2か所ありますが、屋根の下にテーブルと椅子があるだけで、レストランではありません。園内には自動販売機はありますが売店もないので、レストハウスは休憩をしたり外から持ち込んだ食べ物を食べるだけのスペースです。それでも暑い日などは屋根付きなので助かりますが、食べることに関しては自助努力が必要です。

さきたま古墳公園の近くにはいくつか食事処があるので、過度に心配することはありません。「軽食さきたま」は愛宕山古墳の近くにあり、この地域の名物「フライ」と「ゼリーコロッケ」が食べられます。

フライとはチヂミのような焼いた物で、揚げ物ではありません。ゼリーフライは普通のホクホクのコロッケです。小判型なので「銭フライ」と呼ばれていたのが変化して「ゼリーフライ」になったそうです。

住所:埼玉県行田市埼玉5202-1
電話番号:048-559-3770

二子山古墳の近くにある「さんぽ道」は、和風の落ち着いた店内で各種定食やうどんが食べられます。ゼリーフライもあるので単品で頼んでも良いでしょうが、ゼリーフライやデザートが付いた「さんぽ道セット」は良心的な価格でおすすめです。窓からは豊かな緑が見え、とても気持ちよく食事ができます。

住所:埼玉県行田市埼玉5198-4
電話番号:048-559-1995

ビストロフジヤマは公園から徒歩5分ほどでアクセスできるフレンチの店で、座敷に座り箸で食事をするスタイルをとっているレストランです。ランチタイムのおすすめは、フランス産フォアグラを使用した「フォアグラ丼」。2000円(2017年11月)で味噌汁とお新香が付いています。人気店なので食事の予定が立ったら予約をしておくのが無難です。

住所:埼玉県行田市埼玉5292-2ｰ2F
電話番号:048-594-6667

「元祖田舎っぺ」はつけ汁うどんの専門店で、公園の新レストハウスの道路を挟んで向かい辺りに位置しています。リーズナブルな値段で各種うどんを食べることができますが、おすすめは「きのこ汁うどん」。あっさりとした味で誰にでも好まれるもので、「元祖田舎っぺ」が発祥のメニューだそうです。きんぴらも評判なので、食事の際には忘れずにどうぞ。

住所:埼玉県行田市大字佐間1502
電話番号:048-559-2610

このように「さきたま古墳公園」では花を愛でたり、博物館や展示室で古墳時代について学んだり、ペットと散歩したりできます。火祭りというイベントもありますし、周辺では行田名物のフライやゼリーフライなどのB級グルメも楽しめます。ちょっと足を延ばせば「のぼうの城」の忍城や、蓮や田んぼアートで有名な「古代蓮の里」もあります。埼玉の隠れた観光スポット、さきたま古墳公園に是非お出かけください。