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甲斐善光寺へ行こう!鳴き龍やお戒檀廻りなどおすすめ見どころまとめ!

甲斐善光寺へ行こう!鳴き龍やお戒檀廻りなどおすすめ見どころまとめ!
投稿日: 2017年10月16日最終更新日: 2020年10月8日

善光寺といえば信濃善光寺が有名ですが、武田信玄が建立した甲斐善光寺は信濃善光寺との縁も深く、日本最大の鳴き龍やお戒壇巡りでも有名です。金堂には川中島の合戦で使われた陣太鼓もあります。甲斐善光寺と信濃善光寺を巡る歴史と見どころをご紹介します。

武田信玄ゆかりの甲斐善光寺見出し

甲斐善光寺は武田信玄公が信濃の善光寺を移転させました。全国にある善光寺とは区別するために甲斐善光寺と呼ばれています。山門と金堂をはじめ、御本尊の阿弥陀三尊像など3組の阿弥陀三尊像が国の重要文化財に指定されています。周辺には武田信玄を祀った武田神社や護国神社もあり酒折宮にも近いパワースポット、甲斐善光寺の見どころをご紹介します。

信濃善光寺の目前で行われた川中島の合戦見出し

武田信玄と上杉謙信が12年間、5回にわたって闘ったのが川中島の合戦です。有名な信玄と謙信の一騎打ちが行われたとされる最大の激戦は第四次の合戦です。川中島は長野盆地の南部、千曲川と犀川の合流地点です。長野盆地は善光寺を始め戸隠神社や飯綱など修験道の拠点もあり一大経済圏を築いていました。

信濃国は統一が遅れ、国人衆と呼ばれる地方武士団が割拠していました。甲斐を統一した武田氏は信濃に目を向け攻略を開始します。川中島の合戦は北信濃の攻略を目指す武田信玄と阻止を図る上杉謙信の戦いです。実質的な合戦は第四次までで、武田信玄は膨大な時間と犠牲を払いながらも北信濃を制圧します。

合戦を逃れて建立された甲斐善光寺見出し

川中島の合戦といっても実際に川中島で戦ったのは第二次と第四次の2回だけです。第三次の合戦は上野原の戦いと呼ばれ川中島の北、長野盆地が戦場になりました。一時は武田信玄が善光寺に本陣を置いたといわれています。長野盆地を制圧した武田信玄は善光寺の焼失を恐れ、善光寺自体の移転を画策しました。

武田信玄は善光寺別当の栗田氏に命じて本尊や寺宝、栗田氏や僧侶も甲斐に移転させました。上杉謙信も一部の寺宝を直江津に移して如来堂を建立しています。移転は永禄元年(1558)に完了し、本尊は仮堂に納められました。永禄8年(1568)に本堂が完成し入仏供養が行われました。

武田氏滅亡と甲斐善光寺見出し

天正10年(1582)に織田・徳川連合軍による武田征伐により武田勝頼が討ち取られ、武田氏は滅亡しました。甲斐善光寺に安置されていた善光寺本尊は織田、徳川、豊臣氏の手を転々としましたが慶長3年(1598)には信濃善光寺に戻されました。甲斐善光寺の本尊は信濃善光寺の前立仏が移されました。

甲斐善光寺は浄土宗を信仰する徳川氏の庇護を受け、浄土宗甲州触頭として甲斐国内の浄土宗寺院を束ねる役割を持ちました。後には徳川家の位牌所になりました。伽藍は江戸時代に消失しましたが寛政8年(1796)に再建され、現在に至っています。御朱印帳には武田菱と三つ葉葵の紋が刻まれています。

甲斐善光寺の見どころ1:未完成の仁王さま見出し

甲斐善光寺の拝観時間は9時から16時30分までです。拝観料は中学生以上が500円、小学生250円です。駅からの所要時間は中央線酒折駅から徒歩15分、身延線善光寺駅から徒歩10分です。広い駐車場もありますが、駐車場から直接境内に入ってしまうと重要文化財に指定されている山門を見逃してしまうのでご注意ください。

お寺の入り口である山門は2階建ての楼門という形式の立派なものです。柱で5つに仕切られ中央の3ヶ所が通行できる5間3戸という造りです。両脇には仁王さまとも呼ばれる金剛力士像が祀られていますが、なぜか未完成なのです。甲斐善光寺の再建工事には約30年かかっており、それが原因なのかもしれません。

甲斐善光寺の見どころ2:善光寺様式の金堂見出し

江戸時代に再建された金堂は高さ27メートル、幅54メートル、奥行き49メートルという威容を誇り東日本では最大級の木造建築です。前面に屋根が張り出した建築様式は撞木造りといわれる善光寺様式の様式です。屋根には武田家の家紋である武田菱が掲げられ、欄間などに施された彫刻に江戸の職人の技が伺われます。お賽銭箱には徳川家の三つ葉葵が浮き彫りにされています。

甲斐善光寺は宝暦4年(1754)に門前町からの出火で伽藍は焼け落ちました。その後30年以上の時間をかけて寛政8年(1796)に再建されました。余りに時間がかかったため工期の遅れを意味する善光寺普請という言葉も生まれたほどです。金堂の内部も拝観することができ、鳴き龍やお戒壇巡りを体験することができます。

甲斐善光寺の見どころ3:日本一の鳴き龍見出し

金堂に入るとまず鳴き龍が迎えてくれます。朱色と緑で描かれた2頭の龍は寛政に再建された際に江戸の絵師である希斎によって描かれました。希斎は神仙や仏教画を得意とし、熱田神宮などにも作品を残しています。鳴き龍とは手を打つと天井の反響により龍が泣いているように聞こえるというものです。

鳴き龍は日光東照宮など各地にありますが、甲斐善光寺の鳴き龍は日本一の規模を誇っています。手を打つ位置によって鳴き龍の声も変わります。床に手を打つポイントが記されているので、そこで手を打ちながら鳴竜の声の違いを体験することができます。自分の頭の上から鳴き龍の声が聞こえるという不思議な体験ができます。

甲斐善光寺の見どころ4:お戒壇巡り見出し

甲斐善光寺の金堂下にはお戒壇巡りがあります。心という文字の形につくられた真っ暗な廊下を進みます。お戒壇巡りは仏様の胎内巡りという意味もあり、ご結縁の鍵に触れることで極楽往生できるというものです。信濃に比べると少し狭く、お参りの時間も短いお戒壇巡りですが、濃密な闇には変わりありません。

お戒壇巡りには何も見えない暗闇の中で曲がりくねった廊下を通り、明るい光の世界に戻ることで生まれ変わるという意味があります。視界を遮断され、方向感覚を失った状態で仏にすがる時間を過ごすことで参拝者は悟りに近づくことになります。甲斐善光寺は参拝者が少ない分、より孤独感を感じることができます。

甲斐善光寺の見どころ5:日本庭園のような境内見出し

武田信玄は甲斐善光寺を建立する際には信濃善光寺と同じ面積の広大な敷地を用意しました。広い境内には松をはじめとして桜などの木々が植えられ、季節の花が彩りを添えています。鯉が泳ぐ池を囲んで日本庭園がつくられており、境内の木々と一体化して甲斐善光寺自体が日本庭園のようで散策すると時間を忘れるほどです。

境内には大仏様やお地蔵様、咳が治るといわれるお咳婆さんの石などがあります。金堂周辺の地面をよく見ると、かつて焼失した伽藍の礎石とおぼしき石が散見されます。鐘楼にある梵鐘は武田信玄が運搬する際にひきずったために傷がついており、引きずりの梵鐘といわれています。この梵鐘は県指定有形文化財です。

牛がお参りした甲斐善光寺見出し

本堂の横には霊牛碑という五輪の塔があります。江戸の芝牛町で飼われていた牛が主人の夢枕に立ち、善光寺参りに行かせてほしい、そうすればこの家は豊かになると訴えました。主人が目覚めると牛は小屋を抜けだして甲斐善光寺に行き、そこに7日間とどまって家に帰ったということです。

その牛が死んだとき、体が光輪につつまれました。飼い主は霊牛ということで角を甲斐善光寺に奉納しました。その1本を埋めて霊牛碑を建てました。残りの1本は宝物館で一般公開されています。牛に引かれて善光寺参りといいますが、甲斐善光寺は牛が勝手に善光寺参りをしたのです。

甲斐善光寺の本尊は秘仏見出し

信濃と同様、甲斐善光寺のご本尊である阿弥陀三尊像は厨子の中に納められ秘仏とされています。7年に1回ご開帳が行われ、大変にぎわいます。御朱印も御開帳記念の印が押された特別仕様になります。前回のご開帳は2015年でしたので次回は2022年ということになります。

ご本尊の阿弥陀三尊像は建久6年(1195)の銘がある銅造で、国の重要文化財に指定されています。元は信濃善光寺の前立本尊として造立されました。善光寺様式の阿弥陀三尊像は小型なのですが、このお像は例外的に等身大で造られているのが特徴です。他にも木彫の阿弥陀三尊像が2体、いずれも重要文化財に指定されています。

甲斐善光寺の御朱印見出し

甲斐善光寺の御朱印は金堂の授与所でいただくことができます。拝観前に御朱印帳をお預けして、帰りに受け取るのがおすすめです。御朱印には、ご本尊の善光寺如来のお名前が記されています。御朱印帳も授与所で頂きます、御朱印の納経料ともに1,500円でいただくことができます。

仏様ごとに御朱印をいただくことができる諏訪善光市とは異なり、甲斐善光寺の御朱印はご本尊のみです。それでも周辺には武田神社をはじめ甲斐護国神社や恵林寺、酒折宮など神社仏閣も多くあります。甲府五山なども合わせて、御朱印あつめも兼ねた寺社巡りも楽しいかもしれません。

甲斐善光寺で仏教を体験しよう見出し

いかがでしたでしょうか。甲斐善光寺の見どころや魅力をご紹介しました。歴史を感じさせる大伽藍ばかりではなく、無き龍やお戒壇巡りなど仏教を体感できるスポットでもあります。広い境内からは富士山を見ることもでき、心が洗われる空間です。甲斐善光寺にお参りしてみませんか。

投稿日: 2017年10月16日最終更新日: 2020年10月8日

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