カンノーロは映画ゴッドファーザーにも出てきたお菓子！日本で買える店舗紹介！

カンノーロというスイーツをご存知ですか？映画ゴッドファーザーに登場したイタリアのお菓子というと、ピンとくる人もいるかも知れません。少し前まではイタリアンレストランのデザートとして時折見かけるくらいの珍しいお菓子でしたが、最近東京駅にはカンノーロ専門の「カンノーリバー」もオープンし、今話題のスイーツとなっています。

最近人気が高まっているイタリア発のスイーツカンノーロ。日本での知名度はまだあまり高くありませんが、クリームの入った甘いもの好きには堪らないスイーツです。
今回は、そんなカンノーロについてご紹介致します。

カンノーロ（cannolo）とはイタリア人なら誰もが知るシチリアの伝統菓子。イタリア語の複数形でカンノーリ（cannoli）と呼ばれることから、店舗によってカンノーロだったりカンノーリだったりします。シチリアのスイーツの中では一番有名で、季節関係なく年中食べられますが、昔は謝肉祭を祝って作られた季節性の高いお菓子だったそうです。

カンノーロの生地は、小麦粉、砂糖、卵、ラードとシチリア名産のマルサラ酒などを使ってできており、これを捏ねて薄く伸ばします。生地を正方形に切って円筒に巻きつけてラードでカリッと揚げたら、中に甘みをつけたリコッタチーズなどを詰めて出来上がりです。大抵のカンノーロはチョコやフルーツの砂糖漬けなどがトッピングされています。

シチリア以外ではリコッタチーズの代わりにカスタードクリームなどを詰めたり、皮をココア味にするお店もあるようです。大きさに関しても様々で、カンヌーリッキ (cannulicchi) と呼ばれる指より細いものから、長いものまであります。ギネスに挑戦している地方もあり、5メートル近くにもなるカンノーロが記録されているそうです。

カンノーロはイタリア系アメリカ人のデザートとしても大変人気が高いそうですが、シチリアでも場所によってトッピングとして使われるものが異なるそうです。ピスタチオの産地近くの店舗ではピスタチオを砕いたものが多く、柑橘系の産地近くはオレンジピールやレモンピールといった風に様々なものがあり、郷土料理として興味深いお菓子です。

カンノーロというスイーツを知ったのは、映画ゴッドファーザーだったという人もいると思います。一作目の中に「銃は置いていけ。カンノーリは持ってきてくれ」（Leave the gun. Take the cannoli.）という名セリフがあります。コルレオーネ一族の裏切り者の殺害を命じられた忠臣ピーター・クレメンザが、銃殺後に言ったセリフです。

またゴッドファーザーの三作目ではカンノーロは毒殺の手段として登場します。ゴッドファーザーはアメリカで生きるイタリアンマフィア一家の物語ですが、アメリカでは映画の影響でカンノーロの知名度が一気に上がったそうです。日本でもゴッドファーザーが好きで、カンノーロはずっと食べてみたい憧れのスイーツだったという人もいるようです。

元々はカーニバルの時期にリコッタチーズを入れて食べていたそうですが、現在はクリームの中にチョコを混ぜたり、特産物、ピスタチオやレモンピールを入れるなど様々なバリエーションを楽しむことができます。

カンノーロは他のイタリアンデザートと比べると比較的あっさりはしていますが、外側の皮にもフィリングのクリームにも砂糖が使われ、最後に上から粉砂糖を飾りにふるのでやはりとっても甘いお菓子です。そんな甘いお菓子には苦いエスプレッソがピッタリです。

きりっと苦いエスプレッソと甘いカンノーロのハーモニーを楽しむことができます。

シチリア料理レストランはもちろん、イタリアンのデザートメニューにはカンノーロを時々見かけますが、テイクアウトができるお店というと珍しいもの。ここではカンノーロを買える人気のお店を紹介します。まず最初は、先日カンノーロ専門となる「カンノーリバー」を東京駅にオープンさせたEATELY（イータリー）グランスタ丸の内店です。

イタリア食材を集めたお店として有名なイータリーは、現在イタリア以外に30ヶ所以上の店舗がある世界的に人気のお店。今年10月に東京駅のグランスタ丸の内店にできたカンノーリバーでは、注文すると目の前でカンノーロの皮にリコッタクリームを詰めてくれます。その場で作るカンノーロは、皮がクリームで湿ることなく楽しめます。

東京駅にあるカンノーリバーのカンノーロは、5種類のトッピングから2種類選べます。トッピングは、ピスタチオ、オレンジピール、アーモンド、チョコレート、ヘーゼルナッツがあり、最後に粉砂糖をかけて出来上がり。お値段は500円。皮がサクサクでパリッとしていて、リコッタクリームは想像よりさっぱりしていて食べやすいと好評です。

ニューヨークの食材セレクトショップ「DEAN&DELUCA」（ディーンアンドデルーカ）は、都内のあちらこちらに店舗を構える人気店。ディーンアンドデルーカのカンノーロは、鮮やかな赤色のドレンチェリーのトッピングが目をひきます。リコッタチーズクリームは甘さ控えめでシンプルな仕上がり。ふわっとした口当たりがとても好評です。

ディーンアンドデルーカのカンノーロは期間限定商品。大体秋頃に発売されることが多いようですが、毎年楽しみに店舗に来る人も多いそうです。お値段は320円ですが、ドリンクとのセットで620円でいただけます。イータリーのカンノーリバーがあるのと同じグランスタ東京にも店舗がありますので、食べ比べてみるのも良いかも知れません。

創業70年の老舗イタリア料理店ANTONIO'S（アントニオ）は、レストランだけではなくカフェ業態やデリメニューも人気のお店。1944年にイタリア海軍のコックを勤めていたカンチェーミ・アントニオ氏が日本で創業してから、今でも当時の味を大切に守り続けているそうです。カフェアントニオのカンノーロもファンが多い名品の一つです。

カフェアントニオのカンノーロは、皮はシナモン風味で中に詰められているのはリコッタチーズだけではなくマスカルポーネも使用。そのためにかなり食べやすくなっています。トッピングは赤と緑のドレンチェリーでイタリアンカラーのおしゃれなビジュアルです。1本660円ですが、店舗でランチをしてデザートセットにすると500円だそうです。

ローマで160年以上愛されている老舗「bondolfi boncaffe」（ボンドルフィボンカフェ）は、2014年に日本に上陸したことで話題となりました。ボンドルフィボンカフェは歴史あるイタリアンブランドだけに、カンノーロはもちろんのこと日本ではなかなかお目にかかることができない珍しいイタリアの伝統的なスイーツがズラリと並んでいます。

イタリアを旅してカンノーロを食べ歩いているというファンからも、ボンドルフィボンカフェのカンノーロは本場シチリアに一番近い味だというお墨付きです。サクサクの生地には程よい甘みを加えたリコッタチーズクリームが入っており、トッピングは砕いたピスタチオ、オレンジピールとチョコレートの最強コンビ。お値段は430円です。

東京だけでなく大阪でカンノーロが買えるお店も紹介します。東京同様レストランのデザートとして見ることはあるのですが、やはりカンノーロはまだまだマイナーなお菓子。大阪でカンノーロといえば、阪急梅田店に入っているイタリアンドルチェのお店「amarena」（アマレーナ）。イタリアの伝統菓子を豊富に扱う人気のお店です。

アマレーナの本店は大阪ではなく芦屋。2008年のオープン以来、地元はもちろん遠方からもわざわざく足を運ぶ人気店。一軒家の1階は目移りするほどのイタリア菓子が並ぶパスティッチェリア、エスプレッソやお酒を楽しむバンコ、2階には本格イタリア料理をいただけるオステリアが全て入った名店です。大阪のお店もテイクアウトとして人気です。

アマレーナのカンノーロは名物商品の一つ。中のクリームはリコッタチーズだけではなく、蜂蜜、ドライフルーツ、カスタードクリームが混ざったもの。生地はパリパリサクサク、たっぷりのクリームでお値段275円とコストパフォーマンスも大阪ならでは。チョコレート、 ピスタチオクリーム、オレンジクリームなど複数の味があります。

大阪で美味しいカンノーロがテイクアウトできるお店として密かな話題を集めているのが「SICILIAMO」（シチリアーモ）です。シチリアーモのカンノーロは、今のところ催事でのみ手に入れられる貴重な存在です。シチリアーモは、大阪北堀江にある5年連続ミシュランビブグルマンを受賞した人気シチリア料理レストランのお菓子専門店です。

シチリアーモのカンノーロは350円からで、シンプルなリコッタチーズクリームはもちろん、ピスタチオ、レモンカスタード、ヘーゼルナッツ＆チョコレートの4種類。イベントによってバリエーションが異なるかも知れませんので、開催情報と合わせてホームページを要チェックです。生地にはイタリアの小麦粉と赤ワインを使用しているそうです。

カンノーロの作り方は意外と簡単です！小麦粉、卵黄、砂糖、マルサラ酒、塩少々をよく混ぜ、均一になるようにこね、ラップをし、少し寝かせた後、薄く延ばして金型をに巻き付けて揚げていきます。もし餃子や春巻きを作った際に皮が泡ったら。おなじ用に型に巻き付け、端同士を水で貼り、筒状にして揚げることでも似たように作ることができます。

カンノーロを美味しく焼くことができるアイテムはアルミホイルです。

現在カンノーロを作る際にほとんどの場合専用の金属でできた型が仕様されています。しかし、日本ではなかなか手に入りません。そこでアルミホイルを多めに取り、生地の大きさに合わせて筒状にすることで代用することができます。

映画ゴッドファーザーでもお馴染みのシチリアの伝統菓子カンノーロは、テイクアウトで買えるお店は東京でも大阪でもまだまだ珍しいと言われています。とはいえ、先日オープンしたカンノーリバーを見ていると今後ブームのくる一押しスイーツなのではないかと感じられます。まだ食べてことがないという人は是非トライしてみて下さい。