石巻焼きそばって何？地元のおすすめB級グルメ人気店をご紹介！

数多くのB級グルメが生まれ続ける近年、宮城県は石巻から生まれた焼きそば「石巻焼きそば」をご存知でしょうか?焼きそばはB級グルメとしてはありふれている感じはしますが、この石巻焼きそばは他のご当地焼きそばとは大きく異なるポイントがあります。今回は石巻の方々が愛してやまない石巻焼きそばについて、その歴史や美味しい食べ方、ご当地にあるおすすめ人気店舗の情報などを詳しくご紹介します。

石巻焼きそばは、宮城県石巻を中心に食べられている二度蒸し麺を使った焼きそばでご当地の人から愛され続けているB級グルメです。その色から「事前にソースを練りこんである」と勘違いするかもしれませんが製造過程でソースは使われていません。もちろん着色料も一切使っていません。ではなぜ、麺が茶色になっているのでしょうか?その秘密は石巻焼きそば独自の製造方法「二度蒸し製法」が鍵を握っています。

石巻焼きそばの麺は始めは一般的な中華麺のような黄色い色をしています。この麺を蒸し上げるまでは一緒ですが、石巻焼きそばはこれをさらに水で洗って、もう一度蒸し上げています。この二度蒸し上げる作業の過程で化学反応が発生し麺が茶色く変化するというわけです。こうして出来上がった茶色い麺は、普通の中華麺と違い香りが香ばしく水分を良く吸収するようになっています。

水分を良く吸収するという特徴を生かし、調理時にはソース等は使用せず出汁を麺にかけて蒸し上げるようにして焼きそばを作ります。出汁をこれでもかというくらい吸い込んだ麺は柔らかめで、誰もが食べやすい食感となります。トッピングは店舗によって様々ですが、目玉焼きを乗せるのがオーソドックスなスタイルです。ソースは卓上に置いてあり、後から個人のお好みの量をかけて食べるのが特徴です。

石巻焼きそばの発祥は昭和25年にまで遡ります。当時は冷蔵庫が普及しておらず、常温でも長期間保存できる麺が研究されていました。その結果生まれたのが現在でも用いられている二度蒸しで作られた麺でした。この麺は石巻を中心に広がり、地元の飲食店やスーパーマーケットで利用される事となります。黄色い麺の焼きそばが販売されるまでは、地元では「焼きそばの麺は茶色が当たり前」と思うほど人気でした。

平成19年、全国的に焼きそばがブームとなっている事に注目した石巻では、この特徴的な茶色麺の焼きそばをB級グルメとして紹介し、石巻を盛り上げようと決起します。この時点でまだ名称は決まっていませんでしたが、翌年の平成20年には「石巻茶色い焼きそばアカデミー」が立ち上がります。これと同時に、それまでは様々な名称で呼ばれていた茶色い麺で出来た焼きそばを「石巻焼きそば」と統一する事になります。

平成21年にはB級グルメの祭典「B-1グランプリ」を主催する「愛Bリーグ」に準会員として登録します。その翌年の平成22年、ついに愛Bリーグの正会員へと昇格し、B-1グランプリの出場権を獲得します。平成23年のB-1グランプリでは第6位を獲得するなど、徐々にその魅力を全国へと知らしめつつあります。B級グルメの頂点の座に就くのもそう遠くはないのかもしれません。

石巻焼きそばには「美味しい食べ方」が存在します。石巻焼きそばを100%楽しめるよう、事前に美味しい食べ方を予習しておきましょう。

石巻焼きそばは出汁をかけて蒸し焼きするのがオーソドックスな作り方ですが、その出汁は店舗毎に独自の味付けがされています。出てきた物をまずはそのままの状態でいただき、麺が吸い込んだ出汁の風味をしっかりと味わいましょう。

麺が吸い込んだ出汁の味を堪能したら「後がけソース」の登場です。石巻焼きそばを提供するお店では卓上ソースが備え付けてあることがほとんどです。この卓上ソースは店舗ごとに相性の良いソースを提供していますので、焼きそばの味を損なうことはありません。後がけソースを麺に絡めていただけば、出汁と相まって美味しさがグーンとアップします。

最後にトッピングされている「半熟目玉焼き」の登場です。半熟の黄身をつぶしてとろりと流れる卵を麺に絡めていただけば、極上の味わいになります。店舗によってはトッピングを選択できるお店もありますが、「目玉焼き」だけは必ずチョイスしていただきたいおすすめのトッピングとなっています。1つの焼きそばで3種類もの味わいを楽しめるのも石巻焼きそばならではです。

石巻焼きそばは通販で取り寄せる事もできるようになりましたが、一度はご当地で味わってみたいですよね。そこで、次はご当地にある石巻焼きそばの美味しい人気店舗をご紹介します。ご当地の人にも好まれる店舗ですので、訪れる際にはスムーズに入店できるよう、店舗の情報をしっかりとチェックしておいてください!

JR石巻駅から徒歩4分程の位置にある「藤や食堂」は石巻焼きそばの老舗で、いつも地元の常連や観光客でいっぱいの人気店です。焼きそばは何も乗っていないノーマルが450円で、目玉焼き、肉、野菜などをプラスすると料金が追加される仕組みです。麺の味自体は薄目ですので、卓上にある専用ソースを自分の好きな分だけかけていただきます。藤や食堂の営業時間は11時から20時で、休みは不定休となっています。

住所:宮城県石巻市立町2-6-17 電話番号:0225-93-4645

渡波駅から歩いて10分程の場所にある「豊浦やきそば専門店」は石巻で50年以上営業を続けた老舗のお店です。自宅をリフォームして営業をしているこのお店ではキャベツ、人参、ピーマン、目玉焼き、肉、海苔が乗っていて、彩り鮮やかな焼きそばとなっています。甘めの中濃ソースが絶妙にマッチして優しいまろやかな味わいが口いっぱいに広がります。豊浦やきそば専門店は不定休でランチ営業のみしています。

住所:宮城県石巻市渡波栄田174-3 電話番号:0225-24-2162

長嶋茂雄似のイラストと共に「石巻茶色い焼きそばは永久に不滅です」と書かれた看板が目印の「三浦屋」は、石巻焼きそばの他にもラーメンやカレー、定食などメニューが豊富なお店です。肝心の石巻焼きそばはというともやしが多めの焼きそばとなっていてスープがついてくるお得な料理となっています。量が非常に多いので、大食いでない方はSサイズを注文する事をおすすめします。

住所:宮城県東松島市大曲字寺沼2 電話番号:0225-82-3424

「麺舗 かのまたや」はうどんがメインのお店なのですが、石巻焼きそばも提供しています。うどん店だからといって侮ってはいけません。注文時にはソースと出汁の二種類から選べますが、おすすめは断然「出汁」です。他の店と比べ出汁が効いた麺が特徴で、具材もキャベツに人参、玉ねぎ、肉と豪華です。その上お値段480円で提供しているというのだから驚きです。追加出汁ソースをかければ美味しささらにアップです!

住所:宮城県石巻市穀町6番19号 電話番号:0225-95-0468

「金兵衛茶屋」は日和山公園の園内にあるお店です。昔懐かしい雰囲気があふれるお店で、神社のお参りの休憩ポイントとして利用できる場所です。味噌おでんや三食団子、ラーメンなど休憩所でいただけるオーソドックスなメニューの中には石巻焼きそばも入っています。ここでいただける石巻焼きそばは野菜と天カス入りでボリュームたっぷりでありながらコクがあって美味しい一品となっています。

住所:宮城県石巻市日和が丘2-1-10 電話番号:0225-93-9660

石巻焼きそばの歴史や、美味しい石巻焼きそばをいただけるご当地の人気店をご紹介しました。美味しい出汁をたっぷりと吸い込んだ二度蒸し茶色麺は他のご当地焼きそばと大きく異なるポイントです。通信販売を利用すれば家庭でも作れる石巻焼きそばですが、ぜひ一度本場石巻に訪れ、発祥の地で石巻焼きそばを堪能してみてはいかがでしょうか。