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桜鍋の老舗中江!明治から続く伝統の味は旅のグルメにもピッタリ!

桜鍋の老舗中江!明治から続く伝統の味は旅のグルメにもピッタリ!
投稿日: 2017年10月19日最終更新日: 2020年10月8日

桜鍋の老舗といえば浅草吉原の中江です。明治に創業した老舗の味はグルメな方の間で大変な人気があります。こちらではそんな中江の歴史や名店たるゆえん、桜鍋やそれ以外のおすすめや安くておいしい限定ランチなどに関しての情報をご紹介していきます。

桜鍋の老舗中江はグルメ観光にもおすすめ見出し

桜鍋の老舗と言えば浅草吉原の中江です。明治創業の老舗の味を求めてグルメな方が訪れる名店です。こちらではそんな中江の歴史や名店たる所以、桜鍋と桜鍋以外のおすすめや予約必須のおいしい限定ランチなどに関しての情報をご紹介していきます。

桜鍋の発祥と吉原遊郭見出し

馬の肉を使った桜鍋の発祥は明治時代にさかのぼります。そして当時東京の花街として大変栄えていた吉原遊郭と桜鍋の発祥には深い関係がありました。当時の吉原は日本一の遊郭として大変有名でしたがそのため地方の百姓がわざわざ遠方から吉原に遊びに来たそうです。

そして地方から来た百姓が遊郭で持ってきたお金を全部使い果たしてしまい、支払いに困ったときに、遠方から乗ってきた馬を売って支払いに充てたそうです。しかしながらそのような件が多発し、商家のところには馬が沢山集まってしまいました。考えあぐねていたところ思いついたのが、文明開化の当時、横浜で流行していた「牛鍋」を模した「馬鍋」でした。

日本では日本古来から伝わる宗教観や法律により「馬鍋」は「さくら鍋」と呼ばれました。さくら肉というと現在でこそ少し贅沢な料理に思えますが、当時は下町のB級グルメとして一般的なものでした。また、さくら肉には栄養が豊富なことから精力がつくとされ、吉原遊郭に遊びに行く前に立ち寄る客が多く、需要と供給が成り立った吉原界隈では多くのさくら鍋のお店が出来ました。

桜鍋の名店『桜なべ中江』とは?見出し

さくら鍋中江は桜鍋の発祥の地吉原の大門があった近くにある桜鍋の名店です。創業は明治38年で下町の"蹴飛ばし屋”と呼ばれていました。"蹴とばし屋"とは機嫌の悪い馬が後ろ足で蹴とばすことから馬肉やのことをそのように読んでいたのです。

吉原が繁盛していたころは多くの桜鍋のお店が数10件も立ち並んでいました。吉原に日帰りで訪れる客の行きがけや帰りがけ、泊り客の行き崖と帰りがけ、そして吉原で働く男性の仕事の終わりと1日にお客さんのピークが5回もあったそうです。

当時は24時間営業のお店も多かった吉原界隈ですが、吉原遊郭が廃止され、時代とともに桜鍋を提供するお店は数件ほどになってしまいました。さくら鍋中江は戦争や厳しい時代を乗り越え、現在まで営業をつづけている数少ない桜鍋屋の一つです。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の店舗は有形文化財見出し

現代的な建物が並ぶ現在の吉原界隈でもひときわ目立つ中江の店舗は、明治38年に営業を始め、大正12年に起こった関東大震災で一度は倒壊したものの翌年には立て直され、その後も何度か改築や改装を重ねながら、昔の趣を保ったまま現在では築100年近くの建物になりました。

またこの建物は紫檀や黒檀というような現在では柱一本で外車が変えるほどの高級資材が使われており、建築は神社仏閣などを建築する宮大工により行われたため、欄間などあらゆるところに宮大工の技術が施されています。そのためこの建物は現代では貴重な大正建築として平成22年に文化庁の国指定登録「有形文化財」に指定されました。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の店内はまるで博物館見出し

中江の2代目の祖太郎は大変絵心があり、店内にもいくつかの絵が飾ってあります。馬と寝ころんだ(倒れた)馬を描いている「牛負けて、馬勝ったの絵」のシャレがきいている絵も2代目の作品です。2代目は素人画家でしたが、地元では大変評判で人気があったそうです。

そして老舗の名店らしく、グルメな著名作家、画家、文化人などの作品が惜しげもなく飾られています。中でも江戸時代後期の有名画家「谷文晁」(江戸下谷根岸の生まれ)の作品と言われている「四季の馬」や中江の激動の歴史の同時代を生きた文豪「武者小路実篤」が中江の為に扇に書いてくれた詩などがあります。武者小路実篤は中江の常連でもありました。

著名人に愛された桜鍋の名店『桜なべ中江』見出し

中江は創業当時から多くのグルメな著名人や有名人から愛されてきました。例えば前段の文豪武者小路実篤をはじめ、人気歌舞伎役者の11代目市川團十郎(現在の市川海老蔵さんの祖父)や落語家の3代目三遊亭金馬、作曲家の團伊玖磨、画家の東郷青児、などそうそうたる人々が中江に足繁く通っていました。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の桜肉見出し

桜なべ中江の名物食材である桜肉(馬肉)には中江のこだわりが詰まっています。中江の桜肉は北海道生まれの純国産馬を九州の久留米の馬場で食用に育てられたものです。通常馬刺し向けの桜肉は2歳から4歳くらいまでの若い馬を使うのですが、中江では鍋にすることを前提とし、煮ても旨みが残る、おいしい脂ののった6歳から7歳の馬を使います。

通常よりも2倍、3倍の期間をかけて育てるのでそれだけコストがかかりますが、中江の肉へのこだわりは特別なものです。純国産で6から8歳の馬を冷凍せずにチルド状態で産地から直送させることで桜鍋に最適な桜肉の品質管理をしています。そのため現在4代目の店主は、「吉原が繁盛していていた時代より現在のさくら鍋の方が絶対においしい」と言い切っています。絶え間ない営業努力とこだわりが老舗を支えます。

また、中江で提供する桜肉の種類も豊富です。スタンダードな「ロース」、鉄分、グリコーゲンが豊富な「ヒレ」は初心者におすすめで、旨みたっぷりの「バラ」、柔らかくジューシーな希少部位「シャトーブリアン」、口に入れたら溶けるような「霜降り」、中江こだわりの幻の肉「巻ロース」など部位によって風味もまったく違います。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の名物「桜なべ」見出し

名物の桜なべにはザク(ネギ・白滝・麩)、生卵が付き、お肉の種類によって値段が変わります。「桜鍋ロース」が2480円「桜鍋ヒレ」が3480円、「桜鍋バラ」が3480円、「桜鍋シャトーブリアン」が4480円、「桜鍋霜降り」が5080円、「桜鍋巻ロース」が6080円です。

中江の桜鍋のタレ(煮汁)は割り下に特製の味噌ダレを加えてコクを出したものです。これは初代が考案したもので、このコクが人気で多くの人がこの味に夢中になりました。激動の時代を生き抜いてきた中江が生き残っているのは肉に対するこだわりだけでなく、タレへのこだわりもあります。是非こだわりのおいしいタレも堪能してください。

桜鍋の名店『桜なべ中江』は女性にもおすすめ見出し

吉原遊郭に遊びに行く男性が立ち寄ったり、遊郭内で働く男性が訪れたりしていたので、昭和33年に吉原遊郭が廃止されるまでは客は100%男性でしたが、近年馬肉がヘルシーで健康的な食材であるということが分かってからグルメで健康志向の女性客がどんどん増え、現在では半分以上女性客だそうです。女性でも気兼ねなく訪れられるお店です。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の桜なべの鍋見出し

吉原が繁盛していたころは下町のファーストフードとして、早くておいしいB級グルメとして人気を博していた桜鍋のなべは遊郭への行き帰りにさっと煮てさっと食べられるように熱が通りやすく底が浅い鍋が使用されています。鍋の取っ手の部分に彫られている「中江」の文字に歴史を感じます。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の桜なべの食べ方見出し

桜肉は繊細な食材ですので、一番おいしい状態でいただくためには食べ方が非常に重要です。まず最初にお鍋の中に割り下と味噌ダレ、桜肉と白い脂身が並べられた鍋が運ばれてきます。コンロがガスコンロではなく、ガスのチューブを使っているところが昔懐かしい感じがします。和服の店員さんがマッチで火をつけてくれます。

お鍋の真ん中あたりに味噌がありますので、軽くかき混ぜて割り下に溶かします。鍋が煮立つまで、卵を溶いて待ちましょう。鍋が煮立ってきたら、お肉をひっくり返して、軽く色が変わったあたりで先ほどの溶き卵につけてどんどんいただきましょう。桜肉は煮すぎると固くなってしまいます。ミディアムレアでいただくのがおすすめです。脂身はまだ残しておきます。

お肉を全部鍋からあげたら、ザク(ネギ・白滝・麩)を入れます。ザクを後から入れる理由は、タレ(煮汁)がザクの水分で薄まってしまうのと、脂身から溶け出すおいしい旨みをしっかりとザクが吸い取ってくれるからです。脂身はタレであめ色に変化したところでいただきます。

ここまでが一人前の食べ方ですが、おいしい桜鍋をもっと食べたければ、お肉のおかわりができます。もしお肉をおかわりするのであれば、ザクがまだお鍋に残っていれば隙間を作ってお肉のおかわりについてくるお味噌を溶かし入れます。そしてそこにお肉をしゃぶしゃぶのようにして入れて色が変わったらいただきます。

桜鍋の名店『桜なべ中江』のあとご飯見出し

桜肉のおいしい旨みがたっぷり溶け出した鍋の煮汁には溶き卵を入れて強火でひと煮立ち、ふわふわになった卵をご飯に乗せます。これが「あとご飯」です。これがグルメの間では大変人気でお勧めです。このあとご飯を目当てに来店する方も多いとか。おいしいお肉の後のシメは鍋料理の醍醐味です。是非お試しください。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の馬刺し見出し

馬刺し

桜肉にこだわる中江ではもちろんおいしい馬刺しもいただけます。数量限定の希少部位から、ロース、バラ、ヒレ、霜降り、巻ロースなど、部位によりさっぱりとしたものから口の中で脂が溶け出すジューシーなものまで、好みや気分によって選択できます。もちろん盛り合わせもありますので、食べ比べもおすすめです。

馬刺し握り寿司

馬刺しがおいしければ当然酢飯と併せてお寿司にしてもとてもおいしいです。まぐろの赤身のようにさっぱりとした部位やトロのように口の中で溶け出す部位もあります。グルメの間でもこの握り寿司が中江のおすすめ料理として人気があります。

タロタロユッケ

いまも昔も有名人に人気の中江には「芸術は爆発だ!」という名文句で有名なあの岡本太郎画伯もよく訪れていたそうです。その時岡本画伯が3代目の店主に「フランスでよく食べたタルタルステーキをこの店でも食べたい」といったことから考案されたのが馬のタルタルなのですが、岡本画伯の名前を拝借して「タロタロユッケ」となりました。「タロタロユッケ」はその由来と共に現在でも人気のおすすめメニューです。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の焼き物見出し

桜肉を知り尽くした中江では桜鍋、馬刺しのほかに、ステーキもおすすめです。もちろんステーキのお肉は桜肉ですが、南米インカの自然塩でシンプルに味付けしたミディアムレアのステーキは桜肉のおいしい脂の甘みや旨みが堪能できる逸品です。是非お試しください。

桜鍋の名店『桜なべ中江』のランチ見出し

昔は(おいしい・早い)ファーストフードとして庶民に人気の食べ物だった桜鍋ですが、「おいしい桜鍋を提供したい」という中江の素材へのこだわりなどにより、現代ではB級グルメというほど手軽なものではなくなってしまいました。しかしながら老舗の味をリーズナブルにいただきたいという方のためには、ランチタイムがおすすめです。

ランチメニューでは桜なべ、馬刺し、タロタロユッケなど、中江の人気料理をひと通りいただけるランチコース「中江昼膳」が3480円、桜鍋などに季節の贅沢食材が加わった贅沢なランチコース「季節の贅沢ランチコース」4980円など、ランチならではの価格でコースをいただけます。

平日はランチの営業はなく、ランチの営業は土日祝の午前11時半から午後1時だけです。またこの大変お得なランチは1日限定30食だけの限定ですので、予定が決まっていれば予約をおすすめします。予約は訪問する日の3日前までに連絡します。予約方法は電話もしくはホームページからも行っています。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の馬油化粧品見出し

こちらは桜肉を扱う中江ならではの馬油を配合した基礎化粧品のシリーズです。馬の油は保湿力が高く、肌荒れややけど、しもやけ、擦り傷などの万能薬として、肌に良いということで600年前の文献にも乗るほど有名です。是非お試しください。

桜鍋の名店『桜なべ中江』の別館金村見出し

「金村」はその昔、吉原遊郭のお茶屋として政界や財界の重鎮が愛用した老舗の人気料亭でしたが、吉原遊郭の廃止とともに多くの茶屋や料亭が店を閉じ、金村も平成21年に幕を閉じるところでしたが、「金村」の閉店を知った中江の4代目の主人が「吉原の文化と歴史の灯を消してしまうのは忍びない」という思いから「金村」を買い取り、中江別館としました。

「金村」では中江自慢の桜なべほかの馬肉料理が堪能できるうえ、芸者を呼んで宴会をすることもできます。またこちらは基本的には会員制で、完全予約制であるうえ、予約は訪問の1週間前までに連絡をします。1日3組だけしかお席をとりませんので、「ちょっと格上の料亭」という感じですが、贅沢な接待をしたいという方にはおすすめです。

『桜なべ中江』に桜なべを食べに行こう見出し

いかがでしょうか。長い激動の歴史の中を生き抜いてきた「桜なべ中江」には、風情たっぷりの吉原の香りが今も残っています。歴史的な建物の中で、おいしい桜鍋に舌鼓をうってみてはいかがでしょうか。自分も歴史の一部になったような感じがします。

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桜鍋と言えば馬肉を使った鍋のことですが、桜鍋には馬刺しとは全く違う魅力があります。こちらではそんな桜鍋の魅力や、都内でおいしい桜鍋をいただけるおすすめお店のほかランチが人気のお店など、桜鍋に関する情報をご紹介をしていきます。
投稿日: 2017年10月19日最終更新日: 2020年10月8日

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