神保町・さぼうるのメニュー徹底調査！朝食からバータイムまで懐深い老舗喫茶

神保町は大学やオフィスが立ち並び、経済の中心としても知られています。昔ながらのレトロな喫茶店も多く、読書や勉強、お仕事の打ち合わせなどにもぴったりなお店がたくさん。今回は、神保町のなかでも特に老舗の喫茶店「さぼうる」に焦点を当て、お店の雰囲気や人気メニュー(モーニングやバーなど)を徹底解剖していきたいと思います。

本記事の主役、さぼうるは、1955年創業の喫茶店です。なんと創業60年以上になる老舗中の老舗!個性的な外観とオリジナリティあふれるお食事メニューは、昔も今も多くの人を楽しませてくれます。地下鉄(半蔵門線、都営新宿線、都営三田線)神保町駅のA7出口を出てすぐ、左に曲がったところの裏路地にあります。

「さぼうる」は実は2店あるってご存知でしたか?地下鉄の駅を出て手前側の黄色い看板が「さぼうる2」、奥側に「さぼうる」があります。さぼうるは飲み物が中心、さぼうる2はナポリタンなどのお食事がメインの喫茶店。時間帯や用途によって使い分けてください。

また、さぼうる2は木目調の家具や内装が落ち着く雰囲気で人気ですが、さぼうる(赤看板)にあるような異世界のような雰囲気や落書きはありません。営業時間は朝9時から夜22時までとどちらも同じ。モーニングからバータイムまで、幅広いニーズに応えることができます。

神保町駅のA7出口を出て裏道に回ると、街ビルの中でひときわ目立つ山小屋風の建物が見えてきます。それが、さぼうる。このオリジナルな雰囲気を醸し出す建物は、創業当時からほとんど変わっていないんだそうです。トーテムポールや今や懐かしき赤電話の置かれた店頭は、独特すぎて入るのを躊躇してしまいそうなほど。

ですが、ここは勇気を出して一歩足を踏み入れてみましょう。店内に入ると、オレンジ色の間接照明が薄暗く、まるで冒険に来たかのような錯覚に襲われてしまします。テーブルや椅子はウッディー調で、しっかりと使い込まれた感じが端々に出ており、年季が感じられます。

フロアのこぢんまりとした感じや廊下の狭さも、また味のあるもの。フロアにはいろいろな国の人形や置物が所狭しと置かれており、まるで異世界。壁のレンガや椅子などには落書きがいっぱい書かれていますが、これもまたさぼうるの名物なんです。落書きを読みながらコーヒーやお食事を楽しむのもオツなものです。

さぼうるは朝9時から営業しているので、モーニングをいただくのもおすすめ。朝は自然光の爽やかさと、ランプの照明の温かさが相まって、一般的な喫茶店とはまた違った独特の雰囲気です。「モーニングサービスセット」は500円です。内容は、バターロール2個と野菜サラダ、半熟卵。これにコーヒー、ミルク、紅茶の飲み物がつきます。

ロールパンが大きめなので、結構お腹いっぱいになります。そのままでもふんわりとして美味しいですが、添えられたバターをつけていただきましょう。サラダの具は日によって微妙に変わるようですが、レタス、トマト、きゅうりなどで、結構量があります。モーニングの卵は半熟またはかた茹でから選ぶことができます。

ロールパンをセルフでカットして、野菜やゆで卵を挟み、オリジナルのロールパンサンドを作って食べるのも美味しそうですね。「朝はたっぷり食べるタイプではない」という方は、「モーニングコーヒー」(330円)がおすすめ。塩味の効いたピーナッツが付いてくるので、適度に胃にたまります。モーイングサービスは朝11時までです。

さぼうるはドリンクメニュー中心ですが、トーストやサンドイッチなどのお食事メニューもあります。なかでも人気は「ピザトースト」です。食パンにピザソースを塗り、たっぷりのピーマンやハムを重ねて焼き上げたシンプルな一品です。少し小ぶりの食パンですが、とっても厚切りなのでボリューム十分。

表面のチーズがとろりと溶けて、外はカリカリ、中はふんわり食感です。ピザソースとチーズのバランスが丁度良いと、密かなファンも多いメニューです。大700円、中500円とお値段もリーズナブルで嬉しいですね。コーヒーとの相性抜群です。このほか、サンドイッチやホットドッグも美味しいと評判です。

喫茶店の定番「コーヒー」は400円。1杯1杯ハンドドリップで丁寧に淹れられており、店主のこだわりが感じられます。雑味が最小限に抑えられていながら、コーヒー豆本来のコクや風味はしっかりと残っており、酸味や苦味が強めです。付け合わせのピーナッツの塩気がよく合う、少し濃いめに作られたコーヒーです。

さぼうるの生ジュースは4種類。特にいちごは一番人気の生ジュースです。甘さは控えめで、いちごの甘酸っぱさがたまらない美味しさです。いちごを粗めにつぶして作っているせいか、いちごの果肉感やつぶつぶ感を存分にあじわうことができます。ストローに果肉が詰まってしまわないよう、ゆっくりといただきましょう。

生ジュースは、いちごの他にバナナ、レモン、パインもあります。バナナにミルクを加え、しっかりと泡立ててクリーミーに仕上げた一杯。バナナ自体が甘みの強い果物なせいか、いちごに比べてかなり甘い生ジュースに仕上がっています。どの生ジュースも、量は500ミリリットルと多めなので、おやつ代わりになるほど胃にたまります。

さぼうるのスイーツは「チョコレートケーキ」「クリームチーズケーキ」の2種類。いずれも350円ととってもリーズナブルなお値段です。見た目も味もとってもシンプルで、しっかりとした甘みです。ですが、ケーキメニューはさほど人気がないようで、果肉をたっぷりと使用した生ジュースの方が圧倒的に人気のようです。

そのほか、「クリームソーダ」(580円)もおすすめです。赤、黄色、緑、水色とカラーバリエーションが豊富。色は選べます。グループみんなで1つづつ注文すれば、驚くほど美しいフォトジェニックな1枚が撮影できます。トッピングされているアイスクリームもとってもボリューミー。

喫茶店として有名なさぼうるは、バーとして利用することもできます。カクテルやビールなどが種類豊富に取り揃えられており、カクテルは甘さ控えめ。バータイムには、美味しいお酒とお食事を楽しみましょう。おつまみも、えだまめや冷奴、唐揚げ、ピッツアなど、種類豊富。夜22時まで営業していますので、お仕事帰りにもおすすめです。

さぼうるは飲みものメイン、さぼうる2はお食事メインの喫茶店です。店内は本家さぼうるの山小屋の雰囲気を残しながらも、自然光を生かした開放的な雰囲気が特長です。カレーやハンバーグ、ピラフなど定番の洋食メニューが並ぶ中、人気は「スパゲッティナポリタン」。

お皿に山盛りにされたナポリタンは圧巻です。具材はベーコン、マッシュルーム、玉ねぎなどシンプル。細めの麺でケチャップの甘さは控えめ、昔懐かしい味わいです。一緒に運ばれてくるタバスコと粉チーズをたっぷりとかけていただきましょう。本家さぼうる名物の生ジュースも販売していますので、生いちごジュースと一緒にいかがですか。

「さぼうる」の魅力を余すことなくご紹介しました。近年、おしゃれな海外発のカフェが増えてきましたが、昔ながらの喫茶店にも独特の魅力があります。古本片手にぜひ訪れてみてください。都会の喧騒を忘れて、まるで異世界に入り込んだようなくつろぎのひとときを過ごせること間違いなしです。モーニングやバーとしての利用もおすすめ。