鳩森八幡神社は２種類の御朱印あり！パワースポットと名高い神社の富士塚も紹介！

千駄ヶ谷にある鳩森稲荷神社は、千駄ヶ谷一帯の総鎮守として古くから信仰を集めてきました。特に富士塚は富士信仰とのかかわりで、江戸時代の人々の信仰を集めました。鳩森八幡神社の御朱印やお守り情報を含めて、見どころを紹介します。

鳩森八幡神社は東京都渋谷区千駄ヶ谷にあります。前述したように千駄ヶ谷一帯の総鎮守という役割を担っており、江戸時代の紀行図鑑である「江戸名所図会」にも紹介されています。正式名称は「八幡神社」です。

鳩森八幡神社へのアクセスですが、地下鉄、JRを利用してアクセスすることができます。まず地下鉄の場合は、最寄り駅が二つあります。一つは東京メトロ副都心線の北参道駅、もう一つは都営地下鉄大江戸線の国立競技場前駅です。北参道駅からは出入口2番、国立競技場前駅からは出入口A4番を利用するとよいでしょう。

JRの場合は中央本線の千駄ヶ谷駅が最寄り駅となります。千駄ヶ谷駅は中央線、総武線の各駅停車のみが停車する駅なので、JRを使う場合は注意が必要です。それぞれの最寄り駅からは、どこからでも徒歩で5分ほどと近いので、出発地からのアクセスが便利なところを選ぶといいです。

鳩森八幡神社はもともと、神亀年間(724年から729年)に創建された社でした。860年に慈覚大師円仁が関東を巡っていたところ、鳩森の村民たちに乞われ、神功皇后・応神天皇・春日明神の像を造り、正八幡宮として奉りました。これは山城国石清水八幡宮(男山八幡宮とも)に宇佐八幡宮を遷座した故事にのっとったものです。

「江戸名所図会」では、次のような話が記載されています。大昔、ここの林の中には瑞雲がたびたびあらわれました。これはおめでたいことがおこる前ぶれだと考えられていました。ある日青空より白雲が降りてきたのを見た村人が不思議に思って林の中に入っていくと、突然白い鳩がたくさん、西の空にむかって飛び立って行ったのです。そこでこの祠を「鳩森」と名づけたのだそうです。

鳩森八幡神社の見どころというと、まず一番にあがるのが富士塚です。次に詳しく紹介しますが、鳩森八幡神社の富士塚は、都内で最も古いものなのだそうですから、まさに見どころ中の見どころと言っていいでしょう。でも、鳩森八幡神社の見どころはここだけではありません。

まず、境内にある神明社、これは千駄ヶ谷太神宮というすごい名前がついています。もともと鳩森八幡神社は最初に書いた通り、千駄ヶ谷一帯の総鎮守とされていますが、この神明社は天照大神を祀ります。もともとは権田原にありましたが、1908年にここに移動してきたそうです。

もう一つ、鳩森八幡神社で特徴的な見どころとして挙げられるのが、将棋堂です。六角形のお堂で、中に「王将」の駒が祀られています。実はこの駒は1986年に将棋連盟会長をしていた大山康晴第15世名人によって奉納されたもので、その駒を納めるためにこの将棋堂が作られたのです。将棋会館がすぐ近くにあることで、将棋との縁が深かったからなのだそうです。

名人が奉納したというあたりで、将棋を指す人にとってはパワースポットとなりそうですが、実際に将棋の腕前が上達することを願う人達が絵馬を奉納しているのだそうです。またそれにちなんだお守りもあり、さまざまな局面で指し勝てるように、ということで購入する方も多いそうです。将棋に関係する方には外せない見どころです。

鳩森八幡神社は、実はパワースポットとしても知られています。その理由は次に紹介する、富士塚とのかかわりが大きいのです。なにしろ富士山のパワーですから、そのご利益も十分に期待できるというものです。

この富士塚の頂上に祀られた木花咲耶姫は、女子力アップのご利益がたっぷり期待できます。また、神功皇后・応神天皇が祀られていることから諸願成就、縁結び、子宝、安産などのご利益があると言われています。パワースポットでもあるわけですから、これらの願いを叶えたい方はぜひ参拝しましょう。

さて、パワースポットのパワーのもとと言われる富士塚ですが、いったいなんのことなのでしょうか。これはいってみれば富士山のミニチュアということになるのですが、江戸時代に広まった富士信仰と深い関係があります。

今でもそうですが、実際の富士山に登るのは難しいことです。そのため江戸時代には、江戸を中心にして多くの富士講が生まれました。お金を集めて実際に富士山に登ることもありましたが、こういった富士塚に登ることで、富士山に登ったご利益を得ようとしたのです。

最初に作られた富士塚とされるのは1780年に高田藤四郎という人物によってつくられたものですが、これは後に破壊され、近くに移築されており、富士講がある日のみ入ることができます。それに対して鳩森八幡神社にある富士塚は、1789年に作られたもので、千駄ヶ谷富士と呼ばれ、当時の場所に現存するものとしては最古のものとされています。

富士塚はあくまでもミニチュア富士山なので、本物と同じように神社が祀られます。鳩森八幡神社は4合目に里宮である富士浅間神社があり、頂上には奥宮があります。本物の富士山と同じように浅間神社の境内で、浅間神社の奥宮に詣でる、という形になります。まさに富士塚は富士信仰をかなえるための場所であり、パワースポットだったのです。

ちなみに、鳩森八幡神社の富士塚は東京都の有形民俗文化財に指定されており、江戸時代には「江戸八富士」の一つに挙げられていました。現在も「江戸七富士」の一つに挙げられ、「江戸七富士巡り」などが行われているのだそうです。興味がある方はぜひ参拝して、パワースポットの力をいただきたいものです。

ちなみに、ミニチュア富士山、ということで、どれだけの大きい山を登るのだろうか、と心配になる方もいるかもしれません。ですが、先ほども述べたように、本物の富士山に登ることが難しい人でも登ることができるのが富士塚です。そのため数分もあれば頂上まで行くことが可能なサイズとなっています。

ただし、下は石段などになっているうえ、富士浅間神社から上はルートがいくつかあるものの、ルートによってはちょっとした山道をあがるような場所もあります。ルートは3つあるので、体力に合わせて選ぶといいでしょう。また歩きやすい靴、歩きやすい恰好で登ることをおすすめします。

鳩森八幡神社を参拝したら、やはりチェックしておきたいのがお守りです。一般的な縁結びなどのお守りはもちろんありますが、ここでは、鳩森八幡神社ならではのお守りを紹介します。　

風水に関係するお守りも神社などでよくありますが、ここの風水ダルマが珍しいのはその種類の多さです。なんと10種類もあり、それぞれに上昇させたい運と方角が違います。ですから、上昇させたい運のものを選んで購入し、その方角に置いておくといいわけです。

珍しいものとしては紫色の人間関係運、ゴールドの結果運、白の幸せ運などがあります。ちなみに金運は黄色なのだそうです。ぜひ上昇したい運のものを見つけて、パワースポットの力を手元に引き寄せたいところです。

先ほど紹介した将棋に関係するお守りがこれです。木箱に入った「王手勝守」と「王手守」があります。将棋の駒と盤をあしらったデザインで、棋力の向上と共に、様々な局面で指し勝てるように、という願いをこめて購入する方が多いお守りだそうです。

もう一つ、寺社を参拝したらいただきたいものが御朱印です。鳩森八幡神社には深緑、えんじ、花柄の三種類の御朱印帳があるので、集めてみたいという方はここで購入して御朱印集めを始めるのもいいかもしれません。

また、鳩森八幡神社では御朱印が二種類いただけます。一つは鳩森八幡神社の御朱印で、もう一つは富士塚に登ったことを祈念するものです。特に富士塚のほうの御朱印には富士山があしらわれており、「千駄ヶ谷富士登拝記念」と記載されます。鳩森八幡神社に来たらほとんどの場合富士塚に登るかと思うので、登拝したらこちらの御朱印もいただきましょう。

千駄ヶ谷の総鎮守として、また富士塚がある神社として、古くから多くの信仰を集めた鳩森八幡神社は、今も多くの参拝者を集める神社となっています。ぜひ富士塚に登り、そのパワースポットの力を存分に受けてください。